イベント開催時における 二酸化炭素排出量の 把握及び削減のための

イベント開催時における
二酸化炭素排出量の
把握及び削減のためのマニュアル
2008 年 10 月
エコアクション 21 を活用したイベント分野向け
環境負荷削減対策マニュアル作成検討会
検討部会
委員等名簿
(座長) 田中
充
法政大学
(委員) 近藤
康之
早稲田大学
(委員) 中島
悠
アースデイ東京 2008 実行委員会
(事務局)染野
憲治
(事務局)森下
研
社会学部/大学院政策科学研究科・政策科学専攻
政治経済学術院
環境省 地球環境局
教授
温暖化対策課
(財)地球環境戦略研究機関
事務局長
国民生活対策室長
持続性センター
エコアクション 21 中央事務局次長
はじめに
○イベントにおける環境配慮のすすめ
~環境への取組の輪を広げよう~
日本各地では年間を通じて、様々な主催者により多種多様なイベント~展示場や公園等
を利用したフェア・展示会・博覧会・メッセ、祭り等~が開催されています。イベントは、
その企画、準備から開催に至るまで、電気やガソリンといったエネルギーが使われて二酸
化炭素等の温室効果ガスが排出され、広報用のパンフレットやチラシの制作、看板の作成
のために資源を消費するなど、イベントの大小に関わらず地球環境に対して影響を及ぼし
ています。また、多くの人が集まることからごみの発生、騒音の発生など周辺環境に対し
ても何らかの影響をもたらしている場合もあります。その反面、イベントに集まった参加
者・来場者(客)に対して、環境への取組を呼びかけ、環境保全に対する理解を求めるな
どができる最良の場とも言えます。
地球環境の保全を考えた場合、主催者はイベント自体の開催主旨や参加者・来場者(客)
の楽しみなどを損なわずに、関係者や参加者・来場者(客)らと協力して環境への取組を
積極的に推進し、環境への負荷を少なくすることが重要です。
そこで、主催者などイベントに関わる方々に本マニュアルを活用いただき、関係者や参
加者・来場者(客)と協力し、環境への取組を推進していただくとともに、イベントにお
ける環境配慮を通じて環境保全に対する意識啓発を図ることで、参加者・来場者(客)が
家庭や職場においても環境への取組を始めるきっかけを作り、「環境への取組の輪」を広げ
ていくことを期待しています。
目
次
はじめに
1.イベントとは
~イベントと環境との関わり~ ...................................................... 1
(1)イベントの種類とマニュアルの対象 ................................................................... 1
(2)イベントに関わる人々......................................................................................... 2
(3)イベント実施に伴う環境への影響 ....................................................................... 3
2.イベントにおける環境への取組 ............................................................................... 4
(1)環境への取組にあたって ..................................................................................... 4
(2)主な環境負荷の抽出 ............................................................................................ 5
(3)環境配慮の取組<イベント実施における環境配慮の取組リスト> ..................... 7
(4)環境配慮の取組の実施......................................................................................... 13
(5)実施結果の取りまとめ......................................................................................... 13
3.環境行動計画書の作成 ............................................................................................. 18
4.イベントにおける環境への取組結果の公表 ............................................................. 18
事例集............................................................................................................................. 19
事例1.リユースカップの取組事例と効果 ................................................................... 19
事例2.チケットレスの取組事例 ................................................................................. 21
事例3.グリーン電力証書の使用例 .............................................................................. 22
事例4.バイオディーゼルを燃料とした発電機の導入事例と効果 ............................... 27
事例5.ソーラーパワートラックの導入事例................................................................ 27
事例6.パーク・アンド・ライドの取組事例と効果 ..................................................... 28
別紙:環境行動計画書 .................................................................................................... 29
参考資料:環境行動計画書(記載例) ........................................................................... 31
1.イベントとは
~イベントと環境との関わり~
(1)イベントの種類とマニュアルの対象
イベントと一言で言っても、国や地方公共団体が主催する大規模な博覧会から、民間企
業が主催する見本市や展示会、地域で行われる祭りなど、主催者や開催主旨、規模、会場
条件(広さなど)の違いなどによって様々な形態があります。
それら様々なイベントを、一つの例として7つのカテゴリー(博覧会、フェスティバル、
見本市・展示会、会議イベント、文化イベント、スポーツイベント、販促イベント)に分
類してみました。
本マニュアルでは、原則として規模、内容等に関わらず全てのイベントを対象としてい
ます。
表1:イベントの分類
カテゴリー
博覧会
例*
イベント例
1. 来場者 50 万人以上の博覧会およびそれに準ずる地方博覧会
2. 都市緑化フェア
1. 複合型イベント(フェスタ・フェアを含む)
2. 自治体主導の文化祭
フェスティバル
3. 学生中心の文化祭・学園祭
4. 博覧会という名称をつけた中小規模のイベント
5. 祭り・パレード・景観などに関わる催し(桜まつりなど)、多様な形態のイベント
6. 自治体主導の物産展など
見本市・展示会
1. 一般の民間企業・団体が出展することのできる見本市・展示会
1. 日本を含めて2カ国以上の参加者のある国際会議
会議イベント
2. 業界・学会などの各種団体が開催する諸団体開催国内会議
3. 地方自治体が開催する自治体開催国内会議
1. 民間諸団体または企業をスポンサーとする音楽・演劇および特別美術展
文化イベント
2. 自治体主導の文化イベント
3. 常設ではない美術展
1. 民間諸団体または企業をスポンサーとするスポーツイベント全般
スポーツイベント
2. 国・日本体育協会の主催する競技大会
3. 自治体主導のスポーツイベント
4. プロ野球、J リーグ、大相撲などが主催するイベント
1. 企業名や商品名を全面に打ち出した販売促進活動の一環として行われる店頭イベント
2. 新製品発表会
販促イベント
3. 単独展示会
4. 周年行事・式典
5. 販売店大会
*
社団法人 日本イベント産業振興協会の「平成 18 年国内イベント市場規模推計結果報告書」をもとに
加筆修正
1
(2)イベントに関わる人々
イベントの実施には多くの人々が関係しており、イベントの規模が大きくなるほどイベ
ントの実施に携わる事業者や団体等の数は多くなります。
本マニュアルでは、イベントの実施に関係する主な人として、「A.主催者」、
「B.関係
者」、「C.参加者・来場者(客)」の3つに分類しています(図1)。
A.主催者:イベントを企画して開催する実施主体
B.関係者:イベントの様々な運営に携わる事業者等
C.参加者・来場者(客):イベントに参加・来場する人々
施設管理会社
A.主催者
○国
環境への取組の
指示・協力要請
○地方公共団体
等
B.関係者
○NPO
○会場
○民間企業
○企画
○▲▲実行委員会
(関係者で組織)
環境への取組の
協力
○運営・実施サポート
等
環境への取組の協力
環境への取組の呼びかけ
環境への取組の協力
環境への取組の呼びかけ
イベント
の実施
広告会社
制作会社
企画会社
空間設計会社
調査会社
コンサル会社
展示装飾会社
舞台美術・装置会社
映像制作会社
音響・照明会社
タレント派遣会社
運営サービス会社
等
建設会社
電気・通信設備会社
システム開発・運営会社
レンタル・リース会社
警備・清掃会社
飲食関連会社
運送会社
旅行会社
保険会社
通訳・翻訳会社
印刷会社
等
C.参加者・来場者(客)
図1:イベント実施に関わる主な人々
イベントの実施には様々な関係者や多くの参加者・来場者(客)が関わっており、イベン
ト会場における環境負荷を考えた場合、主催者だけでなく関係者や参加者・来場者(客)
もその発生源となっていることから、環境への取組を推進するためには、関係者や参加者・
来場者(客)の理解と協力が必要です。
2
等
(3)イベント実施に伴う環境への影響
イベントの実施にあたっては、企画、準備から開催に至るまでの各段階において、空調
や照明等による電気の使用、資材等の搬送や移動によるガソリンの消費、それらエネルギ
ー消費による二酸化炭素の排出、広報用のチラシ、ポスター等に用いる資材やイベント会
場で提供される食材等の消費、会場における廃棄物の排出など、様々な形で環境に影響を
与え、環境負荷を発生させています。
そこで図2において、イベントの実施に伴い発生する主な環境負荷を段階毎に整理しま
した。
インプット
アウトプット
(イベントで使用するもの、消費するもの)
(イベント実施のフロー)
■イベントの企画~制作のための活動
・事務所等の照明、空調等の使用に伴う
エネルギー(電気、ガス等)
・打合せ等に要する資源(コピー用紙等)
・移動(車、公共交通機関)に要する
エネルギー(ガソリン、電気等)
等
■温室効果ガス
○企画の段階
・イベントの企画立案
・イベントの計画策定 等
■イベント会場設営やその周辺整備
・施工、設営等に必要な資材
・施工車両、重機使用等の使用に伴う
エネルギー(ガソリン、重油等)
・施工、設営等に必要な水
・施工、設営等に伴う会場周辺の
環境改変
等
○準備の段階
・広報(告知・集客活動)
・資材、食材の調達
■資材・食材の調達
・チラシ、ポスター、パンフ、資料等の紙
・展示什器、看板等作成に要する資材
・関連グッズ作成に要する資材
・飲食物提供による容器及び食材
・資材、展示物等の搬入に要する
エネルギー(ガソリン等)
等
(イベント実施によって排出される環境負荷)
・二酸化炭素(CO2)
等
■廃棄物
・一般廃棄物/産業廃棄物
(紙類、生ごみ、ビン、缶、ペットボトル等)
→リサイクル可能なポスター、資料
→食べ残し、汚れた紙
→空きビン
→空き缶
→使用済みの飲食容器
→施工、設営等で発生する廃棄物
※分別区分(一廃/産廃)はイベント会場がある
地方公共団体へ相談すること
・会場の施工、設営 等
■大気汚染物質
・ばいじん、NOx、SOx 等
→工事車両、重機からの排ガス
→自動車からの排ガス
■排水
■イベントの開催・会場運営
・生活系排水
・照明、空調、音響等の使用に伴う電気
エネルギー(電気、ガス等)
・洗面所、トイレ等に要する水
・食材や容器等を洗浄する水
等
○開催の段階
・会場でのイベント運営 等
■イベント会場までの移動
等
■騒音・振動
→拡声器の使用に伴う騒音
→工事車両、重機からの騒音・振動
■周辺環境への影響
・参加者・来場者(客)の移動(車、公共
交通機関)に要するエネルギー
(ガソリン、電気等)
等
・生態系への影響
図2:イベント実施に伴う環境への影響
3
等
2.イベントにおける環境への取組
(1)環境への取組にあたって
環境に配慮したイベントは、次の手順で取り組みます。
○環境に配慮したイベントを実施することを決めます
方針を決める
→イベントを企画する最初の段階で関係者と協議のうえ決めます
→本マニュアルを参考に環境への取組を行います
○自らのイベントにおける主な環境負荷を抽出します
→企画から準備、開催の各段階における主な環境負荷を抽出します
[参照](2)主な環境負荷の抽出(P.5)
計画を立てる
○「イベントにおける環境配慮の取組リスト」を参考にして、自らのイベ
ント実施にあたっての環境配慮の取組内容を決めます
→どのような環境配慮の取組を行うか計画を立てます
[参照](3)環境配慮の取組<イベントにおける環境配慮の取組リスト>(P.7)
○イベントの企画~開催において、環境配慮の取組を行います
→計画に沿った取組を行います
取り組む
→関係者に環境配慮の取組の協力を要請します
→環境に配慮したイベントであることをPRし、参加者・来場者(客)に対し
て、環境配慮の取組を呼びかけます
[参照](4)環境配慮の取組の実施(P.13)
○環境への取組の結果を取りまとめます
結果をまとめる
→イベントにおける環境への取組の効果を把握します
→イベントにおける環境への負荷の発生量を把握します
[参照](5)実施結果の取りまとめ(P.13)
取組結果の公表
○イベント実施後に環境に配慮した取組による効果、実績等について情
報を発信します
[参照]4.イベントにおける環境への取組結果の公表(P.18)
図3:イベントにおける環境への取組フロー
4
これから企画するイベントもしくは実施しようとするイベントを環境に配慮したものと
するためには、まずはイベントを実施する主な関係者で協議し、イベントの実施にあたり
環境への取組を行うことを方針として決めます。
次にこれから実施しようとするイベントではどのような環境負荷が発生するのか、企画
から準備、開催に至る各段階における主な環境負荷を抽出します。そしてそれらの環境負
荷をできるだけ少なくするためにどのような環境配慮の取組を行うのかを、イベントの企
画段階であらかじめ計画しておきます。
そのためには、企画の段階で次のことに取り組みます。
①自らのイベント実施に伴い具体的にどのような活動からどのような環境負荷が発生
するのか、その主なものを抽出します。「(2)主な環境負荷の抽出(P.5)
参照」
②抽出した環境負荷をできるだけ少なくするためにはどのような取組を行ったらいい
のか、その取組を実際に行うことができるのかも含めて検討し、イベントを実施す
る際の環境配慮の取組内容を決めます。「(3)環境配慮の取組<イベントにおける
環境配慮の取組リスト>(P.7)
参照」
③環境配慮の取組内容が決まったら、自らのイベントの環境行動計画書の計画部分を
作成します。
「3.環境行動計画書の作成(P.18)
参照」
ここまでを、イベントの企画の段階で決めておきます。
次に、イベントの企画から開催に至るまで、実際に環境に配慮した取組を行います。
④イベントの実施にあたっては、環境行動計画書の計画に基づき、主催者、関係者等
イベントに関わる全ての人々が協力し、環境配慮に取り組みます。「(4)環境配慮
の取組の実施(P.13)
参照」
⑤イベントの実施(終了)時には、イベントの開催によってどの程度のエネルギー(電
気、ガス、ガソリン等)を使用し、どの程度廃棄物が排出されたかなどの、実際の
環境負荷の発生量を把握します。そして、自分たちが行った環境配慮の取組により、
どの程度環境負荷の発生を抑えることができたのか、環境負荷が低減されたのか、
取組による効果を推計するなどその効果を把握してみます。効果を把握することは、
自らの環境配慮の取組がどの程度環境に貢献できたかを実感することができ、環境
への取組を進めていくうえで励みになります。また、環境に配慮したイベントとし
てPRにもなります。「
(5)実施結果のとりまとめ(P.13)
参照」
イベントにおける環境への取組にあたっては、企画の段階で自らのイベントの実施に伴っ
てどのような活動からどのような環境負荷が発生するのかを抽出し、抽出した環境負荷を
削減するためにどのような環境配慮の取組を行ったら良いのかを検討し、実際に取組内容
を決めておくことが必要です。
(2)主な環境負荷の抽出
イベントの実施に伴い発生する環境負荷としては、P.3 の「図2:イベント実施に伴う環
境への影響」で示したように、主なものとして準備段階における資材等の資源の使用や移
動や搬入に伴うエネルギー(ガソリン)の使用、開催段階におけるエネルギー(電気・ガ
5
ス等)や水の使用、廃棄物の排出などが考えられます。そこで自らのイベント実施にあた
り、その規模、内容等を考慮し「環境に大きな影響を与えてしまうと思われる活動は何か、
そのためにどのような環境負荷が発生するのか」を考え、P.3 の図2及び次の表2を参考に
主な環境負荷を抽出します。
表2:イベントの実施に伴う主な環境負荷
環境に影響を与える活動
例
環境負荷
Ⅰ.イベントの企画の段階
開催の日時の違いによる空調、
開催時季や期間、時間の決
エネルギー(電気、ガス、重油
照明等によるエネルギー使用量
定
等)の使用
の違いなど
立地の違いによる参加者・来場
エネルギー(電気、ガス、重油
会場の選定
者(客)の会場までの移動に要す
等)の使用
るエネルギー使用の違いなど
Ⅱ.イベントの準備の段階
チラシ、ポスター等の作成による
資源の使用
紙の使用
広報活動や展示物、資料等
展示用の什器、パネル、看板等
資源の使用
の作成、その他の資材の購入
の作成に要する資材の使用
等
飲食の提供に伴う容器の購入、
資源の使用
食材の購入
エネルギー(重油等)の使用
車両、重機使用に伴う重油の使 二酸化炭素の排出
大気汚染物質の排出
イベント会場設営、その周辺 用
騒音、振動の発生
整備
設営等による資材の使用
資源の使用
会場及び会場周辺の整備
自然環境の改変
エネルギー(ガソリン等)の使用
資材、備品等の搬入
車によるガソリンの使用
二酸化炭素の排出
大気汚染物質の排出
Ⅲ.イベントの開催の段階
エネルギー(電気、ガス、重油
照明、空調等の使用
等)の使用
音響装置等の各種機器の使用
二酸化炭素の排出
トイレ等の設置及び使用
上水の使用
イベントの開催・会場運営
飲食の提供による容器の洗浄
水質汚濁物質の排出
チラシ等の配布
容器等による飲食の提供
廃棄物の排出
展示物等の撤去
Ⅳ.その他
エネルギー(ガソリン等)の使用
参加者・来場者(客)の会場ま
車等によるガソリンの使用
二酸化炭素の排出
での移動
大気汚染物質の排出
主な環境負荷を抽出するには、P.3 の「図2:イベント実施による環境への影響」を参考に、
自らのイベントの一連の活動の流れを整理(インプット=「イベントで使用するもの、消
費するもの」
、アウトプット=「イベント実施によって排出される環境負荷」を整理)して
から抽出すると、わかりやすく効率的です。
6
(3)環境配慮の取組<イベント実施における環境配慮の取組リスト>
P.5 の「(2)主な環境負荷の抽出」において抽出した自らのイベントの実施に伴う環境
負荷について、それらを削減するための取組を次のリストをもとに検討し、イベント実施
にあたってどのような環境配慮の取組を行うかを決めます。具体的には、電気などのエネ
ルギーの使用量を減らす取組、資源の使用(購入)を抑える取組、廃棄物の発生を抑える
取組、上水使用量を減らす取組などが考えられます。
なお、取組リストの項目の中には、その取組をすることによって、どれだけ二酸化炭素
排出量を削減できるかといった効果を示してあるものもあります(リストの中では【取組
による効果】として記載)。実施結果を取りまとめるにあたって、取組による効果を把握す
る際に参考にして下さい。
表3:イベント実施における環境配慮の取組リストの構成
Ⅰ.イベントの企画の段階
Ⅱ.イベントの準備の段階
○イベントの企画立案に関わる取組
○会場の選定に関わる取組
○資源の使用に抑える取組(グリーン購入)
○会場の施工、設営における取組
○エネルギー使用に関わる取組
Ⅲ.イベントの開催の段階
○上水使用量に関わる取組
○廃棄物の発生に関わる取組
○移動に関わる取組
Ⅳ.その他
○運営に関わる取組(Ⅰ~Ⅲの区分に当てはまら
ない取組)
○参加者、来場者(客)への呼びかけ
自らのイベントの開催主旨、規模、予算等を考慮し、どのような取組ができるかを検討し
て、できることから実施します。また、継続的に実施されるイベントについては、回を追
う毎に取組内容を充実させていきましょう。
7
<イベント実施における環境配慮の取組リスト>
【Ⅰ.イベントの企画の段階】
(イ)イベントの企画立案に関わる取組
□
□
省エネや交通渋滞等を考慮し、イベントの開催期間、開催時間を決めます。
イベントの開催主旨や実態に応じて、参加者・来場者(客)が環境配慮を学習、体験できるような企
画をします。
(ロ)会場の選定に関わる取組
□
□
会場選定の条件の1つに環境負荷のデータの提供等、環境への取組に協力してくれることを加えま
す。
参加者・来場者(客)が公共交通機関を利用できるように配慮します。
設備やコスト等を考慮しつつ、環境省「会議等の環境配慮のススメ」の「会場の取り組み評価のため
□
のチェックリスト」を参考に選定します。
(参考)環境省「会議等の環境配慮のススメ」
(http://www.env.go.jp/policy/kaigi_hairyo/tebiki.pdf)
【Ⅱ.イベントの準備の段階】
(ハ)資源の使用を抑える取組(グリーン購入*)
*グリーン購入とは、購入の必要性を十分に考慮し、品質や価格だけでなく環境のこと
を考え、環境負荷の小さい製品やサービスを環境負荷の低減に努める事業者から優先
して購入すること(詳しくは、グリーン購入ネットワークウェブサイトを参照
(http://www.gpn.jp/))
□
関係者パス、報道者パス、楽屋等のはり紙、案内板等には裏紙を利用します。
チラシやポスター、資料等は必要部数を考慮して、残部の発生を抑制するようにします。
□
→配布場所の数、予想来場者(客)数などから、事前に適切な必要枚数を算出しましょう
→必要部数を減らす取組として、イベントの広報にインターネットを活用することなどもあります
□
□
再生紙を使用(チラシやポスター、資料等は再生紙を使用)します。
チラシやポスター、資料等は環境に配慮したインク(VOC含有量の少ないもの、大豆油インキなど)
や印刷方式(水なし印刷など)で作成します。
スタッフが使用するユニフォームなどは、再生材※を利用したものにします。
□
※再生材とは化学繊維における代表的な再生材には、PET ボトルなどを原材料とする再生ポリエステ
ル樹脂などがあります。
□
調達する資源(文具・事務用品、包装用紙など)はエコマーク商品を優先的に購入します。
物品販売(提供)する場合、参加者・来場者(客)に対して、事前にマイバッグの持参を呼びかけま
□
す。
【取組による効果】
8
高密度ポリエチレン製レジ袋1枚あたりの二酸化炭素排出量は 28.1g、これにレジ袋を辞退した人
数を乗じることで、マイバックの持参による二酸化炭素排出量の削減効果が導き出せます。例えば、
レジ袋を辞退した人数が 100 人であれば、28.1×100=2,810g の二酸化炭素排出量を削減できたこと
になります。
(参考)プラスチック処理促進協会
グッズや記念品等は、簡易包装にします。
□
→衛生面の確保を必要とする食べ物などの包装以外は極力簡易な(一枚の)包装とすることで、ビニ
ル袋や紙袋といった包装資材を削減します
食材はなるべく旬のもので、できる限り近くで生産されたものを調達します(旬産旬消※、地産地消※
に取り組みます)。
□
※旬産旬消とは、旬にとれた食材等を旬の時季に食べることであり、地産地消とは、地域で生産され
た食材等をその地域で消費することを言います。外国や遠距離地域で生産された農作物の輸送に伴
うエネルギーなどを削減できます。
□
関係者等の食事を準備する場合には、使い捨て容器に入った弁当ではなく、回収容器に入った弁当を
注文します。
飲食物販売(提供)をする場合は、リユース食器※(システム)を導入します。{→事例集(P.19)}
(参考)環境省「リユース食器を使ったエコイベント実践マニュアル」
(http://www.env.go.jp/recycle/report/h19-02/index.html)
※リユース食器とは洗って何度も使いまわすことができるカップや皿などの食器です。使い捨ての紙
の食器等を削減でき、廃棄物の削減に効果があります。
【取組による効果】
□
カップの原材料の生産から、カップの製造、廃棄までに発生する二酸化炭素排出量で比較すると、リ
ユースカップは紙コップに比べて 1 個 1 回あたり(50 回使用)74g の二酸化炭素排出量の削減効果が
あります。
(参考)三重県「平成 16 年度デポジット制度導入実証事業に関する検討調査報告書」
また、リユースカップと紙コップの環境負荷の比較がリユース食器ネットワークのウェブサイトで紹
介されています。詳しくはリユース食器ネットワークウェブサイトを参照。
(http://www.reuse-network.jp/column/howto/003.html)
□
飲食物販売(提供)する場合、参加者・来場者(客)に対して、事前にマイ食器、マイ箸の持参を呼
びかけます。
携帯電話や IC カードを利用したチケットシステムを導入します。{→事例集(P.21)}
□
→チケット用紙、また会場での半券回収をなくすことで省資源及び廃棄物の減量化に寄与するほか、
不正入場防止、チケット郵送コスト削減なども可能とします
(ニ)会場の施工、設営に関わる取組
□
展示什器、看板等は、できる限り既存のものを活用し、再利用品を調達します。
□
トイレ等仮施設を設置する場合は、レンタル会社へ委託するなど再利用品を調達します。
□
イベント開催に伴い自然環境(生態系)を改変しないようにします。改変等で自然環境(生態系)へ
影響を及ぼした場合には、イベント終了後に可能な限り原状回復します。
9
□
□
関係者が多岐にわたるイベントでは、荷物等の搬入に際して、可能な限り宅配便を利用するよう依頼
します。
イベント会場周辺の整備を行うなどの場合、必要に応じて周辺住民への説明を行います。
【Ⅲ.イベントの実施の段階】
(ホ)エネルギー使用に関わる取組
イベント会場の空調を適温に調整します。目安として、冷房は28℃、暖房は20℃に設定します。
→会場を借りているなどで冷暖房コントロールに制約がある場合は、施設管理者と相談しましょう
【取組による効果】
夏の冷房時の設定温度を 27℃から 28℃に 1℃高くすると(外気温 31℃、1 日の使用時間を 9 時間)1
□
日 270Wh 削減(二酸化炭素排出量 105.3g)できます。また、冬の暖房時の設定温度を 21℃から 20℃
に 1℃低くすると(外気温 6℃、1 日の使用時間を 9 時間とした場合)314.1Wh(二酸化炭素排出量
122.5g)削減できます。エアコンは 2.2kW 機器を想定。
(参考)全国地球温暖化防止活動推進センター「身近な地球温暖化対策-家庭でできる 10 の取り組
み<2007 年 4 月改訂版>算定根拠」
(http://www.jccca.org/component/option,com_docman/task,doc_details/gid,886/Itemid,622/)
□
□
照明は周囲の状況に応じてこまめに調整します。
→会場を借りているなどで照明のコントロールに制約がある場合は、施設管理者と相談しましょう
展示物等に対しての過度な電飾は控えます。
屋外イベントで使用する照明を電球形蛍光ランプにします。
→会場を借りているなどで設備の交換等に制約がある場合は、施設管理者と相談しましょう
□
【取組による効果】
54W の白熱電球から 12W の電球形蛍光ランプ(明るさは同等)に交換した場合、1 灯 1 時間あたり
(52-14)×0.39=14.82g の二酸化炭素排出量を削減できます。
(参考)省エネルギーセンター「家庭の省エネ大事典」
グリーン電力証書※を取得します。{→事例集(P.22)}
※グリーン電力証書とは風力、太陽光、地熱、水力、バイオマスから発電される電力で、グリーン電
力を購入することで電気そのものと環境価値が得られます。この環境価値を形としたものがグリー
ン電力証書です。詳しくはグリーン電力認証機構ウェブサイト参照。
□
(http://eneken.ieej.or.jp/greenpower/jp/)
【取組による効果】
購入したグリーン電力量分については、風力、水力、バイオマスなどの自然エネルギーを利用したこ
とになりますので、その分の二酸化炭素排出量の削減効果があります。例えば、1,000kWh 分のグリ
ーン電力を購入すると 1,000×0.39=390kg の二酸化炭素排出量を削減したことになります。
(参考)環境省「(家庭からの二酸化炭素排出量算定用)排出係数一覧」(平成 18 年 6 月)
屋外イベントなどで発電機を使用する際、バイオディーゼルを燃料とするものを使用します。{→事
□
例集(P.27)}
【取組による効果】
バイオディーゼルで発電した電力量をディーゼルエンジンで発電した場合、それに使用する重油の量
10
に相当する二酸化炭素排出量を削減することができます。例えば、100 リットルの重油を使用して得
られる電力量をバイオディーゼルで賄おうとした場合、100×2.7=27kg の二酸化炭素排出量を削減
したことになります。
(参考)環境省「(家庭からの二酸化炭素排出量算定用)排出係数一覧」(平成 18 年 6 月)
□
ソーラートラックの導入など、太陽光発電を利用します。{→事例集(P.27)}
(ヘ)上水使用量に関わる取組
洗面所、トイレ等で水を使いすぎないように呼びかけます。
【取組による効果】
□
上水 100 リットルの使用を削減できたとすると、100×0.36=36kg の二酸化炭素排出量を削減したこ
とになります。
(参考)環境省「(家庭からの二酸化炭素排出量算定用)排出係数一覧」(平成 18 年 6 月)
(ト)廃棄物の発生に関わる取組
廃棄物については、使い捨ての製品の使用、購入は控える、必要以上の資料の作成や資材の購入は控
□
えるなど、ごみをできるだけ出さないようにします。やむを得ず排出されるごみは、可能な限り分別
し、リサイクルします。
□
参加者・来場者(客)に対して、イベント会場にごみになるようなものは持ち込まないように呼びか
け、ごみになってしまったものは持ち帰るよう呼びかけます。
□
ごみの種類や量を想定して、分別の区分や回収、処理の方法を決めます。
□
イベントの規模や参加者・来場者(客)の流れを考慮し、ごみ箱の設置場所や個数を選定します。
□
□
ごみの分別区分に従って、分別排出のわかりやすい表示をし、参加者・来場者(客)に分別を呼びか
けます。
ごみの分別を案内するスタッフを配置し、デモンストレーションを行うなど参加者・来場者(客)に
呼びかけます。
□
チラシ、ポスター、資料等は必要な人が必要な数だけ持って帰れるようにします。
□
余ったチラシ、ポスター、資料等は持ち帰ります。
□
参加者・来場者(客)に対して、イベント終了後の会場周辺の清掃を呼びかけます。
Ⅳ.その他
(チ)移動に関わる取組
□
※参加者・来場者(客)のイベント会場までの移動に関わる取組
広報の際に、参加者・来場者(客)に対し、公共交通機関等(環境負荷の少ない交通手段)による来
場を呼びかけます。
駐車場でのアイドリングストップなどエコドライブ※を呼びかけます。
□
※エコドライブとは自動車の運転の際、運行方法を改善させ、それにより燃費を改善させることです。
エコドライブによる、燃費改善により二酸化炭素排出量の削減につながるほか、ガソリン代節約に
もつながります。
11
(参考)エコドライブ普及連絡会推奨の 10 項目「エコドライブ 10 のススメ」
http://www.team-6.jp/ecodrive/10recommendation/index.html
□
公共交通機関の利用が困難な場合は、シャトルバス(パーク&ライド方式)などイベント会場の交通
事情に合った効率的な移動手段を用意します。{→事例集(P.28)}
(リ)運営に関わる取組
※イベントの実施の段階(Ⅰ.企画、Ⅱ.準備、Ⅲ.実施)の
区分に当てはまらない取組
□
イベント会場外で垂れ幕、のぼり旗等を使用して広報する際には、イベント会場周辺に配慮します。
□
騒音、悪臭、振動、照明等の発生に際しては、イベント会場周辺に配慮します。
□
拡声器を使用の際には、音量に配慮します。
□
□
植樹、魚の放流、放鳥等を行う場合は、イベント会場周辺の自然環境(生態系)を調査し、生態系に
対して配慮します。
風船を飛ばす場合等、環境に害を与えない素材を使ったものを購入します。
(ヌ)参加者、来場者(客)への呼びかけ
□
□
※(イ)から(チ)の取組の中で参加者、来場
者(客)へ呼びかける取組を再掲
物品販売(提供)する場合、参加者・来場者(客)に対して、事前にマイバッグの持参を呼びかけま
す。【再掲】
飲食物販売(提供)する場合、参加者・来場者(客)に対して、事前にマイ食器、マイ箸の持参を呼
びかけます。【再掲】
□
□
参加者・来場者(客)に対して、イベント会場にごみになるようなものは持ち込まないように呼びか
け、ごみになってしまったものは持ち帰るよう呼びかけます。【再掲】
ごみの分別区分に従って、分別排出のわかりやすい表示をし、参加者・来場者(客)に分別を呼びか
けます。【再掲】
□
ごみの分別を案内するスタッフを配置し、デモンストレーションを行うなど参加者・来場者(客)に
呼びかけます。【再掲】
□
参加者・来場者(客)に対して、イベント終了後の会場周辺の清掃を呼びかけます。【再掲】
□
洗面所、トイレ等で水を使いすぎないように呼びかけます。【再掲】
□
広報の際に、参加者・来場者(客)に対し、公共交通機関等(環境負荷の少ない交通手段)による来
場を呼びかけます。【再掲】
□
駐車場でのアイドリングストップなどエコドライブを呼びかけます。【再掲】
12
(4)環境配慮の取組の実施
自らのイベントにおける主な環境負荷を抽出し、環境負荷を削減するための取組を決め
たら、次はその内容を環境行動計画書の計画欄に記載します(P.18 の「3.環境行動計画
の作成」参照)。そしてイベントの企画から開催までの各段階において、計画に沿って環境
配慮の取組を行います。
取組にあたっては、主催者のみならずイベント実施に携わっている様々な関係者にも協
力を要請し、環境配慮の取組の内容を適切に伝えることにより、取組が確実に実行される
ようにします。そのためには関係者に対して、環境に配慮したイベントであること、その
ために具体的にどのような取組を行うかなど、計画書をもとに事前に説明の機会を設ける
などして周知します。
また、イベントの参加者・来場者(客)に対しても、環境配慮の取組に理解と協力が得
られるように、環境に配慮したイベントであることをPRすることや具体的な環境配慮の
取組を呼びかけることが重要です。
イベントにおける環境への取組を効果的に推進するためには、イベントの環境への取組に
関する全体的な責任者、取組毎の担当者や役割など、取組の推進体制を決めておくことも
重要です。
また、イベントの規模が大きくなれば、関係者も多岐にわたります。イベント全体の環境
への取組に関する説明はもちろん、それぞれの関係者によって環境への取組内容や要請内
容が異なる場合は、当該の関係者に対して個別に説明を行うことも必要です。
(5)実施結果の取りまとめ
イベントの実施にあたり、環境配慮の取組は当初の計画どおり実施できたのか、またど
の程度実施できたのか、実施できなかったのはどのような理由によるものかなど、取組の
結果を取りまとめることは環境への取組を進めていくうえでとても重要です。その際に、
これら環境配慮の取組を行ったことにより、どの程度環境負荷の発生を抑えることができ
たのか、推計等により取組による効果を把握することは、自らの取組がどの程度環境に貢
献できたのか、本当に環境に配慮したイベントにすることができたのかを確認する上でも
重要です。
併せてイベント開催時にどのような資源、エネルギーをどの程度使用したのか、どのよ
うな廃棄物がどの程度排出されたのか、実際の環境負荷の発生量を把握して、イベントに
よる環境への影響の実態を把握することも必要です。
それら実施結果は、環境に配慮したイベントとしてのPRや今後のイベントの参考にす
ることができます。
①取組結果と取組による効果の把握
イベントの終了後に、計画していた環境配慮の取組について、企画段階から準備、開催
に至るまでの取組項目毎にその実施結果を取りまとめます。計画どおりに取組は実施され
たのか、その取組は十分であったかなど実績と共に取組に対する評価を行います。そして、
13
P.8~12 の<イベントにおける環境配慮の取組リスト>の【取組による効果】及び「表4:
取組による効果の把握
例」を参考に、取組を行ったことによりどの程度環境負荷の発生
を抑えることができたのか、推計等により可能な範囲で効果を把握してみます。特にイベ
ントにおいては、環境配慮の取組を行う前と行った後の環境負荷の発生量の違い、削減量
などを実際に把握することができないため、取組による効果が見えにくいことがあります。
そこで、電気、水の使用量などの実際に把握できる環境負荷のほかに、次に示すような個々
の取組による削減効果、削減されたであろう環境負荷量を推計するなどして、取組による
効果を見えるようにすることが自らの励みにもなり、対外的にもPRすることができます。
表4:取組による効果の把握
取組内容
マイバッグの持参の呼びかけ
例
把握する取組効果(指標)
(レジ袋1枚あたりの CO2 排出量)×
(レジ袋を辞退した人数)
リユースカップの使用
(リユースカップと紙コップの1個あたりの CO2 排
出量の差)×
(イベントで使用したリユースカップの延べ回数)
公共交通機関での来場の呼びかけ
駐車場の利用率
関係者の荷物等の搬入に宅配便の
イベント会場への納品個数、イベント会場からの
利用を呼びかけ
出荷個数
②環境負荷の発生量の把握
イベントの開催時に発生した次の環境負荷量を把握することにより、イベントの開催に
よる環境負荷の実態を把握します。
<イベント会場における環境負荷の把握項目>
a.エネルギー(電気、ガス、重油、ガソリン等)使用量
b.上水使用量
c.廃棄物の排出量
d.二酸化炭素排出量
*
二酸化炭素排出量は、エネルギー使用量と廃棄物排出量のうちリサイクルさ
れなかった可燃ごみ及び不燃ごみ等の排出量から算出します。
a.エネルギー使用量の把握
イベントの開催で使用されるエネルギーには、電気のほか、ガス、ガソリンなどが考
えられます。まずはイベントの企画段階で、開催時にどのようなエネルギーを使用する
のか、その把握方法も含めて調べておきます。把握の方法については、イベントの形態
(屋内か屋外か、会場を借りているか自前のものかなど)で異なってきますが、表5の
把握方法の例をもとに、自らのイベントに合った把握方法を選んで下さい。
14
b.上水使用量の把握
上水使用量を把握するためには、事前に施設の管理者に把握可能かどうかの確認を取
り、可能であれば把握するように依頼します。
表5:エネルギー及び上水使用量の把握方法
環境負荷項目
電気使用量
エネルギー
ガス使用量
例
イベントの形態
把握方法
イベント会場を施設管理会社が
施設の管理者に開催時の使用量
管理している場合
を把握するように依頼する
屋外イベントで電気工事を伴う
電力会社からの請求書に記載され
(電気を直接引いている)ような
ている使用量
場合
ガソリン使用量
イベント共通
伝票をもとに購入量を合算する
イベント会場を施設管理会社が
施設の管理者に開催時の使用量
管理している場合
を把握するように依頼する
重油使用量
上水
上水使用量
c.廃棄物排出量の把握
イベント開催時に発生する廃棄物の量を把握するためには、まずイベントの企画段階
で、イベント開催時に出るごみの種類、量等を想定し、事前にごみ処理の方法を確定し
ておく必要があります。処理にあたっては、びん・缶・ペットボトルは分別回収してリ
サイクルするなど、分別の種類、具体的な処理方法等について、イベント会場がある市
町村に事前に相談・確認する、又は会場の管理者に確認するなどして、可能な限り資源
化に努め適切に処理します。回収した資源及び廃棄物は、分別の区分毎にその量を把握
します。
把握にあたっては、重量計で直接計量することが最も望ましいと言えますが、それが
難しい場合には、幾つかのごみ袋を計量し、その平均値に全体の袋数を乗ずるなど簡易
な方法をとるなど工夫します。
表6にイベントで想定されるごみの分別例を示します。
15
表6:イベントで想定されるごみの分別
品目
一
般
廃
棄
物
or
産
業
廃
棄
物
例
例
処理方法
びん
空きビン
リサイクル
缶
空き缶
リサイクル
ペットボトル
ペットボトル
リサイクル
(キャップ、ラベルはプラスチック類)
リサイクル可能な紙類
チラシ、パンフレット等のミックスペー
パー、段ボール
可燃ごみ
リサイクル
等
生ごみ、汚れた紙容器
焼却等適正処理
等
不燃ごみ
汚れたプラスチック容器
焼 却 、 埋 め立 て
等
等適正処理
イベントの主催者が廃棄物の収集運搬・処理を業者に委託する場合は、委託先の業者に
分別した区分毎に排出量を把握するように依頼し、報告を受けるようにします。なお、産
業廃棄物の収集運搬・処分を委託する際には、許可をもった委託先の業者に対してマニフ
ェスト(産業廃棄物管理票)*を交付するなど、法律に則り適切に処理することが必要です。
*マニフェストの入手に関しては、各都道府県の産業廃棄物協会で購入することができます。マニフェス
トの取り扱いに関しては、全国産業廃棄物連合会ホームページを参考にして下さい。
(http://www.zensanpairen.or.jp/)
イベント会場によっては、電気使用料や水使用料、ごみ処理費などが会場使用料として
一括で請求され、電気使用量や上水使用量、廃棄物の排出量などの個別の環境負荷を把
握できない場合もあります。そのような場合は、数値(量)の把握はできなくても、電
気や水の使用量や廃棄物の排出量を減らす取組を行い、それにより削減されたであろう
取組の効果を把握するようにして下さい。「①取組結果と取組による効果の把握
参照」
d.二酸化炭素排出量の把握
イベントの開催に伴う二酸化炭素の排出量は、a~cで把握したエネルギー・水の使
用量及び廃棄物の排出量に、それぞれの二酸化炭素排出係数*を乗じて合算することによ
り把握することができます。それぞれの排出係数は表7のとおりです。
その際に、イベントで使用する電力をグリーン電力にした場合は、グリーン電力証書
を購入した発電量に見合った二酸化炭素排出量を全体の排出量から引きます。
また、イベントの実施により排出された二酸化炭素の排出量と同等又は一部について
排出権を購入した場合は、購入した排出権に相当する分を差し引いた量が、イベントに
16
よる二酸化炭素排出量の合計ということになります。
*排出係数とは電気などの単位使用量当たりから排出される二酸化炭素の重さを求めるための数値です。
表7:二酸化炭素排出係数
エネルギー・上水
使用量(α)
電気
排出係数(β)
二酸化炭素排出量(α×β)
化石燃料
(
)kWh
0.39
(
)kg-CO2
灯油
(
)リットル
2.5
(
)kg-CO2
軽油
(
)リットル
2.6
(
)kg-CO2
重油
(
)リットル
2.7
(
)kg-CO2
3
都市ガス
(
)Nm
2.1
(
)kg-CO2
LP ガス
(
)kg
3.0
(
)kg-CO2
(
3
)m
6.5
(
)kg-CO2
(
)リットル
2.3
(
)kg-CO2
0.36
(
)kg-CO2
ガソリン
上水
3
(
)m
(参考)重油以外の排出係数の出典は環境省「(家庭からの二酸化炭素排出量算定用)排出係数一覧」平成
18 年 6 月、重油の排出係数の出典は「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」で定める排出
係数
廃棄物
発生量(α)
リサイクルされなかった
廃棄物*
(
)kg
排出係数(β)
0.34
二酸化炭素排出量(α×β)
(
)kg-CO2
(参考)排出係数の出典は環境省「(家庭からの二酸化炭素排出量算定用)排出係数一覧」平成 18 年 6 月
*リサイクルされなかった廃棄物
=
廃棄物の総排出量
17
-
リサイクル量
3.環境行動計画書の作成
環境に配慮したイベントを実施するためには、イベントの企画段階でどのような取組を
行うのか計画を立て、イベント終了後に実施結果を取りまとめ、取組による環境負荷の削
減効果や実際の環境負荷の発生量を把握することが重要です。
そこで P.29~30 の「別紙:環境行動計画書」を用いて、P.4 の「2.イベントにおける
環境への取組」で説明した内容をもとに、イベントにおける環境配慮の取組の計画から実
施結果までをひとつの表に取りまとめます。
「環境行動計画書」は、A.イベントの概要、B.環境配慮の取組に関する計画と実施
結果、C.把握結果から構成されています。
記載方法については、P.31~32 の「参考資料:環境行動計画書(記載例)」を参考に、ま
ずはAにイベントの概要を記載し、次にBの計画欄に P.5 の「(2)主な環境負荷の抽出」、
P.7 の「(3)環境配慮の取組」をもとに、自らのイベントにおける「環境に影響を与える
活動、環境負荷、環境配慮の取組」を記載します。そしてイベント終了後に、P.13 の「(5)
実施結果の取りまとめ」をもとに、Bの実施結果の欄に「取組結果、取組による効果」を
記載し、Cには実際に把握した環境負荷の発生量等を記載します。
A.イベントの概要
-イベント名、開催期間、開催時間、開催場所、出展(店)者数、参加者・来場者
(客)数、イベントの内容
B.環境配慮の取組に関する計画と実施結果
-イベント実施の各段階における計画
環境に影響を与える活動、環境負荷、環境配慮の取組
-実施結果
取組結果、取組による効果
C.把握結果
a.エネルギー使用量
b.上水使用量
c.廃棄物排出量
d.二酸化炭素排出量
4.イベントにおける環境への取組結果の公表
イベントにおける環境への取組を広く推進していくためには、環境に配慮したイベント
を実施した結果等について、一般にPRするなど積極的に情報を発信していくことが重要
です。イベントの実施にあたっては、開催前は集客等のため各種媒体を通じた広報、情報
発信を積極的に行いますが、イベントの終了とともにその役割も終えてしまうというのが
一般的です。しかし環境に配慮したイベントを実施する場合は、その準備段階から取組の
内容をPRし来場者にも事前に環境配慮の取組への協力を呼びかけるとともに、イベント
の実施後には環境に配慮した取組による効果、実績等についても情報を発信していくこと
が、環境に配慮したイベントの証として重要と考えます。公表にあたっては、取組の計画
と実施結果等が取りまとめられた環境行動計画書を活用するとよいでしょう。
18
事例集
事例1.リユースカップの取組事例と効果
音楽イベントでのリユースカップの事例と効果は以下の通りです。
<SUMMER SONIC 04 の取組>
○内容:
リユースカップを音楽イベントとして初の本格導入。会場内に出展の 53 全ての飲食出展
者がビールを販売する際、使い捨て紙コップなどの代わりに利用。製作したリユースカ
ップは 22,000 個、サイズは通常イベントで使用されている紙コップのサイズに最も近い
450ml。幕張メッセ内に設置した食器洗浄機を使用して繰り返し使用。
A SEED JAPAN のコーディネートしたボランティアが、2~3時間ごとのシフト制(常時
約 30 人)でリユースカップの回収、洗浄、貸出などを担当。
リユースカップ導入概要
主催者:東京 → テレビ朝日、ニッポン放送、J-WAVE、MTV、Bay FM
大阪
→
朝日放送、MTV
開催日:2004 年 8 月 7~8 日(2 日間)
開催場所:東京
→
千葉マリンスタジアム、幕張メッセ展示ホール1~6、
ビーチステージ(幕張の浜:マリンスタジアム裏)
大阪
→
WTC オープンエアスタジアム、インテックス4、5ホール、
ZEPP OSAKA
イベント内容:都市型ロック・フェスティバル
動員数:1日目 → 45,000 人
2日目 → 45,000 人
19
○効果:
※リユース食器の貸出などについては、リユース食器ネットワークのウェブサイト
(http://www.reuse-network.jp/)を参考にして下さい。
(参考)SUMMER SONIC 04 ウェブサイト http://www.summersonic.com/04/index.html
財団法人地球・人間環境フォーラム、平成 16 年度リユースカップ等の実施利用に関する検討
調査報告書
資料編
資料2
20
事例2.チケットレスの取組事例
チケットレス(ケータイチケットサービス)に取り組んだイベントの一例です。
<Re-style LIVE VOL.5 with チーム・マイナス6%>
○内容:
イベント主催者からチケット購入者の携帯電話にチケット(入場用の QR※)表示用の URL
をメールで送信。チケット購入者は URL をクリックすることでチケット(入場用の QR)
を携帯電話の画面に表示し、入場時に QR を QR リーダーにかざすことで入場可能。
※2次元バーコードの一種
入場時の様子
主催者:チーム・マイナス6%(環境省)
開催日:東京 → 2008 年 6 月 5 日
札幌
→
2008 年 6 月 10 日
開催場所:東京
→
NHK ホール
札幌
→
札幌教育文化会館
イベント内容:屋内ライブ(招待制・無料)
※携帯チケットサービスの詳細については、ウェルネット株式会社のウェブサイト
(http://www.well-net.jp/)を参考にして下さい。
(参考)ウェルネット(株)ウェブサイト http://www.well-net.jp/mobile/187.html#more
21
事例3.グリーン電力証書の使用例
屋外イベントでのグリーン電力証書の使用例は以下の通りです。
<ap bank fes'07 における取組>
○内容:
ap bank fes'07 では、「グリーン電力証書システム」を導入し、イベントで必要とされる
電力などにグリーン電力を活用。
(ライブエリアのエネルギーは静岡市内(中島浄化セン
ター内)の風力発電施設「風電君」で発電されたグリーン電力によってまかなわれるも
のとみなされる。)
グリーン電力の種別:風力発電
発電電力量:18,000kWh
証書発行事業者:日本自然エネルギー株式会社
主催者:ap bank
開催日時:2007 年7月 13~16 日(4 日間)
開催場所:ヤマハリゾートつま恋(静岡県)
イベント内容:野外ライブなど
来場者数:27,000 人(台風の影響で 7/16 の1日のみの開催)
(参考)有限責任中間法人 AP バンク、「ap bank fes '07 environmental report」
ap bank fes'07 ウェブサイト http://www.apbank-ecoreso.jp/07/
22
<栗林公園春のライトアップ 2008 における取組>
○内容:
「グリーン電力システム」を利用して、ライトアップで使用する電力のすべてに、グリ
ーン電力(香川県内の太陽光)を使用。
グリーン電力の種別:太陽光発電
発電電力量:1,100kWh
証書発行事業者:特定非営利活動法人太陽光発電所ネットワーク
主催者:香川県
開催日:2008 年 3 月 28~4 月 6 日(10 日間)
開催場所:栗林公園(香川県)
イベント内容:ライトアップなど
入園者数:15,098 人(夜間入園者)
(参考)栗林公園ウェブサイト http://www.pref.kagawa.jp/ritsurin/2008_slightup.html
四国新聞ウェブサイト
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/social/article.aspx?id=20080408000103
23
その他、日本自然エネルギー株式会社、株式会社自然エネルギー.コム(エナジーグリー
ン)、特定非営利活動法人太陽光発電所ネットワーク、ネクストエナジー・アンド・リソー
ス株式会社のウェブサイト上でイベントにおいてグリーン電力を導入している事例として
紹介されているイベントを抜粋します。
○東京マイコープ
環境キャンペーン
親子環境映画鑑賞会
○備前エコフェスタ
○いいだ人形劇フェスタ実行委員会
○ap bank fes'06
○AIG エジソン生命株式会社東京総支社
○MUSIC ON! TV「風のラプソディ~Harmony with the Earth」
○環の音楽~和田倉門噴水公園~
○省エネ住宅・エコライフ推進セミナー(飯田市環境協議会主催)
○千葉商科大学
○第 7 回 TOKYO こどもエコクラブまつり
○ゼロ・カーボン・シティ東西南北写真展
○The Record of the Record of the Time
○坂本龍一 JAPAN TOUR 2005
○ap bank fes'05
○TUBE LIVE AROUND SEASIDE VIBRATION
○ODAIBA ソーラーパフォーマンス 2005
(以上、2008 年 8 月現在、日本自然エネルギー株式会社ウェブサイトから)
○エイデン60周年記念感謝イベント「スーパー家電LIVE!!」
○世界陸上大阪大会
○バウコミュニケーションズ「100 万人のキャンドルナイト@オオサカシティ」
○J-WAVE「Green Casting Day」
○東京都庁ライトアップ
○エコプロダクツ 2006
(以上、2008 年 8 月現在、株式会社自然エネルギー.コムウェブサイトから)
○生活協同組合
東京マイコープ
2008 年度総代会
○CO2 削減 かがわええこと運動 キックオフフォーラム
○平成 20 年度とくしま環境県民会議総会
○第 4 回さがみはら環境まつり
○市民生活協同組合
ならコープ
第 35 回通常総代会
○エネルギー&エコロジー博覧会 2008 in 四国
○アースデイ愛知 2008
○佐藤典子舞踏生活 60 周年記念事業「未来への讃歌」
○自民党豊島総支部
さくら&佐倉
お花見ツアー
○アースデイおおさか 2008
24
○おかやま太陽(おひさま)エネルギーフェア
○ひた市民環境会議エネルギー部会
映画「六ヶ所村ラプソディー」上映会
○サークルおてんとさん 集まれ!奈良の自然エネルギー2008
○平成 19 年度掛川市新エネルギーフォーラム
○G20 ちば 2008 記念国際フォーラム
○平成 19 年度 掛川市「環境を考える市民の集い」
○Green Power Campaign in Marunouchi 2007-2008
○KAGAWA ラブアース・フェスタ(香川県地球温暖化防止活動推進センター開設記念事業)
○PV-Net フォーラム関西
○NAGOYA イルミネーショングリーン化キャンペーン
○第 10 回環境リサイクルフェア
○平成 18 年度掛川市新エネルギーフォーラム
○環境フェスタ in ちくご
○Stop!地球温暖化~みんなでやろうよ。地球に『ええこと』Party~
○ひむか・おひさま共和国 2007 年度イベント活動
○放送大学東京世田谷センター第 21 回下馬祭
○小平市リサイクルフェスティバル(2007 年)
○エコメッセ 2007 in 吉祥寺
○第 5 回しずおか環境・森林フェア
○エコメッセ 2007in ちば
○環境デーなごや
○自然に学ぶものづくり
ジュニアフォーラム 2007
○KAGAWA環境シネフォーラム
○LIVE EARTH JAPAN
○かがわ環境シンポジウム
○第 2 回新エネルギー世界展示会
○香川県環境学習プログラム集「活動事例
地球温暖化防止」パネル展(2007 年)
○平成 18 年度 第 13 回環境を考える市民の集い(掛川市)
○Marunouchi イルミネーショングリーン化キャンペーン
○エネルギー&エコロジー博覧会 2007 in 四国
○第 8 回環境リサイクルフェア(甲府市)
○平成 18 年度掛川市新エネルギーフォーラム
○第 5 回環境フェスタ in ちくご
○再生可能エネルギー国際会議 2006
○小平市リサイクルフェスティバル(2006 年)
○ap bank fes '06
○FoE Japan「化石燃料恐竜@アースデイ東京 2006」
○retired weapons@Earth Day Tokyo 2006
○伝統的建物保存とまちの活性化フォーラム 2005
○GEP自然エネルギー学校エコツアー
○清里スターフェスティバル
25
○ゼロ・カーボン・シティ東西南北写真展
○坂本龍一 Japan Tour 2005
○ap bank fes '05
(以上、2008 年 8 月現在、特定非営利活動法人太陽光発電所ネットワークウェブサイ
トから)
○エコに親しむ展示会 in 南箕輪村
○KOMA 夏!!第 6 話
○G8 洞爺湖サミットメディアセンターからのライブ配信
○グリーンエネルギーパートナーシップ
(以上、2008 年 8 月現在、ネクストエナジー・アンド・リソース株式会社ウェブサイ
トから)
26
事例4.バイオディーゼルを燃料とした発電機の導入事例と効果
屋外イベントでのバイオディーゼルを燃料とした発電機の導入事例と二酸化炭素排出量
削減効果は以下の通りです。
<アースデイ東京 2008 の取組>
○内容:
ディーゼルエンジン(16kVA の発電機 11 台、3kVA の発電機 6 台)を使って発電した電力
を野外ステージで開催した「アースデイコンサート」に使用。
○効果:
燃料として用いたバイオディーゼルは 846 リットルで、二酸化炭素排出量削減効果は約
2.2t。
※バイオディーゼルは、植物由来の油脂を原料として作られるディーゼルエンジン用の
燃料で、燃焼しても二酸化炭素の排出がゼロとみなされる燃料です。アースデイ東京
2008 で使用されたバイオディーゼル燃料は、家庭からの使用済み天ぷら油を集めたも
のです。
※使用済み天ぷら油の回収方法・ルールについては、下記 URL を参考にして下さい。
http://www.earthdaymoney.org/vdf/houwto.html
(参考)アースデイ東京 2008 実行委員会、「Earth Day Tokyo 2008 OFFICIAL REPORTS」
事例5.ソーラーパワートラックの導入事例
屋外イベントでのソーラーパワートラックの導入事例と二酸化炭素排出量削減効果は以
下の通りです。
<アースデイ東京 2008 の取組>
○内容:
トラックの荷台やウィング部分に取り付けられている太陽光パネル(発電容量 5kW、7 時
間稼働)から得た電力を、トラックに積載の蓄電設備に充電し、屋外でのステージ「グ
リーントークステージ」で用いるマイクの出力やスクリーン放映などの電力として使用。
※ソーラーパワートラックの貸出やリースについては、株式会社キシムラインダストリ
ーのウェブサイトを参考にして下さい。http://www.kishimura.com/ecomo.htm
(参考)アースデイ東京 2008 実行委員会、「Earth Day Tokyo 2008 OFFICIAL REPORTS」
27
事例6.パーク・アンド・ライドの取組事例と効果
屋外イベントでのパーク・アンド・ライドの取組事例と効果は以下の通りです。
<金沢百万石まつりの取組>
○内容:
金沢市内に4カ所臨時駐車場を設置し、計 720 台の駐車場スペースを確保(駐車料金無
料)。臨時駐車場の近くに路線バスのバス停があり、増便で対応するといったパークアン
ドバスライドのシステム。
バス料金はパークアンドバスライド利用者に限り、片道 100 円(往復 200 円)分の割引
を実施。
主催者:第 57 回金沢百万石まつり実行委員会(金沢市役所・金沢商工会議所)
開催日:2008 年 6 月 6~8 日(3 日間)
開催場所:金沢城公園ほか
イベント内容:百万石行列、薪能、茶会など
入園者数:約 40 万人(前回、第 56 回の観客動員数)
○効果:
698 台、1,984 人が利用。4カ所の臨時駐車場のうち3カ所が満車となり、当日実施のア
ンケートによると来年も利用したいとの意見が多数(約 89%)を占めた。
金沢地区のバス利用者数が 52,555 人で前年のまつり当日と比較して、5,662 人(12.1%)
増。
(参考)金沢百万石まつりウェブサイト http://www.100mangoku.net/
金沢市都市政策局交通政策課、「金沢百万石まつりパーク・アンド・ライド」~加賀百万石の
一大イベントにおける事例~、JPO ニュース NO.52
28
2006
秋
アウトプットに
伴う環境負荷
の削減
参考資料:環境行動計画書(記載例)
A.イベントの概要
C.把握結果
開 催 期 間 :
平成20年 10月 12日 ~ 平成 20年 10月 13日
開 催 時 間 :
10:00 ~ 17:00
開 催 場 所 :
(会場名) エコエコ公園
(住
( 新規・継続 )
最終日 15:00終了
( 屋内・屋外 )
所) 東京都○○区 △△町 1-1-1
50
来 場 者 (客 )数 :
10,000 人
(
電気
化石燃料
イベント内 容 :
フリーマーケットの開催。
(主旨、プログラム等)
フリーマーケットの他、農産物等の直販、焼きそば、たこ焼き
等の飲食の販売
排出係数(β)
)kWh
二酸化炭素排出量(α×β)
0.39
(
)kg-CO2
軽油
( 80 )リットル
2.6
(
208)kg-CO2
LP ガス
( 20 )kg
3.0
(
60)kg-CO2
( ― )リットル
0.36
(
b.上水
団体
c.廃棄物
出 展 (店 )者 数 :
使用量(α)
a.エネル
エコエコ・フリーマーケット
ギー
イ ベ ン ト 名 :
―
)kg-CO2
d.二酸化炭素
排出量
びん
( 16 )kg
(リサイクル)
-
缶
( 13 )kg
(リサイクル)
-
ペットボトル
(
5 )kg
(リサイクル)
-
リサイクル可能な紙
(
7 )kg
(リサイクル)
-
可燃ごみ
( 15 )kg
0.34
(
不燃ごみ
(
0.34
( 2.72)kg-CO2
①イベント実施に伴う
-
二酸化炭素の排出量 計
②グリーン電力証書の購入
③排出権の購入
8 )kg
(
-
)kWh
-
5.1)kg-CO2
(275.82)kg-CO2
0.39
(
)kg-CO2
-
(
)kg-CO2
二酸化炭素排出量の合計 = ① - ② - ③
(275.82)kg-CO2
B.環境配慮の取組に関する計画と実施結果
計
環境に影響を与える活動
Ⅰ.イベントの企画の段階
Ⅱ.イベントの準備の段階
環境負荷
会場の選定
案内のチラシの作成
飲食の提供に伴う容器の使用
紙の使用
資材の使用
画
実施結果
環境配慮の取組
取組結果
車での来場は原則として禁止し、公共交通機関の利
公共交通機関の便のよい会場を選定し、開催案内に公共
便性のよい場所を選定
交通機関での来場を呼びかけた。
インターネットによる参加団体の募集や広報を積
参加団体の応募は全てインターネットで行い、紙媒体に
極的に行い、チラシの作成を少なくする
よる受付はしないことにより紙の削減につながった。
リユースカップを使用する
リユースカップを導入し、約 15,000 杯の飲料を販売し
15,000 杯×0.074 kg-CO2
た
=1,110 kg-CO2 削減
廃棄物の排出
Ⅲ.イベントの開催の段階
トイレ等による水の使用
水の使用
会場において節水を呼びかける
会場のトイレの前等に節水を呼びかける掲示をした
物品、飲食の販売等に伴う廃棄
廃棄物の排出
会場から排出された廃棄物は可能な限り分別回収
ごみは、可燃ごみ、不燃ごみ、ビン、かん、ペットボト
し、リサイクルを行う
ル、紙類の6つに分別回収し、不燃、可燃ごみ以外はリ
物の発生
取組による効果
サイクルした。
Ⅳ.その他
来場者へ環境配慮の呼びかけ
イベントの広報を通じて環境に配慮したイベント
リユースカップへの協力を呼びかけることにより、ほぼ
をPRする。当日はリユースカップやリサイクル等
100%に近い回収率となった。
への協力を呼びかける。
イベントを通じての感想
初めて環境に配慮したイベントを実施したので、何から取り組んでよいのか最初の計画段階でかなり苦労した。今回の取組の成果としては、まずはイベントを実施するスタッフ自身の環境に
対する意識が高まったことである。取組としては、大きな目標としてリユースカップの導入と廃棄物の削減、リサイクルを掲げて取り組んだ。両方とも参加者、来場者の協力が不可欠な取組
であり、そのような点からも環境に配慮したイベントであるという気持ちを皆で共有でき、初めての取組としてはよかったのではないかと思っている。
31~32
アウトプットに
伴う環境負荷
の削減
別紙:環境行動計画書
A.イベントの概要
C.把握結果
イ ベ ン ト 名 :
開 催 期 間 :
( 新規・継続 )
平成
年
開 催 場 所 :
(会場名)
(住
~
年
月
日
電気
:
( 屋内・屋外 )
所)
出 展 (店 )者 数 :
団体
来 場 者 (客 )数 :
人
化石燃料
:
日 ~ 平成
a.エネルギー
開 催 時 間 :
月
使用量(α)
(主旨、プログラム等)
二酸化炭素排出量(α×β)
(
)kWh
0.39
(
)kg-CO2
灯油
(
)リットル
2.5
(
)kg-CO2
軽油
(
)リットル
2.6
(
)kg-CO2
重油
(
)リットル
2.7
(
)kg-CO2
都市ガス
(
)リットル
2.1
(
)kg-CO2
(
)kg
3.0
(
)kg-CO2
(
3
6.5
(
)kg-CO2
LP ガス
イベント内 容 :
排出係数(β)
ガソリン
)m
3
(
)Nm
2.3
(
)kg-CO2
(
)リットル
0.36
(
)kg-CO2
びん
(
)kg
(リサイクル)
-
缶
(
)kg
(リサイクル)
-
ペットボトル
(
)kg
(リサイクル)
-
リサイクル可能な紙
(
)kg
(リサイクル)
-
可燃ごみ
(
)kg
0.34
(
)kg-CO2
不燃ごみ
(
)kg
0.34
(
)kg-CO2
-
(
)kg-CO2
0.39
(
)kg-CO2
-
(
)kg-CO2
b.上水
c.廃棄物
d.二 酸 化
炭素排出量
①イベント実施に伴う
-
二酸化炭素の排出量 計
②グリーン電力証書の購入
③排出権の購入
(
)kWh
-
二酸化炭素排出量の合計 = ① - ② - ③
(
)kg-CO2
B.環境配慮の取組に関する計画と実施結果
計
環境に影響を与える活動
画
環境負荷
実施結果
環境配慮の取組
取組結果
取組による効果
Ⅰ.イベントの企画の段階
Ⅱ.イベントの準備の段階
Ⅲ.イベントの開催の段階
Ⅳ.その他
イベントを通じての感想
29~30