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2015年度要約(PDF:236KB)

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2015年度「生活福祉履修モデル」卒業論文要約
舞台「くちづけ」にみる障害者家族のあり方
安達 結女
【要約】
舞台「くちづけ」は、知的障害者とその家族に起こる様々なエピソードや、知的障害者の人権問題などを
描いていくストーリーである。知的障害をもつ兄の存在により、婚約破棄を余儀なくされるケースや、犯
罪被害者となるというようできごとなど、彼らを取り巻く問題は少なくない。この舞台の評価として、感
動や感激、障害者の純粋さに対する支持などもある半面、知的障害者の描かれ方が実態とは異なるという
コメントや、無理心中に対する障害者の人権軽視置という非難もあった。舞台「くちづけ」が何を訴えてい
るのか。知的障害者とその家族を取り巻く様々な問題の中で、彼らの人権はどのように考えられているの
か。健常者が障害者の抱えている問題を知り、それを「他人事」にするのではなく、「向き合う」ことが、
一歩になることが分かった。
プリンセスに憧れを抱く女性
-ジェンダーの視点から
天野 麻彩
【要約】 ディズニープリンセスに憧れている女性は世の中にどれくらいいるのだろうか。見た目の可愛さはもちろ
ん、最後は素敵な王子様とハッピーエンドを迎える女の子、これは、女性であれば子どもの頃から、いや、
大人になっても憧れる象徴であると筆者は思う。どのプリンセスもそれぞれの強さを持ち、輝くように明
るく、苦しい中でも自分らしさを捨てず、人々に勇気を与える存在であることが分かる。ストーリーもわ
かりやすいし、苦労があってこそ幸せを手に入れるという感動的な物語で終わるから、憧れの感情をもつ
ことは当たり前といっても良いくらいだが、ディズニープリンセスはそういったジェンダー観を与えすぎ
ていると感じる。また、プリンセスストーリーは結婚式の場面で物語が終わっている。まるで人生の最大
目標が結婚式であるかのように感じる。人生は結婚の先こそが長く、妊娠、出産、育児もある。プリンセ
スは結婚の先の物語がない。「未婚化」「婚活」「少子化」などの言葉は「シンデレラ・コンプレックス」
からきていると言える。ジェンダーに捉われず自分自身の意思を持ち、結婚を目標としない女性や、誰に
頼ることもない自分で幸せを掴み取る女性をモデルに映画、アニメ、ドラマの業界が制作されることを筆
者は期待する。
奨学金難民の問題点とこれからの奨学金のあり方 青田 夏月
【要約】
2013 年12 月段階で日本学生支援機構から借りている奨学金を3 ヶ月以上延滞している人は約187,000
人となっている。延滞継続理由として本人の低所得などが挙げられているが、授業料の値上げや返済猶予
制度の周知不足、非正規雇用の比率上昇など様々な点が、この奨学金問題に関係していると考えられる。
OECD 加盟国の中で日本の教育予算は少ない。高い授業料と不十分な奨学金制度による奨学金難民を減ら
すには、第一に公的な給付奨学金の設立をすべきである。さらに、返済サポート、貧困家庭への支援をし
ていくことで、現在いる奨学金難民を支えるとともに、未来の奨学金難民を減らす一歩になるのではない
だろうか。
一人親家庭の生活困難
―暮らしやすい社会の実現をめざして
古川 菜穂
【要約】
日本の母子世帯の就労率は2011年で 85.4%と非常に高いのだが、それとは裏腹に年収 200 万未満
の世帯58.6%、一人親世帯の子どもの貧困率58%という、働いても貧困率が上がっている傾向にあり、母
子世帯の貧困が社会において目立つ。一方、その影に隠れて支援が少ない問題が父子世帯にある。育児に
ついての不安があっても、父子世帯には相談できる場所が多くない。ひとり親の問題は子ども自身にも影
響しており、貧困のため進学が難しい子どもや、孤立してしまう子どもがいる。ひとり親と子どもの生活
困難に焦点をおき、原因をいかに改善できるのか筆者は考えた。解決のために重要なのが「地域」の存在で
あり、地域を通して仕事と子育ての両立ができるような働く環境をつくり、子どもの孤立を防ぐことがこ
れからの支援に必要であると考える。地域の全体でひとり親の困難に対する理解を深め、助け合っていく
ことが暮らしやすい社会につながることがわかった。
児童虐待と防止対策
―尊い命を守るため、社会全体で早期発見に努める
堀 南那
【要約】
児童虐待の現状として、2012 年度、児童相談所の児童虐待の相談対応件数は、66,701 件となった。こ
れは、1999 年度の児童虐待防止法施行前の 5.7 倍に増加しているといえる。2004 年度に児童虐待防止法
が改正されたことが、児童虐待相談件数が上昇した理由であると考えられる。日本ではまだあまり定着し
ていないが、児童虐待防止対策活動や支援の方法として、新生児の生命を守るために赤ちゃんポストとい
う制度を利用したり、子どもを特別養子縁組で、別の親元で育てるという里親制度を利用したりできる。
児童虐待への適切な早期介入は子どもの生命のみならず、親の社会的生命をも救うことに繋がっていく
と考えられるのではないだろうか。
中高生のいじめ
~現状と対応~
今井 絵梨香
【要約】
新聞やニュースで耳にすることの増えたいじめ問題に対して、「一人の学生としてできることはないのか」
という思いから卒業論文に取り組んだ。いじめには定義が存在し、現在はいじめられた生徒の立場になっ
て判断が行われるようになった。また、暴力や陰口といった従来のいじめの対し、現代は携帯電話の所持
率が増加し、SNS の利用率が高まったことから「ネットいじめ」と呼ばれるものが増加したことが明らか
になった。
そして、いじめ問題は、いじめに関わった人たちだけで解決できる問題ではなく、家族を始め、学校や
社会が真摯に向き合い、改善する姿勢を生みださなければいけないということがわかった。子どものいじ
めの背景には自分たちが関わっているということを社会の一人ひとりが認識し、いじめ問題について他人
事ではないということも認識すべきである。
東日本大震災から学ぶ地域づくり
~社会的弱者の災害時の不利、その後の生活と改善策~
今井 梨絵
【要約】
本論文では、東日本大震災で被災した高齢者・障害者・子どもなどの社会的弱者の方々をどう包摂すべき
か、という問題意識のもと、現状の生活・支援方法を挙げ、改善すべき点を明らかにしようと思う。筆者
は福祉ゼミで生活困窮について学び、その原因が“災害”によるものと“経済的問題”によるものの 2 つ
があることを知った。しかし、経済的問題から貧困になっている人は、災害によってさらに貧困になって
しまう危険がある。つまり、2 つに隔たりはないのだ。しかも、災害弱者になってしまった人々は災害か
ら数年たっても精神的ストレスや経済的困窮に悩まされ続けることになる。東日本大震災から約 4 年経過
した今、国や地方自治体はどのような支援策を講じているのか、そう疑問に思ったことがテーマを決める
きっかけだった。震災で亡くなった人の 6 割は災害弱者の方だった。改善すべき問題は、地域コミュニテ
ィーの強化であり、今後は、災害弱者とともに住みよい環境を検討し、災害だけでなく相対的に強い地域
を創造すべきだということが明らかになった。
非正規雇用の増加からみる「女性の貧困問題」
井上 咲良
【要約】
女性の貧困問題は、社会問題として広く認識されているとは言えないが、現在、深刻な問題となってい
る。貧困が女性化している原因として、筆者は「非正規雇用の増加」という観点に注目した。非正規雇用に
占める女性の割合は 7 割である。日本では、男性は外で仕事、女性は家で家事育児、という性別役割分業
意識が根強く残っており、男女の賃金には大きな格差がある。一度仕事を辞めた女性が正職員として再雇
用されるケースが少ないことは、母子世帯の貧困にもつながる。女性の貧困は見えにくいからこそ、なか
なか支援も行き届いていない。貧困の連鎖を食い止めるためには、私たちがこの問題への理解を深めると
ともに、公的支援の充実が求められる。
深刻化する児童虐待
-現状とこれからの支援―
石舘麻紀
【要約】
1990 年代半ば以降、貧困・経済的格差が新たな社会問題として浮上し、子どもの生活・発達に深刻な影
響を及ぼすようになった。2000 年に「児童虐待防止法」が施行され、児童虐待の定義、虐待防止のための
国や地方自治体の責務、虐待を受けた子どもの保護のための措置などが定められた。法制定以降、さまざ
まな取り組みが行われているにもかかわらず現在、児童養護施設には 3 万人の児童が生活している。ケア
は18 歳までとなっており、保護者の元へ復帰する子どもが多い。一方で、施設退所後行き場を失うことに
なる子どもが少なからず存在することに、社会的支援がいまだ足りないという現状が見える。虐待は「経済
的困難」「ひとり親」「就労の不安」「育児疲れ」など、多くの場合は経済的な困難や不安定さと結びつい
ている。貧困や低収入等がそのまま虐待を発生させるわけではなく、その間には保護者たちが抱えるスト
レスや保護者たちの個性のようなものが媒介している。しかし、貧困や低収入といった生活状況は、保護
者たちが自ら選んだものではなく、保護者たちが陥った社会的状況なのだ。地域との環境に焦点を当て、
経済的なサポートと児童福祉システムの見直しが必要とされる。
スクールソーシャルワーク
~子どもの問題と支援~
伊藤 望
【要約】
現在、学校で起きている問題の多くは、教師だけでは解決できず、様々な専門機関の助けが必要となって
いる。そのため近年、公立小中学校にスクールカウンセラーや心の教室相談員とよばれる相談機能をもっ
た職種が派遣されるようになった。スクールソーシャルワークとは、子どもの最善の利益を保障するため、
学校を基盤として社会福祉の価値・知識・技術に基づき支援活動を行うことをいう。現行の教育制度のも
とでスクールソーシャルワーカーに求められている役割としては、不登校も含め、子どもたちの教育の機
会や権利を侵害する要因の改善に向けた取り組みである。スクールソーシャルワークの主眼は、子どもが
抱える現況を改善するために環境に働きかけ、子どもにとって良好な環境に改善していくことである。現
在学校で起きている問題の多くは教師だけでは解決できず、様々な専門機関の助けが必要となっている。
他の機関との連携をはかりつつスクールソーシャルワーカーが支援することによって、支援の幅が広がり、
問題解決に近づくのである。
少年犯罪の支援のあり方
岩崎 梨椋美
【要約】
筆者は少年犯罪における支援について興味を持ち、まとめたいと考えた。少年犯罪は成人の犯罪とは異
なり、その後の更生支援が、福祉の面、教育の面から行われる。少年院の教育は入れ替わりがあって集団
のメンバーが固定しない分、職員と少年との関係が教育的活動の中心となる。寮生活や行事・諸活動など
を通して、少年同士の集団的な関係も教育に活用される。児童自立支援施設は、基本的に施設内の生活に
よって子どもの自立支援を図っている。いろいろなタイプの子どもとの相互交流によって、影響を受け、
雰囲気による支援を展開するために、一か寮につき10 人程度の児童を数名のスタッフ、あるいは夫婦のス
タッフが担当している。スタッフは、子どもと継続的な関わりを持ちつつ、心身のケア、支援を提供する
というアプローチにより、支援の連続性と一貫性を確保していると言える。少年院と児童自立支援施設の
違いとして、少年院は閉鎖的な処遇であるが、児童自立支援施設での支援は開放的だと言える。2 つの更
生施設について以上のような支援が取り組まれていることが分かった。
聴覚障害者の生活
―QOLの視点から―
中澤 映音
【要約】
2011 年現在、聴覚障害者は日本に約 600 万人いる。聴覚障害者には中途失聴者と難聴者、ろう者の 3
つに分けられる。近年では、聴覚児が授業を十分に理解できるように、教室内に聴覚・音声情報を提示す
る支援も行われている。私たちの世界は、聴力が備わっていることを一般前提とした世界になっているが、
聴力が大きく損なわれていれば、それゆえの〈不自由さ〉や〈生きにくさ〉を強いられる。聴覚障害者は手
話を活用することで、コミュニケーションをとることができるが聴覚障害者=手話ではない。聴覚障害者
のサポートの 1 つとして聴覚障害者の耳の代わりになり、音を知らせて音源まで誘導する聴導犬が注目さ
れる。また Skype や Line などのアプリによる新たな通信方法も開発されている。聴覚障害者の生活の質
〈QOL〉を高める上では、健聴者である私たちが聴覚障害者のことをもっとよく知り、理解しなければなら
ないことがわかった。
東日本大震災における人の輪と地域コミュニティー
野崎 瑠奈
【要約】
東北で起こった東日本大震災を卒業論文のテーマとした。この震災により、様々な人やものが被害を受け
た。そのなかでも、高齢者、身体障害者、子どもなどの社会的弱者への被害が目立った。東日本大震災に
よって起こった課題や問題点は多々あり、今も続いている被災者の現状や、社会的弱者の抱える困難につ
いて、本論文では福祉の視点から検討した。高齢者は、自力で逃げることができず、他の人の力を借りな
いと避難することができない。身体障害者は、普通の生活を営むうえでケアを必要とする人もいる中で、
被災という大きな壁ができることでより一層生活が苦しくなる。子どもは、親や友人を亡くしたりと、精
神的、経済的な問題が発生した。このように、社会的弱者への配慮や対応が指摘され、「終わらない震災」
は今も尚、課題が多く残っていることが明らかになった。
児童虐待の課題と現状
~家族の支援も視野に~
小原 舞美
【要約】
児童虐待はどのような家族にも起こりうることであり、誰よりも子どもの幸せを願っている親が、何気
ないきっかけで、虐待を引き起こすというケースも多い。虐待発生には多くの要因が複雑に関係している。
親自身の被虐待経験も関係し、虐待環境の中で養育されると、他者への不信、低い自己評価、満たされな
かった愛情関係を自分の子どもに求める、困難な事態では暴力による解決をはかるなどの傾向が見られる。
また、社会経済的要因としては、経済的困難、失業、夫婦不和、家族成員に病人がいるなどの状況は、家
庭内でのストレスを高め、暴力を発生しやすくする。誰が悪いわけでもなく、誰かが治せばいいわけでも
なく、社会全体が子育てを一緒に支えなければいけない問題なのだという結論に辿り着いた。昔と違って
暮らしが個人化している現在、社会で支え合う力を高めるのは難しいことかもしれない。しかし、未来あ
る子どもが健やかに育つためには、社会全体で力を合わせなければいけないことが明らかになった。
認知症のケア
―高齢化する社会へ向けて―
曽我 春香
【要約】
認知症の暮らしを支えるにあたっては、医療や介護のみならず、総合的な「生活支援」が連続的、総合的に
提供していくことが必要と言われている。地域の支えでは、認知症当事者と話し合い、実践的な解決策を
迅速に取り近隣住民に報告することで、当事者の生活に合わせた支援が推進されていくことを望んでい
る。
日本を海外と比較すると、北欧は高齢者ケアにおける医療の関与度が低く、終末期についての意識の差が
ある。日本が直ちに手厚い住宅、医療、福祉政策を導入することは難しいが、住環境づくりと福祉・医療
サービスが有機的に連動している仕組みは、日本においても住まいを社会基盤と捉え直す機会として検討
すべきであることが分かった。
母子家庭の現状と支援
田中 絵美奈
【要約】
2011 年、母子世帯は全国で 1237.7 千世帯となり、40 年前と比較すると約2倍に増加している。母子家
庭は、貧困、孤立化する育児、性役割分業、ジェンダー、女性の就労など、多くの福祉の問題が関わって
いる深刻な問題である。しかし、母子への支援や制度は不十分であり、経済的に困窮したひとり親世帯の
死亡事件も多発している。これらの問題は、周りの理解だけでは解決することは難しい。社会の制度を考
え直す必要があるが、地域でできることを考え、シングルマザーを孤独にしないことも大切である。
児童虐待から子どもを救うために
渡辺 果歩
【要約】
日本では、1990 年代に入り、次第に児童虐待の存在が社会問題化していった。メディアによる報道や
民間団体による防止活動が活発したことや、1994 年に「子どもの権利条約」を批准したことなどが、社会
問題化させる原動力となった。日本の現状は、児童相談件数の把握が厚生労働省によって開始されて以来、
増加の一途をたどっており、2013 年には 1990 年の 70 倍もの増加となった。安全で安心できるはずの家
庭環境が、子どもたちの命と心を脅かす環境となっているのである。筆者は、児童虐待の背後にある要因
から、虐待問題は子どもの問題でありながら、親の問題でもあると考えた。現代社会は、様々な要因が複
合し、子育てに負担感が増してきている。また、母親一人に育児を押し付け、全責任を負わせる家庭も存
在する今、社会制度や社会資源を見直す必要がある。児童虐待の防止は社会全体で取り組むべき課題とな
っている。子どもと親、どちらにも現代社会が生きやすい環境へとなるよう、私たち一人一人が児童虐待
問題にもっと関心を持ち、皆が子育てに関わる社会を創ることが必要である。
孤立状態にある高齢者の実態
渡辺 美香
【要約】
高齢者の孤立死が問題化したのは、1975 年代後半の阪神・淡路大震災後の仮設住宅における、誰にも看
取られることなく孤立死する事例からである。また 2005 年に千葉県松戸市の常盤平団地での孤立死がマ
スコミ、メディア等で取り上げられ、大きな問題となった。今後、超高齢化社会の到来が予測され、さら
に高齢者の孤立死問題が増加していくだろう。孤立死問題が取り上げられる社会には、人々の繋がりの薄
さという現実が見えてくる。行政や施設だけに頼るだけでは、この問題は防ぐことができない。地域が一
体となって交流を図り、高齢者にとって信頼できる、信用できる関係を築いていくことで、未然に防ぐこ
とが可能である。そうすることで将来的には、自分たちが高齢になったときにも孤立する不安を抱くこと
なく、安心して暮らすことができる。積極的に高齢者と関わり、繋がりを見出すことで高齢者の社会的孤
立を防止することができる。社会的孤立は、孤立死などの問題を生み出す。社会的な支援をし、社会との
繋がりを失わせないようサポートしていくことが重要である。
知的障害者の就労
-知的障害者にとっての自立とは何かを考える
山本 有梨
【要約】
知的障害者は、職業上の能力に何らかの障害があり、単独では職業生活を維持することは困難である。この
ため職業生活を維持するには、個々の心理・身体的な側面、社会的側面、経済的側面などに配慮し、生活
と就労の両面における支援が必要となる。知的障害者の働く場では、周囲の人たちが、様々に絡み合った
課題に対して、支援しているのが実態である。雇用・就労の状況は、「障害者の雇用の促進等に関する法」
の改正により、知的障害者も雇用義務の対象となったことから、徐々に理解が深まり、一般就労では、障
害者と健常者が共に働き、共生していくというノーマライゼーションの志向が強まっている。本論文では、
知的障害者が継続して働くためには、どのような環境と条件が必要なのかを論じる。
認知症高齢者の介護とケア
安田 雪乃
【要約】
2015 年 7 月に厚生労働省が発表した 2014 年分の簡易生命表の概況によると、日本の平均寿命は、男性が
80.50 歳、女性が86.83 歳である。認知症は高齢になるほど発症する確率が高まるため、今後も認知症の
人は増え続けることになる。認知症高齢者のケアは、家族の負担が大きいことや、専門施設等でも、支援
の難しさが指摘されている。その一方、不適切な介護は、認知症の症状を悪化させることになることが分
かってきた。そこで、注目されているのがフランスで誕生した「ユニマチュード」である。ユマニチュード
とは、「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱を基本にしたケア技法である。認知症高齢者の方を
「病人」ではなく、あくまでも「人間」として接する事で介護者との間に信頼関係が生まれ、暴言・暴力徘
徊などの症状が劇的に改善するというものである。周囲の人が認知症の症状を理解し受け止めながら適切
なケアをしていくことができれば、認知症の方も「人間らしく」生きていけるし、認知症の人の家族や介護
者も負担の少ない介護生活を送ることができるのではないだろうか。
児童虐待の現状とケア
四井愛理
【要約】
1990 年以降、日本において児童虐待への関心が高まり、発生件数も増加傾向にある。虐待が起こる背
景には、都市化、子どものアタッチメント形成困難、望まれない妊娠などが挙げられる。しかし、これら
の問題がなくても、子どもと24 時間向き合うということは大きなストレスになることもある。虐待を受け
た子どもの特徴は、過度の攻撃性、自己イメージが低いなどの他に、非行少年は虐待経験がある場合が多
いといえる。児童虐待は、全ての家庭で起こる可能性があり、今や子どもの健やかな成長のためには、社
会全体で取り組むべき課題であることが社会的合意となっている。深刻な育児ストレスや虐待を起こさな
いためにも、母親同士が気軽に話せる場所の設定や講座を開くと共に、児童養護施設、保育所、学校など
もハイリスク家庭の把握が必要となる。地域は、監視の目ではなく、もしものときに助け合う手として機
能していくことが必要である。
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