(57)【要約】 【課題】 個人情報を用いずに複数のデータベースから

JP 2006-18340 A 2006.1.19
(57)【要約】
【課題】
個人情報を用いずに複数のデータベースから作成される
統合顧客データベースを提供する。
【解決手段】
複数のオリジナルデータベースに格納されている顧客情
報を統合するシステムである。各オリジナルデータベー
スに格納されている顧客情報は個人情報と個人情報以外
の情報とからなり、該個人情報以外の情報は基本属性情
報、行動情報、心理情報とを含み、該行動情報および/
あるいは心理情報から複数のクラスタ情報を作成する手
段と、該基本属性情報、該複数のクラスタ情報、及び各
オリジナルデータベースにおける各顧客のID情報とか
ら選択された複数の情報を組み合わせることで各顧客の
プロファイルデータを作成する手段と、該顧客プロファ
イルデータを統合顧客情報データベースに格納する手段
と、該顧客プロファイルデータを照合することで同一人
か否かを判定する手段と、該顧客プロファイルを用いて
統合顧客情報データベースから所望の情報を有する顧客
を抽出する手段とを有する。
(2)
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオリジナルデータベースに格納されている顧客情報を統合するシステムであって
、
各オリジナルデータベースに格納されている顧客情報は個人情報と個人情報以外の情報
とからなり、
該個人情報以外の情報は基本属性情報、行動情報、心理情報とを含み、
該行動情報および/あるいは心理情報から複数のクラスタ情報を作成する手段と、
該基本属性情報、該複数のクラスタ情報、及び各オリジナルデータベースにおける各顧
客のID情報とから選択された複数の情報を組み合わせることで各顧客のプロファイルデ
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ータを作成する手段と、
該顧客プロファイルデータを統合顧客情報データベースに格納する手段と、
該顧客プロファイルデータを照合することで同一人か否かを判定する手段と、
該顧客プロファイルを用いて統合顧客情報データベースから所望の情報を有する顧客を
抽出する手段とを有することを特徴とする顧客情報統合システム。
【請求項2】
請求項1において、前記基本属性情報には、各顧客の生年月日、性別が含まれることを特
徴とする顧客情報統合システム。
【請求項3】
請求項1,2いずれかにおいて、前記行動情報は、各オリジナルデータベースに格納され
20
ている購買履歴、問い合わせ情報、WEB閲覧履歴の少なくともいずれかを含むことを特
徴とする顧客情報統合システム。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかにおいて、前記心理情報は、各オリジナルデータベースの顧客か
ら取得したアンケート情報を含むことを特徴とする顧客情報統合システム。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかにおいて、前記クラスタ情報は行動情報および/あるいは心理情
報のデータマイニングによって取得されることを特徴とする顧客情報統合システム。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかにおいて、前記クラスタ情報には、価値観クラスタ、性格クラス
30
タ、行動クラスタの少なくとも一つが含まれることを特徴とする顧客情報統合システム。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかにおいて、オリジナル顧客データベースを格納するサーバと統合
顧客情報データベースを格納するサーバとはコンピュータネットワークを介して接続可能
であることを特徴とする顧客情報統合システム。
【請求項8】
請求項7において、前記顧客情報統合システムは、さらに、コンピュータネットワークを
介して統合顧客情報データベースから抽出した所望の情報を有する顧客端末に対して情報
配信を行う手段を有し、該情報配信手段は、抽出した顧客の顧客プロファイルデータにお
ける顧客IDに基づいてオリジナル顧客データベースを特定し、オリジナル顧客データベ
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ースを格納するサーバを介して、抽出した顧客に情報を配信することを特徴とする顧客情
報統合システム。
【請求項9】
複数のオリジナルデータベースに格納されている顧客情報を統合して統合顧客情報デー
タベースを作成する方法であって、
各データベースに格納されている顧客情報は個人情報と個人情報以外の情報とからなり
、該個人情報以外の情報は基本属性情報、行動情報、心理情報とを含み、
該方法は、
該行動情報および/あるいは心理情報から複数のクラスタ情報を作成するステップと、
該基本属性情報、該複数のクラスタ情報、及び各オリジナルデータベースにおける各顧
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客のID情報とから選択された複数の情報を組み合わせることで各顧客のプロファイルデ
ータを作成するステップと、
該顧客プロファイルデータを照合することで顧客情報統合データベース同一人か否か判
定するステップと、
該顧客プロファイルデータを統合顧客情報データベースに格納する手段と、
統合顧客情報データベースに格納されている顧客プロファイルデータと新たに作成され
た顧客プロファイルデータとを比較することで同一人か否かを判定するステップと、
同一人でないと判定された場合に、該新たに作成された顧客プロファイルデータを統合
顧客情報データベースとして格納するステップと、
を有することを特徴とする統合顧客情報データベース作成法。
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【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報を持たない顧客情報統合に関するものである。本明細書において、個
人情報とは、氏名、住所、電話番号等の個人を容易に特定できるような情報を意味する。
【背景技術】
【0002】
現 在 、 様 々 な サ ー ビ ス に お い て 、 顧 客 DBが 蓄 積 さ れ 、 個 々 の 企 業 等 が 自 社 の マ ー ケ テ ィ ン
グ 活 動 に 利 用 し て い る 。 ま た そ の DBが 増 大 す る に 従 い 、 何 と か こ の DBを 他 社 に 提 供 し 、 D
B構 築 コ ス ト を 回 収 し 、 利 益 に 結 び つ け た い と 考 え て い る 。 一 方 、 各 DBは 個 人 情 報 を キ ー
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に し て し か 名 寄 せ ( ダ ブ リ チ ェ ッ ク ) が で き な い 事 か ら 、 複 数 の DBを 統 合 す る と い う 事 が
で き て い な い ( 図 1 参 照 ) 。 従 っ て 、 各 DBは 独 立 し て 利 用 す る 事 し か で き な い の が 現 状 で
あ る 。 ま た 、 各 DBは 個 人 情 報 を 含 ん で お り 、 個 人 情 報 流 出 が 最 も 大 き な 脅 威 と な っ て い る
昨 今 、 こ の DBを 外 部 DBと 統 合 す る 事 に は 大 き な リ ス ク を 伴 う 。
【0003】
現 在 Aさ ん が 、 ア パ レ ル 通 販 の 会 員 で か つ 自 動 車 保 険 の 会 員 で か つ カ ー ド 会 社 の 会 員 だ っ
たとする。もちろん各個人情報が開示されれば、それが同一人物かが分かるのだが、個人
情報保護法の施行により、相互に情報を交換する事が非常に難しくなっている。従って、
たとえば何らかのプロモーションを実施しようとした時、アパレル、車、カードの3つの
DBか ら Aさ ん に ア ク セ ス す れ ば 、 3倍 の コ ス ト が か か る ( 図 2 参 照 ) 。 DBが 統 合 さ れ て い れ
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ば、この様な非効率は起きない。
【0004】
マ ス マ ー ケ テ ィ ン グ の 代 表 的 媒 体 で あ る TV-CMな ど は 、 本 来 タ ー ゲ ッ ト と し な い 層 に も 一
様 に 露 出 す る の で 、 ROIが 悪 い 非 効 率 マ ー ケ テ ィ ン グ と 言 え る 。 し か し 、 も し タ ー ゲ ッ ト
を絞った、言い換えれば見込み客や購買の可能性のある層に絞って広告宣伝ができれば有
用である。
【0005】
従来から、分散されている顧客データベースを統合する試みがなされているが、いずれも
個人を容易に特定できる個人情報を用いるものであり、個人情報保護法の施行により、従
来の顧客データベース統合システムを採用することは困難となっている。さらに、顧客デ
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ータベースの流出が度々問題となっている昨今、統合された顧客データベースから顧客デ
ータが流出するリスクを未然に防止する必要がある。
【特許文献1】特開2003−16334
【特許文献2】特開2002−334083
【特許文献3】特開2002−7894
【特許文献4】特開平11−161713
【特許文献5】特開平11−184881
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
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本発明は、個人情報を用いずに複数のデータベースから作成される統合顧客データベース
を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明が採用した技術手段は、複数のオリジナルデータベース
に格納されている顧客情報を統合するシステムであって、各オリジナルデータベースに格
納されている顧客情報は個人情報と個人情報以外の情報とからなり、該個人情報以外の情
報は基本属性情報、行動情報、心理情報とを含み、該行動情報および/あるいは心理情報
から複数のクラスタ情報を作成する手段と、該基本属性情報、該複数のクラスタ情報、及
び各オリジナルデータベースにおける各顧客のID情報とから選択された複数の情報を組
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み合わせることで各顧客のプロファイルデータを作成する手段と、該顧客プロファイルデ
ータを統合顧客情報データベースに格納する手段と、該顧客プロファイルデータを照合す
ることで同一人か否かを判定する手段と、該顧客プロファイルを用いて統合顧客情報デー
タベースから所望の情報を有する顧客を抽出する手段とを有するものである。
【0008】
好ましい態様では、前記基本属性情報には、各顧客の生年月日、性別が含まれる。基本属
性情報には、年収、家族構成等のその他の情報が含まれていても良い。
【0009】
好ましい態様では、前記行動情報は、各オリジナルデータベースに格納されている購買履
歴、問い合わせ情報、WEB閲覧履歴の少なくともいずれかを含む。
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【0010】
好ましい態様では、前記心理情報は、各オリジナルデータベースの顧客から取得したアン
ケート情報を含む。アンケート情報は、各オリジナルデータベースの顧客の一部のサンプ
ルに対して行い、サンプルから得られた結果に基づいて母集団の心理情報を推定する。
【0011】
好ましい態様では、前記クラスタ情報は行動情報および/あるいは心理情報のデータマイ
ニングによって取得される。また、好ましくは、前記クラスタ情報には、価値観クラスタ
、性格クラスタ、行動クラスタの少なくとも一つが含まれる。
【0012】
好ましい態様では、オリジナル顧客データベースを格納するサーバと統合顧客情報データ
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ベースを格納するサーバとはコンピュータネットワークを介して接続可能である。ことを
特徴とする顧客情報統合システム。
【0013】
好ましくは、前記顧客情報統合システムは、さらに、コンピュータネットワークを介して
統合顧客情報データベースから抽出した所望の情報を有する顧客端末に対して情報配信を
行う手段を有し、該情報配信手段は、抽出した顧客の顧客プロファイルデータにおける顧
客IDに基づいてオリジナル顧客データベースを特定し、オリジナル顧客データベースを
格納するサーバを介して、抽出した顧客に情報を配信する。
【0014】
本発明が採用した他の技術手段は、複数のオリジナルデータベースに格納されている顧客
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情報を統合して統合顧客情報データベースを作成する方法であって、各データベースに格
納されている顧客情報は個人情報と個人情報以外の情報とからなり、該個人情報以外の情
報は基本属性情報、行動情報、心理情報とを含み、該方法は、該行動情報および/あるい
は心理情報から複数のクラスタ情報を作成するステップと、該基本属性情報、該複数のク
ラスタ情報、及び各オリジナルデータベースにおける各顧客のID情報とから選択された
複数の情報を組み合わせることで各顧客のプロファイルデータを作成するステップと、該
顧客プロファイルデータを照合することで顧客情報統合データベース同一人か否か判定す
るステップと、該顧客プロファイルデータを統合顧客情報データベースに格納する手段と
、統合顧客情報データベースに格納されている顧客プロファイルデータと新たに作成され
た顧客プロファイルデータとを比較することで同一人か否かを判定するステップと、同一
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人でないと判定された場合に、該新たに作成された顧客プロファイルデータを統合顧客情
報データベースとして格納するステップとを有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る統合顧客情報データベースに格納された顧客プロファイルデータには個人情
報が含まれないので、個人情報漏洩のリスクが全くない。
【0016】
本発明に係る統合顧客情報データベースは、直接固個人を特定する事はできないが、顧客
プ ロ フ ァ イ ル デ ー タ に 含 ま れ る 顧 客 IDに よ っ て オ リ ジ ナ ル 顧 客 デ ー タ ベ ー ス と 紐 付 け さ れ
て い る の で 、 オ リ ジ ナ ル 顧 客 デ ー タ ベ ー ス に DBに ID情 報 さ え 送 れ ば 、 個 人 に ア ク セ ス す る
10
事が可能である。
【0017】
本発明に係る顧客統合データベースでは、顧客プロファイルデータに基づいて重複登録を
排除しているので、重複して同じ個人にアプローチする事がなくなるため、効率的にアン
ケートを実施したりプロモーションを行ったり、広告を配信したりする事ができる。
【0018】
本発明に係る顧客統合データベースでは、ある特定のクラスタ即ち購買見込がある集団の
みに対して情報を配信することが可能である。これは、すべての顧客に対してアプローチ
を す る マ ス マ ー ケ テ ィ ン グ に 対 し て 有 利 で あ る 。 す な わ ち 、 個 々 の DBに は 、 購 買 履 歴 や 問
い 合 わ せ 履 歴 、 WEB閲 覧 履 歴 な ど の 行 動 情 報 と 価 値 感 や 嗜 好 や 興 味 関 心 な ど の 心 理 情 報 を
20
持 っ て お り 、 DB-DNAと し て 分 類 体 系 化 さ れ て い る 。 そ の 結 果 、 性 年 代 な ど の 基 本 属 性 だ け
でなく、価値観や年収などをキーとして、購買見込み客等を高い確率で抽出、アプローチ
する事ができる。したがって、本発明に係るデータベースは、通販や広告配信において極
めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図3は、本発明に係る顧客情報統合システムの概略を示す図であり、顧客情報統合システ
ムは、複数のオリジナル顧客データベースと、個人情報不所持統合データベースとを有す
る。各オリジナル顧客データベースは、アパレル会社、自動車保険会社、ゴルフ用品会社
、健康食品会社、カード会社等の顧客データベースであり、各顧客データベースは、各会
30
社のサーバ(コンピュータ)の記憶装置、あるいは/および、単独の記憶装置に格納され
ている。個人情報不所持統合データベースは、個人情報不所持統合データベースの管理会
社のサーバ(コンピュータ)の記憶装置、あるいは/および、単独の記憶装置に格納され
ている。
【0020】
一つの態様では、オリジナル顧客データベース保有会社のサーバと、個人情報不所持統合
データベースの管理会社のサーバとは共に送信手段、受信手段を備えており、コンピュー
タネットワークを介してデータの送受信が可能となっている。各会社のサーバは、コンピ
ュータとしての基本的構成(処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置、コンピュータを
動作させる制御プログラム等)を備えており、コンピュータネットワークを介して相互に
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情報のやり取りを可能とする送受信手段を備えている。コンピュータが有するこれらの構
成要素は周知である。また、オリジナル顧客データベース保有会社のサーバは各顧客の個
人情報を有しており、送受信手段を備えた各顧客の端末との間で、コンピュータネットワ
ークを介してデータの送受信が可能となっている。
【0021】
先ず、本発明に係る個人情報不所持統合データベースにおける各顧客のプロファイルデー
タ(顧客固有のものであることからDB−DNAと呼ぶ)について図4に基づいて説明す
る。顧客プロファイルデータ(DB−DNA)は、生年月日、性別、クラスタ情報、及び
オリジナルDBを特定するIDから構成され、氏名、住所、電話番号等の個人を特定でき
る情報は含まれていない。図4の例では、DB−DNAは、1957年1月8日生まれの
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男性で、価値観クラスタはa分類、性格クラスタはf分類、行動クラスタはk分類、次の
所定のクラスタはe分類、さらに次の所定のクラスタはi分類、次の所定のクラスタの分
類は不明、次の所定のクラスタはc分類、次の所定のクラスタはp分類、最後の所定のク
ラスタは不明であり、i社の顧客番号23457という情報から構成される。すなわち、
顧客プロファイルデータは、顧客の生年月日、性別、9つのクラスタ分類、オリジナルデ
ー タ ベ ー ス に お け る 顧 客 IDか ら 構 成 さ れ て お り 、 い か な る 個 人 情 報 も 含 ま れ て い な い 。 尚
、9つのクラスタの数は例示であって、クラスタの数は限定されない。
【0022】
統合顧客情報データベースは、オリジナルデータベースの個人情報以外の情報をすべて持
っていてもよいし、その一部を持っていてもよいが、複数のクラスタ情報を有する顧客プ
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ロ フ ァ イ ル デ ー タ ( DB− DNA) を 持 つ 点 に 特 徴 を 有 す る 。 ク ラ ス タ 情 報 は 、 オ リ ジ ナ ル DB
で 行 っ た ア ン ケ ー ト 情 報 と オ リ ジ ナ ル DBが 持 っ て い る 行 動 情 報 の デ ー タ マ イ ニ グ に よ っ て
作られる。一つの態様では、各クラスタ情報は、それぞれ24種類に分類されている。も
し タ ー ゲ ッ ト を 40代 の 保 守 的 で 地 位 や 名 誉 を 重 ん じ る 男 性 を タ ー ゲ ッ ト に プ ロ モ ー シ ョ ン
を す る 場 合 、 生 年 月 日 と 価 値 観 ク ラ ス タ や 性 格 ク ラ ス タ で 絞 り 込 ん だ 上 で 、 IDか ら オ リ ジ
ナ ル DBに ア ク セ ス し 、 そ の 個 人 に ア プ ロ ー チ す る こ と が 可 能 と な る 。 こ こ で 、 「 年 齢 」 は
生年月日から算出することができ、「保守的であること」は性格クラスタにおける分類か
ら取得され、「地位や名誉を重んじること」は価値観クラスタにおける分類から取得され
、オリジナルデータベースにおける顧客IDからオリジナルデータベースを特定すること
ができる。
20
【0023】
DB−DNAを用いた顧客情報の統合システム及び方法について説明する。各オリジナル
顧客データベースは、各顧客に関する情報が記憶されている。顧客に関する情報を例示す
ると、顧客の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、性別、生年月日、購買履歴等
の行動情報、年収、趣味、家族構成等が挙げられる。各顧客の心理情報を取得するため、
各オリジナル顧客データベースの全部あるいは一部をサンプルとして抽出して価値観等の
アンケートを実施する。アンケートは、一つの態様では、インターネットを介して行う。
すなわち、個人情報不所持統合データベースの管理会社のコンピュータから各オリジナル
顧客データベースを保有する会社のコンピュータを介して、あるいは、各オリジナル顧客
データベースを保有する会社のコンピュータから直接に、インターネットを介して質問票
30
を各顧客に配信し、各顧客は、顧客端末を介して質問票を受信し、顧客端末の表示部に質
問票を表示させ、顧客端末の入力手段によって回答を入力し、インターネットを介して回
答を送信し、回答結果は各オリジナル顧客データベースを保有する会社のコンピュータの
記憶部に顧客情報と共に記憶される。
【0024】
ある人の性格や価値観等を類型するための質問には多種多様の質問があることは当業者に
おいて容易に理解されることである。例えば、性格の分類において、「外向的か内向的か
」、「感情型か思考型か」、「積極的か消極的か」、「保守的か革新的か」等を判定する
ための質問が個人情報不所持統合データベースの管理会社のコンピュータの記憶部に格納
されており、かかる質問がコンピュータネットワークを介して各オリジナル顧客データベ
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ースを保有する会社のコンピュータに送信され、かかる質問を受信した各オリジナル顧客
データベースを保有する会社のコンピュータは、各顧客の端末に対してかかる質問をコン
ピュータネットワークを介して送信し、各顧客端末から入力手段によって入力された回答
は、インターネットを介して各オリジナル顧客データベースを保有するコンピュータに送
信されて、記憶される。
【0025】
オリジナル顧客データベースの一部のサンプルに対してアンケート調査を行う場合には、
次のようにして、母集団すべての価値観等の推定を行う。オリジナル顧客データベースに
は顧客の行動データ(購買行動、購買履歴等)が格納されており、アンケート調査によっ
て取得した価値観等の回答結果と行動データとの関連付けを行う。例えば、顧客の属性デ
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ータ(性別、年齢等)や行動データ(ある商品の購入行動)と価値観とを結び付けるアル
ゴリズムを取得する。取得したアルゴリズムに基づいて、各顧客に対して格納している属
性データ、行動データを用いて、価値観等を推定する。
【0026】
アンケート調査を実施することで、各顧客の心理情報を取得さることができる。こうする
ことで、オリジナルDBには、各顧客についての、氏名、住所、電話番号、メールアドレ
ス、性別、生年月日、購買履歴、行動情報、心理情報(価値観データ等)が格納される。
さらに、行動情報、心理情報から複数のクラスタ情報を取得する。一つの態様では、クラ
スタ情報は行動情報、心理情報をデータマイニングすることで取得される。要は、ある行
動情報や心理情報から個人を特徴付けるクラスタ分類を得られればよく、その手段は限定
10
されない。こうすることで、オリジナルデータベースには顧客プロファイルデータ(DB
−DNA)が格納される。この中で、氏名、住所、電話番号、メールアドレスは、いわゆ
る個人情報に該当するので、これらの個人情報を除くデータを個人情報不所持統合DBに
移動する。移動の方法は、コンピュータネットワークを介して送信してもよく、あるいは
、記憶媒体を介してデータを移し替えてもよい。こうすることで、個人情報不所持統合D
Bを構築する。尚、オリジナル顧客データベースから個人情報以外の情報を抽出して、顧
客情報統合データベースに直接顧客プロファイルデータを作成してもよい。
【0027】
オ リ ジ ナ ル DBか ら 個 人 情 報 不 所 持 ユ ニ ー ク DBに デ ー タ を 入 れ た 際 に DB-DNAを 用 い て ダ ブ リ
チェックを行う。図7においてBが既に存在するところに、Aが入って来たとする。Bの
20
オ リ ジ ナ ル DBは mで IDは 12345で あ る 。 A の オ リ ジ ナ ル DBは Iで IDは 23456で あ る 。 通 常 A と
B が 同 一 人 物 で あ る か ど う か は 分 か ら な い 。 し か し 、 も し こ の DBが 20歳 ∼ 59歳 で 構 成 さ れ
て い る と す る と 、 生 年 月 日 の 種 類 は 40年 × 365日 ( 閏 年 は 無 視 す る ) = 14,600通 り と な り
、 更 に 性 別 を 考 慮 す る と 29,200通 り に な る 。 人 口 ピ ラ ミ ッ ド か ら 考 え 、 同 一 年 生 ま れ は 約
250万 人 程 度 だ と 考 え ら れ る 。 250万 人 ÷ 2÷ 365= 3,425人 と い う 事 に な り 、 生 年 月 日 と 性
別が判明した時点で、かなり絞り込まれる。もし同一の生年月日、性別者がいなければ、
この時点でAとBは別人でああると判断し、Aは登録する。もし、同一の生年月日、性別
者 が い た 場 合 、 2桁 目 の f、 3桁 目 の kが 一 致 し て い る の で 、 そ れ ぞ れ 24種 類 の ク ラ ス タ に 分
類 さ れ て い る と す れ ば 、 両 方 が 一 致 す る 確 率 は 1/ 24× 24= 1/ 576と な り 、 さ ら に 5桁 目 の
iも 一 致 し て い る の で 、 確 率 は さ ら に 少 な く な り 1/ 13,824と な る 。 こ の 時 点 で A と B が 同
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一人物である可能性は非常に高いので、Aの登録は見合わせる。この様に、生年月日と性
別、および3つのクラスタが一致すれば同一人物とみなすという様なルールを作る事によ
り、高い確率でユニーク性が担保される事になる。
【0028】
次に、生年月日が不明な場合について説明する。図8に示すC、Dにおいて、一方が性別
し か わ か ら な い 場 合 に 、 24の ク ラ ス タ の い く つ が 合 致 す れ ば 確 率 的 に 同 一 人 物 と 見 な せ る
か を 考 え る 。 6種 類 の ク ラ ス タ が 一 致 し た 場 合 、 1/ 24の 6乗 = 1/ 1.91億 と な り 、 ほ ぼ 同 一
で あ る と 考 え ら れ る 。 こ の 場 合 、 1, 3, 4, 6, 8, 9桁 目 が 一 致 し て い る の で 、 C と D は 同
一人物と見なす事ができる。
【0029】
40
顧客プロファイルデータは、同一顧客の重複登録を排除するために用いられるだけでなく
、大量の顧客データから所望の情報を有する顧客を抽出するために用いることができる。
本発明に係る顧客情報統合データベースは、各顧客情報がダブりのないユニークであると
いう特徴の他にもう一つ、顧客1人1人がどんな価値観を持っており、どんな志向を持っ
ているかをいくつかのクラスタ分類する事によって、高い確率で個人並びに個人の行動を
推定しようというものである。
【0030】
顧客情報統合システム(顧客プロファイルデータを格納するサーバ)の入力手段から所定
の項目を入力すると、抽出手段によって、入力された項目に合致する顧客プロファイルデ
ー タ が 検 索 さ れ 取 得 さ れ る 。 例 え ば 、 タ ー ゲ ッ ト を 40代 の 保 守 的 で 地 位 や 名 誉 を 重 ん じ る
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男性として、情報(例えば、広告)を配信したい場合には、顧客情報統合システムの入力
手段によって、年齢、性別、「保守的で地位や名誉を重んじる」に相当するクラスタ情報
を入力し、顧客プロファイルデータと照合することで、この条件に合致した顧客を抽出す
る 。 次 い で 、 抽 出 し た 顧 客 プ ロ フ ァ イ ル デ ー タ の 顧 客 IDを キ ー と し て 、 オ リ ジ ナ ル デ ー タ
ベースを特定し、各オリジナルデータベースを有するサーバへコンピュータネットワーク
を介して情報を送信する。情報を受信した各オリジナルデータベースのサーバは、顧客I
Dによって顧客を特定し、各顧客の端末に情報を配信する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来の顧客データベースの在り方を説明する図である。
【図2】従来の顧客データベースの在り方を説明する図である。
【図3】本発明に係る顧客情報統合システムの概略を示す図である。
【図4】顧客情報統合データベースにおける顧客プロファイル情報を説明する図である。
【図5】オリジナル顧客データベースを用いてクラスタ情報を取得する手段を示す図であ
る。
【図6】オリジナル顧客データベースに基づく統合顧客情報データベースの作成を示す図
である。
【図7】顧客プロファイル情報を用いた同一人判定を説明する図である。
【図8】顧客プロファイル情報を用いた同一人判定を説明する図である。
【図1】
【図4】
【図2】
【図5】
【図3】
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(9)
【図6】
【図7】
【図8】
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(10)
フロントページの続き
【要約の続き】
【選択図】
図3
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