情報提供用資料欧州かわら版 2016年6月6日 OECDとECBがユーロ圏経済の見通しを上方修正先週、経済協力開発機構（OECD）が世界経済に関する報告書を公表しました。2016年の世界経済の成長率は、前回の2月の見通しである前年比プラス3.0％に据え置かれましたが、米国は同2.0％から1.8％に、日本は同 0.8％から0.7％に下方修正されました。それに対してユーロ圏は同1.4％から1.6％に上方修正されました。また、先週開かれた欧州中央銀行（ECB）の政策理事会と同時に発表されたECBのスタッフ見通しでも、2016 年のGDP成長率の予想が同様にプラス1.4％から1.6％に上方修正されました。低金利による経済の下支えに加え、原油価格の低下や堅調な労働市場を背景として消費が回復していることなど、これまで期待されていた景気に対するプラス要因が顕在化し始めたことが上方修正の要因となっています。 OECDの報告書では世界経済は構造改革が遅れており、金融政策に頼った政策の限界が指摘されました。ECBのドラギ総裁も記者会見で、ユーロ圏諸国での構造改革の遅れを指摘しました。金融政策から財政政策や構造改革へと政策が進むことが望まれますが、本格的な景気回復軌道に乗るまでは、マイナス金利を含む低金利政策などの金融政策による下支えが続きそうです。 2016年成長率予想の比較（OECDの2月予想と6月予想） (%) 欧州中央銀行（ECB）のスタッフ見通しの推移 GDP成長率予想(%) 年発表年月インフレ率予想(%) 失業率予想(%) 2016 2017 2018 2016 2017 2018 2016 2017 2018 1.9 1.7 1.7 1.4 1.6 2.0 1.8 1.9 1.7 1.7 NA NA NA 1.8 1.7 1.5 1.1 1.0 0.1 0.2 1.8 1.7 1.6 1.3 1.3 NA NA NA 1.6 1.6 10.6 10.6 10.5 10.4 10.2 10.0 10.1 10.1 10.2 9.9 NA NA NA NA 9.5 2015年6月 2015年9月 2015年12月 2016年3月 2016年 6月出所: 経済協力開発機構（OECD）、欧州中央銀行（ECB）の資料をもとに NNインベストメント・パートナーズ株式会社が作成欧州市況データ基準日： 2016/06/03 *1 リート欧州リート *2 3ヶ月 6ヶ月 1年 886.14 ‐2.5% 1.7% 4.3% ‐6.0% ‐3.5% 0.9% 1.5% 6.6% 9.2% 8.8% 114.80 ‐2.4% 1.5% 0.3% ‐8.5% ‐14.5% *4 10,103.26 6,209.63 121.09 154.73 ‐1.8% ‐1.0% ‐1.1% ‐4.1% 1.8% 0.4% ‐1.2% ‐0.1% 3.6% 1.3% ‐2.8% ‐4.0% ‐6.4% ‐1.0% ‐9.7% ‐16.7% ‐11.5% ‐10.7% ‐13.6% ‐18.8% 106.53 ‐3.4% ‐0.1% ‐6.3% ‐13.1% ‐14.3% 0.07% 1.28% ‐0.07% ‐0.16% ‐0.13% ‐0.25% ‐0.10% ‐0.16% ‐0.60% ‐0.61% ‐0.81% ‐0.80% 1.70% ‐0.15% ‐0.10% ‐0.13% ‐0.61% ‐0.66% 4.66% ‐0.14% ‐0.14% ‐1.37% ‐0.46% 0.28% ドイツ株式 *5 英国株式ユーロ英ポンド（ご参考）米ドルドイツ 1ヶ月 661.08 欧州株式為替（対円） 1週間 *3 （ご参考）米国リート株式騰落率（現地通貨ベース、利回りは変化幅）基準日終値 *6 10年国債英国*7 利回り（ご参考）米国 *9 欧州ハイイールド債指数利回り *8 出所:ブルームバーグのデータをもとにNNインベストメント・パートナーズ株式会社作成。 *1)欧州リート：FTSE EPRA/NAREIT Developed Europe REITs Index(ユーロベース）、*2)米国リート：FTSE NAREIT All Equity REITs Index（米ドルベース）、*3)欧州株式：MSCIヨーロッパ指数（ユーロベース）、 *4)ドイツ株式：DAX指数(ユーロベース）、*5)英国株式：FTSE100指数（英ポンドベース）、*6)ブルームバーグ･ジェネリックドイツ10年国債利回り（ユーロベース）、*7)ブルームバーグ･ジェネリック英国10 年国債利回り（英ポンドベース）、*8)ブルームバーグ･ジェネリック米国10年国債利回り（米ドルベース）*9)バンクオブアメリカ・メリルリンチ欧州ハイ・イールド・コンストレインド（除く金融劣後債）の利回り（YTW） ※ 騰落率の計算等は応当日が休日の場合、前営業日の値を使用しています。上記は作成時点のものであり、将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。上記の予測・見解等は作成時点のものであり、予告なしに変更されます。次ページの本資料の注意事項を必ずご確認ください。 NNインベストメント・パートナーズ株式会社⾦融商品取引業者、関東財務局⻑（⾦商）第300号加⼊協会／⼀般社団法⼈投資信託協会、⼀般社団法⼈⽇本投資顧問業協会、⽇本証券業協会ホームページ www.nnip.co.jp 電話番号 03‐5210‐0653 9:00～17:00 土、日、祝日、年末年始を除く 1 欧州かわら版 2016年6月6日先週の欧州市場先週の欧州株式市場は下落しました。火曜日に中国の財新が発表した企業の景況感指数（PMI）が市場の予想を下回ったことやイタリアの銀行の資本問題などから下落しました。木曜日の欧州中央銀行（ECB）の政策理事会では金融政策に変更はなく、市場に対する影響は限定的でしたが、週末に発表された米雇用統計が市場の予想を下回って景気回復に対する懸念が大きくなったため、下落して週末を迎えました。リート指数は金利低下を受けて週末にやや戻したものの、株式市場と同様の下落率となりました。情報提供用資料 ●ドイツ10年国債利回りの推移（2015年5月29日～2016年6月3日）債券市場は、ECBの政策理事会後にインフレ期待の後退が改めて市場に広がったほか、米雇用統計を受けて米国金利が低下したことから買われました（利回りは低下）。英国国債は欧州連合（EU）からの離脱をめぐる不透明感も上昇要因となりました。外国為替市場では投資家のリスク回避姿勢が強まって円が買われ、金曜日の米雇用統計発表後は大きく円高が進みました。英ポンドは世論調査でEU離脱派が残留派を上回ったとの結果を受けて売られました。出所:ブルームバーグのデータをもとにNNインベストメント・パートナーズ株式会社作成今週・来週の主な予定今週来週日にち 6月6日 6月7日 6月7日 6月8日 6月9日 6月9日 6月10日 6月14日 6月14日 6月15日 6月16日 6月16日 6月16日 6月17日国・地域ドイツドイツユーロ圏英国ドイツ英国ドイツ英国ユーロ圏英国英国ユーロ圏英国ユーロ圏イベント製造業受注鉱工業生産 GDP成長率鉱工業生産貿易収支貿易収支消費者物価指数消費者物価指数鉱工業生産失業保険申請件数など雇用統計小売売上高消費者物価指数ｲﾝｸﾞﾗﾝﾄﾞ銀行金融政策委員会ﾕｰﾛ圏経常収支コメントデータ期間 4月 4月第1四半期消費や投資など、内訳も発表 4月 4月 4月 5月 5月 4月 5月 5月 5月製造業生産も発表改訂値国民投票前の声明が注目される 4月出所:ブルームバーグ等のデータをもとにNNインベストメント・パートナーズ株式会社作成上記は作成時点のものであり、将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。上記の予測・見解等は作成時点のものであり、予告なしに変更されます。本資料の注意事項を必ずご確認ください。【本資料で使用している指数について】FTSE®は、London Stock Exchange Groupの会社が所有する商標であり、NAREIT®はNational Association of Real Estate Investment Trusts（以下「NAREIT」）が所有する商標であり、そしてEPRA®はEuropean Public Real Estate Association（以下「EPRA」）が所有する商標であり、ライセンス契約に基づき、FTSE International Limited（以下「FTSE」）が使用します。FTSE EPRA/NAREIT Developed Europe REITs Index、FTSE NAREIT All Equity REITs Indexは、FTSEが算出を行います。FTSE、NAREIT、Euronext N.V.、もしくは EPRAは、本商品のスポンサー、保証、販売促進を行っておらず、さらにいかなる形においても本商品に関わっておらず、一切の責務を負うものではありません。インデックスの価格および構成リストにおける全ての知的所有権はFTSE、Euronext N.V.、NAREIT、そしてEPRAに帰属します。MSCIヨーロッパ指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権、その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。東証REIT指数は、株式会社東京証券取引所（以下（株）東京証券取引所）の知的財産であり、この指数の算出、指数値の公表、利用など東証REIT指数に関するすべての権利は（株）東京証券取引所が有しています。（株）東京証券取引所は、東証 REIT指数の算出、公表の方法の変更、公表の停止、商標の変更、使用の停止を行なう権利を有しています。バンクオブアメリカ・メリルリンチ欧州ハイ・イールド・コンストレインドはバンクオブアメリカ・メリルリンチが算出する指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利は同社に帰属します。【本資料に関する留意事項】本資料は、NNインベストメント・パートナーズ株式会社が情報提供のみを目的として作成したもので、いかなる有価証券等の売買の勧誘を目的としたものではありません。一般的または特定の投資助言を行うものでもありません。本資料は、信頼できると判断した情報源から入手した情報・データ等をもとに作成しておりますが、これらの情報・データ等また本資料の内容の正確性、適時性、完全性等を保証するものではありません。情報が不完全な場合または要約されている場合もあります。本資料記載の統計等のうち作成者・出所が明記されていないものは、NNインベストメント・パートナーズ株式会社あるいはその関連会社により作成されたものです。本資料に掲載された見解や予測は、本資料作成時における判断であり、予告なしに変更されることがあります。NNインベストメント・パートナーズ株式会社とその関連会社等は、本資料の利用に起因する、いかなる直接・間接の損害にも責任を負いません。過去の実績は将来の成果を予測あるいは保証するものではありません。 2