close

Enter

Log in using OpenID

井上一馬編 - The Japan Times BOOKCLUB

embedDownload
井上一馬 編
目次/001〜007.indd 1
08.11.12 10:40:07 AM
はじめに
アメリカのコラムは、ただ読んでいるだけでも楽しいが、英語学習の素材として実は
非常に優れている。
アメリカのコラムニストのコラム集を初めて翻訳出版したのは1985年のことだったが、
それ以来これまでに、日本の多くの学校で使われている英語の教科書に、どれほど多く
のアメリカン・コラムが収録されてきたかわからない。
アメリカのコラムが英語学習の素材に向いている第1の理由は、それが多くの人々の読
む新聞(や雑誌)
に掲載されているため、言葉遣いや文体などに文学ほどの偏りがないと
いうことだろう。文学者は人とは違った言葉や文体を使うことに心を砕くが、新聞のコラ
ムニストたちは、多くの人々に理解され、共感されることに心を砕くのである。
第2の理由は、コラムが読んでいて楽しいことだろう。英語学習の素材は、何と言って
も楽しいのがいちばんである。
アメリカのコラムには、たいていどのコラムにも個性的なウィットやユーモアが効いてい
てクスリと笑わせられることが多いし、さまざまな物事の明晰な分析や、ふつうの人間で
はちょっと思いつかないユニークな視点に感心させられることも多々ある。また、
多くの人々
が関心をもつ
「いま」
の話題が取り上げられるケースも多いので、そこから社会のいまの鼓
動を感じ取ることができるのである。
日本の新聞ではいまでも無署名の記事が多いが、アメリカでは新聞や雑誌は署名入
りの記事が基本で、その中でもコラムニストには特別に(多くは枠囲みで)1本の縦の欄
が与えられ、そこに署名入りの文章を書くことが許されるのである。
コラムニストたちがそのことに栄誉と誇りを感じ、日々腕によりをかけて優れた文章を
物していることは言うまでもないだろう。
本書『英語で読む アメリカン・コラム』では、そうした楽しく役に立つコラムの中から、
いま
「もっとも活躍している」
コラムニストと、いま
「もっとも敬意を抱かれている」
コラムニス
あふ
ト、そして「もっとも人情味溢れる」コラムニストの3人のコラムを、それぞれ2編ずつ収録
した。
これを英語学習の素材として有効に活用するとともに、読者の方々がアメリカン・コラ
ムを英語で愛読するきっかけになってくれれば、編者としてこれにまさる喜びはない。
2008年10月 井上一馬
目次/001〜007.indd 2-3
08.11.12 10:40:08 AM
CONTENTS
はじめに 3
第1章
第2章
David Brooks ―――――― 7
全訳
Truck Stop Confidential ―――――― 8
トラック用サービスエリアの㊙話 118
Goodbye, George And John ―――――― 24
さようなら、ジョージ、ジョン 121
Clarence Page ―――――― 41
スピアーズ姉妹はあまりにも安易に裁かれすぎている 127
Spears sisters make it all too easy to judge them ――― 58
Bob Greene ―――――― 75
Getting to the Heart of a Man Named Veeck ――――― 76
A Testing Time ―――――― 88
クラレンス・ペイジ
なくてはならない存在に 124
Indispensable ―――――― 42
第3章
デイヴィッド・ブルックス
ボブ・グリーン (ヴェックという名の男の心に届く)
大リーグのオーナー、ヴェック
130
大学進学適性試験 133
編集協力:但馬智子
ブックデザイン:大森裕二
イラストレーション:タケウマ
●CDについて
CDには、本書の英文コラム6本が収録されています。
収録時間:約45分
ナレーション:Josh Keller
録音・編集:ELEC録音スタジオ
目次/001〜007.indd 4-5
DTP組版:朝日メディアインターナショナル株式会社
*本書の英文はすべて原書のままです。パラグラフ間に
は学習上の配慮から1行分の空きを入れています。原書に
部分的な行間空きのある箇所は1.5行空きとしています。
初出は巻末のコピーライトをご参照ください。
08.11.12 10:40:08 AM
David
Brooks
第1章
デイヴィッド・ブルックス
デイヴィッド・ブルックスは、1961年、カナダのト
ロントに生まれ、シカゴ大学を卒業したアメリカのコ
ラムニストである。
現在は、
『ニューヨーク・タイムズ』
紙に週2回コラム
を執筆するかたわら、週刊誌の『ニューズウィーク』や
月刊誌の
『アトランティック・マンスリー』
誌にも寄稿し
ている。また、公共放送PBSテレビの
『ニューズアワー・
ウィズ・ジム・レーラー』
や、ABCテレビの報道番組に
登場し、政治評論家として活発な論陣を張っている。
そのいっぽうで、2000年代になってアメリカ社会
に登場した「ボヘミアンの心をもったブルジョア」上流
階級を
「ボボス」
と命名し、
彼らに関する本も物している。
ブルックスは、まさしくいまアメリカで「もっとも活
躍している」
コラムニストと言って差し支えないだろう。
彼の活動範囲の中心は政治評論や社会評論だが、
『ニューヨーク・タイムズ』紙のコラムでは、本書に収
録したコラムからもうかがわれるとおり、かなり広く社
会一般の現象を取り上げ、優しい眼差しでウィットを
込めた文章を書き、幅広い人気を集めている。
目次/001〜007.indd 6-7
08.11.12 10:40:09 AM
CD
1
読解のコツ
Truck Stop Confidential
I found myself at the counter of a truck stop diner
1
「気がつくと私はトラック用のサービスエリアにある食堂にいた」
find oneself で
「自分が∼であるのに気づく」
の意。
diner は dining car(食堂車)
から生まれた言葉で、大衆向けのレストランのこと。
Last Saturday evening, I found myself at the counter of a truck
stop diner in Caroline County, Va. I was sitting next to a weathered
trucker whose accent betrayed an East Texas upbringing and a
lifetime devoted to tobacco products. We quickly established that
we were both celebrating birthdays. He was 68.
He’d been trucking for 46 years, away from home for nine
months a year for most of them. He’d run through five marriages
and now traveled with a little dog.
a weathered trucker whose accent betrayed an East Texas upbringing
2
「その訛りからおのずとテキサス東部の育ちだとわかる、年季の入ったトラック運転手」
betray は直訳すれば「裏切って漏らす、さらけ出す」
という意味で、ここでは
「言わなくても
わかってしまう」
ぐらいの意。
a lifetime devoted to tobacco products
3
「煙草製品に捧げられた生涯」
5
若い頃からずっと煙草を吸いつづけてきたということ。
We quickly established that we were both celebrating birthdays.
4
「私たちはすぐに、お互いに誕生日を祝っているのだいうことを打ち明けた」
この establish は、
「
(映画などの)
登場人物の設定を明らかにする」
という意味の establish
と同じ使い方。
He’d run through five marriages
7
「彼は5回の結婚生活を経てきた」
run through は
「通り抜ける」
の意。
解説
メモ
アメリカと言えば、西部開拓のカウボーイ。カウボーイと言えば馬がつきものだが、
時代を経るにしたがって、その馬が車に変わった。だから車は、ある種、アメリカを象
徴するものだと言っていい。
したがって、いまも車を乗りこなして仕事をするトラック運転手は、きわめてアメリカ
的な職業、アメリカらしさを象徴する職業だと言うこともできるだろう。
そんなトラック野郎と言うと、私は、
『コンボイ』という映画を思い起こす。convoyと
は車や船の一団のことである。
大型トレーラーの運転手クリス・クリストファーソンと、彼を目の敵にする保安官アー
◎truck stop:トラック用のサービスエリア ◎confidential:機密の ◎Va.:ヴァージニア
州 ◎weathered:風雨にさらされた ◎betray:裏切って漏らす、さらけ出す ◎upbringing:育ち ◎devote:捧げる、つぎ込む ◎establish:確立する、世間に認めさ
せる、~の設定を明らかにする
Truck Stop Confidential
American Column 1/008〜039.indd 8-9
ネスト・ボーグナインの対立を描いたその映画では、クリストファーソンの仲間の運転手
たちがトラック隊
(コンボイ)
を形成し、警察隊と対決した。
監督のサム・ペキンパーは
『ワイルドバンチ』
『わらの犬』
『ゲッタウェイ』
など、異色の個
性的な作品で知られる人物である。
デイヴィッド・ブルックス 08.11.12 10:41:04 AM
CD
2
His son, who dropped out of school at 15, was also a trucker.
His brothers and nephews were truckers. He’d tried to retire from
trucking a few years ago, but he didn’t like fishing so now he is
back on the road driving routes like this one, from Las Vegas to
Newport News.
読解のコツ
He’d tried to retire from trucking a few years ago
2
「彼は何年か前にトラック運転手の仕事から引退しようとした」
He’
d tried は He had tried の略。
so now he is back on the road driving routes like this one
3
「それでいまはまたトラックの仕事に戻って、こういうルートを走っている」
5
on the road は熟語で「旅に出て、巡業に出て」といった意味だが、ここでは back on the
He wanted to be a trucker since he was a little boy. Several
years ago, he calculated that he had driven more than 8 million
miles. As he talked, eating a dessert of sugar-coated strawberries,
his love of trucking infused every sentence. He had rebuilt his own
vintage truck from the radiator on back. He described the
challenges of hauling saltwater from the oil fields and huge
turbines across country.
road で文字通り
「道路に戻った」
の意。
Several years ago, he calculated that he had driven more than 8 million miles.
6
「数年前に計算してみると、すでに800万マイル以上走っていた」
his love of trucking infused every sentence
9
「トラック運転手という仕事への愛情がどの言葉からもにじみ出ていた」
infuse=inspire。
10
He described the challenges of hauling saltwater from the oil fields and huge turbines
10
across country.
「油田から塩水を運び出したり、巨大なタービンを乗せて道なき道を走ったりする仕事の醍
醐味を語った」
challenge はここでは
「難問、やりがいのある困難な仕事」
の意。
across country の country は、cross country の countryと同じで、
「まともな道路を走
らずに田野を横断して」
という意味。
turbine「タービン」
は空気、水、蒸気などで回す原動機のこと。 解説
メモ
ヴィンテージとは
「年代もの」
のことだが、
トラックは車よりも消耗が激しいせいか、
ヴィ
◎drop out:中途退学する、ドロップアウトする ◎nephew:甥 ◎retire from:~から引
退する ◎calculate:計算する ◎sugar-coated:砂糖をかけた、まぶした ◎infuse:吹
き込む、注入する ◎vintage:年代ものの ◎radiator:冷却装置、ラジエーター ◎describe:述べる、説明する ◎haul:車で運ぶ ◎saltwater:塩水 ◎oil field:油田
◎turbine:タービン、モーター
10 Truck Stop Confidential
American Column 1/008〜039.indd 10-11
ンテージ・カーの話はよく聞いても、ヴィンテージ・トラックの話はあまり聞いたことがな
い。
ヴィンテージ・カーなら、アメリカで代表的なのは、GMの高級車キャデラック、フォー
ドの大衆車マスタング、GMのスポーツカー・ファイアーバード、やはりGMの
(シボレー)
カマロなどがあげられる。
デイヴィッド・ブルックス 11
08.11.12 10:41:05 AM
Author
Document
Category
Uncategorized
Views
1
File Size
715 KB
Tags
1/--pages
Report inappropriate content