S.フロイトの精神分析論の中で言っている心的仕組みとは? まず人間が

まんだむ てれおの産業カウンセラー試験対策
http://www3.hp-ez.com/hp/sangyoucounseller/page1
2015 年 1 月受験用者用 産業カウンセラーノートの一部
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●S.フロイトの精神分析論の中で言っている心的仕組みとは?
まず人間が生まれてくるとしよう。その場合、右図の下にある
エス(イド)だけが存在する。右下の写真にあるフロイトに
よれば「人間は本来は動物的本能を持った快楽原則に支配されているもの」
であるから、このエス(イド)だけで生まれてきた人間は欲望だけを求める
スゴイわがままな人間だ。つまり生まれてきた瞬間、人間はわがままだけの
存在であるということだ。フロイトの話では、放っておくと人間はこのエス
(イド)しか心の中にない状態で存在し続けるから、わがままで悪い人間の
ままだという。それゆえにフロイトの精神分析論は性悪説(人間とは本来わ
るいもの)という考えだと言われる。それに対して C.ロジャーズの提唱した
来談者中心療法は「人間は放っておいても勝手に自ら成長するもの」という
理論に基づいているので性善説と言われている。さて、エス(イド)だけで生まれてきた人間はやがて親の
教育を得てから超自我、自我というのを形成する。この超自我は言ってみれば厳しい教育によって出来たも
ので「ものすごく良い子」の部分である。そして自我というのは人間が普段から表
に出している部分だ。
成長した人間の頭の中でこの自我、超自我、エスがどんなふうに働いているのか?
よく皆さんの頭の中でも、どうしようか迷ったら天使と悪魔が出てくるでしょう?
歩いていて道に 1000 円が落ちていたとする。皆さんもこう考えるはずだ。
エス(悪魔)「これはラッキー、もらってしまえ!」
超自我(天使)「駄目だよ。落とした人が困っている。警察に届けるべきだ。」
こんな会話が頭で展開される。そしてこのエス(悪魔)と超自我(天使)の調整をするのが自我であり、結
論を出すのが自我である。
自我「よし、1000 円くらいならもらってしまおう!」
ということで、この例の場合、自我が超自我とエスの調整を行って、エスが勝利したのである。
これが自我、超自我、エスの働きである。だから心の中で一番大変なのは自我の働きだ。だって何かで迷っ
てエスと超自我が争ったときにいつも調整しないといけないのは自我だからだ。だから自我はとてもとて
も弱い立場にある。
今度は意識、前意識、無意識について…
成長した人間がある欲求を持つとする。例えば M 男君は「両親から独
立して自由に過ごしたい」という欲求を持つとする。だけど、実際には
両親に経済的に支えられていて、独立して自分の家を借りるお金も無い
となると仕方がないのでそれは我慢する。我慢して、我慢して、そして
その「両親から独立して自由に過ごしたい」という欲求は無意識に閉じ
込められてしまう。このような状況を以下で示してみよう。
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まんだむ てれおの産業カウンセラー試験対策
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まず人間の欲求は性のエネルギー(リビドーなんて言葉で説明されているけど…)と呼ばれ、エスに最初に
入ってくる。だからさっきの「両親から独立して自由に過ごしたい」という欲求はエスに最初に入る。そし
てその欲求を達成したいと考えたときに、前意識に行くが、そこには超自我があって超自我によって意識化
されるのを邪魔される。「親から独立するにもあなたはその経済力もお金もないでしょ」というふうに超自
我に言われて仕方なくその欲求はエスに戻って無意識化に閉じ込められてしまう。
そしてある日、M 男君は何かに悩みをかかえてカウンセリングルームを訪れる。そこでカウンセラーにこ
んな風に相談する。
「毎日の生活がストレスです。」そこで精神分析論を専門としたカウンセラーは「どんな
ことがストレスですか?ストレスから連想するものを言ってみてください。」と聞いてみた。M 男君はスト
レスから色々な言葉を連想してみた。「母親、父親、勉強しなさい、早く寝なさい、お風呂の掃除をしなさ
い…」カウンセラーは「M 男さん、ひょっとしてあなたは家から出たいと思ってませんか?」と言ってみ
た。その瞬間、M 男君のエス、つまり無意識に隠されていた「両親から独立して自由に過ごしたい」とい
う欲求が自我の部分に表れてきた。「そうだ、自分は親から独立して一人で過ごしたいと思っていたんだ。」
ということに気づいて M 男君はだいぶスッキリする。
これが自由連想法の例である。そして無意識化から欲求が意識化されるというのはこういうことである。そ
して、無意識にある欲求を意識化する精神分析療法はまさにこんなことを示している。
これで欲求が無意識に押し込められるということがよくわかったと思う。このようにして欲求が無意識化に
押し込められることを「抑圧」という。
自我には現実検討機能、執行機能、統合機能、防衛機能というのを持っている。その中の防衛機能は、いつ
もいつも超自我とエスにはさまれて弱くなってしまっている自我を防衛するものだ。
そして自我は何とかして心が弱くなってしまう自分を守ろうと防衛する。これが防衛機制というものである。
現実を現実のままに受け入れるといつも立場の弱い自我が脅かされて、心の中が沈んでしまうので、行動や
考えを変えてそこを何とか乗り切ろうとするのが防衛機制だ。C.ロジャーズもフロイトの考えの中のこの部
分は認めており、ロジャーズはこれを「防衛性」という概念で自分の理論の中でも説明している。
ということでこういった防衛機制は、たくさんあるが、覚えるのに一番良い方法は例を使って覚えることだ。
1:自分が性的な欲望を感じている異性に対し、相手が自分に欲望を感じていると思い、
「誘惑されている」と感じたりする
2:フラれた女性に対して「あんな女は俺に相応しくない」と考える
3:喧嘩が強かった高校生がやがてボクシングのチャンピオンになる
4:好きな女の子に対して、冷たい態度をとってしまう
5:同じ大学出身のスポーツ選手の活躍を喜ぶ
6:弟が生まれて相手にされなくなった兄が母親に対して子供のようにふるまう
7:産業カウンセラーの試験に失敗したから、社会保険労務士の試験にチャレンジする
8:震災にあった被害者家族を見て、自分も悲しくなる
9:八つ当たり
解答
1:投影 2:合理化 3:昇華 4:反動形成
8:取り入れ(摂取) 9:置き換え
5:同一視
2
6:退行
7:補償