Movie最前線 あの人に聞け! - 映画祭TAMA CINEMA FORUM

発行: TAMA映画フォーラム実行委員会 住所: 〒206-0025 東京都多摩市永山1-5 多摩市立永山公民館内
TEL:042-337-6661 FAX:042-337-6003
URL http://www.tamaeiga.or.jp/
会報編集委員:遠藤亜佐子、鴨志田祐史、佐藤セーロー、菅井康博、中田温朗、夏井紀久子、野村浩利
舟口聡、増田雅子、真鍋薫子、望月裕香
そういうものが好きだったんですか?
﹁好きでしたね。﹃ジョーズ﹄とか﹃グリズ
リー﹄とか。やっぱりリアルな現実と地続きの
怖さというのが好きでしたね。完全にSFだっ
た り と か そ う い うの で は な く て。現代 の 人 間
が、リ ア ル に そ ん な こと が お き た らど う な っ
ちゃうんだろうって。﹂
よ
—くマンガが好きっておっしゃってますけ
ど、好きな作品とかは?
﹁特にこれが大好きというのはなくて。週刊
マンガとか一切買っていなかったんですよ。普
通に好きだっていうだけで。いまだに週刊マン
ガって読んでないんですよ。﹂
︵
—マンガの︶原作をしませんでした? 最
近。
今回は新作﹃ウォーターボーイズ﹄の公開が待たれる矢口史靖監督です。﹁監督業はサー
ビス業﹂と言い切る、エンターテイメントにこだわる監督のサービス精神旺盛さが伺える、
今までにないインタビューです。
ま
—ずお名前の“史靖︵しのぶ︶”ですが、名
前のいわれというのはあるんでしょうか?
矢口監督﹁知らないです。﹂
親
—から聞いたりとかは?
﹁ないですね。自分でも考えたことないです
よ。やだなとずっと思ってました。何か女みた
いだし。﹂
ど
—んな子供でした?どんな遊びをしていた
とか。
﹁人を笑かすのが好きでしたね。﹂
ク
—ラスではやっぱり人気者でした?
﹁それはなかったですね。おちゃらけがいき
すぎて、けっと思われてしまうというか。中学
くらいから、もう目立つとけっと思われるのな
ら、隠れてしようと思うようになりました。い
たずらをして誰が犯人か気づかれないけど、そ
れ で 慌 て てい た り びっ く り して い た りす る の
をよそから眺めているのが楽しいというか。落
とし穴に近いですね。﹂
好
—きなTV番組とかは?
﹁﹃日本沈没﹄。怖さに震えてましたね。﹃バ
イオニックジェニー﹄とかね。﹃600万ドル
の男﹄って知ってます?あれの女版でね。現実
から地続きのとんでもない話というか。ドラマ
で。﹂
そ
—れはアメリカのドラマですか?
﹁はい。﹃バイオニック∼﹄は。﹂
あ
—の頃パニック系ってはやりましたよね。
1
第二回 矢口史靖監督
Movie最前線 あの人に聞け!
﹁ああ、あれ書き始めて、初めて連続で
週刊マンガを読みましたね。﹂
じ
— ゃ あ 普 段 は 単行 本 で 読 むほ う です
か?
﹁そうですね。人から薦められて面白い
なーと思 って借 りて全巻 揃える ってこと
はありましたね。途中で5、6話だけ読ん
でても面 白く ないから。 続けて 読んでい
なかった から 惰性で 読まな いですね。普
通の子より好きだったのか言われる
と ・・・
?ま あ 好 き は 好 き で す け ど。嫌 い
じゃないです。﹂
好
—きな音楽とかは?
﹁聞 か な い で す ね。今 で も 聞 か な いで
す。﹂
じ
— ゃ あ 部 屋 に アイ ド ル の ポス タ ーが
貼ったりとかは?
﹁なかったですね。映画のポスターはあ
りました。ガ ンダ ムのポ スター もありま
した。﹂
高
—校では何か部活とかしてました?
﹁美術部でした。﹂
そ
—の後、大学で映研に入って、鈴木卓
爾さんと知り合って。 年1先輩で、今でも
一緒にお 仕事 されたり。 卓爾さ んの第一
印象ってどうでしたか?
﹁突飛な人だなーと。大学入るまで映画
を 自 分で つ くろ うな んて 思 って いな く
て、
︵高校時代︶美術部に入っていたから、
絵でやっ ていこ うかなと 漠然と 思ってい
て。絵はまあ苦手ではなかったので、特技
を生かし て受 験する ならと いうので、美
大をいろ いろ と受け たら、造形 大学に受
かって。新入生を勧誘するための部活・ク
ラブ紹介で、 ほか の連中 はみん なしゃべ
り で や っ て い た 中 で、い き な り 部 屋 が
真っ暗に なって 映写機が 回って 映画が始
まったんです。それが映研で、鈴木卓爾が
作った映 画を 上映し たんで すけど、素っ
裸で山を 走り回 ったり してる んですよ。
馬鹿だな ーと 思いつ つも、結構 面白くっ
て、会場にい た映 画なん かに興 味のない
連中にもうけていたんですよ。
こ れ っ て もし か し て絵 を 描 くよ り もお
客の気持 ちをダ イレクト につか めるのか
なー、映画って自分でもつくれるのか、と
衝撃を受 けまし てじゃあ 作って みようと
そのまま映研に入ったんですけどね。﹂
じ
—ゃあ卓爾さんの影響は大きいと。
﹁そうですね。すごく目立つ存在だった
んですよ。作る作品どれも面白かったし、
自分で出 て自 分で撮 っていて。 パフォー
マーに近いんですけど。で、俺が2年の時
かな。彼がP FF に出品 した作 品が入選
したんですよ。﹃虹﹄っていう。PFFっ
て何だろう? って その頃 やっと 考え始め
て、でっかい会場で上映するし。ライバル
意識が芽生えて。﹂
そ
年にPFFのグラ
—れで﹃雨女﹄で
ンプリと ってス カラシッ プの権 利をとっ
て。 年に﹃裸足のピクニック﹄を撮っ
て。この時面白いのが﹁裸ピク新聞﹂。こ
れはどこから発想したんですか?
﹁あ れ は パ ン フ をつ く る 予 算が な くっ
て、ペラ一枚 で何 か印刷 物をと いうこと
で新聞だ ーと 思って。う そっぽ いけど本
93
90
当の記事 がい ろいろ と載っ ていて、個人
で編集・印刷したんですよ。もうバックナ
ンバーは ほぼ ないで すね。あち こち上映
会やって いるう ちにはけ ちゃっ たんです
よ。﹂
一
—部百円でしたっけ?
﹁はい。純利益は全部自分なんですよ。
当時それで暮らしていましたからね
︵笑︶﹂
﹃
—裸足のピクニック﹄の主演の芹川砂
織さんは 監督自 らスカウ トした んですよ
ね?どうやっ て声 を掛け てOK をもらっ
たんですか?
﹁当 時 誰 も 知 ら な い で す し ね、僕 のこ
と。︵彼女のことは︶ぴあの隣にある喫茶
店でしょ っちゅ う見てい たはず なんです
けど、まったく記憶になくて。
だけどその日に限って、もう煮詰まって
いてプロ デュー サーには 決めろ よと言わ
れていて、逃 げる ように 喫茶店 に入った
ら﹁あ。こいつがいるじゃん。﹂って、
﹁す
いません、隣 のぴ あでこ れから 映画を作
ろうとし てる んです けど﹂って 話し掛け
たんですよ。 バ「イト明けにぴあに来て下
さい ﹁」いいですよ﹂って。﹁しめた。﹂っ
て。
俺 は 俺 で 彼女 を 逃 がし た ら わけ わ かん
ないタレントに決められちゃうから、
﹁決
め ま し た。 今 か ら も う 彼 女 来 ま す か
ら。﹂って言ったら、プロデューサーは﹁え
らいっ。お前 にそ ういう 度量が あるとは
思わなかった。﹂って誉められて。もうみ
んな主演 女優 が来る!っ てぎら ぎらした
目で彼女 迎え たんで すよ。それ でバイト
2
明けに彼 女に は何も 言わな くって、台本
これっ て渡して、﹁ じゃあ 明日 返事しま
す﹂って台本持って帰ったんですよ。後半
に泉谷し げるさ んにレイ プされ るシーン
あ る か ら、あ ん ま 深 く 読 ま れ て も 困 る
なーって 思っ てたら、次 の日お 母さんと
一緒に読 んだら ぜひ出ろ といわ れたって
︵笑︶二つ返事で。芝居ができるかどうか
もわから ない 素人だ ったで すけど、決め
ちゃったんですよ。﹂
今
— か ら 思 う と 鈴木 砂 羽 さ んも 出 てま
すよね?どういう経緯で?
﹁砂 羽 ち ゃ ん は 浜松 の 子 な んで す けど
﹃雨女﹄の上映を浜松でやったときに﹃雨
女﹄を通して知り合いまして。浜松の自主
映画の団 体のな かでは砂 羽ちゃ んすごい
有名で。面白い子だなーと思って。ちょう
ど彼女大 学生に なって 東京に いたんで、
出てもら って、い いじゃ んいい じゃんっ
てみんな で思 ってたら、 文学坐 に入って
ね。﹂
井
—口昇さんは?
﹁鈴 木 卓 爾 監 督 の作 品 の カ メラ マ ンを
やったん ですが、 それに 出演し てたんで
すよ。﹃空気銃と中田﹄って。幻の作品で
すよ。完成せず終わっちゃいましたね。彼
は専門学 校生 だった ですけど、 老けてた
んで、鈴木卓 爾の 図々し い兄貴 役だった
んですよ。
﹃雨女﹄には鈴木清順監督が少しだけで
てるんで すが、井 口くん が通っ ている専
門学校の 講師 をして たんで すよ、それを
現場中に 聞き つけて、だ ったら 俺を生徒
だってこ とにし て清順さ ん撮影 させてほ
しいって 井口 くんに 言ったら、 授業にも
ぐりこめ ばO Kっす よって。生 徒のフリ
をして授 業終わ った後に ワンカ ット撮ら
せてもら えない ですかっ てまん まと撮影
して無許可で使ってます︵笑︶。本人も知
らないです。
若 い 頃 に 知り 合 っ た連 中 で いま だ に活
躍してる っての は砂羽ち ゃんと か井口く
んとか卓 爾と かで。当時 から絶 対売れる
とかそう いうの は別に俺 にも本 人たちに
もなくって、 今の ことな んて誰 にもわか
ら な か っ た で す。続 い ち ゃ っ た と い う
か。﹂
次
—は﹃ひみつの花園﹄ですよね。西田
尚美さん主演の経緯というのは?
﹁東 宝 で キ ャ ス ティ ン グ デ ィレ ク ター
という人がいて、相談してたんですけど、
な か な か 決 ま ら な く っ て。あ る 日 彼 が
持ってきたのが﹁ビューネ﹂のCMのビデ
オだった んで すよ。とて も滑稽 でかわい
かったん ですよ。 それで イメー ジに近い
かなと。﹂
そ
—の後の﹃アドレナリンドライブ﹄の
主 演 安藤 さ んを 見て ても そ うな んで す
が、主演がだ んだ ん矢口 さんに 似てきま
すよね?
﹁そうするつもりは全然ないのですが、
よく言わ れま すね。物語 をひっ ぱる中心
人物のリ アルな 気持ちを 追いか けていく
と、自分なら どう するか って台 本書くん
ですよ。だから仕方ないんですかね。﹂
顔
— つ き ま で 似 て し ま う っ て い うの
は?
﹁うーん。監督のキャラクターに主要登
場人物が 似るっ ていうの はよく あると思
うんですよ。 井筒 さんの 作品っ てみんな
ちゃきち ゃき な感じで。 井筒さ んの言葉
で 接 して 話 して いく うち に 伝染 する ん
じゃない ですか。 監督病 が感染 するんだ
と思います。﹂
︵
﹃ひみつの花園﹄のパンフをめくり︶
—
このパン フにつ いても監 督の意 向がかな
り反映されていますよね。
﹁これもほとんど私が作ってますね。や
りすぎた なと 反省して、 もう今 後はパン
フには参加すまいと。﹂
一
— 昨 年 公 開 の﹃ア ド レ ナ リ ン ド ライ
ブ﹄ついてですが。これでエンターテイメ
ント作っ たら日 本で一番 という 評価をさ
れるようになったと思いますが。
その頃から﹁監督はサービス業だ﹂って
いう発言 が目立 つよう になる んですが、
この作品 でその 考えが確 立した んでしょ
うか?
﹁い つ か ら 言 い 出し た の か 自分 で もわ
からない です けど。最初 に映画 を作った
ときから、卓 爾の 上映を 観てお 客が喜ん
でいるの がす ごいと、こ んなに 大勢を相
手にいっ ぺんに 楽しませ ること ができる
んだという刺激だったわけで。
作 っ て 内 輪だ け で 観る と か じゃ な くっ
て、自 分 の こ と を 知 ら な い 人 に 見 せ て
びっくり させ たり、笑わ せたり したいな
という欲 求で、お 客を楽 しませ ることま
で含めて 映画っ て面白い という ところか
3
ら始まっ ている ので当然 のこと だと思っ
ているのですよね。﹁サービス業﹂という
のが一番しっくりくる言葉かなと。﹂
そ
— う い う 意 識 は本 当 に パ ンフ レ ット
一つにし てもい ろいろな ところ にでてま
すよね。
﹁そうですね。︵﹃アドレナリン∼﹄以
降︶専門家に まか せたら やっぱ りサービ
ス 精 神に は ひと によ って レ ベル があ っ
て、まあこれ︵﹃ひみつの花園﹄のパンフ︶
はやりすぎですけどね。
﹁∼と監督は言っ
ている﹂って自分で書いてますし︵笑︶﹂
現
— 場 で も 父 親 以上 の 年 齢 のス タ ッフ
もいる中で、 そう いうサ ービス 精神が伝
わってい るん じゃな いですか? うまく動
かしている秘訣は?
﹁﹃動かしてる﹄なんて感じじゃないで
すよ。お世話してもらっている。自分では
出来ない ですし。 専門的 な部分 は本当に
お任せし なき ゃ出来 ないで すよ、共同作
業が必然ですよ。﹂
そ
—れまで使ってたミニチュアを﹃アド
レナリン ドラ イブ﹄では 使って いません
よね。何か意 識の 変化と かあっ たんです
か?
﹁使 っ た 方 が 面 白い シ ー ン にミ ニ チュ
アを使ってるだけで。﹃アドレナリン ﹄
でもやろ うと思 えばや れたん ですけど、
切迫したシーンに﹁あ。ミニチュア!面白
い!﹂という絵を入れたときに、お客の感
情は連鎖 的に物 語に乗っ かって いるかと
いうと、やっ ぱり 一度途 切れて しまうわ
けで。ミニチ ュア の面白 さに引 っ張られ
てしまって。 それ はやっ てはい けないこ
とだから、ミニチュア使わないんですよ。
まあ内容によりけりですよ。﹂
今
—後も使わないわけではないと。
﹁はい。もちろん。別に方針を決めて映
画を作っ てい るわけ ではな くって、ただ
またバカな映画を撮りたいなって。﹂
﹁
—ワンピース﹂についてお聞きしたい
のですが。
﹁﹃裸 足 の ピ ク ニ ッ ク﹄の 後 に 始 めて
ずっとですよ。﹂
今
—後も作る予定は?
﹁作りたくなったらですね。﹂
話
—しが変わりますが﹁映画ちゃん﹂っ
ていう組織はなんだったんですか?
﹁ああ。あれは﹃裸足のピクニック﹄の
撮影終了 から公 開までぴ あの紙 面に連載
を持ってたんですよ。漫画で﹃映画ちゃん
への道﹄っていうんですけど、映画の現場
でいっぱ しの撮 影スタッ フと認 められる
とちゃん付けで呼ばれる︵笑︶。
﹁矢口ちゃん﹂﹁鈴木ちゃん﹂って。業
界 で ちゃ ん の称 号を もら う 入り 口っ て
ね。 ペ1ージ一話完結で、映画業界に入る
にはとか、どういう仕事があるのか、自分
はどうや って入 ったかっ て身近 なネタを
もとに書 いて いたん ですよね。 最終回の
前に読者 から、マ ンガに は大学 にセット
募集の求 人の張 り紙があ るって 描いてあ
るけど、うち の大 学には ないで すっては
がきがきて。
実 際 業 界 人手 が た りて な い よう な 状況
だし、だった ら映 画の仕 事を紹 介する機
関をつく ったら どうって 提案し たんです
よ。最終回に。 そした ら二 百人 くらい集
まってね。で、 仕事 を紹 介し たりね。ス
タッフ とかエ キスト ラとか。﹁ 映画ちゃ
ん﹂事 務 所 で す ね。﹃ヒ ー ロ ー イ ン タ
ビュー﹄とか クレ ジット に映画 ちゃん協
力ってで てる んですよ。 ただ俺 が手を離
したら稼 動し なくな ってし まって。解散
してしまいましたね。﹂
ま
—た﹃ワンピース﹄に戻りますが、田
中要次さんがよく出てますよね?
﹁﹃興味ある?﹄って聞いたら﹃あるあ
る﹄って。やりだしたら面白いっていうん
4
で、しょっち ゅう 来てく れるよ うになっ
たんですよ。 自分 の出番 がなく ても来る
ようになって︵笑︶。たぶん一番出演作品
多いんじゃないですか。﹂
さ
—て新作の﹃ウォーターボーイズ﹄で
すが、まず台 本完 成にど のくら い費やし
たんですか?
ペ「 ラ で
枚くら いの シノ プス を3
4ヶ月かけて
回くらい書き直して。プ
ロデュー サーと この線で いきま しょうっ
てなってから︵脚本を︶3回くらい書き直
して2000年9月
日 に ク ラ ン クイ
ンなんで、その
日前に決定稿をだしま
したね。だから7 8ケ月ですかね。﹂
﹃
—ひみつの花園﹄は卓爾さんと共同脚
本で、それ以降というのは?
﹁﹃アドレナリン∼﹄は興味ないと言わ
れて一人でやりました。当時、彼はNHK
の﹁さわやか3組﹂の脚本を書いててアッ
プアップ なんで、 今回は 誘えま せんでし
た。今後もも ちろ んお願 いした いですけ
ど。﹂
︵
—﹃ウォーターボーイ﹄の台本をめく
り︶それで主人公︵の名前︶がこれまでと
同様、鈴木、佐藤、太田・・・。この名前
へのこだ わり のなさ という のは? 野良
犬︵の名前︶がパブロフだし︵笑︶。
﹁これは実家の犬がパブロフでね。名前
はお客さ んが覚 えなくて いいか なーとい
うことで、わ かん なくな っちゃ うと思う
んですよ。﹁綾小路なんとか﹂とか、ふだ
ん人の名 前す ぐ覚え ないで しょ。ふつう
の人なん だから 覚えさせ ちゃい けないと
10
思って。まあずっと鈴木、佐藤で、ほかの
よく聞く 名前 に変え てもい いけど、そこ
ら へ んに あ る名 前な んで 気 に入 って ま
す。﹂
台
—本をさわりだけ読んだんですけど、
げらげら笑いましたね。
﹁字幕なしで外人も笑える、動きの映画
ですかね。ま あM OVI Eって いうくら
いですから。シンクロの話なんですけど、
シンクロ のシー ンは最後 ちょっ とだけな
ん で す よ。﹁水 着 の 女 王﹂み た い な レ
ビュー映 画に しよう と思って、 最後のシ
ンクロシ ーンを 派手にす ごいの を見せよ
う と ね。な ん か ヴ ィ ン セ ン ト ギ
・ ャロが
﹁す べ て の ス ト ー リ ー は ラ ス ト
分の
ためにある﹂って言ってますけど、これ本
当前半無 茶苦 茶ですよ。 高校が 舞台なの
に、授業のシーンないですしね。﹂
撮
— 影 現 場 の 雰 囲 気 は ど う な ん です
か?
﹁い つ も 撮 れ る かど う か ぎ りぎ り のと
ころでふ んば ってい ますか らね。スタッ
フのみん なが自 分のこと をどう 思ってい
るかはわかりませんね。﹂
も
— ち ろ ん ス タ ッフ と の ト ラブ ル が起
きることもあると思うんですが。
﹁ケースバイケースですね。理由がわか
らないと きも終 わってか らわか るときも
ありますし。 あと は図に して説 明したり
ね。僕は怒 れな い人 なんで、﹁ ∼じゃな
きゃ﹂とか﹁∼に決まってる﹂というのは
なくって、 逆に相 手が そう でたら﹁こう
だったら∼﹂って別の手を提案したり、下
からもの を言 うほう が多い ですね。自分
は現場で は底 辺だと 思って いるので。監
督=サー ビス業 って感覚 は日本 には少な
いですけ どね。ま あそれ ばっか りでは困
るけど、まあバランスですかねー。﹂
10
本日はありがとうございました。最後に
TAMA CIN EMA FO RUMやI
NDIE S in TA MAに ついて何か
コメントがありましたらお願いします。
﹁サ ー ビ ス 精 神 を 忘 れ な い で 下 さ い
︵笑︶。自主映画はなかなか上映まで到達
できない こと も多い ですし、逆 に上映し
たくても 作品が 集まらな いこと もあるで
しょうし。とにかく頑張ってください。﹂
︻聞き手 セーロー、増田︼
5
10
10
15
ショコラ
トラフィック
TRAFFI
C
CHOCOLAT
監督 ラッセ・
ハルストレム
出演 ジュリエット・
ビノシュ ジョニー・
デップ ジュディ・
デンチ
●フランスの保守的な村に子連れの女性ヴィアンヌ
がチョコレートショップを開く。始めは村人からよそ者
扱いを受けるが、彼女の作るチョコは次第に人々の
心の隙間を埋めていく事になる。
監督 スティーブン・
ソダーバーグ
出演 マイケル・
ダグラス ベニチオ・
デル・
トロ キャサリン・
ゼタ=ジョーンズ
●あるメキシコの警官が、上層部と麻薬組織の癒着に直
面する。
その頃アメリカも政府組織で麻薬問題に取り組む
事になる。そしてその鍵を握るのがアメリカとメキシコの間
を結ぶ巨大麻薬組織の存在であった。
3
つの話を軸に裏
社会を壮大に描く。
夏井 紀久子
舟口 聡
<スウィートな夢を忘れたくない人へ> 大人のメルヘンだな∼と、思った。きれいな'
ショコラ'
の
数々の甘い不思議な香りが、旧弊な人々の意識を変え
ていく。主演のジュリエット・ビノシュは、一見知的でお
堅い容姿なのに、いつも以上に駆け出してゆく裸足が
似合い、自由を象徴してステキ。'
海賊'
ジョニー・デップ
も、必見!全国津々浦々まで21世紀になってしまった
日本で、しばし優しい夢を思い出した。
[
★★★★☆]
<時代はスピルバーグよりソダーバーグ> デビュー作より10余年ようやく出た傑作。"
イギリスから来
た男"
も良かったけど今回はよりシャープにより濃く自分の
カラーを出していて(特にカメラワーク)言う事なし。キャス
ティングはベニシオ・デル・トロの1人舞台。ラストの言いよ
うのないカタルシスにソダーバーグの成長を見た気がした
。次回作が最も待ちどうしい監督の1人である。
[
★★★★☆]
望月 裕香
野村 浩利
<スパイシーな甘さを初めて知りました>
全体的にお伽話の雰囲気ですが、「相手を拒否したり
禁止するよりも、受け入れることに人間としての価値があ
る」というテーマが一貫しているせいか、非現実的な要
素は薄れ、ファンタジーが苦手な私でも楽しめる内容で
した。ジョニー・デップのキャスティングには少し疑問が
ありますが、ジュリエット・ビノシュの自由の女神のような
魅力が堪能できる作品です。
[
★★★☆☆]
<頭の中が渋滞>
前作「エリン・ブロコビッチ」では個人的に不評だったフィ
ルター&手持ち撮影が、良い効果を生んでいたのが好印
象でした。3つの物語のうち、青(マイケル・ダグラスのや
つ)がいまいちな感じでしたが、べニチオ・デル・トロのラス
トがとても素敵で、気持良く観終われて良かったです。麻
薬のお話なのに、なぜ「交通」?と不思議だったが、「不
正取引」という意味もあるらしく納得。
[
★★★☆☆]
真鍋 薫子
遠藤 亜佐子
<Too s
weet
t
o eat
>
予告編を観て勝手に大人のほろにがラブストーリーだと
思っていた私。結局「チョコを食べればみんなハッピー
!例え考え方や外見が違っても受け入れることが大切
だ」みたいな道徳的でスイートな話になっていたので、
ちょっと残念だったのでした。やっぱりチョコはビターだ
よね。あと、冒頭部分のおとぎ話的な要素をもっと強調
してほしかったな。でも音楽はとっても素敵です。ジョニ
ーも素敵。
[
★★☆☆☆]
<灯台もと暗し、とはこの事で…> 今年のオスカー珠玉の作品。脚本の出来は見事。たしか
にアメリカとメキシコを結ぶ麻薬密輸組織を暴くというスケ
ールの大きな話だが、マイケル・ダグラス扮する国家的麻
薬取締り最高責任者の一人娘が実はジャンキーで、それ
に翻弄される彼の姿がまた実にカッコ悪い。そのリアルさ
が秀逸。一人娘も救えずに国家を救える訳がない。そうさ
、そうなのよ…。
[
★★★★☆]
6
その年の映画賞受賞作品を中心に”名作”
とともに当時 を振り返 ろうとい うこのコー
ナー。今回は1 998年 のアカ デミー作品
賞、カンヌ国際映画祭グランプリ、キネ旬報
ベストワン 作品を取 り上げ ながら、当時を
振り返ります。
アカデミー作品賞受賞作
レインマン
監督:バリー・レビンソン
製作:マーク・ジョンソン
脚本:ロナルド・バス
製作総指揮:ピーター・グーパー
出演:ダスティン・ホフマン
トム・クルーズ
こ の 年 の アカ デ ミ ー賞 の 主 要部 門 を総
なめした作品。思い起こせば、あの頃の日
本 は バブ ル 景気 浮か れて い たと いう の
に、今はデフレの真っ只中、なのに日本の
映画料金・・・、下がりませんねぇ。
物 語 は 父 親の 遺 産 を相 続 し た自 閉 症の
兄︵ダスティン ホ・フマン︶を、遺産目当
てに無理 やり 施設か ら引き 取った弟︵ト
ム・クルーズ、若いっ!︶が、徐々に兄弟
愛に目覚 めて いくと いうもの。 多くの人
が誤解交じりに使っている﹃自閉症﹄とい
う言葉が 一体 どんな 病気を 指すのか、ダ
スティン ホ
・ フ マ ン は そ れ を 見 事に 演 じ
きっている。
この作品を観た当時、自分に自閉症の兄
が突然現 れたら、 あんな 風に接 すること
が で き る の か? お 世 辞 に も 兄 弟 仲 が 良
かったと はい えない 自分に とって、考え
ようにも 全く 想像す らできず、 あれは物
語だから・・・と片付けていたことが、父
親となっ た今 妙に納 得させ られる。血の
繋がりって大切だよね。ウンウン。
さて、この映画元々はスピルバーグが監
督する 予定だ ったも のの、﹁イ ンディア
ナ・ジョーンズ3﹂の撮影に手間取り、あ
きらめた んだ とか。結局 それが 正解だっ
たのか?い い映画 です、是 非一 度観てく
ださい。
︻中田︼
カンヌ国際映画祭グランプリ
ペレ
監督: ビレ・アウグスト
原作:マーチン・アナセン・ネクセ
脚本:ビレ・アウグスト
声優:マックス・フォン・シドー
ペレ・べネゴー
こ の 年の カン ヌ 国際 映画 祭 グラ ンプ リが
﹁ペ レ﹂。簡 単 に 内 容 を 説 明 す る と、ス
ウェーデンか らデンマ ークへ出 稼ぎに出て
きた父と 息子。息子 にとって、父 はいつも
正しく、頼り になる 存在。その父 の言う事
を信じて、ある 農場に農 奴とし て雇われる
が、そ こ で は ま る で 家 畜 同 然 の 扱 い を 受
け、また、領主に へつら う父の 姿を見て、
憤りをおぼえ⋮。
と ま あ、原 作 が プ ロ レ タ リ ア 文 学 だ け
あって、観終わ ったあと 考えさ せられる問
題作です。これ でもかと いうく らいの差別
を受けるん だけど、これ を声高 に主張する
のではなく、当 時の農民 の生活 を忠実に描
く、と い う こ と に 主 眼 を 置 い て い る の で
しょうね。地 味な作 品なので、カ ンヌでの
7
作品上映後の 記者会見 では二十 人足らずの
ジャー ナリス トしか 集ま らなか ったそう
な。印象に残 るのは、父 親役の マックス・
フォン・シドウ。 情けな い感じが よくでて
ました。
こ の 年 の日 本 はと い う と、ま さ にバ ブル
の真っ只中。 リクル ート問題 発覚、ソウル
五輪開催、昭 和天 皇危篤、首 相は竹下、競
馬はオグリ︵?︶、 とまあ いろい ろありま
歳の
し た。そ ん な 中、私 は と い う と、
OL5年目、 恋も仕 事も大忙し。 それから
更に5年も 働き、お局様 になろ うとは思い
もよらぬ日々を送っておりました。
︻田中︼
丁度、この 作品公 開時に、ある アニメ雑
誌のイベント で千代田 区役所隣 の千代田公
会堂に、︵まだ 浪人中 にも関 わらず︶いい
席とりたくてしかも朝一でいってね、
そ の 時 は 作 者 の 宮 崎 駿監 督 の ト ー クシ ョ
ウ&﹃トトロ﹄ 先行試 写会と﹃ ラピュタ﹄
の豪華二本立ての上映。
あれから、こう したイベ ントに 監督自身が
顔をみせたと いう情報 は聞こえ てこないか
ら︵というより、 御本人 はこうし たことが
余りおすき ではな いらしい︶、 僕自身大変
貴重な体験をしたことは確か。
あと毎回、ジブ リ作品の コピー には意表を
突かれるね。
コピーは全部 あの糸井 重里氏が つくってい
るんだ けど、確か﹃ トトロ﹄は﹁ わすれも
のをとどけ にきました。 /この へんな生き
物 は ま だ 日 本 に い る の で す。た ぶ ん⋮﹂
で、ちなみに 余談 だけど、今 年公開の﹃千
と千尋の 神隠し﹄は﹁ト ンネルの むこうは
不思議の町でした﹂なんだけどね。
とこ ろで、﹃トトロ﹄ で糸 井氏は、サツ
キ&メイ姉妹 のお父さ ん役でも 声の出演を
していたんですけど皆さん知ってました?
︻鴨志田︼
このTAMA映画フォーラムは
﹁ 映 画 ﹂ と い う も のを き っ か け とし
た﹁ 市 民 の 広 場 ﹂と し て 発 足 し 、世 代・
性 別・立 場 を 超 え て 、誰 も が 気 軽 に
参 加 し 、 楽 し み な がら 活 動 で き る出
会 い・交 流 の 場 と し て 、今 年 で
年
目 を 迎 え ま し た。
TAMA映画フォー ラムの実行委員は、
多 摩 市 民 を 中 心 に 常時 参 加 メ ン バー
名
前後で構成 され、秋の映 画祭に 向けて活動
し て い ま す。映 画 祭 と い う と 華 や か な イ
メージを持 ってしま いがち ですが、月2回
の実行委員 会を開き、上 映プロ グラムを決
めていく他、チ ラシやプ ログラ ムも実行委
員会で手分けして作製します。
その活動は映画祭の企画、運営は
も と よ り 、 運 営 資 金作 り の た め のフ
リ ー マ ー ケ ッ ト や 、日 本 の 若 手 映像
作 家 に ス ポ ッ ト を 当て た 自 主 映 画の
定 期 上 映 会 な ど 様 々な 形 で 、 一 年を
通 じ て 行 わ れ てい ま す 。
8
実行委員会でのミーティング風景
(ベルブ永山にて隔週日曜午後6時より開催)
11
30
キネマ旬報 ベストワン
となりのトトロ
監督:宮崎駿
製作:徳間書店
脚本:宮崎駿
声優:日高のり子、坂本千夏、糸井重里
﹃となりのトトロ﹄⋮なつかしいねー。
この作品は今 でも誰か ら聞かれ てもまっ先
にあげている、僕の心のベスト1だよ。
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M
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25
c 二馬力・徳間書店