カウンセラーM 氏の苦悩(2015 年記録)

まんだむ てれおのキャリコン・産業カウンセラー試験対策室
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キャリコン・産業カウンセラー試験、キャリア・コンサルティング技能検定 1・2 級試験対策用
カウンセラーM 氏の苦悩(2015 年記録)
ど~も、今年は私のとっても大好きな人から花粉症の漢方薬をいただき、こんな季節でも割と調子
が良いキャリコン・産業カウンセラー試験対策室のまんだむ てれお(篠原 敦也)です。
いくらカウンセラーやキャリア・コンサルタントの資格を取得して
もやっぱり相談する人がちゃんとお金を払ってお客さんとして来
るには、それなりの技術やアイディアが必要である。
年間を通じて産業カウンセラーやキャリア・コンサルタントの試験
対策をしている私ですら年間 100 件程の相談や講演の依頼を受け
たりする。それでも依頼のほとんどについては、試験対策のために
お断りをしなければならない。
試験対策のオフシーズンである 2~4 月(今年 2016 年に限っては産業カウンセラー協会のキャ
リコン試験対策のためにほとんどカウンセリングを引き受けていないのだが…)や 9~10 月が私
のカウンセリング業務のハイシーズンである。これまで北は北海道、南は大分まで依頼を受けてき
ているが、時にはとんでもない田舎に行くことも…セブンイレブンがあっても夜 10 時で閉店して
しまうところとか(せめて名前のとおり 11 時までは開店していてほしいが…)、ミステリー小説
に出てくるような、巨大密室、つまり村の入り口が一か所しかない村とか、日本もまだまだすごい
田舎があるものだと感じたりする。
ということで、いくつか私が実際に経験してきたカウンセリング業務や講演内容等を問題形式にし
てみた。何度か私の講義を聞いている人は、いくつか聞いたことのある話もあるかもしれないが、
さっそく読んで考えてみましょう。それぞれのケースには「あぶ○○刑事」と同じように漢字 2
文字のタイトルがついております。
ケース 1:困惑
相談者:45 歳女性 独身
カウンセラー:M 氏 37 歳男性
相談歴 11 年
相談者の話
相談者は現在母親(71 歳)と同居していて、一日のうち 8 時間近く母親の介護をしている。相談
者はそのため働く時間がなく、働くことが出来ない。その他、相談者の妹(39 歳)が同居してい
るが、妹は精神疾患で働くことが出来ず、これまで約 2 年働いていない。生活費は、母親の年金
と父親の遺産でやりくりをしているが、段々と生活は苦しくなってきている。また、相談者の兄(47
歳)は、相談者の住居近くに住んでいるが、定職にはついておらず、日雇いの仕事をしても、仕事
で得た金銭のほとんどをギャンブルに使いこんでしまう。
相談者はカウンセラーM 氏に対して、うつむきながらつらそうに上記のような話をしてきた。さ
て、あなたなら、相談者が上記の説明を終えた後、相談者に何と声をかけるだろうか?
いくつかの解答がありそうだなあ…と思うかもしれないが、解答はほとんど一つである。間違えな
いように慎重に解答を考えてみよう。
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ケース 2:悲痛
相談者:50 歳男性 妻(48 歳)
、長男(20 歳)
、長女(17 歳)と同居
大手電機メーカー勤務
カウンセラー:M 氏 37 歳男性 相談歴 11 年
相談者の話
相談者は 1 週間前、約 25 年間勤務した大手電機メーカーからリストラの宣告を受け、あと半年
以内で退職しなければならない状況となった。相談者はこれまで長いこと経理業務を中心として活
躍しており、バブル崩壊やリーマンショックの時期を苦労して乗り越えてきた。そのことについて、
勤務先からは高い評価を受けていたと感じていただけに相談者は大きなショックを受けていた。リ
ストラの宣告を受けてからは同僚と飲み歩き、毎日のように勤務先の愚痴を言っていた。ただ、こ
のままで良いはずはない、何かしなければならない、と感じてカウンセラーのところに相談に来た
が、妻にも話をしておらず、何から始めて良いかわからない状態である。カウンセラーの M 氏は
退職時の退職金や現在の貯蓄、その他、今後の教育費等について相談者に確認してみたが、相談者
は「よくわからない。」
「まだ確認していない。
」と答えるばかりであり、リストラの宣告を受けた
ショックから立ち直れていない様子である。再度妻に話をしてみることを勧めてみたが、「まだ、
何も考えたくない。何だか疲れた…」とうつむいてしまった。
さて、この後、あなたなら何と声をかけるだろうか。少しでもこの相談者を元気にしてあげるには
どうしたら良いだろうか。但し、メンタル不調の可能性は無いものとする。
ケース 3:逆転
相談者:30 代夫婦 息子(3 歳)
カウンセラー:M 氏 37 歳男性 相談歴 11 年
相談者の話
「そろそろ子供を幼稚園に入れなければならないのだが、どの幼稚園にしたら良いのか?」と相談
者がカウンセラーの M 氏に相談してきた。M 氏は結婚歴もなく、もちろん子育ての経験もないが、
どうしてもというので、夫婦の話を聞くことにした。
まずカウンセラーの M 氏は、幼稚園を選択する要素について確認した。聞いてみると、色々な要
素が出てきた。幼稚園と自宅との距離、送迎バスの時間、幼稚園の方針、年間イベント、幼稚園教
諭一人に対する園児数、お友達はどこの幼稚園に行くのか、祖父母の推薦などなど…色々と要素が
出てきたのでそれぞれの要素を表にまとめることにした。毎回約 1 時間のカウンセリングで合計
3 回かかってやっと表が完成してきた。
ただ、カウンセラーの M 氏が気になったのは、息子の様子である。普通ならカウンセラーと夫婦
が話し合っている間は走り回ったり、遊んでいたりするものであるが、話をしている間もお母さん
のひざの上でじっとしている。まったく母親と離れようとしないのである。そのことを夫婦も心配
していて、
「この子が幼稚園で一人でも大丈夫かどうか、不安で不安で…」と言っている。更にか
ろうじて話すことが出来るその 3 歳の息子は「お母さんといつも一緒がいい…」とつぶやいてい
る。4 回目のカウンセリングの際、M 氏は大胆な提案をしてみた。それを聞いた夫婦はとても安
心した顔で「とても助かりました。良いご提案、大変ありがとうございました」と言ってとても快
く M 氏の提案を受け入れた。
さて、M 氏はどんな提案をしたのであろうか?
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ケース 4:限界
会場:某就労支援施設 講演視聴者:50~60 代男性(リストラ退職者中心)
講演者:M 氏 37 歳男性 相談歴 11 年
「とにかく元気が無いので、皆さんを元気付けてほしい…」地方の就労支援施設の講演依頼者はこ
んな依頼をカウンセラーの M 氏にしてきた。講演内容は自由で、持ち時間は 50 分。たかだか 50
分でしかも一度講演をしたとしても二度目に来ることは絶対ないであろうと思われる地方都市で
一体何が出来るだろうか?何もアイディアが無いままカウンセラーM 氏は講演をすることになっ
た。
講演する部屋に入って、カウンセラーM 氏は「何かおかしいな?」と感じた。集まっているのは
50~60 代男性が 50 人程、講演の 15 分前にはみんな席についているはずなのに誰も話をして
いない。とにかくシ~ンと静まり返っている。M 氏が歩く音が妙に目立つくらいである。
とにかく与えられた時間は 50 分だけだ…それ以降自分は何もすることは出来ない…そう感じた
M 氏は自分のアイディアを試してみた。
講演終了後…終わった後は騒がしくなっていた。まだ元気が無さそうな人は何人かいたが、それで
も誰かと話をしている様子だった。とにかく講演する前に比べると少なくとも少しは元気が出たよ
うである。
M 氏はその後、その地方都市を訪れることは無かったが、後日 M 氏の元にいくつかの朗報が届い
た。
「XX さんは就職が決まったようです。私も次の面接で頑張ります。」
「私は XX さんと同じと
ころに就職が決まりました。
」といったメールがいくつか届いた。
さて M 氏は、50 分の講演で何を行ったのだろうか?
わからない時の愚痴はグチ猫へ
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