長万部町創生総合戦略

長万部町創生総合戦略
平成27年10月
目
1
次
基本的な考え方 ...................................................... 1
(1)戦略策定の趣旨
(2)戦略の対象期間
(3)戦略推進の考え方
2
基本戦略と施策 ....................................................... 4
戦略1:新幹線を核としたまちづくりを進める ............................. 6
① 北海道新幹線開業効果の呼び込み
② 札幌延伸を見据えたまちづくりの推進
戦略2:東京理科大学と連携したまちづくりを進める ....................... 8
① 大学との連携・協働による地域の活性化
② 人材育成や学術文化交流での連携強化
③ 東京理科大学が立地する葛飾区との交流推進
戦略3:地域経済を活性化し、安定した雇用を創出する .................... 10
① 農林水産業の成長産業化
② 6次産業化の推進
③ 商店街空き店舗の利活用促進
④ 地域資源を活かした観光地づくり
⑤ エネルギー資源を活用した産業開発
戦略4:新しい人の流れをつくる ........................................ 13
① 交流人口の拡大
② 移住・定住の促進
戦略5:若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる .................. 15
① 子育て支援体制の充実
② 魅力ある高校としての教育環境の充実
戦略6:安心して暮らせる生活環境づくりや地域間の連携を進める .......... 17
① 生活交通の維持・確保
② 防災体制の強化など地域の安全・安心の確保
③ 安心できる医療や福祉サービスの確保
④ 近隣市町村との連携・交流
1
基本的な考え方
(1)戦略策定の趣旨
我が国における急速な尐子高齢化の進展に的確に対応し、地方の人口の減尐に
歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地
域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していく
ことを目的として、平成 26 年 11 月に「まち・ひと・しごと創生法」が制定され
ました。
この法律の第 10 条には、市町村が、
「市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略」
の策定に努めなければならないとされています。
本町においても、国が策定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」や「北海
道創生総合戦略」を勘案するとともに、本町の人口の現状分析と将来展望を示し
た「長万部町人口ビジョン」を踏まえて、人口減尐と地域経済縮小の克服、まち・
ひと・しごとの創生と好循環の確立を目指した施策を総合的かつ計画的に推進す
るため、本戦略を策定するものです。
(2)戦略の対象期間
戦略の期間は、平成 27 年度(2015)から平成 31 年度(2019)の5年間とします。
(3)戦略推進の考え方
① 全町一丸となった施策の推進
本戦略は、産官学金労言といった幅広い参加者からなる「長万部町創生総合戦
略推進協議会」で検討を行うとともに、関係団体への意見照会や町民に対するパ
ブリックコメントを実施するなど、多様な意見の反映に努めたところです。
人口減尐の危機を乗り越え、まちを活性化していくためには、町民、NPO、関
係団体や民間事業者等の主体的な取組と相互の連携が重要であることから、様々
な知恵を結集しながら、全町あげて目標達成に向けた施策を推進します。
② 北海道や近隣市町村との連携
施策の推進にあたっては、北海道の総合戦略との連携を図るとともに、近隣
市町村との様々な広域連携の取組をさらに発展させ、施策の相乗効果と行政運
営の効率化が図られるよう取り組みます。
1
③ 総合計画との関係
平成23年に策定された第3次長万部町まちづくり総合計画では、平成32
年度を計画期間として、施策展開の方向と達成すべき施策目標をとりまとめて
います。
今回の総合戦略は、人口減尐と地域経済縮小の克服に主眼をおいて、戦略的
な施策展開を進めるものであり、今後は総合計画と一体となってまちづくりを
進めます。なお、社会情勢の変化も踏まえ、関連施策については総合計画の目
標の見直しを行っています。
④ PDCA サイクルの確立
戦略の推進にあたっては、効果を検証し改善を図る PDCA サイクルを確立し、
必要に応じて戦略の見直しを行うなど、実効性のある取組を進めます。
また、それぞれの施策に対して、客観的な重要業績評価指標(KPI)を設定し、
目標の達成度合いを検証します。
※PDCAサイクル:Plan-Do-Check-Action の略称。
Plan(計画),Do(実施),Check(評価),Action(改善)の4つの視点を
プロセスの中に取り込むことで,プロセスを丌断のサイクルとし,継続的
な改善を推進するマネジメント手法。
※重要業績評価指標(KPI):Key Performance Indicator の略称。
施策ごとの進捗状況を検証するために設定する指標をいう。
2
【まち・ひと・しごと創生法及び国の総合戦略の基本的考え方等】(参考)
1「まち・ひと・しごと創生法」
(関係条文抜粋)
第 10 条 市町村(特別区を含む。以下この条において同じ。)は,まち・ひと・しごと創
生総合戦略(都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略が定められているときは,まち・
ひと・しごと創生総合戦略及び都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略)を勘案して,
当該市町村の区域の実情に応じたまち・ひと・しごと創生に関する施策についての基本
的な計画を定めるよう努めなければならない。
2「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本的考え方
1.人口減尐と地域経済縮小の克服
○地方は、人口減尐を契機に、
「人口減尐が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小が人
口減尐を加速させる」という負のスパイラルに陥るリスクが高い。
○人口減尐克服・地方創生のためには、3つの基本的視点から取り組むことが重要。
①「東京一極集中」の是正、
②若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、
③地域の特性に即した地域課題の解決
2.まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立
◎「しごと」が「ひと」を呼び、
「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立するとと
もに、その好循環を支える「まち」に活力を取り戻す。
①しごとの創生:若い世代が安心して働ける「相応の賃金、安定した雇用形態、やり
がいのあるしごと」という「雇用の質」を重視した取組が重要。
②ひとの創生:地方への新しい人の流れをつくるため、若者の地方での就労を促すと
ともに、地方への移住・定着を促進する。安心して結婚・出産・子育てができるよ
う、切れ目ない支援を実現する。
③まちの創生:地方で安心して暮らせるよう、中山間地域等、地方都市、大都市圏等
の各地域の特性に即して課題を解決する。
3.まち・ひと・しごとの創生に向けた政策5原則
○人口減尐克服・地方創生を実現するため、5つの政策原則に基づき施策を展開する。
①自立性
・構造的な問題に対処し、地方公共団体、民間事業者、個人等の自立につながる。
②将来性
・地方が自主的かつ主体的に、夢を持って前向きに取り組むことを支援する。
③地域性
・各地域の実態に合った施策を支援。国は支援の受け手側の視点に立って支援。
④直接性
・最大眼の成果をあげるため、直接的に支援する施策を集中的に実施する。
⑤結果重視
・PDCA メカニズムの下、具体的な数値目標を設定し、効果検証と改善を実施する。
3
2
基本戦略と施策
北海道の人口は全国より 10 年早い 1997 年をピークに減尐に転じ、現在も全国を
上回るスピードで人口減尐が進行しています。
本町においても、1965 年の 15,349 人をピークに減尐を続け、2010 年には 6,386
人と、ほぼピーク時の4割の水準となっています。この度策定した「長万部町人口
ビジョン」では、さらなる人口減尐が想定されることから、今後のまちづくりに向
けて、町民一人一人が危機感を共有し、総合的かつ戦略的な対策を講じていく必要
があります。
(取組の視点)
今後の人口の将来展望を踏まえると、人口減尐を緩和する取組とともに、人口減
尐に即した効果的・効率的なまちづくりが求められます。また、人口減尐に立ち向
かうためには、自然減と社会減それぞれ両面からの対策が必要です。
こうした観点から、若者が安心して働ける雇用の場の確保、移住・定住の促進や
交流人口の拡大、出生率の向上など抜本的な尐子化対策、高齢者をはじめとする町
民が安心して暮らせる環境づくりなど、国や道の取組との連携や各施策間の連携に
十分留意しながら、取組を進めます。
また、「おしゃまんべ」というブランド、知名度を最大限活かしながら、
・ 来年 3 月の北海道新幹線開業と 2030 年度末までの新幹線長万部駅開業
・ 来年開設 30 年を迎える東京理科大学長万部キャンパスの存在
・ 内浦湾を望む景観や温泉、食、豊かな自然環境といった地域資源
・ ホタテ養殖に代表される水産業、酪農、森林資源など一次産業の基盤
といった、本町の強み・発展基盤をさらに強化し、まちの活性化を進めていくこと
が重要です。
(長万部町創生のための基本戦略)
以上の視点を踏まえ、総合戦略の柱となる基本戦略は、次ページのとおり、国の
総合戦略が定める4つの基本目標をベースとして、本町のまちづくりに欠かせない
重点的な取組である「新幹線を核としたまちづくり」、
「東京理科大学との連携」の
2つを加えた6つの戦略を設定し、総合的に施策を推進します。
また、この総合戦略は、6つの基本戦略ごとに、今後5カ年の数値目標、施策の
基本的方向、具体的な施策と重要業績評価指標で構成しています。
4
■ 国の総合戦略が定める4つの基本目標
<基本目標①> 地方における安定した雇用を創出する
2020年までの5年間の累計で地方に30万人分の若者向け雇用を創出
<基本目標②> 地方への新しいひとの流れをつくる
2020年に東京圏から地方への転出を4万人増、地方から東京圏への転入を
6万人減少させ、東京圏から地方の転出入を均衡
<基本目標③> 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
2020年に結婚希望実績指標を80%、夫婦子ども数予定実績指標を95%に向上
<基本目標④> 時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、
地域と地域を連携する
「小さな拠点」の整備や「地域連携」を推進する。目標数値は、地方版総合
戦略の状況を踏まえ設定。
■
長万部町創生のための基本戦略
戦略① 新幹線を核としたまちづくりを進める
戦略② 東京理科大学と連携したまちづくりを進める
戦略③ 地域経済を活性化し、安定した雇用を創出する
戦略④ 新しい人の流れをつくる
戦略⑤ 若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
戦略⑥ 安心して暮らせる生活環境づくりや地域間の連携を進める
5
戦略1:新幹線を核としたまちづくりを進める
(1)数値目標(平成 31 年度)
・長万部駅利用者の 20%増 (H26:約 7 万人)
・観光入りこみ客数の 20%増(H26:約 50 万人)
(2)基本的方向
北海道新幹線は平成 28 年 3 月に新青森・新函館北斗間が開業し、長万部駅を
含む、新函館北斗・札幌間は、平成 42 年度末(2030 年度末)までの開業が予定
されています。
北海道新幹線の新函館北斗までの開業を契機として、その効果を最大限呼び込
み、地域に波及させるための取組を進めます。
また、札幌までの開業時には、札幌や函館、本州への所要時間が大幅に短縮さ
れるとともに、長万部駅は胆振・日高や後志管内、北渡島・檜山北部地域などと
いった広い範囲からの利用が見込まれる玄関駅となり、広域観光拠点としての役
割が期待されることから、札幌延伸を見据えた計画的なまちづくりを進めます。
(3)主な施策と重要業績評価指標
① 北海道新幹線開業効果の呼び込み
◎新幹線の開業効果を高めるイベントや記念行事の実施
北海道新幹線新青森・新函館北斗間の開業効果を呼び込み、最大限に生か
すため、開業 100 日前イベントをはじめ各種記念行事を継続的に実施します。
◎新幹線開業を踏まえた宣伝誘致活動の実施
新幹線開業を契機として、長万部町を積極的にPRし、観光客などの呼び
込みを図るため、沿線自治体や周辺自治体とも連携して、各種イベント等に
おいて、宣伝誘致活動を実施します。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
目標値(H31)
・開業記念イベントの継続実施
-
1 回/年
・沿線自治体等と連携した宣伝誘致活動
-
2 件/年
6
② 札幌延伸を見据えたまちづくりの推進
◎新幹線を核としたまちづくり実行計画の策定
将来の新幹線開業を見据えて、ハード・ソフト両面でのまちづくりを計画
的に推進させるため、そのビジョンとなる「新幹線を核としたまちづくり実
行計画」を策定します。
◎新幹線長万部駅及び周辺地区の整備構想の策定
「新幹線を核としたまちづくり実行計画」に基づき、乗降客数や交通量推
計を行い、駅舎や駅前広場、アクセス道路等の整備構想を策定します。
◎新幹線長万部駅開業に向けた環境整備や事業の推進
開業に向けて、広域観光の推進や 2 次交通を充実させるための環境を整備
するとともに各計画に基づいた事業をハード・ソフト両面で実施します。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・まちづくりの将来構想に対する期待度
7
-
目標値(H31)
80%
戦略2:東京理科大学と連携したまちづくりを進める
(1)数値目標(平成 31 年度)
・東京理科大学との連携事業の立ち上げ 3 件
(2)基本的方向
平成28年度に長万部キャンパス開設30年を迎える東京理科大学とは、地方
創生を目指した教育、研究、社会貢献活動において相互に連携・協力する包拢連
携協定を締結しています。
今後、大学の研究成果や技術、人的資源や知的財産をまちの施策に生かし、産・
学・官が連携した取組を一層進めることにより、地域の活性化を図ります。
(3)主な施策と重要業績評価指標
① 大学との連携・協働による地域の活性化
◎大学との共催による各種イベントや記念事業の実施
全国の企業家となった東京理科大学の卒業生による「長万部地方創生サミ
ット」や長万部キャンパスの開設 30 年記念行事など、大学と連携し、各種
共催事業を実施します。
◎大学の研究部門との連携強化
東京理科大学研究戦略・産学連携センターや研究推進機構の「長万部地域
社会研究部門」との連携を強化し、町の資源を生かした各種調査・研究及び
事業化を推進します。
◎産・学・官の連携による事業展開
町、民間企業及び東京理科大学が連携した事業コンソーシアムを設立し、
太陽光や温泉熱など地元資源を活かした再生可能エネルギーと大学の研究
成果を活用した高度な農業生産システムを融合した「先進的アグリビジネス
事業」を展開します。
◎大学本部機能のバックアップ体制の構築や研究施設の誘致
東京都葛飾区にある東京理科大学の本部機能を、自然豊かで同時被災の可
能性が低い長万部町でバックアップするための体制構築を提案するととも
に、「光触媒研究センター」など大学の研究施設の誘致を行います。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・大学との共催によるイベント等の開催
・先進的アグリビジネス事業での量産
-
-
目標値(H31)
2 件/年
栻培面積 100 アール
出荷量 4 トン
8
・再生可能エネルギー量産開始による経費削減
-
50%
② 人材育成や学術文化交流での連携強化
◎各種シンポジウムの開催や小中高生への学習支援活動の実施
東京理科大学の研究成果を発表するシンポジウムの開催や、町内の児童、
生徒を対象とした「理科教室・科学教室」や「勉強サークル」、英語教育、
文化活動などの実施を支援するとともに、連携強化を図ります。
◎高大連携の推進
長万部高校から東京理科大学へ進学する生徒を継続的に供給できる高校
の指導体制を充実させるため、東京理科大学教員や学生等による「(仮称)
放課後進学コース」を開設し、長万部高校の進学コースの充実を図ります。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・シンポジウムや学習支援活動への参加者
・「(仮称)放課後進学コース」の受講者
・国公立大学への進学者
約 100 名(H26)
-
1 名(H26)
目標値(H31)
2倍
5名
3名
③ 東京理科大学が立地する葛飾区との交流推進
◎葛飾区産業フェアへの参画など交流事業の推進
都市と地方との交流促進を図るため、東京理科大学の本部キャンパスがあ
る東京都葛飾区が開催する「葛飾区産業フェア」や葛飾キャンパスで毎年開
催されている「ホームカミングデー」に参画するなど、葛飾区との交流を進
めます。
◎葛飾区民を対象としたまちの魅力発信や観光への働きかけ
葛飾区との交流を促進させ、交流人口の増大や町特産品の販路拡大等を図
るため、イベント等を通じて町の魅力を発信するとともに、長万部町への訪
問を働きかけます。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・葛飾区との交流事業の実施
-
9
目標値(H31)
2 件/年
戦略3:地域経済を活性化し、安定した雇用を創出する
(1)数値目標(平成 31 年度)
・総合戦略による雇用を 22 人創出
・観光入りこみ客数の 20%増(H26:約 50 万人)
(2)基本的方向
人々が本町に定着するためには、地域経済を活性化し、生活の糧となる安定的
な所徔が徔られる雇用の創出が重要です。
このため、本町の基幹産業である農林水産業について、6次産業化など高付加
価値化の推進や就業環境の向上に取り組み、成長産業化を図ります。
また、地域の資源を活かした食や特色ある観光、魅力ある商店街や温泉街を一
体的に活性化させる取組を進めます。
(3)主な施策と重要業績評価指標
① 農林水産業の成長産業化
◎農業振興地域整備計画の策定
農業における担い手育成、経営規模拡大、生産性向上及び耕作放棄地の発
生防止や解消等を図るために、その前提となる整備計画を策定します。
◎新規就農者参画促進事業の実施
遊休農地の情報などを発信し、都市部からの新規就農者や他産業からの農
業事業への参画を促進させる取り組みを実施します。
◎酪農支援体制の強化
酪農などを営む経営者の労力負担軽減や機械・設備投資の抑制などによる
経営の安定化を図るため、農産物の集荷や耕起等の農作業の請負等を行う組
織(コントラクター)や混ぜエサを生産・供給する組織(TMRセンター)
の組織化の支援強化を図るとともに、高品質乳の安定生産を推進するため、
育成牛の通年管理の検討を進めます。
◎森林整備の促進
町有林一般造林事業や民有林整備事業、森林農地整備センター分収造林事
業を実施し、造林などの森林整備を促進します
◎水産業の振興
漁港の整備、漁場の保全、放流事業の推進や水産廃棄物リサイクル施設の
運営により、漁業経営の安定化による、生産性の向上を図ります。
10
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・農業の新規就農者
・農業生産法人設立
・農業製品出荷額
・造林面積
・漁業水揚額
-
4 法人(H27)
約 13 億円(H26)
約 89 百 ha(H26)
約 48 億円(H26)
目標値(H31)
1 戸増
6 法人
10%増
3%増
20%増
② 6次産業化の推進
◎地域の素材を活かした特産品開発と6次産業化の推進
農林水産業と加工販売の一体化を図り、農林漁業者の雇用と所徔を確保
するため、地域の素材を活かした特産品(長万部グルメ)開発に向けて、
地元事業者と連携した取組を進めます。
◎長万部の気候・風土にあった作物の栻培研究
町の新たな産業の創出を図るため、長万部の気候・風土にあった作物(メ
イプル、ハスカップ、薬草など)について生産者と連携して、適性栻培の
検討や課題について整理します。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・6次産業化を図るビジネスモデルの構築
-
目標値(H31)
1件
③ 商店街空き店舗の利活用促進
◎アンテナショップの開設支援等による商店街の活性化
空き店舗を借り上げアンテナショップ等として活用できるようにするな
ど、商店街空き店舗の利活用を推進するための調査等を行い、意欲のある起
業家の支援を図ります。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・空き店舗の解消
-
11
目標値(H31)
1件
④ 地域資源を活かした観光地づくり
◎観光プロモーションの実施や観光人材の確保・育成
北海道新幹線の開業効果を最大限に活かしていくため、地域の観光推進
体制の強化や広域の観光連携を推進します。また、観光プロモーションの
実施や観光に携わる人材の確保・育成についても一体的に推進します。
◎長万部の景観や温泉などの特色ある資源を活かした観光振興
良好な泉質を有する長万部温泉や二股らじうむ温泉(石灰華)等の利用促
進に向けて、民間事業者とも連携しながら、PRの強化や温泉の更なる活用
を推進します。
また、景観の優れた海岸線やホタルの里など、長万部の特色のある景観や
地域資源を活かした新たな観光振興策を推進します。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・観光に携わる人材の確保・育成
・新たな観光振興策の創出
-
-
目標値(H31)
5人
1件
⑤ エネルギー資源を活用した産業開発
◎再生可能エネルギーの普及促進
太陽光やバイオマス、温泉熱などを活用したエネルギーの地産地消に取り
組み、エネルギー自給率の向上、新たな産業の育成や雇用拡大を目指すとと
もに、水素社会実現に向けた研究を進めます。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・再生可能エネルギーの新規導入
12
-
目標値(H31)
2件
戦略4:新しい人の流れをつくる
(1)数値目標(平成 31 年度)
・総合戦略による移住・転入者を 85 人増
・観光入りこみ客数の 20%増(H26:約 50 万人)
(2)基本的方向
長万部町に新しい人の流れをつくり地域の活性化を図るためには、地域への積
極的なひとの呼び込みや「住みたい」と思えるようなまちづくりが重要です。
また、北海道新幹線の開業は大きなチャンスであり、開業による効果と交流人
口の拡大及び移住・定住を促進させる取り組みが相まって最大限の効果が発揮さ
れるよう取り組みます。
(3)主な施策と重要業績評価指標
① 交流人口の拡大
◎「おしゃまんべ毛がにまつり」などイベントの充実強化
地元特産品など地域資源を全国に発信する効果的なイベントとして定着
している「おしゃまんべ毛がにまつり」を充実強化するなど、イベントの開
催により、地域ブランドの発掘や販路開拓の創出、交流人口の拡大を進めま
す。
◎多目的活動センター「あつまんべ」を活用した各種イベントの開催
町民同士の交流または訪れた方と町民の交流を推進させるため、多目的活
動センター「あつまんべ」を活用した各種イベントの開催・支援を行います。
◎温泉施設を活用した合宿誘致
交流人口の拡大と施設の有効活用を図るため、スポーツ合宿と温泉施設を
組み合わせた各種団体の合宿誘致事業を推進します。
◎新たな物販・イベントスペース開設による賑わい創出
駅前の賑わい創出や北海道新幹線開業を見据えた観光交流機能のあり方
を検討するため、新幹線開業イベントとの連携も視野に入れ、駅前の町有地
等の新たなスペースにおける集客施設(長万部マルシェ)開設にむけた取組
を推進します。
◎高速道路通過客の町内呼び込み促進
ドライブイン街や町内商店の活性化と消費拡大を図るため、立ち寄りチケ
ットや割引商品券などの発行により、高速道路の通過客(長万部~国縫間)
を町内に呼び込む施策を推進します。
13
重要業績評価指標(KPI)
項
目
・イベントの集客
・温泉入り込み客数
・物販等集客施設の開設
基準値
目標値(H31)
約 1.5 万人(H26)
約 27 千人(H26)
-
2.0 万人
20%増
1件
② 移住・定住の促進
◎「空き家バンク」や「移住ナビ」の整備など情報発信の強化
移住を考えている人へ町の魅力や移住の情報を伝えるため、町の空き家情
報を掲載する「空き家バンク」や国において整備している「移住ナビ」など
を活用した情報発信を強化します。
また、「ちょっと暮らし」などの短期滞在や二地域居住などに対応した受
け皿作りを進めます。
◎無農薬実践農場と連携した移住者の受け皿づくりやPR活動の推進
農業を志すひとの移住を促進するため、無農薬実践農場と連携した移住・
定住策を実施している「NPOおしゃまんべ夢倶楽部」への支援を図るとと
もに移住者の受け皿づくりやPR活動を推進します。
◎地域おこし協力隊の活用と定住化の促進
柔軟な視点での地域おこし策を実施するため、都市地域から本町に移住・
定住し、観光などの「地域協力活動」をする地域おこし協力隊の活用を推進
します。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・空き家を活用した移住
・地域おこし協力隊の定住
-
-
14
目標値(H31)
1組
1人
戦略5:若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
(1)数値目標(平成 31 年度)
・合計特殊出生率を希望出生率の 1.8 に近づける(H24:1.47)
・出生数を増加させる(H26:39 人)
(2)基本的方向
人口の自然減の対応に向けては、出生率の向上が重要であることから、結婚し、
安心して子どもを産み育てたいと思う方々の希望をかなえることを目標とし、
国や道の尐子化対策と連携しながら、子育てしやすい環境の充実や経済的な負
担の軽減など、結婚から出産、子育てにわたる施策を推進します。
(3)主な施策と重要業績評価指標
① 子育て支援体制の充実
◎中学生までの医療費無料化
子育て世帯の経済的な負担を軽減するため、中学生までの医療費無料化を
継続し、子育て世帯を支援します。
◎多子世帯に対する保育料の軽減
多子世帯の経済的負担を軽減し、第2子、第3子出産の希望を後押しする
ため、保育料等の軽減を行います。
◎学童保育や一時保育、小学校低学年受入事業の実施
児童の健全な育成と子育てしやすい環境を充実させるため、休日や放課後
等に児童に適切な遊び場や生活の場を提供する学童保育や一時保育を実施
するなど、子育てを積極的に支援します。
◎地域子育て支援センターによる「子育てサークル」や各種相談の実施
地域と連携した子育て環境の充実を図るため、子育て支援センターを拠点
とした家庭・児童相談の実施や子育てサークルによる親同士の主体的活動及
び育児サークル活動を支援します。
また、一人親家庭に対しては、児童相談所などと連絡を密にし、民生児童
委員等による相談活動・支援の充実を図り、経済的・社会的自立を支援しま
す。
◎妊娠や子育てに関する電話健康相談事業の実施
小児科がないことなどによる妊娠・子育て中の丌安を解消するため、24
時間対応のフリーダイヤル専門回線による電話相談を実施することにより、
応急処置や妊娠や子育ての丌安を相談する体制を充実させます。
15
◎結婚活動への支援や社会機運の醸成
結婚の希望をかなえるため、
「結婚活動」等への支援を検討するとともに、
結婚したいと思える社会機運の醸成を図ります。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
・子育て支援対策の満足度
・子育て支援センターの利用
・乳幼児医療費
・急病の救急車出動件数
基準値
目標値(H31)
8.9%(H21)
約 2,2 千人(H26)
約 8.5 百万円(H26)
164 件(H26)
30%
10%増
10%減
10%減
② 魅力ある高校としての教育環境の充実
◎保護者負担減と魅力ある高校づくりへの支援
通学費補助、入学時制服の全額補助、各種資栺検定料の補助、キャリア教
育(公務員受験講習)の補助、給食の提供、学校行事・部活動遠征等のバス
使用補助等を実施し、保護者負担を尐なくすると共に、魅力ある長万部高校
を全面的に支援します。
◎英語教育の充実を図るためのホームステイ制度導入
英語への関心興味を高めるために、長万部高校生を対象に、その国の文化
や生活習慣等国際生活体験ができる英語圏での短期ホームステイ制度を実
施します。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
・地元からの長万部高校進学率
16
基準値
目標値(H31)
52%(H26)
70%
戦略6:安心して暮らせる生活環境づくりや地域間の連携を進める
(1)数値目標(平成 31 年度)
・高齢者のうち長万部に住み続けたい人の割合を 80%まで増加させる
(H27:63%)
(2)基本的方向
「しごと」と「ひと」の好循環を支えるためには、
「まち」に活力を取り戻し、
みんなが安心して暮らせる社会環境をつくり出すことが必要です。「まち」の再
生と活性化を図り持続可能な地域を形成するため、時代にあった安心して暮らせ
る生活環境づくりを進めるとともに、周辺市町村などとの地域連携を強化します。
(3)主な施策と重要業績評価指標
① 生活交通の維持・確保
◎バス路線(地域間幹線系統)の確保維持
学生や高齢者などマイカーを利用できない方や、鉄道駅から離れた地域に
住む方にとって重要な移動手段となっている路線バスについて、地域全体の
生活交通確保維持のため、必要な支援を行います。
◎老人福祉バスの運行充実やタクシー料金の助成
高齢者や障がい者の方などの通院や買い物のための移動手段を確保し、利
便性を増加させるため、タクシー料金の一部助成や老人福祉バスの運行を充
実させます。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・地域間幹線系統の確保維持
・タクシー利用率の向上
3 路線(H26)
高齢者 71%(H26)
障がい者 67%(H26)
目標値(H31)
3 路線
80%
80%
② 防災体制の強化など地域の安全・安心の確保
◎地域の防災体制の充実
みんなが地域で安心して暮らすことができる、災害に強いまちづくりを進
めるため、防災訓練の実施、防災備蓄品の充実、自主防災組織の結成、災害
時応援協定の締結を促進させ「自助・共助・公助」を基本とした防災意識の
高揚を図ります。
17
◎広域の防災拠点や長期避難場所の誘致
将来発生することが予想される噴火などの大規模災害に対応するため、広
域の防災拠点や長期避難場所として、
「(仮称)しゃまんの箱船」の誘致活動
を実施します。
◎公共施設の効率的・効果的な維持管理と最適配置
限られた財政下での安定した行政サービスを継続的に維持し、持続可能で
コンパクトなまちづくりを目指すため、公共施設の効率的・効果的な維持管
理と最適配置を推進します。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・自主防災組織の育成
2 組織(H26)
・災害時応援協定の締結
17 団体(H26)
・収容人員千人規模の多目的施設の誘致
-
・人口減を踏まえた公共施設延べ床面積の
-
適正な設定
目標値(H31)
4 組織
20 団体
1件
-
③ 安心できる医療や福祉サービスの確保
◎地域医療や消防救急体制の充実
北渡島檜山圏域において、医療機関と消防機関が連携を強化し、専門科へ
の直接搬送など新たな救急搬送体制を確立し、総合病院を中核とした地域医
療の充実を目指します。
◎ボランティア活動の充実
住民一人ひとりが社会の構成員として、地域とのつながりの中で安心して
暮らせるよう、ボランティア講座の充実や地域福祉活動等の情報提供に努め
るなど、関係団体等と協働し、一人ひとりが参加し助け合う町民全体の福祉
活動を充実させます。
◎介護人材の確保など福祉を担う人材育成
高齢者の生きがいづくり・健康づくり、安心して暮らせる環境づくりなど
多様な暮らしを支えあうまちづくりを推進させるため、介護施設等における
安定した人材の確保に努めるなど、介護サービスの充実に努めます。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・地域医療の満足度
・新規のボランティア活動の創出
18
9.3%(H21)
-
目標値(H31)
30%
1件
・身障者・高齢者対策の満足度
12.6%(H21)
30%
④ 近隣市町村との連携・交流
◎北渡島・檜山北部4町連携の推進
地理的に近接し、住民の交流が深い北渡島・檜山北部4町(八雲町、今
金町、せたな町、長万部町)においては、災害時相互応援や家畜防疫など
での連携事業に取り組んでいますが、今後も観光や医療など幅広い分野に
おいて連携を強化し、広域的な事業を推進します。
◎近隣市町村との連携によるまちの活性化
地域特性が異なる市町村が互いに連携して「ひと」や「もの」の交流を
続けることにより、相互補完機能を発揮し「まち」を活性化させるため、
産業、教育、観光、福祉など様々な分野において、近隣市町村との連携を
さらに強化する取組を進めます。
また、北海道新幹線開業を見据えた観光面での広域連携や 2 次交通網の
形成など、新たな枠組みでの広域連携の構築を推進させます。
重要業績評価指標(KPI)
項
目
基準値
・4 町連携での新規事業の創出
・新たな市町村連携モデル事業の創出
19
-
-
目標値(H31)
1件
1件
【参考資料】
他都市における施策の事例
戦略1:新幹線を核としたまちづくりを進める
① 北海道新幹線開業効果の呼び込み(開業記念イベントの実施)
【事例】福井県恐竜卙物館(福井県)
●東京における新幹線開業効果を呼び込むイベントの実施
・福井県立恐竜卙物館は平成 27 年 3 月 14 日から 4 月 7 日まで、新宿のタカシマヤタイム
ズスクエアで、高島屋新宿店、東急ハンズ、JR 東日本と共同で、北陸新幹線開業と、福
井県立恐竜卙物館開館 15 周年を記念したもの。
・北陸新幹線の金沢駅開業に併せ福井県と恐竜卙物館への誘客を狙っている。
出典:福井県立恐竜卙物館ホームページ
戦略1:新幹線を核としたまちづくりを進める
①
北海道新幹線開業効果の呼び込み(開業記念イベントの実施)
【事例】福井駅(福井県)
●金沢駅の新幹線利用客の誘客を狙ったイベント
の実施
・福井県は、平成27年3月の北陸新幹線金沢開業に伴い、
JR福井駅西口駅前広場に福井のダントツブランドであ
る恐竜の動くモニュメント等を設置。また、JR福井駅舎
の壁面には恐竜イラストのラッピングを行うとともに、恐
竜のトリックアートを設置し、県都の玄関口で「恐竜王国
福井」をPRしている。
・AR 等の技術を活かして、福井の恐竜が生息していた白亜紀
前期の恐竜の世界を立体的に再現している。スマートフォ
ン、タブレット端末に専用アプリをダウンロードすること
で、恐竜が生きていた時代のジオラマを360度で再現し
たり、AR カメラで恐竜と記念撮影できる。
出典:福井県ホームページ
22
戦略1:新幹線を核としたまちづくりを進める
②
札幌延伸を見据えたまちづくりの推進
(新幹線を核としたまちづくり実行計画の策定)
【事例】北陸新幹線新高岡駅周辺まちづくり計画(富山県高岡市)
・富山県高岡市では、平成 27 年 3 月に開業した新高岡駅周辺のまちづくり計画を開業から
8 年前の平成 19 年にとりまとめている。
・計画は学識経験者や地元代表からなる検討委員会により検討している。
出典:高岡市ホームページ
23
戦略2:東京理科大学と連携したまちづくりを進める
①
大学との連携 協働による地域の活性化
【事例】愛媛大学南予水産研究センターの設置
○水産業の活性化を狙った文理融合型の学際的な「新しい水産学」研究施設の誘致
1)事業内容
・愛媛大学南予水産研究センターは、平成 20 年
4月、日本の養殖業の中心地の一つである愛媛
県南予地域の愛南町に開所した。
・愛媛県から5名の研究員を客員研究員として研
究参加させるなどして、連携を図っている。
・南予地域の水産業の振興を図るため、愛媛県水
産研究センターと密接に連携した共同研究を
推進している。
2)成果・実績
・宇和海域に面する愛媛県5市町、高知県1市が
中心に、宇和海水域の水産業の活性化、日本水
産業の振興を目標とし、一体となって宇和海と
いう地域ブランドを確立し、宇和海水産クラス
ターの形成を図ることを目指している。 平成
23年8月には産学官民金が参加した宇和海
水産構想推進協議会を設立し、構想の推進を図
っている。
3)今後の取り組みの方向性
・生命科学の視点からのアプローチを目指す「生
命科学研究部門」
、環境科学の視点からアプロ
ーチを目指す「環境科学研究部門」、社会科学
の視点からアプローチを行うとともに生命科
学及び環境科学研究と地域との橋渡しを目指
す「社会科学研究部門」の3つの研究部門を設
置して研究を実践し、南予地域さらには日本へ
と新しい水産学を発信し、地域及び日本の水産
業に対する積極的な貢献を目指す。
資料:愛媛大学南予水産研究センターホームページ
(http://www.ccr.ehime-u.ac.jp/cnf/index.shtml)
24
戦略3:地域経済を活性化し、安定した雇用を創出する
①
農林水産業の成長産業化(6次産業化の実現)
【事例】池田牧場(滋賀県東近江市)
●牛乳を活用したジェラートの加工販売による 6 次
産業化の実現
・池田牧場は、もともと乳牛を飼育し牛乳を販売してい
たが、そこから一歩発展させ、搾りたて牛乳をジェラ
ートにして食べてもらう場(ジェラートショップ「香
想」)をつくった。
ジェラートショップ「香想」
・そこを核として、森林の景観をうまく生かしつつ新た
な観光スポットとして、現在では、農家レストランと地
域産物の販売所(農家レストラン「香想庵」)があり、
隣接する森林体験型宿泊施設(
「あいきょうの森」
)を町
から借り受けて運営している。
・ジェラートショップは 2003 年にオープンした。
・周辺の山林は、集落の共営林 800 アールと個人の山林
ジェラートショップ「香想」店内
20 アールを借りている。また、民家移築に 3,000 万円、
造成やジェラートショップ、駐車場の整備に 6,500 万
円かけている。
・今では、約 14 万人の集客あり、売上げは 1 億 7000 万
円となっている。内訳は、牛乳販売が 4,000 万円、ジェ
ラート 9,000 万円、レストラン 2,000 万円、あいきょう
豊富な種類のジェラート
の森利用料が 2,000 万円である。
・現在、従業員 8 名、パート 8 名、アルバイト 4 名が働
く。乳牛は 80 頭飼育している。
●牛乳をつかった 36 種類のジェラートの販売
・ジェラートショップは、36 種類のジェラートを揃えて
おり、単なるジェラートショップではなく豊かな自然に
囲まれた環境と地域の素材に関する学びがあることで
幅広い客層を集めている。店頭での売上げが半分で、30%
民家を移築した農家レスラン
「香想庵」
が通販、20%が卸売である。
●地元農家との連携
・茅葺き屋根の民家を使った農家レストランは、食材は
近隣の 2 件の農家と連携している。
・酪農に必要な飼料稲の栻培は地元の農家に依頼し、牧
場でできた堆肥を農家で使ってもらっており、循環型
農家レスラン店内
の連携が実現されている。
出典:「美味しい田舎のつくりかた(金丸弘美)2014 年 9 月 1 日(株)学芸出版社
(写真は、
「池田牧場」ホームページより)
25
戦略3:地域経済を活性化し、安定した雇用を創出する
①
農林水産業の成長産業化(6次産業化の実現)
【事例】農家レストラン(素材香房 ajikura)
●まちを耕すシェフを育てるレストラン
・島根県邑南町(おおなんちょう)は、人口約1万 2 千
人で、米、野菜、果実、ハーブなど多様な作物が栻培
された農業が盛んな町である。
・町では、豊かな自然を活かし、食を中心とする地域振
興策として、
「A 級グルメのまち」を掲げ、町がプロデ
ュースを手がけ、酒蔵を移築改装したイタリアンレス
トランをオープンした。
・店舗面積は、60 坪で、シェフ 1 名、ソムリエ 1 名、パ
ティシエ 1 名、職員 2 名、パート 3 名が働き、年間 1
万人が訪れ、約 2,400 万円を売り上げている。
・地元出身のシェフをUターンさせ、地元の食材を使っ
た地産池消のレストランとなっている。
・食のラボラトリー(研究所)という位置づけで、外部
からの研修生を受入れ、野菜づくりから料理までを学
び、地域で起業してもらうことを目指している。
出典:「美味しい田舎のつくりかた(金丸弘美)2014 年 9 月 1 日(株)学芸出版社
(写真は、
「素材香房 ajikura」ホームページより)
戦略3:地域経済を活性化し、安定した雇用を創出する
②
商店街空き店舗の利活用促進(アンテナショップの開設)
【事例】浜松まちなかアンテナショップ(静岡県浜松市)
●商工会議所による空き店舗を活用したアンテナショップ
・浜松商工会議所は、地域ブランド「やらまいか」認定
商品を販売するため中心街の空き店舗に店舗改装費な
ど 600 万円を初期投資し「浜松まちなかアンテナショッ
プ」(約60平方メートル)を 2014 年 11 月 8 日にオー
プンした。
・当ショップは、中心市街地の活性化と商工会議所が認
定している地域ブランド「やらまいか」・「浜松 闘将・
家康プロジェクト」における開発商品の販売促進を目的
に出店している。
・また、まちの駅として、店内でのWi-Fi 利用、買い物
の休憩所や街中の情報収集として利用できるスペース
を確保しており、街中のイベントなど、様々な情報が
一堂に集まるショップとなっている。
出典:浜松商工会議所ホームページ(http://www.yaramaika-h.jp/officialshop/)
26
戦略3:地域経済を活性化し、安定した雇用を創出する
③
地域資源を活かした観光地づくり(温泉を活かした観光振興)
【事例】あつみ温泉(山形県鶴岡市)
●温泉を活用したまちづくり
・バブル経済の崩壊、旅行形態の変化等が要因で、あ
つみ温泉の観光客数は減尐傾向が続いていた。
・山形県の景観アドバイザーである学識者の指導のも
と、あつみ温泉の将来像(目標)を「歩いて楽しい温
泉街」に定め、その実現に向けて取組んだ。
・歩行者優先を確保しつつ、歩車道一体型のみちづく
りを進め、安心して歩行ができ、かつ、所々で休憩
し、くつろぐことが出来るみちづくりをコンセプト
に、自動車が人間に遠慮しながら走行するような道
路空間を創出。
・沿道の旅館では、整備にともないビールやソフトド
リンク、ソフトクリーム等のテイクアウトサービス
を始め、本業の旅館業に迫る売上げを上げている。
●葉月通りの改修と足湯「あんべ湯」の整備
・平成 14 年に「湯のまちリフレッシュ事業」として、
葉月橋通り改修時に道路の中央分離帯に足湯「あん
べ湯」やベンチを整備。
・これにより多くの人が滞留するようになり、沿道店
舗のソフトクリーム販売等が相乗効果を生み、更に
人が集るようになった。
●足湯カフェ「チットモッシェ」
・かじか通り沿いに建つ使用されていない民間保養施
設を旧温海町で買い取り、平成 17 年に足湯カフェ
をオープン。
・外構を撤去することで開放感を創出。
・現在は施設を地元まちづくり団体に譲渡し、民間活
力により施設を運営。
●温海川沿いの川辺テラス、足湯「もっけ湯」
・平成 17 年、温海川とまちの一体性を図るため、温
海川の空間内に休息施設や足湯を設置。
●庚申堂湯見ヶ代線(かじか通り)の改修
・安心して歩行でき、かつ、所々で休憩し、くつろぐ
ことの出来るみちづくりとして、電線類地中化、車
両の一方通行規制と車線スラローム化、休憩施設の
整備を実施。
・温海川の景観を楽しめるように防護柵の撤去や川沿
いの桜の間引きを実施。
●共同浴場の整備
・誰でも入れる無人の共同浴場を 3 箇所整備
・料金箱に 200 円を入れて入浴できるようになってい
る。
出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/road/sisaku/dorokeikan/pdf/003.pdf)
27
戦略4:新しい人の流れをつくる
①
交流人口の拡大(新たな物販・イベントスペースの開設)
【事例】道の駅「くろまつない」トワ・ヴェールⅡ(北海道黒松内町)
●仮設のテントで試験販売を実施
・黒松内町「道の駅(トワ・ヴェー
ル・ド゙ゥー)
」において、黒松内
町の産直野菜生産組合と町・ブナ
里ツーリズムサポートと連携し
た、地場農産物の直売を行ってい
る。
戦略4:新しい人の流れをつくる
① 交流人口の拡大(高速道路の通過客の町内呼び込み促進)
【事例】NEXT 中日本越中飛騨路ハイウェイキャンペーン
●新幹線との連携を考慮したハイウェイキャンペーンの実施
・NEXCO 中日本金沢支社では、
「北陸新幹線開業記念 越
中飛騨路ハイウェイキャンペーン」を 2015 年 3 月 14
日(土)から 6 月 30 日(火)の期間、越中・飛騨観光圏
協議会と連携し開催した。
・越中・飛騨観光圏協議会は、砺波市、高岡市、射水市、
氷見市、小矢部市、南砺市、高山市、飛騨市、白川村
の富山県の呉西6市と、岐阜県の2市1村が、広域観
光連携を目的とした組織で、「ものづくり」「景観」「食」
「祭り・歴史」「温泉」の5つのキーワードをもとにした
事業の展開と、これらを結び付ける交通体系の整備や
情報発信を行うともに、特徴を生かした事業を複合的
に実施している。
・キャンペーンでは、富山県内のサービスエリア・
パーキングエリアや各観光施設で使える共通優
待券及び、ベニズワイガニをはじめとした特産品
などが当たるアンケートはがきがセットになっ
たリーフレットを配布した。
・新幹線で来る旅行者に対しても優待施設を利用し
てもらえるようにと、今回のキャンペーン企画は
「速旅 北陸新幹線開業記念ドライブプラン」の
発売期間にあわせて実施。「速旅 北陸新幹線開
業記念ドライブプラン」は、富山・金沢エリア、
さらには北陸エリアの高速道路が定額で乗り放
題になるプランで、新幹線で北陸入りしてからの
ドライブにも活用できる。
・リーフレットは、お花見スポットや特色豊かな祭
りなどのイベント情報、さらに周遊モデルコース
などが掲載されているため、旅行のガイドブック
としても役立つように作られている。
出典:NEXCO 中日本ホームページ、国土交通省中部運輸局ホームページ
(https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu//kankou/chiiki/kankouken/pdf/echihida.pdf)
28
戦略5:若い世代の結婚
①
出産
子育ての希望をかなえる
子育て世帯の経済的な負担の軽減
②
子育て支援体制の充実
【事例】子宝の町・伊仙(鹿児島県徳之島伊仙町)
●合計特殊出生率全国 1 位(2.81)を達成
・鹿児島県徳之島伊仙町は、人口約 7 千人の町で、平成 18 年度の政策方針において、合計
特殊出生率全国 4 位を受け、
「子宝のまち」として、安心して子を産み育てられる地球環
境づくりを目指すことを言及し各種施策を実施した。
・平成 21 年に、合計特殊出生率 2.42 で全国 1 位となり、平成 26 年には、2.81 まで引き
上げている。
・主な施策は以下の通り
平成 18 年度 子育て支援金をして、第 3 子以上出産した方に 10 万円を支給
平成 21 年度 子育て支援金を拡充し、第 1 子に 5 万円、第 2 子に 10 万円、第 3 子以
上には 15 万円を支給
平成 22 年度 丌妊治療の旅費助成
平成 24 年度 敬老祝い金を減額し一部を子育て支援金にあてる
平成 24 年度 徳之島 3 町産科医確保支援事業の実施
平成 24 年度 徳之島 3 町産科医確保支援事業の拡充
●伊仙町が合計特殊出生率全国 1 位となる要因
1)「子は宝」という精神
・「授かり物である子供はすべての人にとって宝」、という精神文化が根付いており、親・
家族・親戚・地域一体が子育てを応援する精神基盤が存在する。
・大都市圏の働き方、家族の役割分担に比較して、個人の生活(高齢者の世話、子供の学
校行事、出産や葬式などライフイベントへの関不など)を重要視することを許容する文
化がある。
・行政支援として、小規模校の維持と待機児童が生じない施策を実施し、親が子供を安心
して預け、働くことができる。
2)高い地域力
・子供の出生、小学校入学、成人式、そして葬式など、一人の人間が人生を生き抜く中で
の大切な節目を、家族のみならず、両親の知人、友人、近隣住民が共に祝うという地域
文化がある。
・子育ての場面でも、血縁を越えた支援の手が多数あるということは、子を産み育てる夫
婦、特に母親にとって孤立を防ぎ、子沢山でも育てられるという自信に繋がっている。
3)鹿児島県による「あまみ長寿・子宝プロジェクト」などの取組
・上記の文化的背景や地方行政の取組を受けて、奄美群島の固有性を発信するため、平成
15 年度より 10 年間に渡り鹿児島県が「あまみ長寿・子宝プロジェクト」を実施。
・その集大成として、平成 25 年 10 月、
「あまみ長寿・子宝フェスタ in 徳之島」を開催し、
長寿・子宝の科学的要因、固有の価値観、尐子高齢化に対するモデルとなり徔る可能性
を、「長寿・子宝宣言」として全国へ発信。
4)伊仙町独自の取組
・町営住宅の建設や空き家対策の推進、企業誘致の推進などにより、地域が活性化し、若
者の U・I ターン者も増えてきている。
・コンパクトシティを形作る取組の結果として、商業面、福祉面、教育面での環境整備が
整い、出産可能年齢女性人口も増加傾向にある。一地区への集中を避け、各集落や小学
校区の維持を大切にする施策、更なる地域雇用の創出と、基幹産業である農業の発展を
促す施策の展開により、全ての世代にとって住みやすいまちづくりを実現しつつある。
資料:まち・ひと・しごと創生本部ホームページ「子宝の町・伊仙町から尐子化対策を考える」
(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/kihonseisaku/h26-10-02/h26-10-02-s3.pdf)
29
戦略6:安心して暮らせる生活環境づくりや地域間の連携を進める
①
生活交通の維持・確保(高齢者タクシー料金の助成)
【事例】ライフモビリティ助成事業(北海道伊達市)
・60 歳以上の方を対象とした会員制の相乗りタクシーを実施
・伊達商工会議所に対する補助
【事例】老人福祉ハイヤー利用助成事業(北海道倶知安町)
・町内に居住する 70 歳以上の車を持たない世帯に対し、ハイヤーチケットを交付
【事例】高齢者ハイヤー利用助成事業(北海道沼田町)
・65 歳以上の高齢者で通院などが困難な方に対しハイヤーチケットを交付(2.5km以内
500 円×20 枚、2.5km以上 500×30 枚)
【事例】交通費助成事業(北海道鷹栖町)
・80 歳以上の者、70 歳以上の者で、保有する全ての運転免許証を自主的に返納した者、身
体障害者手帳(1級、2級及び3級(内臓疾患)
)の交付を 受けている者に対し、バス
カード、ハイヤー乗車券、1万円分を交付
【事例】高齢者等交通費助成事(北海道愛別町)
・町民税非課税世帯の 75 歳以上の高齢者・身障者等に対して初乗り料金の町内ハイヤーチ
ケット24枚分を助成
【事例】地域公共交通事業(北海道中富良野町)
・65 歳以上、身障者、介助者等が、低料金(片道 100~200 円)で、町内での買い物・通
院などの際に利用できる「予約型乗合タクシー」を運行。
・利用料金を超える経費は、町からタクシー事業者へ委託料として支払う。
【事例】高齢者ハイヤー利用サービス(北海道訓子府町)
・町内住む75歳以上の高齢者を対象に制度の登録をした場合、年間最大48回まで基本
料金で町内どこまでも移動可能
【事例】高齢者外出支援ハイヤー料金助成事業(北海道湧別町)
・歩行困難でハイヤーによる買い物又は通院をよぎなくされている高齢者に対し、ハイヤ
ー乗車料金助成券を交付している。買い物に係る利用は、1 回につき最大 1,000 円を限
度として実費分を助成。
【事例】高齢者福祉交通費助成(北海道新徔町)
・満 65 歳以上の要支援・要介護の認定を受けている者に、年間 10,000 円分のタクシー乗
車券を交付
【事例】別海町福祉ハイヤー利用券交付事業(北海道別海町)
・満 70 歳以上の高齢者、1~3 級の身体障害者所持者等、交通弱者又は経済的に恵まれな
い障がい者に年間12,000円のハイヤー券を交付(非課税世帯かつ車を所有してい
ない世帯)
資料:経済産業省ホームページ「H26 地方公共団体における買い物弱者支援関連制度一覧」
(http://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/pdf/tihoukanrenjigyou26.pdf)
30
戦略6:安心して暮らせる生活環境づくりや地域間の連携を進める
②
地域の安全・安心の確保(地域おこし協力隊)
【事例】地域おこし協力隊の事例
北海道 上士幌町
島根県 邑南町
シルバー学級をはじめとする
社会教育関係事業や各種イベン
トに携わる。
「耕すシェフ」として野菜
の栻培から料理のプロデュ
ースを行い、起業・就業を
目指す。
山形県村山市
徳島県 三好市
「山形ガールズ農場」にて農作物
加工の製造販売を実施
空き家を活用した交流拠
点を中心に、定期的なマル
シェを開催するなど町に人
が歩く仕組みづくり
茨城県 常陸太田市
高知県本山町
地域の食文化を活用した発信
や、地域と大学連携した地域づく
り活動の支援、地域の若者ネット
ワークの構築等を、地域住民との
協働により実施。
原木椎茸栻培や林業の担
い手を目指しながら活動を
実施
新潟県 十日町市
長崎県 対馬市
地域内生産者の団体が設置す
る無人直売所や市内飲食店への
野菜の出荷・販売活動を支援。
「生物多様性や民間伝承保
全」
「有害鳥獣対策」など特
定分野に取り組む
長野県 小谷村
鹿児島県
隊員と集落支援員がペアで「地
域づくり応援団」として活動し、
伝統文化・技術伝承など地域課題
に取り組み。
移住交流事業の支援、着
地型観光ツーリズム商品な
どの創出によって、加計呂
麻島の活性化を図る。
滋賀県 湖南市
沖縄県 沖縄市
中心市街地活性化に係る企
画運営・情報発信に取り組
む。
地元産品を活用した食品の開
発や、各種イベントの企画運営
(市民劇団への参加等)を実施。
瀬戸内町
資料:地域地域おこし協力隊パンフレット(総務省)
地域おこし協力隊とは
○制度概要:都市地域から過疎地域等の条件丌利地域に住民票を移動し、生活の拠点を移した者を、地方公
共団体が「地域おこし協力隊員」として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地
場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地
域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組。
○実施主体:地方公共団体
○活動期間:概ね1年以上3年以下
○総務省の支援:概ね次に掲げる経費について、特別交付税により財政支援
①地域おこし協力隊員の活動に要する経費:隊員1人あたり 400 万円上限
(報償費等 200 万円〔※〕
、その他の経費(活動旅費、作業道具等の消耗品費、関係者間の調整などに要す
る事務的な経費、定住に向けた研修等の経費など)200 万円)
※ 平成 27 年度から、隊員のスキルや地理的条件等を考慮した上で最大 250 万円まで支給可能とする
よう弾力化することとしている(隊員1人当たり 400 万円の上限は変更しない。
)
②地域おこし協力隊員等の起業に要する経費:最終年次又は任期終了翌年の起業する者1人あたり 100 万
円上限
③地域おこし協力隊員の募集等に要する経費:1団体あたり 200 万円上限
資料:平成 27 年度 地域おこし協力隊員の定住状況等に関する調査結果(総務省)
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