Just a Old Fashioned !? 三井精機 ジグボーラー 4B-MD

ちょっと古いですが!?
ジグボーラーはいらない?そんなことはありません
Just a Old Fashioned !?
三井精機 ジグボーラー 4B-MD 整備中古のご紹介
まず、どんな機械か写真と動画をご覧下さい、さらに、次ページをお読み下さい
大橋機械は「機械の目利き」としてジグボーラーの価値に注目し、丹念に整備し、直し、精度を調べ、
自信を持って整備中古機として「技術志向」のお客様に紹介しています
ジグボーラをお薦めする根拠を申し上げますと
1) これまで多くのジグボーラを手掛けた経験で精度維持/精度寿命に問題がないことが分かっている
2) 新品の価格に対して価格の下落率が大きい、つまり、機械の価値に対して実勢価格が安い
工作機械は長寿命でなくてはなりません、しっかりした技術を持つ著名工場ではジグボーラは工場の
基準機としてオーバーホールを行って整備して長期間使い続けることがあたりまえです
整備ジグボーラをどのように使ってゆくか、これには、いろいろな用途が考えられます
やはり、ジグボーラが持っている特性と精度を加工に反映させたプレミアムな使い方でゆく
機械を熟知している技術屋ならではの使い方でしっかり稼ぐ これが理想です
4B-MDの仕様
門幅 660mm
門型ダブルコラム 3点支持
熱対称 熱源/振動源分離
機械重量 2500Kg
テーブル 760 x 520 (660 x 420)mm
加工能力 孔明けΦ 25mm
ボーリングΦ 110mm
主軸 MT No,3 引きねじ 無段変速
L = 40~300 H = 300~2000rpm
主モートル 1,5Kw Kop変速機
クイル Φ
クローム仕上げ
クイル上下移動量 150mm
クイル上下自動送り
0.02 0,03 0,05 0,08 0,12 0,2mm/rev
X テーブル前後 移動量 600mm
Y 主軸頭左右
移動量 400mm
XY軸 フライス送りあり 微動送りあり
Heidenhain1μ デジタル読み取り2軸
横架上下早送り 移動量 460mm
主軸端~テーブル上面
実機の塗装色はダークグレイです
460mm
付属品 工具 1式 キャビネット入り
円テーブル付
ここにご紹介する機械# は東北リコー殿の設備機で、整備を完了しています、次ページの写真と映像を
ご覧下さい、実に良い機械かお分かり頂けると思います、何時でも運転可能です
弊社に到着した時おどろいたのは摺動面にもテーブルにもわざわざアルミのカバーを造って保護して
出してくれたことです、付属品もすべて整理してあり、出す機械をここまで大切にしてくれた会社は、
これまで、ありませんでした、きっとこの機械を使ってきた職人がよほど几帳面な方だったのでしょう
なぜ「整備ジグボーラー」には価値があるのか その理由
1)マザーマシン
ジグボーラーはマザーマシンと呼ばれ最も高い精度をもった工作機械である、一般工作機
械との違いは、正しい測定系が機械に組み込まれており、機械精度が保障されていることです
精度のためにジグボーラーは吟味された材料、実証済みの設計、丹念な加工と工程そして技能士
による「きさげ」によって測りながら仕上げられる、つまり、これ以上ない造りで製造されている
さらに、精度の基準機として精度維持の点でも最大限の「備え」がしてある、ここが整備ジグボーラを
お薦めする理由です
2) 長い寿命 本物は何時までも精度が落ちない、つまり「精度寿命」が長い
私達は何百台もの工作機械を手掛け、ジグボーラーの精度が落ちないことを経験で知っています
① 精度を保証し維持するための構造 熱対称 振動源/熱源の分離
② 機械の土台であるベッドは3点支持でどんな風に置かれていても「ねじれ」が生じない
③ 吟味された材料丹念な製造工程は機械にストレスを与えない 機械の変形が極めて少ない
④ 摺動面はすべて熟練と手間を要する「きさげ」で仕上げられている、しかもオーバーハングは無い
きさげは高い幾何精度を出すために必要なばかりではなく、無数の「油溜まり」をスライドウェイ全長
にわたって形成し機械は滑るように動く、摩耗は最小に抑えられ 長く使っても偏摩耗が出ない
3) 選ばれた技能者 よい機械とよい使い手
ジグボーラーは高価な機械であるため造るのも、使うのも「選ばれた技術者」だけに許される機械でした
高い技能で、無理せず、ぶつけず、きちっとメンテして、その工場の基準機として大切に使われる
これがジグボーラーの使われ方だと思います
4) ジグボーラーは使うのが難しい?そんなことはありません
ジグボーラーを使うには訓練が要る?フライス盤の方が使いやすく現実的だ、こう考える方が多いのも
事実だ、だが、よく考えて欲しい、これからは「精度に価値をおくモノ造り」であり、絶対の幾何精度で
勝負してゆくのも悪くはないでしょう
小生は古い機械やジグを集め機械時計を復活したスイスの独立時計師にモノ造りの将来を見出したい
じっくり行く本格派の皆さん、よそで出来ない絶対の技術を持ちたいと考えている皆さんには
ジグボーラーの操作で違和感は感じないでしょう
5) 機械から学ぶ 所有して価値がある
ジグボーラーは「一から精密技術に取り組みたいと考えている若い技術者の皆さん」には特に推薦した
い機械です、私は先輩の技術者達から「機械から学べ」と教わって来ました、精密機械の基礎を知らず
に精密加工はあり得ないということです、そのためには学び甲斐のある機械と格闘して頂きたいもので
す、ジグボーラーは機械のジオメトリー、熱挙動、切削現象の観察、測定など技術者が身につけるべき
最高の規範となる機械だと考えられます
6) 整備ジグボーラーの使い方とお薦め
このようにジグボーラーは先進国のトップメーカーでしか造ることが出来なかった「機械の王様」です
位置、直角度、平坦度、孔の真円度など幾何精度でジグボーラーに勝る機械はありません
ところが「自動化」や「マニュアル化」「デジタル化」の進展とともに職人が退社したり、機械を知らない
連中が効率化を言いだして場所を空けるために出してしまう、中古業者は商売にしか興味がないため
ジグボーラはいわゆる売れ筋ではない機械とされ、そのため、よい機械が比較的安く入手出来るのです
新品価格で\40,000,000-もした機械が中古ジグフライス盤程度の価格で買える理由はここにあります
私共は機械の目利きとしてこれを見過ごすわけにはゆかない、こう考えていますので、自然と良い機械
の情報が入ってきます、汗だくになって手をかけるような機械ではだめなんです、整備に手をかければ
その分高くなってしまいます、例えればジグボーラーにはオーバーホールを繰り返しながら使って行く
機械式時計の王様 ロレックスのような価値がある、こうお考え頂いたらどうでしょうか
クローム仕上げの主軸クイル
X軸スライド
テーブルのへール仕上げ面
Y軸送りねじ
フラット側キサゲ
きさげ ハンド スクレーピング
摺り合わせ
とは
一言で表現するとすれば 「機械に出来ない」平面度 直角度 真直度を得るための加工方法である
道具は1本のハンドスクレーパーだが熟練技能者にしかできない仕上げ技術の最高峰と言ってよいでしょう
「きさげ」は少しづつ工程をすすめ、最後に
目的の精度に達する原理「サクセッシブ
アプロクシメーション」の代表的技術です
「きさげの手間とお金と引き換えに」
なにが得られるのでしょう
1)真っすぐ⇒はしり/WAY
2)真っ平ら⇒定盤 構造物の結合面
3)無数の油溜まりの形成⇒すべり面
4)わずかなカーブ(傾向つけ)の形成
⇒荷重や応力による変形を考慮し
⇒初期摩耗を読み込んで
⇒たわませてプリロードをかける
(例)たわみに対して中高傾向の
走りを形成する
週刊新潮の記事から
「きさげ」で実現される精度はどの位か
(例)長さ3mの「はしり」で許容誤差は
2~3μ(1962年機械技術誌)
きさげ職人はどの位の「かげん」で
1μ削れるかを体で覚えている
1mの鉄は1°の温度変化で10μ
伸び縮みするから、幾何学的に
正しいミクロン台の精度を得るには
熱が出ず、「かげん」がきく
「きさげ」がどうしても必要です
「きさげ一突き」
で削れる金属はごくわずか
そのため加工物にストレスを与えない
熱も出さない唯一の工法
「きさげの坪あたり」
1インチ角の面積にどれだけ接触面が
あるのか、あたりの数(密度)が多い
ほど面の接触具合がよく、高精度と
考えられます
熟練きさげ師は1坪のあたりで「その
人を示す」模様をつけるそうです
「なぜ摺り合わせと言のでしょう」
きさげを施した面に光明丹などを薄く
塗ってストレッチなどのマスターと
摺り合わせ(擦る)精度やあたりを
確認しながら仕上げてゆく