2015年度後期期末試験問題

平成 28 年 2 月 5 日
平成 27 年度バイオシミュレーション期末試験問題
1 下記代謝ネットワーク中の v1=100, v5 = 60, v6= 40 流束測定値があるとき,v2 が最大となるよう
に,v2, v3, v4, v7 の流束を計算せよ。流束は負の値をとらない。(10 点)
2 下図の酵素反応ネットワークを表現する数学モデルを GMA を用いて書け。べき乗定数が負と
なる項を指摘せよ。定数の名前は適当に与えてよい。X1 から X5 は代謝物、X6 から X10 は酵素、
また、X1から X4 は従属変数、X5 から X10 は独立変数である。X4 は X1 から X2 への酵素反応
を阻害する。GMA は以下のように記述される。
(20 点)
n
m
dX i
f
= ∑ kik ∏ X j ijk
dt
k =1
j =1
阻害
Suppression
X9
X7
X2
X1
X5
X4
X3
X6
X8
X10
3 酵素反応速度式について以下の問に答えよ。
(1) 以下の酵素反応を CMA で記述せよ。(10 点)
k
1
k
→
2
E+S
ES 
→E + P
←

k
−1
(2) 定常状態近似を行って、Michaelis-Menten 速度式を導け。酵素の全濃度を Eo,として、ミカ
エリス定数 Km を下記のように与えられる。(10 点)
Km =
k−1 + k2
k1
(3) K m と k2 E0 を実験で求めるときに使われる Lineweaver Burk Plot を描画せよ。(10 点)
1
4 感度解析について以下の問に答えよ。
(1) システムがロバストネスを生み出す仕組みを述べよ。 (10 点)
(2)
S-system:
dX 1
= aX 3 − bX 1 p
dt
dX 2
= bX 1 p − cX 2 X 4 q
dt
dX 3 dX 4
= = 0
dt
dt
の定常状態での感度
∂ ln X 1 ∂ ln X 1 ∂ ln X 2 ∂ ln X 2
,
,
,
∂ ln X 3 ∂ ln X 4 ∂ ln X 3 ∂ ln X 4
(10 点)
を求めよ。
5
時間の関数である変数 y 1 、 y 2 からなるシステムの連立微分方程式が
dy 1
= 2y1 − 3y 2
dt
dy 2
= 4 y1 − 5y 2
dt
 2 −3 
 の固有値を用いて、システムの安定性を論じよ。(10 点)
 4 −5 
のように表される。行列 
6 タンパク質 y の転写が自分自身によって促進されるとき、y の反応速度式は次のように記述できる。
dy
y
= k
−y
dt
K+y
このとき、合成速度 v が
v=k
y
K+y
(k は比例定数)
のように書けることを証明せよ。
エンハンサーe とタンパク質 y の結合定数を K =
[e] ⋅ [ y ]
とする。e:y は e と y の複合体である。v は e:y
[e : y ]
に比例すると考えてよい。
(10 点)
2