消化器内科 - 大阪赤十字病院

平成27年度
大阪赤十字病院
後期臨床研修プログラム
平成27年度後期研修を開始する専攻医のみなさんに
院長
隠岐
尚吾
大阪赤十字病院の専攻医として新たに研修を開始するみなさんに、病院長として一言ご挨拶を
申し上げます。
当院は長い伝統と実績を有する急性期総合病院です。人道、博愛の赤十字精神に基づき、すべ
ての人の尊厳を守り、心のかよう高度の医療を目ざして、診療を行ってきました。地域の中核病
院としての専門診療とともに、救命救急センター、災害拠点病院としての活動にも力を入れてい
ます。また、国際救援拠点病院として毎年多くの職員を海外に派遣しています。診療圏は大阪市
東南部地域から、大阪府内の市町村、奈良県、兵庫県、京都府など広域にわたっています。当院へ
は、多種、多様な疾患を持ったたくさんの患者さんが来院されます。みなさんが豊富な臨床経験
が積めることを期待しています。
医学の進歩に伴って現代医療は細分化され、専門化されてきました。専門診療の質は各段に上
がりましたが、超高齢社会を迎え、多疾患を有する患者さんが増加しています。専門診療の研鑽
を積んでいくことは必須ですが、同時に、患者さんが持つ専門以外の疾患や社会的背景にも対処
していかなければなりません。みなさんは初期研修で多くの診療科でプライマリケアを経験し、
医師としての基本的姿勢を学びました。初期研修の経験を基に、初心を忘れず、知識や技術の向
上に努め、総合病院としての特長を生かして、患者さんに最適な医療を提供することを心がけて
ほしいと思います。
今日、国の医療政策によって、急性期病院の方向性が示されています。DPC 制度の普及により
診療内容が透明化され、治療の標準化が進んでいます。診療の電子化で、医療スタッフ全員に情
報が共有され、医療安全や診療の質の向上が求められています。医療を地域で完結するために、
病病連携、病診連携が進み、急性期病院は入院を中心とした診療に移行しています。当院は地域
の中で、専門診療や救急医療を担い、地域の中心となって活動することが求められています。多
職種によるチーム医療を実践する中で、みなさんは、学会や院内外の研修会で活躍する機会が増
えるでしょう。また、自らの研修と同時に研修医の諸君の指導にも直接関わるようになります。
若い医師のモデルとして研鑽を続けていただきたいと思います。次代を担うみなさんが、専門診
療の習得と同時に、人間として飛躍できる 3 年間であることを期待しています。健康に留意し、
当院の医療スタッフの一員として頑張ってください。
平成27年度大阪赤十字病院後期臨床研修プログラム
目
次
「後期研修を開始する専攻医のみなさんに」
院長
隠岐 尚吾
1.リウマチ内科 ……………………………………………………………
1
2.血液内科 …………………………………………………………………
4
3.糖尿病・内分泌内科 ……………………………………………………
6
4.腎臓内科 …………………………………………………………………
11
5.消化器内科(消化管)……………………………………………………
13
6.消化器内科(肝臓)………………………………………………………
15
7.消化器内科(胆膵)………………………………………………………
24
8.循環器内科 ………………………………………………………………
28
9.神経内科 …………………………………………………………………
32
10.外
科 …………………………………………………………………
34
11.心臓血管外科 ……………………………………………………………
39
12.眼
科 …………………………………………………………………
42
13.産婦人科 …………………………………………………………………
44
14.皮 膚 科 …………………………………………………………………
48
15.泌尿器科 …………………………………………………………………
50
16.耳鼻咽喉科・頭頸部外科 ………………………………………………
54
17.小 児 科 …………………………………………………………………
56
18.小児外科 …………………………………………………………………
63
19.呼吸器内科 ………………………………………………………………
67
20.呼吸器外科 ………………………………………………………………
72
21.精神神経科 ………………………………………………………………
75
22.整形外科 …………………………………………………………………
85
23.形成外科 …………………………………………………………………
88
24.脳神経外科 ………………………………………………………………
90
25.放射線診断科・放射線治療科 ………………………………………… 100
26.麻 酔 科 ………………………………………………………………… 104
27.救 急 科 ………………………………………………………………… 110
28.病理診断科 ……………………………………………………………… 112
※各診療科の指導医リストは、平成 27年 2 月 1 日現在のものです。
リウマチ内科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
指導医
1名
外来患者延数
約 10,000 名(年間)
病床数
8床
当科の取り扱う疾患の性質上、診断や治療の過程が画一的でなく、また免疫学的異常が全身
やあらゆる臓器・組織に及ぶため、全科的な幅広い知識・技術が必要であり、医師の側にもそ
れに堪えうる、広い視野を持った豊かで寛容な人間性が要求される。
なお、当科は文部科学省からの要請による「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」の京
都大学免疫・膠原病内科マグネット病院となっている。
Ⅱ.研修目的
当院は、日本リウマチ学会の研修医教育施設であり、指導医のもとに関節リウマチを含めた膠
原病、血管炎症候群などの自己免疫疾患、リウマチ類縁疾患に対する診断・治療に必要な知識、
技術を習得することは勿論であるが、そうした患者が置かれている社会環境や家庭環境などにも
十分に目を向けることによって、患者を全人的にとらえることの出来る医師像の確立をめざす。
Ⅲ.指導医リスト
研修指導責任者:片山
昌紀(日本リウマチ学会専門医、日本内科学会認定内科医、日本内
科学会総合内科専門医)
Ⅳ.研修内容
1)代表的な膠原病、血管炎症候群つまり全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎・皮
膚筋炎、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、関節リウマチ、血清反応陰性脊椎関節
症、リウマチ性多発筋痛症、成人発症スチル病、結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発動脈炎、
多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、ベーチェット病、IgG4 関連疾患
などといった患者を実際に診て、診断基準諸項目の意味、更には疾患活動性の評価基準を体
得する。
- 1 -
2)膠原病・血管炎症候群では病歴(社会環境、家庭環境も踏まえて)を取ることでかなりの症
例で、診断の方向性が見えてくるため、そうした聴取法を会得する。発熱、関節痛、筋痛、
筋力低下、レイノー症状、浮腫、四肢のしびれ、皮疹、口内乾燥、呼吸困難など発現頻度の
多い症状を経験し、リウマトイド因子、抗核抗体、自己抗体など免疫学的検査の意義につい
ても習熟する。
3)
治療では副腎皮質ステロイド製剤をはじめとした免疫抑制剤を用いることが多いため、その適
応、禁忌、容量、用法(パルス療法も含む)、作用、副作用などに対する十分な知識を身につけ、
患者、家族の納得が得られるようなわかりやすい言葉で彼らに説明出来るようにする。
4)関節リウマチの場合は治療が他の膠原病、血管炎症候群とは違って独特のため、そうした
治療法を覚える。併せて非ステロイド性消炎鎮痛薬、疾患修飾性抗リウマチ薬(免疫抑制剤
を含む)および生物学的製剤に対する十分な知識も深める。
5)院内での定期的なカンファレンス(週1回)
、読書会以外でも、適宜、疑問点のある症例に関
してはディ スカッションを行う。また関西内の膠原病専門医らで、或いは近隣のリウマチ
専門病院間で共催している幾つかの症例検討会、研究会、或いはリウマチ・免疫関連の講演
会、学会へも積極的に参加し、時には自分自身で症例の発表をすることによって、診断・治療
などの知識、技術を普遍的なものへと更に昇華させる。
6)対象疾患の多くが厚生労働省指定特定疾患であったり、介護保険認定疾患であったり、患者
自身が肢体不自由の身障者であったりするため、その認定申請、継続のための種々な書類の
記載方法にも慣れるようにし、同時に、医師として、病める人の経済的、社会的、家庭的な
側面、或いはそうした人の QOL に十分配慮出来るような視野を育てる。
Ⅴ.到達目標
1)臨床
専門医として、診療、他科からの質疑への回答および学会での質疑応答ができる。
2)スーパーローテート研修医の指導
専門的な臨床指導を行える。
- 2 -
3)臨床研究
臨床集計や症例などについて論文をまとめ、投稿する。
Ⅵ.週間スケジュール、年次スケジュール
病棟回診(毎日)
病棟カンファレンス(週1回)
レクチャー(年 1 回)
日本リウマチ学会、日本臨床免疫学会、日本臨床リウマチ学会やその他関係学会に出席し、演
題を発表することを推奨している。
- 3 -
血液内科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
医師数
正職員 8 名、専攻医 5 名
病床数
64 床
無菌室
18 床
入院患者疾患別頻度
1)悪性リンパ腫、2)急性白血病、3)骨髄異形成症候群、4)多発性骨髄腫
同種造血幹細胞移植
年間 25~30 例
自己末梢血幹細胞移植
年間 10 数例
当科は無菌室 18 床を含む計 64 床のベッドをもち、近畿圏でも最大規模の血液内科のひとつで
す。また、骨髄バンクと臍帯血バンクの移植認定施設であり、診断から同種移植まで一貫して治
療を行うことが可能です。症例数が多く、3 年間でほとんどの血液疾患を経験することができま
す。また、学会や論文発表を奨励しています。京都大学医学部附属病院血液腫瘍科と連携・協力
していますので、研修終了後、さらなる専門医や研究を目指して大学院への進学や医員への道が
開かれています。
Ⅱ.研修目的
3 年間の後期研修のうち 1 年次は内科各科をローテートし、幅広い知識を吸収する。
2 年次からは血液内科単独研修となり、とくに血液悪性腫瘍を含むほとんどの血液疾患に対
処できる能力を養う。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
<指導体制>
指導医とともに約 10 名の入院患者の診療に当たる。
<指導医リスト>
通堂 満
(副院長、血液内科部長、輸血部長、日本内科学会認定医、日本血液学会認定血
液専門医・指導医、日本造血細胞移植学会認定医、日本臨床腫瘍学会暫定指導
医、京都大学医学部臨床教授)
- 4 -
平田 大二 (血液内科部副部長、日本内科学会認定医、日本血液学会認定血液専門医、
日本造血細胞移植学会認定医)
右京 直哉 (血液内科部副部長、日本内科学会認定医、日本血液学会認定血液専門医)
水谷 知里 (血液内科部副部長、日本内科学会認定医、日本血液学会認定血液専門医)
畑中 一生 (日本内科学会認定医、日本血液学会認定血液専門医、日本造血細胞移植学会認
定医)
金子 仁臣
(日本内科学会認定医、日本血液学会認定血液専門医、日本造血細胞移植学会認
定医)
多田 浩平 (日本内科学会認定医、日本血液学会認定血液専門医)
三谷 早智子(日本内科学会認定医)
酒巻 太郎
(日本内科学会認定医)
小西 義延 (日本内科学会認定医)
高橋 慧
(日本内科学会認定医)
西 克幸
(日本内科学会認定医)
藤本 友紀子
Ⅳ.スケジュール
〔週間スケジュール〕
火:移植症例カンファレンス
水:全体カンファレンス
木:抄読会
金:顕微鏡カンファレンス
〔年次スケジュール〕
1 年次:内科各科を 1~3 ヵ月ずつローテーション
2 年次:血液内科単独研修、同種骨髄移植を含む高度の血液内科診療を行う
3 年次:同上
Ⅴ.研修の到達目標
3 年間の後期研修期間中に、一般的な血液疾患に対して診断ができ、同種造血幹細胞移植を含
む治療を完遂できる能力を養う。
- 5 -
糖尿病・内分泌内科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
医師数
正職員 4 名、専攻医 3 名
病床数
24 床
患者数
入院 450~500 名/年 外来 2,800 名/月
内科の専門分化に伴い、大阪地区で最も早くから糖尿病外来を開設し、糖尿病の診療に 50 年近
い歴史を持っている。甲状腺、間脳下垂体、副甲状腺、副腎、性腺、電解質異常(Na,K,Ca,P)
などの内分泌疾患全般に対しても、長い専門診療の実績を持ち、地域の専門施設としての役割を
果たしている。
大学病院、関連施設とも共同して最新の医療体制を整え、EBM に基づいた治療をめざしてい
る。特に、初期教育から合併症治療まで糖尿病の総合診療に力を入れている。医師、看護師、管
理栄養士、薬剤師や検査技師などとのチーム医療を実践し、地域の基幹病院や診療所との病診連
携を定期的に行っている。専門医養成のための日本糖尿病学会認定教育施設及び日本内分泌学会
認定教育施設の資格を有する。
Ⅱ.研修目的
適切な指導医のもとに患者の社会背景や生活との関連において糖尿病、内分泌疾患を把握し、
診療に関する知識及び技能を習得する。医学の進歩に対応して自ら診療知識を身につける能力を
養う。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
<指導体制>
研修医 1 名に対し指導医 1 名を割り当てる。
研修医は指導医の指導の下で主治医の一員として入院、外来診療にあたる。
<指導医リスト>
研修指導責任者:武呂
誠司
指
新、南部 拓央
導
医:米光
- 6 -
Ⅳ.到達目標
(1)内分泌学総論
1)各疾患の病態の基礎知識
2)ホルモン測定法(ラジオイムノアッセイ、イムノラジオメトリックアッセイの原理など)
の知識及び測定用検体の取り扱い
3)画像検査法(甲状腺超音波・シンチグラフィー診断法、副甲状腺超音波・MIBI シンチグ
ラフィー診断法、トルコ鞍 X 線・CT・MR 判読、副腎 CT・MR・シンチグラフィー読解
など)
(2)甲状腺疾患
1)体得すべき知識・検査法・手技
触診技術、吸引細胞診、病理診断、in vitro 検査の意義、TSH 受容体とその抗体、甲状
腺ホルモンの作用とその分泌調節
2)体得すべき治療法
抗甲状腺剤の使用法、甲状腺ホルモン剤の使用法、アイソトープ治療、甲状線クリーゼ
の治療、無顆粒球症の治療、眼球突出の治療、手術療法の理解
(3)間脳・下垂体疾患
1)体得すべき知識・検査法・手技
前葉機能検査法、後葉機能検査法、内分泌負荷試験の立案と実施
2)体得すべき治療法
Hardy 法による下垂体腺腫摘出術の理解、機能低下症に対する補償療法、機能亢進症に
対する薬物療法
(4)副腎疾患
1)体得すべき知識・検査法・手技
静脈サンプリングの知識、副腎ステロイド合成系、レニン・アンギオテンシン系、カテ
コールアミンの知識と検査
2)体得すべき治療法
副腎ステロイド補償療法、内科的機能抑制療法、降圧療法、外科的治療に関する知識
(5)異所性ホルモン症候群
1)体得すべき知識・検査法・手技
内分泌学総論参照
- 7 -
2)体得すべき治療法
内科的機能抑制療法、外科的治療に関する知識
(6)脂質代謝疾患
1)体得すべき知識・検査法・手技
高脂血症の病型と病態
2)体得すべき治療法
抗高脂血症剤の使い方
(7)Ca 代謝異常
1)体得すべき知識・検査法・手技
内分泌学総論参照
2)体得すべき治療法
高 Ca 血症の鑑別診断・治療、低 Ca 血症の鑑別診断・治療、代謝性骨疾患の診断、ビ
スフォスフォネート製剤・ビタミン D 製剤の使い方
(8)肥満症
1)体得すべき知識・検査法・手技
内分泌学総論参照、肥満のメカニズム
2)体得すべき治療法
食事療法、運動療法、薬物療法
(9)糖尿病
1)診断
(ア)糖尿病の診断基準及び病型分類に関する学会勧告の内容を理解し、臨床応用できる。
糖尿病の診断に必要な検査を実習し、自分でできるようになる。
(イ)代謝動態の把握(FPG、HbA1c、血中脂質、血中ケトン体など)、病因・病態の把握
(内因性インスリン分泌能、インスリン抵抗性指標、GTT、血中自己抗体、HLA な
ど)が行える。
(ウ)糖尿病の重症度を理解し、それに必要な検査・診断ができる。
(エ)糖尿病合併症の有無が診断できる。
①眼底検査の基礎的手技と網膜症の診断ができる。腎症の病期分類ができる。神経
障害の診断、自律神経機能検査ができる。
②動脈硬化症の合併が把握でき、必要な検査ができる(心電図-安静時・負荷時、
ABI、心電図 CVR-R、頚動脈超音波検査など)。
- 8 -
2)治療
(ア)個々の患者に適した治療目標を設定でき、治療法の選択ができる。
(イ)食事療法の理論と実際の知識を習得、実施して、その効果が評価できる。
(ウ)運動療法の理論と実際の知識を習得、実施して、その効果が評価できる。
(エ)経口血糖降下剤の適応と作用機序を理解し、実施して、その効果が評価できる。
(オ)インスリン注射療法の理論を習得、適応を判断でき、実施して、その効果が評価でき
る。
(カ)合併症を伴う糖尿病の治療の理論と実際の知識を習得、実施して、その効果が評価で
きる。
(キ)糖尿病前昏睡や昏睡患者の治療の理論と実際の知識を習得、実施して、その効果が評
価できる。
(ク)糖尿病妊婦の管理を習得、食事・薬物療法を指示して、その効果が評価できる。
(ケ)低血糖に関する正しい知識を持ち、原因を理解して対処できる。
3)患者教育・指導
(ア)個人指導や糖尿病教室の集団指導を体験し、患者指導の方向性を示し実施、評価でき
る。
(イ)糖尿病学会の食品交換表の使用法の指導、運動処方の作成、インスリン自己注射及び
血糖自己測定の指導ができる。
(ウ)糖尿病協会や本院患者会の教育活動に参加し、その意義を理解する。
(エ)糖尿病患者教育チームの研修活動(院内、院外)に参加し、患者教育についての正しい
知識を持つ。
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Ⅴ.週間スケジュール等
(1)週間スケジュール
曜日
外来(午前・午後)
糖尿病教室
検査、カンファレンス、回診等
糖尿病
内分泌
入院
外来
月
○
○
○
PM 2:00~ 甲状腺超音波
PM 5:00~ 耳鼻科合同カンファレンス
(2 ヶ月 1 回)
火
○
○
○
PM 5:00~ 症例検討会
水
○
○
○
PM 3:00~ 部長回診
木
○
○
○
金
○
○
○
○
PM 2:00~ 甲状腺超音波
PM 5:00~ 文献抄読会
(2)年次スケジュール
外来
検査・指導
内科各科をローテーショ
ンし、内科医としての基本
的な能力を身につける。
1年次
2 年次
3 年次
入院
指導医と共に診療に従事
する。新患の病歴を聴取
し、診察を行う。受け持ち
入院患者の退院後のフォ
ローを行う。
入院患者を担当。指導医の
下で幅広く糖尿病、内分 指導医と共に負荷試験、甲
泌・代謝疾患を受け持つ。 状腺超音波、核医学検査を
理学所見を取り、検査方針 実施する。
を理解し立案する。
1 年次より症例検討会、文献抄読会に参加し、自ら発表する能力を身につける。学会や研究会
活動に参加し、研究発表を行う。研修修了時には、内科認定医・専門医、内分泌代謝科専門医、
糖尿病専門医の資格獲得を目指す。
- 10 -
腎臓内科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
医師数
正職員 4 名 専攻医 2 名
外来患者数
1 日平均 60 名
腎生検数
年間 約 100 例
ブラッドアクセス形成術
年間 約 120 例
病床数
19 床
透析ベッド数
16 床
Ⅱ.研修目的
腎臓内科診療(診断・治療)に関する基礎的、かつ必須の知識・技能を習得すること並びに
腎臓内科・透析医療における専門医を目指して専門的な知識・技能を習得することを目的とす
る。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
1)指導体制
患者の診断は、指導医を中心に指導。症例検討カンファレンス、抄読会、研究会、学会発表な
どにおいて、スタッフ全員から適時適切な指導がおこなわれる。
2)指導医リスト
指導医、常勤医は 4 名。
指導医
菅原 照
(腎臓内科部長)
越川 真男(腎臓内科部副部長)
大﨑 啓介(腎臓内科部医員)
土井 洋平(腎臓内科部医員)
杉岡 清香(専攻医)
有里 哲哉(専攻医)
Ⅳ.研修内容
1.腎不全
1)急性腎不全
- 11 -
2)慢性腎不全
3)透析療法(血液透析、CAPD)
4)血液浄化療法(血漿交換、免疫吸着、LDL 吸着など)
2.原発性糸球体疾患
1)急性糸球体腎炎症候群・急速進行性糸球体腎炎
2)慢性糸球体腎炎症候群
3)ネフローゼ症候群
3.全身性疾患による腎障害
1)糖尿病
2)膠原病
3)血管炎
4)高血圧
5)その他の疾患による腎障害
4.水・電解質・酸-塩基平衡異常
5.尿路感染症
6.血液透析に必要なブラッドアクセス形成術(シャント作成、PTA)
7.副甲状腺 PEIT
Ⅴ.週間スケジュール
月曜日:腎生検(午前) シャントオペ 週明けカンファ 腎生検カンファ 抄読会
火曜日:腎生検(午前) 透析カンファ 入院患者症例カンファ
水曜日:部長回診
木曜日:腎臓組織検討会・勉強会
金曜日:シャントオペ
週末カンファ
毎 日:透析開始時穿刺(透析当番制)
腎生検:緊急時適時
土曜日:月 1 回 他施設合同カンファ
腎臓内科外来:毎日 2 診(初診外来・予約外来)
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消化器内科後期研修プログラム(消化管)
達成目標
【A】
意義を理解し、独力で対応できる。
【B】
独力で対応できることが望ましいが、困難な場合、上級医の助言・援助を得る
【C】
独力で行なえなくとも、充分な知識があればよい。
Ⅰ.一般的処置
【A】
A.胃洗浄(胃チューブ、イレウスチューブ)
B.グリセリン浣腸、高圧浣腸
C.腹腔穿刺、排液
Ⅱ.診断、治療手技
A.血液、尿、糞便
【A】
1.腫瘍マーカー、腫瘍関連マーカー
a.CEA
b.CA19-9
2.糞便検査
a.細菌培養
【A】
b.寄生虫卵
c.便潜血反応(免疫学的、化学的)
3.Helicobacter pylori 検査
【A】
4.上部・下部消化管X線造影検査
【A】
5.上部・下部消化管ルーチン内視鏡検査
【A】
6.画像検査 腹部超音波、腹部 CT・MRI
【A】
7.腹水の一般検査および細胞診
【A】
B.治療手技
1.食道バルーンタンポナーデによる止血
【B】
2.食道バルーン拡張術
【B】
3.食道静脈瘤硬化療法(EIS)
【B】
4.食道静脈瘤結紮術(EVL)
【B】
5.内視鏡的粘膜切除術
【C】
6.内視鏡的止血術
【B】
7.内視鏡的ポリープ摘除術
【B】
- 13 -
Ⅲ.疾患
いずれの疾患もその病態を理解し、経過を予測し、適切な治療方針が立てられる。ただし、難
治症例やまれな症例の場合、カンファレンス等で上級医の助言・指導を受ける。
A.食道疾患
1.食道炎
2.食道潰瘍
3.dysplasia 潰瘍
5.食道癌(dysplasia を含む)
8.食道裂孔ヘルニア
6.食道肉腫
9.食道憩室
4.アカラシア
7.食道良性腫瘍
10.食道静脈瘤
B.胃・十二指腸疾患
1.急性胃炎
5.胃癌
2.慢性胃炎
3.胃・十二指腸潰瘍
6.胃癌以外の悪性腫瘍
8.十二指腸腫瘍
7.胃良性腫瘍(ポリープ・粘膜下腫瘍)
9.胃軸捻転症
12.蛋白漏出性胃腸症
4.吻合部潰瘍
10.胃憩室
13.胃切除後症候群
11.十二指腸憩室
14.Mallory-Weiss 症候群
15.急性胃拡張
C.腸疾患
1.腸炎(腸管感染症、食中毒を含む)
4.潰瘍性大腸炎
5.腸結核
8.アフタ性大腸炎
19.巨大結腸症
3.Crohn 病
6.薬物起因性腸炎
9.大腸ポリープ
12.上腸間膜動脈症候群
15.吸収不良症候群
2.虫垂炎
10.大腸癌
13.イレウス
16.虚血性腸炎
7.非特異性腸潰瘍
11.小腸腫瘍
14.過敏性腸症候群
17.盲係蹄症候群
20.消化管カルチノイド
18.憩室炎
21.消化管ポリポーシス
22.遺伝性非ポリポーシス性大腸癌
D.肛門疾患
痔核、痔瘻、裂肛
- 14 -
消化器内科後期研修プログラム(肝臓)
肝臓専門医、超音波専門医を目指す上で基礎となる臨床的実力をつけることを目標とする。当科
は、とりわけ肝細胞癌の診療に注力してきており、2009 年度は 751 件の腹部血管造影(アンギオ
CT、TAE を含む)、291 件の肝生検、365 件の経皮的ラジオ波熱凝固療法を施行した。研修目標の
一つとして、これらの診断・治療手技の習得を目指しており、そのためには腹部超音波診断技術の
習得が必須と考えている。
○習得目標
Ⅰ.知識A:基本的知識を身につける
Ⅱ.検査
Aa:自分一人で実地できる
A* :結果を一人で判断できる
Ab:指導のもとで実地できる
B:見学などで知っている
C:概略を知っている
Ⅲ.治療と予防
Aa:自分一人で実地できる
Ab:指導のもとで実地できる
B:見学などで知っている
C:概略を知っている
Ⅳ.症例経験
A:受け持ち症例として複数を経験すること
B:受け持ち症例として1例以上経験すること
C:受け持ち症例として経験しなくても知識を有すること
Ⅰ.知識
A.肝・胆道の解剖と機能
1.肝の解剖:A
2.肝の脈管:A
3.肝区域:A
4.肝の組織:A
5.肝細胞の構造:A
- 15 -
6.肝細胞の機能
a.蛋白・アミノ酸・アンモニア代謝:A
b.糖代謝:A
c.脂質代謝:A
d.ビリルビン代謝:A
e.胆汁酸代謝:A
7.類洞壁細胞の構造と機能:A
8.胆道の構造と機能:A
9.薬物代謝:A
10.アルコール代謝:A
11.胆汁分泌機能:A
B.胆炎ウイルス
1.HAV:A
2.HBV:A
3.HCV:A
4.HDV:A
5.HEV:A
C.病態生理
1.ウイルス肝炎の発症機序:A
2.急性肝不全の発症機序:A
3.肝再生の機序:A
4.肝発癌の機序:A
5.肝細胞障害機序:A
6.黄疸・胆汁うっ滞の発生機序:A
7.腹水の発生機序:A
8.肝性脳症の病態:A
9.肝循環・門脈圧亢進症の病態:A
10.肝線維化の機序:A
D.肝胆道の手術療法:A
E.肝移植:A
Ⅱ.検査
- 16 -
A.血液・尿検査
1.血液生化学
a.血清酵素
(AST,ALT,LDH,ALP,LAP,γ-GTP,ChE,LDH アイソザイム,
ALP アイソザイム):A*
b.血清ビリルビン:A*
c.血清総蛋白,蛋白分画,アルブミン:A*
d.免疫グロブリン:A*
e.血清膠質反応:A*
f.血清コレステロール:A*
g.血中アンモニア:A*
h.血漿遊離アミノ酸,BCAA/AAA 比,BTR:A*
i.血清胆汁酸:A*
j.プロトロンビン時間,ヘパプラスチンテスト,アンチトロンビンⅢ:A*
k.Rapidturnoverprotein(レチノール結合蛋白,プレアルブミン):A*
l.HGF:A*
m.セルロプラスミン:A*
n.微量金属(Fe,Cu,Zn)
:A*
o.ビタミン:A*
p.α1-アンチトリプシン:A*
q.フェリチン:A*
r.ICG 試験:A*
2.肝炎ウイルスマーカー
a.HAV 抗体,IgMHAV 抗体:A*
b.HBs 抗原・抗体,HBe 抗原・抗体,HBc 抗体,IgMHBc 抗体,DNA ポリメラーゼ,
HBVDNA,HBV ゲノタイプ,変異株:A*
c.HCV 抗体,HCVRNA,HCV タイピング:A*
d.HDV 抗体:A*
e.HEV抗体:A*
3.免疫学的検査
a.抗核抗体,抗 DNA 抗体など:A*
- 17 -
b.抗ミトコンドリア抗体,抗 PDH 抗体:A*
c.抗平滑筋抗体:A*
d.LKM 抗体:A*
e.リンパ球刺激試験:A*
f.免疫複合体:A*
g.補体:A*
h.リンパ球表面マーカー:A*
4.腫瘍マーカー
a.AFP,レクチン複合型 AFP:A*
b.PIVKA-Ⅱ:A*
c.CEA:A*
d.CA19-9:A*
5.線維化関連マーカー
a.P-Ⅲ-P:A*
b.IV 型コラーゲン:A*
c.ヒアルロン酸:A*
6.尿ビリルビン,ウロビリノーゲン:A*
B.画像診断
1.放射線検査
a.腹部単純撮影:A*
b.CT:A*
c.胆道造影
1)排泄性胆道造影:Aa
2)直接胆道穿刺法:B
d.内視鏡的逆行性胆管膵管造影:B
e.血管造影
1)動脈造影:Ab
2)静脈造影:Ab
3)門脈造影:Ab
f.CTA,CTAP:Ab
g.核医学検査
- 18 -
1)肝シンチグラフィ:A*
2)肝胆道シンチグラフィ:A*
3)アシアロシンチグラフィ:A*
2.超音波検査
a.診断:Aa
b.ドプラ法:Aa
c.造影超音波検査:Ab
d.アンギオエコー:B
e.超音波誘導下穿刺および生検:Ab
f.超音波内視鏡検査:B
3.磁気共鳴画像(MRI,MRCP,MRA):A*
4.胆道鏡検査:B
5.腹腔鏡検査:B
6.肝生検:Ab
7.肝腫瘍生検:Ab
8.肝の病理診断:Ab
C.その他の検査
1.十二指腸液検査(Meltzer-Lyon 法):C
2.腹水穿刺:Aa
3.腹水一般検査:A*
Ⅲ.治療と予防
1.薬物治療
a.抗ウイルス療法
1)インターフェロン:Ab
2)経口抗ウイルス薬:Ab
b.肝作用薬療法:Ab
c.分岐鎖アミノ酸療法:Ab
d.免疫抑制療法:B
2.栄養療法:Ab
3.肝・胆道の特殊治療
- 19 -
a.経皮的胆道ドレナージ:B
b.経皮的膿瘍ドレナージ:Ab
c.肝動脈塞栓療法:Ab
d.動注化学療法:Ab
e.腫瘍内局所注入療法:Ab
f.マイクロウェーブ凝固療法:B
g.ラジオ波焼灼術:Ab
h.内視鏡的治療手技:B
i.血漿交換および血液浄化療法:B
j.放射線療法:C
4.門脈圧門亢進症の治療
a.食道(胃)バルーンタンポナーデによる止血:Aa
b.食道(胃)静脈瘤硬化療法:B
c.食道静脈瘤結紮術:B
d.バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO):B
e.経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術(TIPS)
:C
f.経皮的シャント塞栓術:C
5.予防薬
a.肝炎ワクチン:Ab
b.高力価免疫グロブリン:Ab
Ⅳ.疾患
A.肝疾患
1.急性肝炎(A 型肝炎,B 型肝炎,C 型肝炎,D 型肝炎,E 型肝炎):A(2)
2.劇症肝炎:C
3.慢性肝炎
a.B 型肝炎:A(2)
b.C 型肝炎:A(2)
c.非 B 非 C 型肝炎:C
4.自己免疫性肝炎:C
5.原発性胆汁性肝硬変:C
- 20 -
6.原発性硬化性胆管炎:C
7.肝硬変:A(2)
8.薬物性肝障害:B
9.アルコール性肝障害:A(2)
10.肝内胆汁うっ滞:B
11.体質性黄疸:B
12.Non-alcoholicfattyliverdisease(NAFLD):B
13.Non-alcoholicsteatohepatitis(NASH):C
14.代謝性肝障害
(糖原病,肝アミロイドーシス,ヘモクロマトーシス,Wilson 病,肝性ポルフィリン症,
尿素代謝異常症,脂質蓄積症 等)
:C
15.その他のウイルス肝炎
(EB ウィルス肝炎,サイトメガロウイルス肝炎,等):C
16.Reye 症候群:C
17.Weil 病:C
18.肝寄生虫症:C
19.肝膿瘍:B
20.肝嚢胞:A(2)
21.原発性肝癌
a.肝細胞癌:A(5)
b.胆管細胞癌:B
c.その他の肝悪性腫瘍:C
22.転移性肝癌:B
23.肝良性腫瘍(血管腫など):A(3)
24.特発性門脈圧亢進症:C
25.肝外門脈閉塞症:C
26.Budd-Chiari 症候群:C
27.肝内結石症:C
28.全身疾患と肝
a.甲状腺疾患:C
b.肝腎症候群:C
- 21 -
c.その他:C
29.新生児肝炎:C
30.妊娠と肝:C
B.胆道疾患
1.胆石症:A(2)
2.胆道感染症:B
3.胆嚢腺筋腫症:B
4.胆道腫瘍:B
5.膵・胆管合流異常:C
6.胆道拡張症:C
7.胆道閉鎖症:C
C.腹腔疾患
1.特発性細菌性腹膜炎:C
肝臓疾患の診療に必要な腹部超音波検査の知識と技術の習得内容の詳細を以下に述べる。
Ⅰ.医用超音波工学総論
超音波の基本的特性と超音波機器の原理について理解する。
音響の原理、生体の音響特性、パルスエコー法、ドプラ法、診断装置、プローブ、診断装置
の操作運用、音響的安全性、電気的およびその他の安全性、保守管理
Ⅱ.臨床超音波医学の基礎
A.検査概論
病態に基づいた検査立案、他の画像検査との比較、検査部位に適した表示法、医用超音波用
語、超音波診断基準、関係法規など、安全性
B.検査実施
実際の検査装置の使い方、アーチファクトの理解、記録法・画像保存・結果報告など
C.超音波の応用
造影超音波法、ハーモニックイメージング、穿刺法、健康診断、組織性状診断、ドプラ法に
よる血流診断、三次元表示検査、治療への応用
- 22 -
D.その他
超音波検査に基づいた教育と研究、超音波検査室、感染対策
Ⅲ.肝胆膵領域の実際
A.肝臓の超音波検査
超音波解剖、びまん性肝疾患、感染性肝疾患、脈管異常、良性腫瘍、悪性腫瘍、肝損傷、超
音波手技・走査法および関連手技、超音波ガイド下の処置および治療手技
B.胆道の超音波検査
超音波解剖、胆嚢、胆管、超音波の手技、超音波ガイド下の処置および治療手技
C.膵臓の超音波検査
超音波解剖、炎症性膵疾患、嚢胞性膵疾患、膵腫瘍、膵外傷、超音波の手技
D.脾臓の超音波検査
超音波解剖、門脈圧亢進症など、占拠性病変、超音波の手技
E.腹膜・腹腔・リンパ節などの超音波検査
超音波解剖、腹膜疾患、腹水、リンパ節、腹腔、超音波の手技
- 23 -
消化器内科後期研修プログラム(胆膵)
このカリキュラムは研修内容の 1 つの基準であり、指導医はそれぞれの項目の達成目標の参考に
する。
達成目標を次の通りA,B,Cの 3 段階に分ける。
達成
目標
A
B
C
Ⅰ.一般的事項
Ⅱ.疾患
Ⅲ.診断、治療手技
Ⅳ.手術
独立して行える必要がある
※は内容を理解しており、結果を評価
できればよい
経験することが望ましいが、経験がない
場合は見学で補うことができる
経験はなくとも充分な知識をもってい
ればよい
経験する必要がある
(術者、助手いずれの場合も可)
経験することが望ましいが、経験がない
場合は見学で補うことができる
経験はなくとも充分な知識をもってい れ
ばよい
A.血液、尿、糞便 ※
1.肝機能検査
A.血清酵素
1)AST(GOT)
、ALT(GPT)
A
2)LDH
A
3)ALP、LAP、γ-GTP
A
4)ChE
A
5)LDH アイソザイム
A
6)ALP アイソザイム
A
B.血清ビリルビン
A
C.血清蛋白分画
A
D.免疫グロブリン
A
2.膵酵素、インヒビター
A.血清、尿アミラーゼ
A
B.血清アミラーゼアイソザイム
A
C.血清エラスターゼ-1
A
D.血清リパーゼ、トリプシン、PLA2 など
A
3.腫瘍マーカー、腫瘍関連マーカー
A.AFP
A
B.PIVKA-II
A
- 24 -
C.CEA
A
D.CA19-9、CA50
A
E.TPA
A
F.フェリチン
A
G.DU-PAN-2
A
H.SLX
A
I.SPAN-I
A
B.肝、胆、膵、腹腔検査
1.X 線検査
A.胆道造影
1)経口法
A
2)経静脈法
A
3)直接胆道穿刺法
A
4)術中胆道造影
C
B.内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)※
A
C.血管造影
1)腹腔動脈 ※
A
2)上腸間膜動脈 ※
A
2.画像診断
A.超音波検査
1)診断
A
2)超音波誘導下穿刺及び生検 ※
B
3)術中診断
C
B.CT ※
A
C.磁気共鳴画像(MRI,MRCP)※
A
D.肝胆道 RI 検査 ※
A
3.内視鏡検査(細胞診、生検、超音波内視鏡(EUS)、管腔内超音波検査(IDUS)
を含む)
A.胆道鏡および膵管鏡検査
C
B.腹腔鏡検査
B
4.肝生検
B
5.十二指腸液検査(Meltzer-Lyon 法)
C
6.膵外分泌機能検査
A.BT-PABA(PFD)試験
A
B.セクレチン試験
C
C.糞便中キモトリプシン活性 ※
A
7.血糖検査(ブドウ糖負荷試験)
A
- 25 -
8.腹水の一般検査及び細胞診
A
9.肝、胆、膵
C.
A.経皮的ドレナージ(胆道・膿瘍・嚢胞)
B
B.肝動脈塞栓療法(TAE)
B
C.動注化学療法
B
D.腫瘍内局所注入療法(PEI など)
B
E.内視鏡的治療手技およびドレナージ(EST,ENBD,ステントなど)
B
F.血漿交換および血液浄化療法
B
G.経頸静脈的肝内門脈大循環短絡術(TIPS)
C
H.バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)
C
I.放射線療法
C
胆・膵疾患
1.胆道疾患
A.胆石症
A
B.胆嚢炎・胆管炎
A
C.胆嚢腺筋腫症
A
D.胆道腫瘍(十二指腸乳頭部腫瘍を含む)
A
E.膵・胆管合流異常
A
F.先天性胆道拡張症
A
G.原発性硬化性胆管炎
B
2.膵疾患
A.急性膵炎
A
B.慢性膵炎(膵石症)
A
C.膵嚢胞
A
D.膵癌
A
E.膵内分泌腫瘍
B
F.膵発生異常
B
D.肝、胆、膵、脾手術
A.肝部分切除術
C
B.肝区域切除術
C
C.肝葉切除術
C
D.肝門部切除術
C
E.肝縫合術
C
F.肝嚢摘出術
C
G.胆管切開術
C
H.十二指腸乳頭括約筋形成術
C
I .胆道消化管吻合術
C
- 26 -
J.膵管空腸吻合術
C
K.膵嚢胞手術
C
L.膵頭十二指腸切除術
C
M.幽門輪温存膵頭十二指腸切除術
C
N.膵体尾部切除術
C
O.膵全摘術
C
P.膵部分切除(核出術を含む)
C
Q.肝移植
C
- 27 -
循環器内科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
1)医師数 :正職員 8 名
2)病床数 :48 床(救急 2、CCU 4、一般 42)
3)外来および入院患者数 : 外来 約 30,000 名、入院 約 1,500 名 【 年間 】
4)その他診療科別データ(手術例、件数等):
CAG 約 1,500 件、PCI 約 300 件、PTA 約 120 件、心筋生検 約 20 件、EPS 約 170 件、
アブレーション 約 150 件、ペースメーカー植込 約 90 件、ICD 植込 約 20 件、CRT 約
10 件、UCG 約 6,400 件、心筋シンチ 約 380 件、冠動脈 CT 約 630 件【 H25 年実績 】
Ⅱ.研修目的
当科における後期研修の目的は、主として心臓脈管疾患患者の扱い方、特にプライマリーケ
アを含めた診察、治療に必要な知識と技術を習得することである。
当科での研修の特徴は、循環器疾患全般について基本的診療から高度医療まで幅広く研修で
きることである。
当科での研修の基本的方針は、以下の通りである。
1.緊急患者ヘの応対を研修する。基本的な救命法(CPR)はもとより高度 CPR について
も十分習得できるようにする。
2.心臓カテーテル検査、負荷心電図検査、超音波検査、核医学的検査、冠動脈 CT 検査な
どの諸検査を自ら行い、結果を評価できるようにする。
3.診断、治療のための基本的方針が構築でき、EBM に基づいた標準的治療が行えるようにす
る。
4.PCI、PPI、EPS、アブレーション、ペースメーカー、ICD、CRT 植込などが行えるよう
にする。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
<指導体制>
各症例ごとに指導医が個別指導を行うが、カテラボ、エコーラボ、RI ラボでも個別に技術
指導を行う。
- 28 -
<指導医リスト>
研修総括責任者:健診部長兼心臓血管センター長
田中 昌
(医学博士、京都大学医学部循環器内科学臨床教授、日本循環器学会専門医、
日本内科学会認定医・専門医・指導医)
研修指導責任者:循環器内科部長兼救急科部副部長
稲田 司
(医学博士、京都大学医学部循環器内科学臨床教授、日本循環器学会専門医、
日本心臓病学会認定上級臨床医、日本内科学会認定医・指導医、日本心血管
インターベンション治療学会専門医・指導医、臨床研修指導医)
心臓血管センター不整脈内科部長
牧田 俊則
(日本循環器学会専門医、日本内科学会認定医及び指導医、臨床研修指導医)
指
導
医:副部長
林 富士男(日本心血管インターベンション治療学会専門医、
臨床研修指導医)
副部長
伊藤 晴康(医学博士、日本循環器学会専門医、日本内科学会
認定医・指導医、臨床研修指導医)
医 員
長央 和也(医学博士、日本内科学会認定医・指導医)
医 員
福地 浩平(日本内科学会認定内科医、日本循環器学会専門医、
日本心血管インターベンション治療学会認定医、
臨床研修指導医)
医 員
高橋 由樹(日本内科学会認定内科医、
日本心血管インターベンション治療学会認定医)
Ⅳ.研修内容
常時患者 7~8 名の主治医(指導医との複数主治医制)となり、循環器病棟、CCU で研修を行
うとともに、各種検査に参加して実習する。また、日々のカンファレンスで症例報告の訓練と知
識の整理を行う。心筋梗塞患者の運動負荷・リハビリテーションにも参加する。
Ⅴ.到達目標
1.心電図の記録と判読ができること。
2.ホルター心電図の判読ができること。
3.CT、MRI の判読ができること。
- 29 -
4.心筋シンチグラム、心 RI アンジオ、心臓 CT を実施し、それらの結果を評価できるこ
と。
5.トレッドミルその他の運動負荷検査を実施し、結果を評価できること。
6.心臓エコー図の記録、判読ができること。
7.刺激伝導系検査、ヒス束心電図の実施、判読ができること。アブレーションの意義を理
解し、実施する。
8.冠状動脈造影検査(含 冠攣縮誘発法)を実施し、インターベンション(血栓溶解療法、
PTCA、ステント挿入など)にも助手として立会うこと。CAG 術者経験 200 例をめどに
PCI、PPI インターベンションの術者をさせる。
9.スワン・ガンツ・カテーテルに基づく血行動態の理解ができること。
10.救急当番、CCU 当直を受け持ち、循環器緊急症への基本的な対応ができること。
11.その他、修得すべき手技・応急処置
1)スワン・ガンツ・カテーテル挿入
2)動脈穿刺
3)胸水穿刺
4)心嚢穿刺
5)心肺蘇生術
6)気管内挿管
7)電気的除細動
8)ペースメーカー植え込み術
12.循環器系薬剤(降圧薬、利尿薬、強心薬、冠血管拡張薬、抗不整脈薬、抗凝固薬、血栓溶
解薬、抗血小板薬、高脂血症治療薬など)の作用機序の理解と用法を体得し、病態に応じ
て使用できること。
Ⅵ.週間スケジュール
<カンファレンス>
心カテカンファレンス:月・火・木・金曜日夕方
CCU 回診:毎朝
- 30 -
ハートチームカンファレンス:月曜日夕方
新入院患者カンファレンス:月曜日夕方
病棟回診:月曜日午後
不整脈カンファレンス:水曜日
<検査日>
受持ち患者に関連した下記の諸検査に参加し、また余裕のある限り他の検査も実習する。
月
火
水
木
金
検査項目
心エコー
AM
PM
AM
PM
AM
○
○
○
○
○
運動負荷試験
○
○
RI 試験
シネアンギオ
PM
AM
PM
○
○
○
○
○
○
- 31 -
PM
○
○
○
○
○
AM
○
○
○
○
○
○
○
神経内科後期研修プログラム
Ⅰ.当科の特色
日本神経学会教育認定施設であり、京都大学神経内科関連施設である。
現在の医師数は、正職員 5 名、専攻医 2 名
入院患者の疾患名の内訳:脳血管障害約 180 名、髄膜炎・脳炎約 40 名、筋萎縮性側索硬化症約
10 名、多発性硬化症約 20 名、ギラン・バレ症候群・フィッシャー症候群約 20 名、重症筋無力症
約 20 名、パーキンソン病・その類縁疾患約 40 名、正常圧水頭症約 30 名、筋肉疾患約 20 名、そ
の他。
外来にて痙性斜頸や片側顔面痙攣、ジストニアに対するボトックス治療を行っている。
週1回の部長回診、カンファレンス、週2回の早朝カンファレンス、新患回診に加え、電気生理
検査を医師が週2回施行し、毎週英語での Journal Club, 臨床カンファを施行している。また院外
カンファレンスを京都大学関連病院(北野、済生会中津、関電、住友、富永、済生会野江、大阪市立
総合医療センター、関西医大)とともに月1回施行し、年3回富永病院神経内科との合同カンファレ
ンスを施行している。
Ⅱ.指導医リスト
研修指導責任者:高橋 牧郎(神経内科部長)神経学会専門医、指導医、代議員、
神経学会近畿地方会評議員
指
導
医:鈴木
聡(神経内科副部長)神経学会専門医
金田
大太(神経内科副部長)神経学会専門医
Ⅲ.研修内容
【1 年目(卒後 3 年目)
】
臨床神経学 大阪赤十字病院神経内科にて専攻医
4 ヶ月
大阪赤十字病院内科(各科選択)にて担当医
6 ヶ月
大阪赤十字病院救急科にて担当医
2 ヶ月
【2 年目(卒後 4 年目)
】
臨床神経学 大阪赤十字病院神経内科にて担当医(入院、外来)12 ヶ月
または
脳波筋電図 大阪赤十字病院神経内科で指導医のもとで研修
- 32 -
3 ヶ月
神経放射線 大阪赤十字病院放射線科で指導医のもとで研修
3 ヶ月
神経病理
3 ヶ月
大阪赤十字病院病理室で指導医のもとで研修
臨床神経学 大阪赤十字病院神経内科にて担当医
3 ヶ月
【3 年目(卒後 5 年目)
】
臨床神経学 大阪赤十字病院神経内科にて担当医(入院、外来)12 ヶ月
【4 年目(卒後 6 年目)
】
大阪赤十字病院神経内科にて専攻医
12 ヶ月
【5 年目(卒後 7 年目)
】
神経学会専門医試験に合格し、神経内科専門医を取得
大阪赤十字病院神経内科にて医員
12 ヶ月
または京都大学大学院を受験し、大学院に帰学
または京都大学関連病院にてさらなる臨床研修
このプログラムは、日本神経学会の推薦しているものに準拠したものですが、当院内で
すべてカバーできるように組んであります。日本神経学会専門医試験に合格することを目
指したプログラムです。
受け入れ人数:1 期あたり 3 名まで
- 33 -
外科後期研修プログラム
Ⅰ.研修目的
後期外科研修においては、初期臨床研修を終えた研修であることより、さらに踏み込んだ外
科の診断、治療および外科関連領域の必須の知識、技術、理論を習得し、未知への探求心を養
うことを目的とする。
Ⅱ.指導体制および指導医リスト
<指導体制>
研修医は、指導医と 1:1 の指導のもとで患者の病態を学習し、外科基本手技、手術適応、標
準的手術手技を学び、チーム医療としての外科医療を実践する。
<指導医リスト>
研修指導責任者:有本 明
(外科統括部長、消化器外科部長)
日本消化器外科学会認定医・指導医
日本外科学会専門医・指導医・認定医
近畿外科学会評議員
日本肝胆膵外科学会評議員・高度技能指導医
指
導
医:中島 康夫(消化器外科部長)
日本消化器外科学会指導医・認定医
日本外科学会専門医・指導医・認定医
消化器がん外科治療認定医
金谷 誠一郎(消化器外科部長)
日本外科学会認定医・専門医・指導医
日本消化器外科学会認定医・専門医・指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本内視鏡外科学会評議員・技術認定取得(消化器・一般外科)
日本胃癌学会評議員
日本食道学会評議員
Fellow of the American College of Surgeons(FACS)
- 34 -
SAGES (Society of American Gastrointestinal and
Endoscopic Surgeons)International Member
露木 茂 (乳腺外科部長)
日本外科学会認定医・専門医・指導医
日本乳癌学会認定医・専門医
マンモグラフィー読影認定医(A判定)
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療 認定医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
端
裕之(消化器外科部副部長)
日本外科学会認定医・専門医
山之口 賢(消化器外科部副部長)
日本外科学会認定医・専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医
中島 研郎(消化器外科部副部長)
日本外科学会認定医・専門医
福田 明輝(消化器外科部副部長)
日本外科学会専門医
日本救急医学会専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医
がん治療認定医
馬場園 豊(外科部医師)
吉村 文博(外科部医師)
日本外科学会認定医・専門医
日本消化器外科学会専門医・消化器がん外科治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化管学会認定医
日本食道学会認定医
日本がん治療認定医機構暫定教育医・がん治療認定医
- 35 -
山浦 忠能(外科部医師)
日本外科学会専門医
日本消化器外科学会専門医
Ⅲ.研修内容
●研修期間:3 年間
次項Ⅳ到達目標を実践することにより、外科専門医資格取得のための症例数を経験する。場合
により心臓血管外科、呼吸器外科、小児外科へのローテーション研修も可能。
Ⅳ.到達目標
(1)基本的診察ができる。
・病歴の聴取と記載
・全身、局所の理学的所見の把握
(2)以下の基本的検査を適切に指示し、結果を解釈できる。
・検尿、検便
・血液検査一般
・ガス分析
・肝機能検査
・腎機能検査
・肺機能検査
・細菌学検査
・単純 X 線検査
・CT 検査
・MRI 検査
・RI 検査
・内視鏡検査
(3)以下の基本的検査を、必要に応じて自ら検査し、結果を解釈できる。
・超音波検査
・造影 X 線検査
(4)以下の基本的手技の適応を決定し、実施できる。
・静脈注射、静脈ライン留置
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・動静脈採血
・胸腔、腹腔穿刺、ドレナージ
・導尿
・胃管の挿入
・中心静脈カテーテルの挿入
(5)以下の基本的治療法の適応を決定し、実施できる。
・一般薬の適応と使用
・抗生物質の使用
・鎮痛剤の使用
・ステロイドの使用
・高カロリー輸液
・輸血、血液製剤の使用
・経腸栄養法
・呼吸、循環管理
・食事療法
(6)以下の基本的治療法の必要性を判断し、適応を決定できる。
・放射線的治療
・抗腫瘍化学療法
(7)以下の基本的手術手技の適応を決定し、実施できる。
・無菌操作
・糸結び、抜糸
・止血
・切開
・縫合
(8)日本外科学会外科専門医修練カリキュラムにおける、到達目標 3 の手術の適応を判断
し、指導医の指導のもと、術者または助手として実施できる。
(9)手術摘出標本のスケッチ、写真撮影ができ、肉眼所見を述べることができる。
(10)患者の手術説明に立ち会い、インフォームドコンセントについて理解できる。
(11)医療チームの一員としての役割を自覚し、チーム医療を遂行できる。
(12)学会発表ができる。
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Ⅴ.週間スケジュール
手術日:月、火、水、木、金曜日
術前画像カンファレンス:火曜日 7 時 30 分~8 時 30 分
術後カンファレンス・医局会:木曜日 7 時 30 分~8 時 30 分
部長回診:火曜日、木曜日
8 時 30 分~9 時 00 分
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心臓血管外科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
当科は平成 6 年 4 月の開設で、部長 1 名、医師 3 名の計 4 名からなり、心臓および大血管をは
じめ末梢血管の疾患に至るまで手術を行っている。現在、冠動脈バイパス手術を主とする虚血性
心疾患、弁膜症、胸・腹部大動脈瘤、末梢血管の疾患(動脈・静脈)などが主たる対象疾患とな
っている。
なお、当院は心臓血管外科専門医認定機構の認定修練基幹施設であり、京都大学医学部心臓血
管外科関連施設としてグループ内で共通研修プログラムに基づき研修を行っている。
(詳しくは、京都大学医学部附属病院心臓血管外科のホームページを参照のこと)
Ⅱ.研修目的
虚血性心疾患、弁膜症、胸・腹部大動脈瘤、末梢血管疾患などの手術医療を通して、医師とし
て人格的にも技量的にも大成されることをメジャーな目標とするものの、さしずめ当面の目標と
して、心臓血管外科専門医として必要な技量の習得をかかげる。
患者の担当医または主治医となり、指導医とともに、直接治療にあたる。
(1)基本的目標
①心臓血管外科の専門医をめざす第1段階として、まず基本のマスターに努める。
②上記患者の病態を的確に把握するために、診断へのアプローチの立案化、手術適応を決定す
る能力を習得する。
③今日の医療環境を適切に把握し、患者への対応態度の養成、インフォームドコンセントの理
解を深める。
④医師の能力に応じ、スケジュールに従って、技量の向上を図る。
(2)専門的目標
①心臓血管外科手術において使用する機器の原理を理解し、その使用方法を習得する。
体外循環装置、心筋保護液灌流装置、除細動器、ペース・メーカー、心拍出量測定装置、
超音波診断装置、各種術中モニター、血流測定装置、IABP、PCPS など
②心臓血管外科手術において使用される人工材料への知識を広め、その用途、使用方法を習熟
する。
(人工血管、人工弁、縫合糸、ワイヤー、人工布、ドレーン など)
③手術器具の名称を憶え、基本的な使用方法を習得する。
④心臓血管外科手術の実際について、各種手術を憶え、基本的手技を習得する。
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⑤ICU において使用される機器の使用方法を習熟し、術後管理能力の向上を図る。
人工呼吸器、スワンガンツ・カテーテル、中心静脈カテーテル、観血的動脈圧モニター、
血液透析装置 など
⑥各種カンファレンス、研究会、学会などに出席し、専門的知識を広げるとともに、そうした
会でのプレゼンテーションが出来る能力を修得する。
⑦時間が許せば、循環器内科のカテーテル検査の見学を行い、また心臓血管外科関係の手術の
麻酔をマスターする。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
直接的には下記の指導医が指導にあたる。
心臓血管外科部長
中山 正吾
(日本胸部外科学会指導医、日本外科学会専門医、心臓血管外科専門医認定機構専門医)
Ⅳ.到達目標
1 年目:大伏在静脈採取、橈骨動脈採取、血栓除去手術、開胸・開腹操作、閉胸・閉腹操作、
IABP および PCPS の管理、術後管理の見習い
2 年目:術後管理(一人立ち)
、送・脱血管の挿入、腹部大動脈瘤の前立ち、末梢血管の吻合
3 年目:腹部大動脈瘤の術者(簡単なもの)
、末梢血管の術者、弁置換や冠動脈バイパス手術
の前立ち
・上達が早ければ、心臓血管外科専門医修練カリキュラムで発表した段階を経て、上方へステ
ップさせる。
・5 年で 250 点を取得して、心臓血管外科専門医認定機構専門医になれるようにする。
京都大学医学部心臓血管外科グループとして共通の専門医修練カリキュラムを作成し、それに
従って指導している。
Ⅴ.週間スケジュール等
<週間スケジュール>
・月曜日、木曜日は手術日である。
・毎朝 8 時 20 分から、ICU カンファレンスがあり、ICU 患者の討論を行い、治療方針を決定
する。病棟患者で、症状に変化を来した場合、ここでも討論を行う。
・火曜日の午後、水曜日と金曜日の午前・午後は外来診察日となっている。
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・緊急手術がある場合、随時行っている。
・緊急手術に対応するために、24 時間待機制をとっている。
・水曜日以外は毎日 16 時 30 分から、循環器内科との心カテ・カンファレンスがある。
特に月曜日にはハートカンファレンスとして、治療方針、治療経過についての症例検討を行
っている。
<年次スケジュール>
①全国学会
日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本外科学会、日本循環器学会、
日本冠疾患学会
②地方学会
関西胸部外科学会、日本循環器学会関西地方会
③大学関係
比叡山ワークショップ(年 1 回)
、ワールド・エキスパート講演会(年 5~8 回)
④病院間カンファレンスおよび研究会
近畿心臓外科研究会、近畿外科研究会、近畿血管外科研究会
その他、多くの研究会があるが、時間が許せば参加することが望ましい。
こうした学会および研究会を通して、知識を広めるとともに、発表の能力を高める。
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眼科後期臨床研修プログラム
Ⅰ.概要
大阪市内において眼科では外来患者数・手術件数の多い診療科で、種々の疾患の患者が大阪府
内に限らず、広く西日本各地から来院し、臨床的には大学病院と並ぶ伝統ある医療機関である。
医師数
正職員 7 名
臨床検査員
6名
外来患者数 (1 日平均)150 名
病床数
25 床
手術件数
2,800 件(2014 年)
Ⅱ.研修目的
臨床研修として多くの症例を経験することで、眼科疾患の診断、治療ことに最新の医療につい
ての知識と理解を深める。大阪赤十字病院における研修期間においては、下記 Ⅳ.A.①~④、
B.①~⑩の経験および理解を主体とする。
Ⅲ.指導医体制と指導医リスト
研修総括責任者:秋元
正行(第一眼科部長、日本眼科学会指導医)
研修指導責任者:廣井 佳野(副部長、日本眼科学会専門医)
指
導
医:田口
朗 (副部長、日本眼科学会専門医)
Ⅳ.研修内容
A.経験すべき症例
①視力障害、②視野障害、③眼痛、④充血
B.経験すべき疾患、病態
①屈折異常、②白内障、③緑内障、④糖尿病、高血圧、動脈硬化による眼底変化を代表と
する眼循環障害・虚血性疾患、⑤網膜色素変性症、加齢性黄斑変性症を代表とする先天性、
後天性網膜変性疾患、⑥ぶどう膜炎を代表とする炎症性疾患、⑦角結膜炎、⑧視神経炎、
⑨斜視、眼球運動障害
C.研修の実際
下記Ⅴ.に示したスケジュールに従い、外来初診での問診から指導医の診察の介助を通し
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て、眼科の主要症状から診断、治療への流れを学ぶ。外来で数多くの検査を施行すること
によって検査技術を習得する。病棟では、術前、手術、術後を通して各種疾患の治療の実
際と術後管理を学び、病状変化時など、症例に応じた的確、迅速な対応が出来るように修
練する。
Ⅴ.週間スケジュールなど
①研修開始~1 週
検査、診察方法、カルテの書き方、手術準備などの講義と実習。
②研修 2 週~4 週
外来にて初診患者の問診、検査、再診患者の検査担当。病棟にて指導医とともに入院患
者を担当し、検査、診察、手術準備訓練、清潔介助の見習い。
③研修 5 週以降
外来担当は同上。病棟にて指導医とともに入院患者の担当。手術準備、担当患者の手術
時は清潔介助。スキルに応じて小手術、白内障手術を執刀。
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産婦人科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
<科別データ>
医師数
正職員 7 名、専攻医 2 名
外来患者数
140 名/日
入院患者数
40~50 名/日
年間分娩数
約 730 件
年間手術数
約 670 件
<取得できる資格>
卒後 2 年間のスーパーローテーション後、当院産婦人科後期研修プログラムを 3 年間終了(卒
後 5 年)し、かつ日本産科婦人科学会入会後 3 年経過した時点で日本産科婦人科学会専門医制度
に基づく産婦人科専門医認定の申請資格を得ることが出来ます。
<診療について>
以下の点に重点を置いて日常診療を行っています。
①悪性腫瘍
早期発見、最適な集学的治療 (手術療法、化学療法、放射線療法)の立案と実行、治療後
再発の早期発見と治療
②良性腫瘍
子宮筋腫、卵巣腫瘍など保存的治療から、開腹および内視鏡(腹腔鏡・子宮鏡)手術まで
③子宮内膜症
月経困難症など婦人科的側面、並びに妊孕性に関わる側面からの対策と薬物治療および腹腔
鏡手術
④ハイリスク妊娠管理
内科的疾患などを合併した妊婦や、母体搬送されてきた妊婦などのハイリスク妊娠の管理
⑤不妊症
一般不妊検査、治療、人工授精、開腹および腹腔鏡手術(現在、生殖補助技術(ART)は行
なっていません)
⑥内分泌疾患
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不妊症、一般婦人科内分泌疾患の治療
⑦更年期障害、骨粗鬆症、婦人科老年医学等
加齢、閉経に伴う女性疾患への対策と治療
⑧骨盤弛緩症(子宮脱、膀胱・直腸瘤など)
婦人科老年医学の一環として保存的および外科的治療を行っている
<プログラムの特徴>
当院は、日本産婦人科学会専門医制度専攻医指導施設であるのはもちろん、日本周産期・新生
児医学会指定研修施設および、日本婦人科腫瘍学会指定修練施設であり、産科、婦人科ともに多
くの症例を経験することができます。
悪性腫瘍については、術前、術後に放射線科医や病理医とカンファレンスを行い、正確な診断
のもと最善の治療を選択するようにしています。周産期に関しては、産科は大阪産科婦人科診療
協力システム OGCS に、小児科は大阪新生児診療相互援助システム NMCS に加盟しており、経
験できる症例の幅を大きくしています。
Ⅱ.研修目的(研修の到達目標)
日本産婦人科学会の産婦人科専門医として要求されるレベルをこえて産婦人科医療を正確、確
実に主体的に実践できる力を身につけることを最終目標とします。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
<指導体制>
日本産科婦人科学会専門医
7人
母体保護法指定医 3 人
婦人科腫瘍専門医 0 人(平成 26 年度中に取得予定)
周産期母体・胎児暫定指導医 1人
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<指導医リスト>
研修指導責任者:産婦人科部長
野々垣 多加史
指
導
医:医
員
川島
直逸
医
員
安堂 有希子
医
員
高松 士朗
医
員
吉水 美嶺
Ⅳ.研修内容 (当院ホームページ『産婦人科研修プログラム』を参照)
スーパーローテーターと基本的に異なる点は、全て『主治医』として患者に接するようにな
るということです。専攻医だからという甘えは許されません。君が目指す医師像に、君自身の
努力で近づく努力をしてください。上級医の指導を仰ぎながら、医療を行わねばならない場面
が多いことでしょうが、君の医師としての判断も正当に尊重されます。
外来診療は 2 回/週、当直は 4 回/月程度が割り当てられ、手術は附属器切除、帝王切開な
どから始まり、子宮単純全摘などの主治医になるようになり、脇役ばかりだったスーパーロー
テーターから、自分で主体的に取り組まなければならない(取り組むことが出来る)局面が一
気に増えます。君がスーパーローテーターとして培って来た力を土台に、産婦人科専門医とし
ての肉付けをすべく、我々は精一杯応援し、また、君を仕事の仲間として迎えます。
例えば、当科研修プログラム-G.婦人科手術-5.1)、2)、3)、5)は数ヶ月もすれば間違
いなく指導医の下とはいえ、主治医である君が執刀するチャンスが与えられ、6)は君自身で鉗
子を握らねばならなくなります。4)も当科では、卒後 5 年目にして執刀を許されるほどに成長
している人もいます。
例えば、日本産科婦人科学会案として挙げられている SBO 産科関係優先順位第 1 位項目は
言うに及ばず、優先順位第 2 位項目/腹式帝王切開術の経験、流・早産の管理も君にとっては
日常的な医療行為となり、優先順位第 3 位項目/産科出血応急処置、急性腹症の患者さえもや
がて君の判断と処置を要求されるようになるでしょう。
君の医師としての成長を左右する最大の要因は、君自身のやる気です。我々はそれを手助け
すべく最大限の助力をする覚悟です。
なお、研修中でも研修終了後でも、京都大学婦人科学産科学教室同門会(温知会)に任意に
加入可能で、研修終了後、一定期間後に教室での研究の道も選ぶことが出来ます。
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Ⅴ.週間スケジュール、年次スケジュール
手術日:火曜日、水曜日、金曜日
検査 子宮卵管造影:月曜日、木曜日、金曜日のいずれか
コルポスコピー、ヒステロスコピー:適宜、各々週 3~4 件
病理レクチャー・カンファレンス:月曜日
放射線科合同画像カンファレンス:月曜日
産婦人科抄読会:月曜日
術前症例検討会:水曜日
NICU 合同周産期カンファレンス:木曜日
術後および産後症例検討会:木曜日
周産期医療勉強会(小児科新生児医療チーム主催)
:月 1 回火曜日
産科病棟カンファレンス:月1回水曜日
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皮膚科後期研修プログラム
Ⅰ.研修目的
医師としての全般的基本能力の修練を基盤に、皮膚疾患の専門的知識・診断・治療技術を修得
し、関連領域に関する広い視野をもって診療内容を高める。
特に皮膚科疾患には難治性のものが多く、治療に努めても目立った改善が得られない場合も少
なくない。このような場合、いかに患者の満足を得られるかは、ひとえに患者からの信頼にかか
る。患者から信頼されうる、皮膚科専門医を目指してもらう。
Ⅱ.到達目標
1.皮膚科学総論
1)表皮から皮下脂肪織まで、皮膚の組織学的要素や構造を理解し、生理的な役割を理解す
る。
2)皮膚病態の細胞生物学的・分子生物学的な理解を深める。
3)皮膚免疫アレルギー学の理解を深める。
4)光線生物学的な理解を深める。
5)微生物学的な理解を深める。
2.皮膚科診断学/検査
1)現症の把握、問診での的確な聴取を修得する。
2)発疹の種類、粘膜疹の種類などの理解を深める。
3)皮膚病理学的な理解を深める。
4)超音波検査、苛性カリ標本検査、皮膚免疫検査、光線照射検査、病理検査、ウイルス性細胞
診など、医師が自ら行う諸検査を習熟する。
5)血液検査、梅毒検査、分子生物学的検査などに対する理解を深める。
6)臨床写真を的確に撮す。
3.治療法
1)外用療法について習熟する。
2)抗菌薬の全身療法について習熟する。
3)副腎皮質ホルモンについての全身療法を習熟する。
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4)光線療法について習熟する。
5)簡単な皮膚外科について習熟する。
6)局所皮弁術、植皮術の適応、手技について理解する。
7)いわゆる「ムンテラ」の意味を理解する。
4.皮膚科学各論
1)湿疹・皮膚炎群の病態を理解し、外用薬の的確な使用法を習熟する。
2)蕁麻疹の病態を理解し、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の使用法を習熟する。
3)薬疹の多様性について理解し、重症薬疹に遭遇した際の対処法について学ぶ。
4)血管炎の種々の相を理解し、治療法について習熟する。
5)角化症や炎症性角化症の多様性とそれぞれの病態を理解し、的確な治療法を選択する。
6)自己免疫水疱症の発症メカニズムを理解し、患者に説明できるようになる。適切なステロイ
ド薬の投与量や、補助療法を習熟する。
7)遺伝性水疱症の原因遺伝子と構成要素について理解し、遺伝相談を受けられるように努
力する。
8)膠原病の種々相を理解し、リウマチ・膠原病内科等とタイアップして診療に当たれるように
努力する。
9)
全身性アミロイド症やポルフィリン症をはじめとする代謝異常症についての理解を深める。
10)熱傷の初期治療について習熟する。
11)皮膚潰瘍の治療について習熟する。
12)種々の皮膚良性腫瘍、悪性腫瘍について理解し、診断を下せるようになるとともに、指導医
の指導のもと手術に当たれるよう手技を習熟する。
13)陥入爪フェノール法、アテロームくり抜き術、皮膚良性腫瘍の単純摘出術などの手技につい
ても習熟する。
14)ウイルス感染症についての理解を深め、的確な抗ウイルス薬の使用をはかる。
15)性感染症についての理解を深める。
16)細菌感染症についての理解と抗菌薬の使用について習熟する。
17)真菌感染症の多様性を理解し、外用薬/内服薬の使い方を習熟する。
18)疥癬、マダニ刺症などの寄生虫症について理解する。
19)糖尿病に伴う皮膚病変など、内科的疾患に伴い皮膚病変について理解を深める。
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泌尿器科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
<科別データ>
医師数
正職員 7 名(指導医 5 名、専門医 7 名)
外来患者数
1 日 100 人前後
入院定床
28 床
手術日
週 5 日(月-金曜日)
年間手術件数
約 600 件
<特徴>
当院泌尿器科は、日本泌尿器科学会専門医制度による認定施設であり、豊富な症例数、一般病
院ならではの救急体制を背景にして、研修中に泌尿器科専門医として必要な技量を修得すること
ができる。
京都大学医学部泌尿器科医局との関連は深く、全国 30 箇所におよぶ関連病院との間で、最新の
手術手技、研究の交流を行っている。また臨床研修中に学会発表、論文の作成(英語論文を含む)
をサポートしている。
研修終了時には、当院の常勤医になる、他の京大関連病院にてさらに臨床経験を深める、京都
大学大学院へ進学する、といったいずれかの進路に進むことが可能である。
Ⅱ.研修目的
後期臨床研修の目標を明らかにし、泌尿器科を希望する若手医師に無駄の無い研修を提供する。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
指導医のもとで以下の研修を行い、修得度合いに応じて、独立して実施できる機会を与えて
いく。
(1)基本的な身体診察
指導医のもとで外来を担当し、患者に接する姿勢、検査、診断、治療の進め方を修得する。
(2)基本的な臨床検査
膀胱鏡検査、超音波検査、特殊 X 線検査(排泄性腎盂造影、逆行性腎盂造影、尿道造影、
順行性腎盂造影)の技術、診断法の修得。血管造影、CT、 MRI 検査の診断法の修得。
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一般尿検査は、尿中赤血球検査を中心に臨床検査室で修得する。ウロダイナミクス検査(尿
流検査、膀胱内圧測定)の技術、診断法の修得。
(3)基本的手技
導尿法、膀胱内生検、前立腺生検、局所麻酔法、脊椎麻酔法、皮膚縫合、尿管カテーテル法。
(4)医療記録
診療録の記載、処方せん、指示簿の作成、診断書、死亡診断書、その他の証明書の作成術前
術後の患者及び家族への説明。
(5)泌尿器癌の緩和ケア
(6)泌尿器癌の化学療法のマネジメント
(7)手術、緊急処置の実施、技術修得
(8)関連学会、研究会への出席、学会発表、論文投稿
研修指導責任者:西村 一男(泌尿器科部長)
Ⅳ.到達目標
(1)診療、技術修得の目標
後期研修 1~2 年の間に上記(1)~(6)を修得する。
(2)手術手技の到達目標(年間件数)
①研修 1~2 年目で執刀
・体外衝撃結石砕砕術(50 例)
・包皮環状切除術(5 例)
・精巣水瘤根治術(5 例)
・精管結紮術(2 例)
・精巣摘除術(3 例)
・膀胱部分切除(2 例)
・内尿道切開(2 例)
・経尿道的膀胱腫瘍切除術(150 例)
・尿管切石術(2 例)
・経尿道的尿路結石除去術(35 例)
②研修 3 年目で執刀
・尿管皮膚瘻造設(5 例)
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・尿管尿管吻合(3 例)
・尿管膀胱新吻合(2 例)
・腎摘出術(10 例)
・精巣固定術(1 例)
・精索静脈瘤根治術(5 例)
・経尿道的前立腺手術【レーザーを使用するものとレーザーを使用しないもの】
(50 例)
・腎尿管全摘出術(5 例)
・回腸導管造設術(10 例)
③手術の助手をつとめる
・腎盂形成術(2 例)
・腎部分切除(1 例)
・膀胱全摘出術(10 例)
・前立腺全摘出術(10 例)
・経皮的腎砕石術(3 例)
・回腸新膀胱造設術(1 例)
・後腹膜リンパ節郭清術(5 例)
④腹腔鏡手術認定医(部長、副部長)の指導下、手術の一部を実施する。
・腹腔鏡下副腎摘除術(5 例)
・腹腔鏡下腎摘除術(20 例)
・腹腔鏡下前立腺全摘術(20 例)
・腹腔鏡下腎尿管全摘術(5 例)
(3)処置の到達目標
いずれも研修 2 年目までに修得
・尿道ブジー
・膀胱瘻造設
・腎瘻造設
・尿管ステント留置
(4)研究活動の到達目標
研修期間中に学会発表(口演、ポスター発表)の準備、論文投稿が独自で行えるようにす
る。
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Ⅴ.週間スケジュール等
(1)週間スケジュール
毎日、外来、手術、検査、病棟業務のいずれかに従事し多忙であるため、冗長なミーティン
グは行っていない。一方、時間外勤務時間は、月平均 40 時間程であり、一日の就業時間は朝
8 時 30 分から夕方 19 時頃までと、余暇も十分にとることができる。また 1 ヶ月に 1 週間程
の宅直業務があり、泌尿器科救急疾患の診断、治療法を修得する良い機会となっている。
毎
日:8 時 30 分~8 時 45 分
外来症例のレントゲンカンファレンス
毎週火曜日:7 時 45 分~8 時 30 分 手術カンファレンス
毎週木曜日:7 時 45 分~8 時 30 分 病棟カンファレンス
:18 時 00 分~19 時 00 分 問題症例のレントゲン・病理カンファレンス
毎週金曜日:14 時 30 分~16 時 00 分 部長回診
16 時 00 分~17 時 00 分 手術ビデオ検討会
(2)年間スケジュール
1 月:京大手術手技研究会参加
4 月:日本泌尿器科学会総会参加
7 月:京大 EBM(Evidence Based Medicine)研究会参加
10 月:泌尿器科学会中部総会、日本泌尿器内視鏡学会、日本赤十字医学会、
日本癌治療学会参加
その他、年に 4 回日本泌尿器科学会地方会参加
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耳鼻咽喉科・頭頸部外科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
医師数
正職員 5 名(学会認定専門医 5 名) 専攻医 3 名
外来患者数
一日平均 100 名
手術件数
年間約 1,000 件
病床数
40 床
Ⅱ.研修目的
耳、鼻副鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、食道、気管およびそれらの中枢神経領域を含む耳鼻咽喉科
領域の診断・治療に関する基礎知識・技術の修得を目標とする。
1)耳鼻咽喉科診察の基礎的技術の修得、外来・入院患者への充分な説明
2)耳鼻咽喉科手術の基礎的技術の修得
3)聴力検査、平衡機能検査などの検査手技および診断法の修得
4)気管・食道の軟性ファイバースコープおよび硬性内視鏡による検査手技の修得
Ⅲ.指導医リスト
研修指導責任者 :田中 信三(頭頸部外科部長兼耳鼻咽喉科部長)
指
導
医 :平塚 康之(耳鼻咽喉科部副部長)
渡邉 佳紀
吉田 尚生
山田 光一郎
Ⅳ.到達目標
(1)診察・診断
1)正しい病歴聴取、physical examination ができる
2)耳鏡、鼻鏡、後鼻鏡、間接喉頭鏡、ファイバースコープによる視診ができる
3)純音聴力検査、精密聴力検査、インピーダンスオージオメトリができる
4)平衡機能検査ができる
5)音声機能検査ができる
6)各種疾患について X-P、CT、MRI、超音波検査、RI 検査の読影ができる
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7)患者への充分な説明、術前・術後の充分な説明
(2)手術
1)手術の基本手技【 消毒、切開排膿、止血操作、結紮、生検 】ができる
2)扁桃摘出術、アデノイド切除術、鼻茸切除術、鼻中隔矯正術、上顎洞根本術、甲状腺手
術、気管・食道異物摘出術ができる
3)鼓室形成術、顔面神経減荷術、頭頸部腫瘍の手術、口蓋裂手術などができる
4)入院患者の救急事態に対するプライマリー・ケアができる
【 気管内挿管、気管切開による呼吸管理および循環管理 】
5)食道再建など各種再建手術の助手をつとめることができる
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小児科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
2007 年 4 月より小児科部と新生児・未熟児科部となり、日本小児科学会認定専門医の認定
専門医研修支援施設、日本周産期・新生児医学会専門医の指定研修施設である。
当院は、地域中核病院として一般診療から幹細胞移植を含む専門診療まで、すべての小児
科診療に対応し、新生児から思春期、一部成育期まで治療を続行しており、幅広く研修でき
ることを特徴としている。また小児救急も重視し、大阪市救急医療事業団の二次後送病院と
して、さらに大阪府・市の救急搬送の受け入れも推進し、一次より三次までの小児救急に対
応している。
小児病棟は小児内科 45 床、小児外科系 6 床、個室 15 床、陰圧隔離病室 2 床、陽圧準無菌
室 4 床で、別病棟に NICU 6 床、GCU 6 床と小児科としては計 57 床で、専攻医一人につき
重症疾患含め月に 20 症例前後を受け持ち、3 年間で日本小児科学会認定専門医受験資格を取
得する。
「診療実績」
2013 年度は入院患者数 1,868 人、在院日数 6.4 日、紹介率 56.6%、1 年総外来患者数 15,529
人。診療圏は、生野区を筆頭に天王寺区、東成区、平野区、東大阪市、中央区の順で 6 ヶ所で 60%
以上となる。ICD-10 分類による疾患別症例数は、(A-B)感染症 213、(C-D)新生物血液疾患 79、(E)
内分泌代謝 37、(F-G)精神神経系 38、
(H)眼耳疾患(顔面神経麻痺等)15、
(I)循環器 7、
(J)呼吸器 788、
(K)消化器 37、(L)皮膚疾患 36、(M)筋骨格筋(膠原病)40、(N)尿路生殖器 53、(P)週産期 239、(Q)
奇形染色体異常 12、(R)熱性痙攣・痙攣重積 141(各実症例数)
、(S-T)中毒・アナフィラキシー131、
(V-Z)その他 2 人などと、ほぼ小児科領域の疾患を網羅している。
「診療内容」
(血液腫瘍)白血病・悪性リンパ腫・固形腫瘍 150 例以上、ITP130 例以上など諸種血液疾患、
ならびに免疫不全症候群 18 例(SCID,XLA,HIM,CVID,AT,WAS,CHS など)を経験し、幹細
胞移植も 1995 年より 30 回施行。
(神経)てんかん、発達障害児を主に治療し、脳波、CT、MRI、SPECT で精査している。
WEST 症候群、Lennox 症候群など難治性てんかんも多数治療し、発達障害児の機能訓練は大
手前整肢学園で施行。
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(アレルギ-)喘息は年間 300 例以上の新患と 1,000 例の長期管理を施行中で、4 歳以上は
PEF モニタ-を施行しステロイド吸入も 30%近く使用している。アトピ-性皮膚炎はスキン
ケア-、軟膏治療(重症例はプロトピックも使用)を主とし、症例により食物などのアレルゲ
ンの確定と除去を施行し、食物アレルギ-については原因検索と負荷テストも施行している。
(循環器)先天性心疾患、不整脈の治療に当たり手術適応例は国立循環器病センタ-に依頼
し、川崎病は年間 25 例前後で HDGG 治療を中心に加療。
(腎臓)慢性腎炎、ネフロ-ゼ症候群を主に診療し、症例により腎生検も施行し治療にあた
る。尿路奇形などは超音波検査、IVP、腎シンチなどで精査し、手術症例は泌尿器科と協力し
て加療。他に膠原病、内分泌・代謝、消化器疾患なども幅広く守備範囲としている。
「新生児・未熟児科の概要」
当院の新生児・未熟児科は、NICU 6 床、GCU 6 床を有し、常時 10 人前後の入院患者を
診ており、NMCS(新生児診療相互援助システム)認定施設の一員として積極的に取り組ん
でいる。NICU が満床でないかぎり 24 時間新生児の搬送を受け入れ、人工呼吸は 6 台稼働可
能。日本周産期・新生児医学会の指定研修施設として後進の指導にも当たっている。
診療実績としては、2012 年度は NICU・GCU 入院患者数 235 人、NMCS 搬送 37 人、母胎
搬送 61 人、低出生体重児 94 人、極低出生体重児 8 人、超低出生体重児 10 人、双胎 8 組、呼
吸管理 31 人、交換輸血 4 人、手術 8 人。
Ⅱ.研修目的
全ての専攻医(後期)があらゆる年齢の小児患者の取り扱い方、診断・治療に対応できる全
般的な診療能力を身につけ、3年間の研修で小児科専門医なることを目的とする。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
<認定研修施設>
1.日本小児科学会小児科専門医研修支援施設
2.日本周産期・新生児医学会周産期専門医制度周産期(新生児)専門医暫定研修施設
3.日本アレルギー学会認定教育施設(小児科)
4.日本血液学会認定研修施設
5.日本小児血液・がん学会小児血液・がん専門医研修施設
6.日本小児神経学会認定小児専門医研修認定施設関連施設
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<指導体制>
指導医は専攻医(主治医)に、当初2ヶ月は1対1で指導に当たる。その後は随時各専門分野
の指導医が指導する。ただし専門外来の指導は、専門外来担当の指導医があたる。また外来
時間外救急、および夜間小児救急も同様の体制で行う。
<指導医リスト>
住本 真一(日本小児科学会専門医・指導責任医、日本アレルギー学会専門医・指導医、
京都大学臨床教授)
:リウマチ・アレルギー外来、腎臓外来担当
金岡 裕夫(日本小児科学会専門医) :整肢学園園長
葭井 操雄(日本小児科学会専門医、日本周産期・新生児医学会暫定指導医)
:NICU、未熟児外来担当
藤野 寿典(日本小児科学会専門医、日本血液学会専門医)
:血液外来担当
坂本 晴子(日本小児科学会専門医、日本救急医学会専門医、日本小児神経専門医、日本
周産期(新生児)専門医)
:NICU、救急・神経外来担当
竹川 麻衣(日本小児科学会専門医) :NICU、救急担当
肥田 晋矢(日本小児科学会専門医) :アレルギー外来担当
野村 安隆(日本小児科学会専門医) :内分泌・代謝外来担当
安西 香織(日本小児科学会専門医) :アレルギー外来担当
山本 英彦(兼救急科部長)
:救急担当
杉田 亮
:心臓外来担当
(日本外科学会専門医)
新居 敏 (日本小児科学会専門医) :小児科一般
巽 亜子 (日本小児科学会専門医) :小児科一般
中道恵里那(日本小児科学会専門医) :アレルギー外来担当
○責任指導医
小児科:住本 真一
新生児・未熟児:葭井
操雄
血液・がん:藤野 寿典
<研修評価>
指導医は、到達目標の達成度などを参考に研修評価を行う。コメディカルによる評価、専攻医
の自己評価も参考とする。
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Ⅳ.研修内容
後期研修開始と同時に、日本小児科学会に入会し、3年後の研修終了時に日本小児科学会専門医
受験資格を取得する。
1年目:小児科病棟、小児科外来時間外、救急外来における研修。1ヶ月・乳児検診。
2年目:6ヶ月間NICU・GCU。小児科病棟。1ヶ月・乳児検診。小児科外来時間外、救急外
来。希望・必要に応じ、麻酔科研修。
3年目:小児科病棟、一般外来、特殊外来。1ヶ月・乳児検診。小児科外来時間外、救急外来。
大手前整肢学園(3ヶ月)。
Ⅴ.到達目標
1.一般目標
小児科および小児科医の役割を理解し、小児医療を適切に行うために必要な知識・技能・
態度を修得する。
1)小児の特性を学ぶ
病室研修において、入院小児の疾患の特性を知り、病児の不安・不満の在り方をともに感
じ、成長、発達の過程も考慮に入れた病児の心理状態を考慮した治療計画をたてる。
2)小児の診療の特性を学ぶ
小児科の対象年齢は、新生児期から思春期まで幅広い。小児の診療の方法は、年齢によっ
て大きく異なり、医療面接においては、母親の観察や訴えの詳細に充分に耳を傾け、問題の
本質を探し出すことが重要になる。
3)小児期の疾患の特性を学ぶ
小児疾患の特性のひとつは、発達段階によって疾患内容が異なることである。したがって、
同じ症候でも、鑑別する疾患が年齢により異なることを学ぶ。成人にはない小児特有の疾患、
染色体異常症、種々の先天性異常症(代謝異常症、免疫不全症など)、各発達段階に特有の疾
患などについても学ぶ。新生児・低出生体重児の生理的変動について学び、生理的変動領域
を越えた異常状態の把握の仕方を学ぶ。
また、プレネータル・ヴィジットについても理解する。超低出生体重児・極低出生体重児・
重症新生児の親の心理を理解し、親と子の絆の形成の援助(看護師との協同で)について学
ぶ。超低出生体重児・極低出生体重児・重症新生児のフォローアップを通して、出生早期の
医療の重要性と早産出生の予防について学ぶ。
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2.行動目標
1)病児・家族(母親)-医師関係
病児を全人的に理解し、病児・家族(母親)と良好な人間関係を確立する。
2)チーム医療
医師、看護師、保母、薬剤師、検査技師、医療相談士など、医療の遂行に係わる医療チー
ムの構成員としての役割を理解し、幅広い職種の他職員と協調し、医療・福祉・保健などに
配慮した全人的な医療を実施することを学ぶ。
3)問題対応能力(prob1em oriented and evidence-based medicine)
病児の疾患を病態・生理的側面、発達・発育の側面、疫学・社会的側面などから問題点を
抽選し、その問題点を解決するための情報収集の方法を学び、その情報を評価し、当該病児
への適応を判断できる(evidence-based medicine)。
4)安全管理
医療現場における安全の考え方、医療事故、院内感染対策に積極的に取り組み、安全管理
の方策を身に付ける。
5)外来実習
小児期の疾患の多くは、いわゆる“common
disease”である。これらの疾患について
学ぶことにより、小児医療全体を見渡し、適切な対処ができるようにする。予防接種の種類、
接種時期、実際の接種方法、接種後の観察方法、副反応、禁忌などを学ぶ。
6)救急医療
小児救急医療における小児科医の役割のひとつである、common
diseaseあるいは軽微
な所見から重症疾患を見逃さず、病児を重症度に基づいてトリアージすることを学ぶ。小児
疾患の特徴は、病状の変化が早いことであり、迅速な対応、救命的な救急、対処の仕方につ
いて学ぶ。
3.経験目標
1)医療面接・指導
2)診察
3)臨床検査
小児特有の検査結果を解釈できるようになる、最低限の検査は自分で施行できるようにす
る。
①一般尿検査(尿沈渣顕微鏡検査を含む)
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②便検査(潜血、虫卵検査)
③血算・白血球分画(計算板の使用、白血球の形態的特徴の観察)
④血液型判定・交差適合試験
⑤髄液検査(計算板による髄液細胞の算定を含む)
⑥心電図・心超音波検査 正常所見および心奇形の鑑別
⑦頭・腹部超音波検査
4)基本的手技
小児ことに乳幼児の検査および治療の全般的な知識と手技を身につける。
①注腸透視・高圧浣腸
②胃洗浄
③気胸・膿胸の際の胸腔穿刺・持続ドレナージ
④骨髄穿刺、腰椎穿刺、抗癌剤等の髄腔内投与
⑤超・極低出生体重児の中心静脈および動脈ラインの確保
⑥臍帯動脈・静脈へのカテーテル挿入
⑦ハイリスク新生児・超・極低出生体重児の分娩立ち会い、蘇生・気管内挿管
⑧新生児・低出生体重児の呼吸管理(呼吸器の選定、設定、維持、トラブルへの対応)
⑨十二指腸へのカテーテル挿入
5)薬物療法
小児に用いる薬剤の知識と使用法、小児薬用量の計算法を身につける。
6)成長発育に関する知識の修得
7)救急医療
小児に多い救急疾患基本的手技と知識を身につける。
①心不全
②脳炎・脳症、髄膜炎、痙攣重積
③急性喉頭炎、クループ症侯群、喘息重積
④アナフィラキシー・ショック
⑤急性腎不全
⑥異物誤飲、誤嚥
⑦ネグレクト、被虐待児
⑧来院時心肺停止症例(CPA)、乳児突然死症侯群(SIDS)
⑨事故(濁水、転落、中毒、熱傷など)の救急処置
8)障害児医療
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障害児の特有の病態生理を理解し、その発達を考慮しつつ適切な治療・訓練の指示ができ
る。
Ⅵ.週間スケジュール等
午
月
一般外来
前
午
後
専門外来(初診)
専門外来(未熟児)
専門外来(アレルギー)
1ヶ月健診
病棟回診
火
一般外来
水
一般外来
木
一般外来
金
一般外来
専門外来(リウマチ・アレルギー・ 専門外来(アレルギー)
内分泌・代謝)
予防接種
専門外来(アレルギー)
乳児健診
超音波検査(心臓)
専門外来(腎臓・アレルギー・
神経・心臓)
専門外来(血液・アレルギー)
専門外来(未熟児)
病棟回診
毎週月曜日午前:NICU回診、カンファレンス(Nsと合同)全ベビーの1週間の経過を提示し、治
療方針の検討を行う。なお、NICUでは個別ベビーのカンファレンスを主治医
とNsで最低1-2週に1回行う。
毎週月・金曜日午後:小児科病棟回診、同時に各主治医の受け持ち患者を症例提示、治療方針を
検討する。
毎週火曜日夕方:読書会
毎 週 木 曜 日 朝:新生児科・産科合同カンファレンス
毎週金曜日午後:小児科ウィークエンドカンファレンス、読書会、レクチャー
毎週第3水曜日:8B病棟定例会(看護師・医師合同カンファレンス勉強会)
毎月第3火曜日:NICU運営委員会・カンファレンス(Nsと合同)運営に関する諸問題を話し合い、
その月の問題症例について討議する。死亡症例があれば必ずデス・カンファレ
ンスを行う。
毎月第4木曜日:小児科クリニカル・カンファレンス(院外医師も招いて行う)
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小児外科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
1)医師数 1 名(スタッフ 1 名)
2)病床数 3 床
3)外来新患数 492、入院患者数 262 例(07 年 1 月-12 月)
外来新患数 526、入院患者数 286 例(08 年 1 月-12 月)
外来新患数 406、入院患者数 241 例(09 年 1 月-12 月)
外来新患数 447、入院患者数 217 例(10 年 1 月-12 月)
外来新患数 452、入院患者数 227 例(11 年 1 月-12 月)
4)手術数 229 例(07 年 4 月-12 月)
手術数 243 例(08 年 1 月-12 月)
手術数 213 例(09 年 1 月-12 月)
手術数 193 例(10 年 1 月-12 月)
手術数 209 例(11 年 1 月-12 月)
・鼠径ヘルニア、停留精巣、臍ヘルニアなど日常疾患
・鎖肛、腸軸捻転症、腸閉塞など新生児疾患
・胆道閉鎖、神経芽細胞腫など小児外科メジャー疾患
あなたは大学で小児外科を学びましたか?卒後、小児外科をみる機会があると思いますか?多
くの病院でまずノーです。
当院は、数少ない小児外科のある病院です。
あなたが小児に関心があるとします。ぜひとも小児外科のある病院で臨床研修を受けましょう。
そこで小児外科を経験してみてください。小児科医になるにせよ、小児外科医になるにせよ、将
来小児をみようとする医師にとって、きっと役立つはずです。
あなたが小児外科医になりたいとします。小児外科医になるには 5 年間の外科の研修が必要で
す。外科をやりながら小児外科もやる、小児外科をやりながら外科もやる、どちらでもいいでし
ょう。大きな総合病院でかつ小児外科のある病院での研修は必須です。
あなたはすでに小児外科医に向かって踏み出そうとしているとします。こども病院で小児外科
のシャワーを浴びるのも必要なことです。しかし、一般病院には一般病院なりの存在意義があり
ます。
それは小児外科のプライマリケアという視点です。
小児外科医がこども専門病院に集中し、
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一般病院にはほとんどいないのが現状です。お母さん方は小児外科が何をやっているところか知
りません。開業医の先生方も鼠径ヘルニアをどこへ送るべきか悩んでいます。小児外科が始まっ
て 50 年以上もたっているのに、世間での小児外科の認知度はきわめて低いままです。小児外科医
は小児外科を広める努力をすべきです。小児外科のプライマリケアをこなせる小児外科医の育成
が望まれる時代であるといえます。一般病院での小児外科の研修の意義がここにあります。その
後、専門の小児施設に進んだらいい。きっとバランスのとれた小児外科医になれます。
勿論、新生児外科やメジャーの小児外科疾患の教育指導も平行して行ってゆきます。
Ⅱ.指導体制と指導医リスト
1)日本小児外科学会専門医の資格をもつスタッフが指導します。指導医の指導のもとに外来患
者を診察し、入院患者の担当医となり手術をします。個々の症例がすべてです。院内・院外
のカンファレンス、研究会、学会であらゆる機会でどんどん発表してもらいます。
2)指導医リスト
研修指導責任者:松川 泰廣(小児外科部長、日本小児外科学会専門医・指導医、日本小児
外科学会評議員、日本外科学会専門医・指導医、日本小児泌
尿器科学会認定医、京都大学外科臨床教授、
)
Ⅲ.研修内容
1)小児外科は、小児科とも外科とも異なった専門分野です。小児外科的な考え方、手法、診断、
治療、手術など、興味はつきません。当院の小児外科では、小児外科のプライマリケアを学
ぶ事を通じて、トータルに小児をとらえる事ができます。
2)小児外科の疾患:日常的な小児外科疾患、新生児・未熟児外科疾患、小児期の小児外科疾患
に分類されます。
1.日常的な小児外科疾患:鼠径ヘルニア、陰嚢水腫、停留精巣、包茎、臍ヘルニア、乳児痔
瘻、腸重積、肥厚性幽門狭窄症、虫垂炎などで、外来の9割を占めます。小児外科のプラ
イマリケアのほとんどはここで学べます。興味のある方は、大阪赤十字病院のホームペー
ジの小児外科のページ「日常の小児外科疾患」をご覧下さい。
http://www.osaka-med.jrc.or.jp/shounigeka/index.htm
2.新生児外科疾患:NICU・小児科・産科から、新生児・未熟児の小児外科疾患が紹介され
てきます。ヒルシュスプルング氏病、食道閉鎖、横隔膜ヘルニア、腹壁破裂、臍帯ヘルニ
ア、先天性腸閉鎖、腸軸捻転、鎖肛など、小児外科の真骨頂とも言うべきメジャー疾患群
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です。胎児エコー、小児外科的な特殊な検査、術前術後の管理など緊急を要する様々の手
技を学びます。
3.小児期の小児外科疾患:胆道閉鎖症、胆道拡張症、小児固形腫瘍(神経芽細胞腫、ウィル
ムス腫瘍、肝芽腫など)
、胃食道逆流症などさまざまな疾患を含み、対処法を学びます。
3)小児外科の手術:小児外科の手術は、一般外科の手術とは似て非なるものです。外科にたず
さわるすべての人にとって学ぶべきところは多いと思います。言葉では言えません。姿勢、
手術道具の使い方、結紮法など、見て体感して盗んでください。大変細かい手術です。いか
に小さい視野でいかに確実な手術をするか、それには外科的解剖が大事です。最近は、腹腔
鏡手術が主流になったせいで、伝統的な手術の訓練を受ける場が少なくなっています。当院
では世間の趨勢にとらわれず、小児外科の伝統的な手作業的手術を皆さんに伝えたいと思い
ます。
4)小児外科の手技:how-to(小児の採血、点滴、浣腸、胃管の挿入、小児の抜糸 etc.)
、diagnosis
(触診、視診、聴診、超音波検査、消化管透視、注腸、食道 ph モニター、消化管内圧検査 etc.)
、
treatment(痔瘻の切開、腸重積注腸整復 etc.)などなど。新生児や乳児、小児の触診を自
信を持ってできますか?実際に触る機会はそうありません。外来を通して学びましょう。
5)学ぶべきことは書物や文献にはありません。それは情報にすぎません。実際にあなた方が接
する子供さんやご家族が教えてくれます。より多くの子供さんに接し、一緒に遊び、話をし
て学んでください。そして、自分自身の医師としてのあり方を探ってください。小さく固ま
ってはいけません。今、無駄と感じる事に新しい発見がひそんでいます。
Ⅳ.到達目標
ここでは小児外科のプライマリケアをひとつの到達目標にあげておきます。小児外科をめざす
方は、当院の小児外科を原点にしてさらに次のステップに進まれたらいいでしょう。
疾患の理解や手術のスキルアップは勿論大事です。でも、若いドクターにとってもっと大事な
ことは、自分はどういう医者になるのかをつねに模索することでしょう。最初の 5 年間、いや最
初の 2 年間でほぼ決まってしまいます。すぐ過ぎ去ってしまいます。
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Ⅴ.週間スケジュール等
1)週間予定
月曜日:午前 外来
火曜日:午後 手術
水曜日:午前 外来
木曜日:午後 手術
金曜日:第 1、3 週午後 適時開催 小児科・小児外科合同カンファレンス
これらの定期診察以外に、救急患者の診察、治療、検査が随時入ります。これらをすべて担
当して貰います。
2)学会・研究会
日本小児外科学会(年 1 回)
小児外科秋期シンポジウム(年 1 回)
日本小児泌尿器学会(年 1 回)
新生児学会(年 1 回)
日本小児外科学会近畿地方会(年 1 回)
小児外科わからん会(年 2 回)
大阪小児外科カンファレンス(年 6 回)
大阪の一般病院の小児外科医の症例検討会
京都大学小児外科研究会(年 4 回)
京大関係の小児外科医の症例検討会
これらの関連学会・研究会での発表と、発表症例の論文作成を行います。
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呼吸器内科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
呼吸器内科は正職員 8 名、呼吸器内科研修中の専攻医 5 名、総勢 13 名の医師及びローテートの
研修医若干名によって構成されており、連日 3~5 診の外来及び 62 床の入院病床を運用して、年
間約 33,000 人の外来患者、約 1,800 人の入院患者の診療にあたっています。
当科は、種々の呼吸器感染症・肺癌・気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・間質性肺炎・
肺線維症をはじめとする、各種びまん性肺疾患など主要な肺疾患に関する専門医を擁しており、
呼吸器疾患ケアを専門とする看護師・薬剤師・検査技師・理学療法士の協力を得て、呼吸器疾患
の診療に幅広く対応できる体制を整えています。また大規模総合病院の特性を活かして、肺癌な
どの腫瘍性疾患については呼吸器外科と放射線科、様々な基礎疾患や合併症を有する症例につい
ては当該の各診療科や理学療法科と密に連携して診療を行っています。また喀血や呼吸不全など、
緊急処置を要する場合には放射線科や救急科、集中治療部(ICU)の協力を得て迅速な対応に努
めています。
Ⅱ.研修目的
感冒、急性気管支炎、肺炎、肺癌、気管支喘息、COPD、肺癌など頻度の高い一般的な呼吸器
疾患の診療に精通するとともに、複雑な病態を示す呼吸器疾患症例についても診断・治療上の問
題点を把握・整理し、必要に応じて呼吸器内科の指導医に助言を仰ぎつつ、診療にあたれる診療
技術と知識を習得することがこの研修の目的です。いわば呼吸器内科医として独り立ちするため
の研修期間と考えています。
また、この後期研修期間中に認定内科医を取得することは勿論のこと、その後の呼吸器専門医
取得のための要件を満たすことも、本研修の重要な目的です。
さらに、並行して、総合内科認定医・専門医、呼吸器専門医、アレルギー専門医、感染症専門
医、気管支内視鏡専門医などの資格取得に向けての準備期間としての意味合いも有しています。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
<指導体制>
後期研修期間中は、専攻医自身が主治医になりますが、必ず患者毎に呼吸器内科スタッフが指
導医としてタッグを組み、指導にあたります。指導医の監督のもとで、専攻医の自主性を可能な
限り尊重し、
診療技術の取得と知識の向上を促すことも、
本プログラムの特徴の一つと考えます。
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<指導医リスト>
西坂 泰夫:呼吸器内科部長
日本内科学会認定総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会専門医・指導医
日本感染症学会専門医・指導医
感染制御ドクター
【インフェクション・コントロール・ドクター:ICD】
京都大学医学部臨床教授
緩和ケア研修会終了
若山 俊明:呼吸器内科部副部長
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会評議員
日本呼吸管理学会会員
吉村 千恵:呼吸器内科部副部長
日本内科学会認定内科医・指導医
日本呼吸器学会専門医
日本アレルギー学会専門医
緩和ケア研修会終了
黄
文禧:呼吸器内科部医員
日本内科学会認定総合内科専門医・指導医
感染制御ドクター
【インフェクション・コントロール・ドクター:ICD】
日本呼吸器学会専門医
日本医師会認定産業医
緩和ケア研修会終了
森田 恭平:呼吸器内科部医員
日本内科学会認定総合内科専門医・指導医
日本呼吸器学会専門医
日本アレルギー学会専門医
日本結核病学会結核・抗酸菌症認定医
緩和ケア研修会終了
中川 和彦:呼吸器内科部医員
日本内科学会認定内科医・指導医
緩和ケア研修会終了
多木 誠人:呼吸器内科部医員
日本内科学会認定内科医
日本呼吸器学会専門医
緩和ケア研修会終了
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吉田 真教:呼吸器内科部医員
日本内科学会認定内科医・指導医
日本呼吸器学会専門医
緩和ケア研修会終了
Ⅳ.研修の到達目標
(1)呼吸器内科外来初診患者の問診、診察、検査、治療並びに呼吸器内科外来再来患者の診療。
外来診察室で単独で的確に施行できることを目指す。
(2)呼吸器内科入院患者の診断、治療
1)呼吸器感染症(市中肺炎、院内肺炎、肺化膿症、急性膿胸、慢性膿胸、肺真菌症、非結核
性抗酸菌症、肺結核または結核性胸膜炎など)
起炎菌の検出同定、起炎菌別の的確な抗菌化学療法の習得を目指す。
2)悪性腫瘍(肺癌、縦隔腫瘍、胸膜中皮腫など)
診断、臨床病期の決定、治療方針の決定、抗癌化学療法の実施、患者・家族への説明(癌
告知も含む)
、緩和医療の実施(癌疼痛対策も含む)に習熟する。
3)気管支喘息、COPD
ガイドラインに沿った治療に習熟する。患者の自己管理による吸入療法を指導する。
4)急性呼吸不全、慢性呼吸不全の急性増悪
酸素療法、薬物療法、器械呼吸などによる呼吸管理に習熟する。
5)各種びまん性肺疾患(間質性肺炎・肺線維症、過敏性肺炎、好酸球性肺炎、サルコイド
ーシス、塵肺症など)
多種多様な疾患の鑑別診断を行う。各疾患に対する治療の習得。
6)喀血・血痰
緊急処置の実施。原因究明。
7)胸膜炎
診断・治療を行う。特に胸水穿刺ならびに持続胸腔ドレナージに習熟する。
8)気胸
胸腔持続吸引などの処置を行う。
9)胸部単純写真
読影技術の習得。
10)胸部 CT スキャン
- 69 -
読影技術の習得。
11)吸機能検査の成績の解釈。動脈血ガス分析の実施と結果の的確な評価
12)気管支鏡検査
指導医の指導の下で、気管支鏡検査を自ら実施する。異常所見を的確に読み取る。
最初から最後までを 1 人で完遂できることを目標に多数例で実施する。
13)呼吸管理
機械呼吸の管理、在宅人工呼吸の管理に習熟する。
14)救急医療
専攻医 2 年目からは、呼吸器内科のオンコール体制の構成メンバーとなって、夜間・休
日のコンサルテーションに対処する。その際、必要に応じて呼吸器内科指導医の指導を
受ける。
Ⅴ.週間スケジュール、年次スケジュール
<呼吸器内科の週間スケジュール>
午
前
午
後
夕
方
月
病棟業務
部長回診
喘息専門外来
禁煙外来
火
病棟業務
気管支鏡検査
経気管支肺生検
水
病棟業務
気管支鏡検査
経気管支肺生検
病棟業務
気管支鏡検査
経気管支肺生検
喘息教室(第 3 木曜日)
症例検討会
勉強会
医局会
喘息専門外来
気管支鏡検査
経気管支肺生検
手術症例検討会
(呼吸器外科と合同)
肺癌症例検討会
(呼吸器外科、
放射線治療科と合同)
木
金
病棟業務
- 70 -
症例検討会
勉強会
医局会
<呼吸器内科年次スケジュール>
4~6 月
:日本内科学会総会、日本呼吸器学会総会
日本アレルギー学会学術大会、日本感染症学会総会
10、11 月
:日本肺癌学会総会、日本医真菌学会総会
10~11 月
:日本感染症学会中日本地方会総会
6、12 月
:日本呼吸器学会近畿地方会
3、6、9、12 月
:日本内科学会近畿地方会
5(6)
、11(12)月
:上本町呼吸器セミナー(近隣沿線医師との病病・病診連携の会)
9月
:呼吸器感染症京都セミナー
2、7 月
:NPO 西日本呼吸器内科医療推進機構総会
研究発表会並びに夏季学術集会
- 71 -
呼吸器外科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
(1)目的
あらゆる意味で、医師としてどの施設に行っても恥ずかしくないものを身に付けることが
当科の研修の目的である。
(2)到達目標(目標、長期目標、一般目標、取得手技、コンセプト等)
ア.社会人として、また外科医として恥ずかしくない常識を身につける。
イ.1 年目:外科の基本的な手技を身に付ける(これは 3 年間にわたり継続して行わなけ
ればならない外科医としての土台作りである)。呼吸器外科に必要な手技を一人で行え
る。術前術後管理を適切に行える。肺癌の化学療法について充分な知識を得る。
2 年目:気胸や単純な縦隔腫瘍などの手術を執刀できる。
3 年目:肺癌手術をある程度執刀で行える。
ウ.研修終了までに外科専門医取得のために必要な程度の症例数と学会発表を経験する。 こ
のため、心臓血管外科、消化器外科、小児外科のローテート研修が 3 年間の間に組み込
まれる。ローテーターを修了した翌年(つまり卒後 6 年目)に外科専門医取得を目指す。
Ⅱ.指導医リスト
中出 雅治 部長
日本外科学会専門医
日本呼吸器外科学会評議員・指導医・専門医
日本呼吸器学会指導医・専門医
日本呼吸器内視鏡学会指導医・専門医
赤十字国際委員会登録戦傷外科医
渡辺 裕介 副部長
日本外科学会専門医、日本呼吸器外科学会専門医
日本呼吸器学会専門医
田中 宏和 副部長
日本外科学会指導医・専門医、日本呼吸器外科学会専門医
日本呼吸器内視鏡学会指導医・専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
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川邉 正和 医師
日本外科学会専門医、日本呼吸器外科学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医、肺がん CT 検診認定医
Ⅲ.研修内容
(1)1 年次
・胸部の聴診、触診
・画像の読み方(胸部レントゲン、CT、MRI など)
・気管支鏡の操作
・右心カテーテル、肺血管造影
・胸腔穿刺
・胸腔ドレナージのチューブ挿入、抜去、ドレーンの管理
・胸部手術の周術期の管理全般
・術後合併症の理解
・切除臓器の標本作成
手術においては、通常の開胸・閉胸及び胸腔鏡下の気胸の手術を指導医の元で執刀する。
全身麻酔(分離換気含む)の習熟のため、麻酔科を 3 ヶ月ローテートする。
(2)2 年次
1 年次に学んだ診断、検査、処置の理解をさらに深め、習熟する。あるものは単独で施行
できるようになる。手術においては、肺部分切除を指導医の元で執刀する。
(3)3 年次
呼吸器外科全般の診断、検査、処置を単独で施行できるようになる。手術においては、
縦隔腫瘍、肺葉切除を指導医の元で執刀する。
ただし、この 3 年間の中で外科専門医資格取得と、外科医としての幅広い知識、経験を得
るため、一般外科、小児外科、心臓血管外科を一定期間ローテートする。
3 年次終了の時点では、呼吸器外科に関する処置及び簡単な手術を単独で行い、肺癌手術
(肺葉切除)を指導医のもとで執刀できるようになることが目標である。
- 73 -
Ⅳ.週間スケジュール
月
火
水
木
金
午
前
手術
(中出外来)
(中出外来)
(渡辺外来)
(田中外来)
手術
(川邉外来)
(山﨑外来)
午
後
手術
手術
術前検討会
気管支鏡
手術
回診/症例検討
血管造影
カンファレンス
月:午前、午後とも手術。
火:午後から手術。夕方、翌週の手術の術前カンファレンス。
水:午後から気管支鏡。夕方、部長回診。
木:午前、午後とも手術。
金:午後から血管造影。17 時から呼吸器内科との合同カンファレンス。
Ⅴ.症例
(1)症例数
主要疾患名
症例数(年間)
経験目標
肺癌
手術例 70~80 例
全ての手術に助手または執刀医で参加
気胸
30~50 例
同上
縦隔腫瘍
10~20 例
同上
(2)手術等件数
手術又は手技等
手術等件数(年間)
経験目標
全麻症例
180~200 例
全ての手術に助手または執刀医で参加
局麻症例
10~30 例
同上
気管支鏡他検査
呼吸器グループで 300 例
適宜術者で行う
研修期間中、希望により麻酔科、外科、心臓血管外科、小児外科へのローテーションを行う。
- 74 -
精神神経科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
医師
常勤 6 名 内 精神保健指定医 2 名
臨床心理士
常勤 2 名
病床数
36 床
外来患者数
一日平均 80 人
Ⅱ.研修目的
医療人としての基本的事項
1.精神医療の基盤となる態度:患者や家族の苦痛を感じ取れる感性を練磨する
患者や家族の苦痛を感じ取れる感性と、それを和らげる知識と技術を持つことは、医療に
携わる者にとって重要な事項である。
感性の訓練には、患者の訴えに耳を傾けて患者を理解することはもちろんであるが、患者
をとりまく人間関係に働きかけて多くの情報を得るとともに、あらゆる角度からその情報を
分析して、患者の問題点を明確にすることが大切である。
2.チーム医療:コミュニケーション能力の獲得する
医療人としてもっとも大事な資質のひとつはコミュニケーション能力である。医師単独で
診療することは少なく、患者家族はじめ多くの職種の人々の協力のもとに診療が行われる。
この場合に必要なのがコミュニケーション能力である。
挨拶し、言葉を交わし話し合う。相手の気持ちを理解し尊重しつつ、自分の考えを述べる
ことができる。相手を傷つけることなく謙遜な態度などが必要である。
3.情報開示に耐えうる医療を行う
根拠に基づいた説明のできる医療を行う。性急に結果だけを求めるのでなく、プロセスを
大切にした医療を行う。
そのために他の医療スタッフへの報告・連絡・相談などをきちんと行い、他の医療スタッ
フからの意見を受け止め考える姿勢が必要である。
結果として情報開示にも耐えられる医療を行う覚悟が必要である。
4.自己研修とその態度
- 75 -
受け身的な研修姿勢では、十分な結果は得られず、患者の問題点を正しく把握し、自分な
りに解決しようとする自主的・積極的態度が大切である。
また、医師自身を見つめる態度も重要である。患者様を診療する際には、現在有している
知識・技術の最善を尽くし、その上でわからぬところ、足りないところを正しく把握して自
ら勉強し、
「患者様に対して、未知な経験を積ませてもらっている。この経験を忘れまい。
」
という謙虚さと厳しさを持つことが重要である。
5.医の倫理
医師は医療を行うにあたり、常に高水準の医療を保持しなければならない。
医療は患者様の心身に与える影響が極めて大きいため、厳しい倫理性が要求される。
1)正確な診療記録
医療には医師の裁量権が大幅に認められており、密室での作業でもある。故に医療記録
はいつでも開示に耐えるものでなくてはならない。そこには正確な記録を残すことが要求
される。
2)インフォームドコンセント
医療は一種の契約である。
医師はその医療がもたらす内容のすべてをプラス、マイナス、
リスクなどを含めて患者様に誠意をもって解りやすく説明し、了解をとった上で医療を行
わなくてはならない。
3)患者様のプライバシー
患者様には自分の医療内容や自己のプライバシーについて、あらゆる配慮を求める権利
がある。医師は職務上知り得た秘密の保持については、守秘義務としてこれを厳しく守ら
なければならない。
4)医療者としての倫理
目の前の患者様に高い水準の治療を与えられるように、常に学習し続けなければならな
い。
一方、治療の副作用については十分注意しなければならない。とくに薬物療法などの副
作用については、患者の訴えと様子に最大限の注意を払い、副作用を最小に押さえること
を心がけ、患者様の自然治癒力を大切にすることを忘れてはならない。
- 76 -
Ⅲ.指導体制
(1)プログラム責任者および研修指導責任者
精神神経科副部長
和田 央
(精神保健指定医、日本精神神経学会専門医制度指導医)
(2)指導医
精神神経科部医師
早川 明良
(精神保健指定医、日本精神神経学会専門医制度指導医)
Ⅳ.研修内容
日本精神神経学会においては、平成 18 年度より「精神科専門医制度」が施行され、あわせて精
神科専門医制度研修(3 年間)が開始された。
本院における精神科後期研修は、次項の日本精神神経学会の専門医制度研修のガイドラインに
沿って行う。
卒後研修における医師の基本姿勢
「人々の健康を守ることが医師の使命である。医師はこの使命達成のために自分の知識と良心
を捧げるべきである。
」 ―ヘルシンキ宣言―
Ⅴ.到達目標
■研修ガイドライン(総論)
1.患者及び家族との面接
<一般目標>
患者を全人的に理解し、患者・家族と良好な人間関係を確立し、病歴を聴取して精神症状を
把握するとともに自らの心理的問題を処理する
<行動目標>
①患者及び家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握し、必要な事項について相手の
気持ちを理解しつつ分かり易く説明できる
②病歴を適切に聴取することができる
③精神症状を適切に把握することができる
④患者の陳述をありのまま記載するとともに専門用語に置き換えて把握することができる
⑤治療者の心理的問題を処理することができる
- 77 -
<方法>
①以上の項目につき、講義をうける
②予診をとり、次いで指導医の診察を見学する
③単独で患者を診察し、診療録へ記載し、報告に基づいて指導を受ける
④教材およびビデオを用いて学ぶ
2.疾患の概念と病態の理解
<一般目標>
疾患の概念および病態を把握し、成因仮説を理解する
<行動目標>
①疾患の概念を理解し、病態を把握できる
②各疾患に関する代表的な成因仮説を理解できる
③ ②に関連して機能解剖学、神経心理学、神経生理学、神経科学、分子遺伝学などの概要に
ついて理解できる
<方法>
①講義、講演などを聴いて情報を得る
②学会に出席して情報を得る
3.診断と治療計画
<一般目標>
精神・身体症状を的確に把握して診断し、適切な治療を選択するとともに、経過に応じて診
断と治療を見直す
<行動目標>
①精神疾患の症状の把握・診断・鑑別診断ができる
②病型の把握・診断・鑑別診断ができる
③身体的及び神経学的診察ならびに診断ができる
④従来診断及び国際診断基準(ICD-10※、DSM-Ⅳ-TR など)を使用できる
⑤人格特徴を把握できる
⑥精神症状を的確に把握できる
⑦精神症状の意味を成育史、環境との関係から理解できる
⑧適切な治療を選択できる
- 78 -
⑨疾患の予後を判断できる
⑩自傷他害の可能性の判断とその対策をたてることができる
⑪入院の必要性を判断し実施できる
⑫経過に応じて診断と治療を見直すことができる
⑬チーム治療及びコメディカルとの協力ができる
(※ICD-10 は必須項目とする)
<方法>
①外来及び病棟における初診ないし新入院患者の診断・治療について、Ⅰと同様な方法に
より学ぶ
②担当している患者について、回診ないし症例検討会で提示し、診断及び治療について助言
と指導をうける
③退院時に症例について要約をし、指導医の校閲を受ける
④教材及びビデオを用いて学ぶ
4.補助検査法
<一般目標>
病態や症状の把握及び評価のために各種検査をおこなう
<行動目標>
①CT、MRI の読影と判断ができる
②脳脊髄液検査を施行し、検査結果を判断できる
③脳波検査及び判断ができる
④心理検査の依頼と実施ができ、結果を理解できる
<方法>
①上記各項目についてそれぞれ講義を受ける
②指導医ないし専門技術者の指導の下に、習得に必要とされる十分な件数を経験する
③教材及びビデオを用いて学ぶ
5.薬物・身体療法
<一般目標>
向精神薬の効果・副作用・薬理作用を習得し、患者に対する適切な薬物の選択、副作用の把
- 79 -
握と予防及び薬効判定を行うとともに、修正型電気けいれん療法の実際と注意点を理解する
<行動目標>
①向精神薬の薬理作用を理解できる
②各種向精神薬の症状及び患者に対する効果・副作用・特徴を習得する
③精神症状及び疾患に応じた適切な薬物を選択できる
④副作用の把握及びその予防ができる
⑤薬効の判定ができる
⑥修正型電気けいれん療法の実際と注意点を理解できる
<方法>
①向精神薬の薬理と使用方法について講義を受ける
②経験症例により薬物療法を学ぶ
③指導医からチェックを受ける
④症例検討会で発表する
⑤教材及びビデオを用いて学ぶ
6.精神療法
<一般目標>
患者の心理を把握するとともに、治療者と患者の間におこる、心理的相互関係を理解し、適
切な治療をおこなうとともに、家族との協力関係を構築して、治療を促進する家族の潜在能
力を大事にできる。また、集団の中の心理的な相互関係(力動)を理解し、治療的集団を組
織してその力動について理解する。
<行動目標>
①患者とよりよい関係を築き、支持的精神療法が施行できる
②認知療法について説明できる
③症例によっては指導医の下に力動的精神療法を経験する
④森田療法、内観療法を理解できる
⑤家族関係の特徴を把握できる
⑥家族との協力関係を構築し、疾患教育ができる
⑦集団力動を理解できる
⑧治療的集団を組織することとその力動について把握できる
<方法>
- 80 -
①(神経症など)個人精神療法がとくに必要とされる患者を担当し、指導医より定期的に指
導を受ける
②研修施設に精神療法を専門とする医師が不在の場合、他施設の医師ないしクリニカルサイ
コロジストより指導・助言を受ける
③絵画療法、レクリエーション療法及び患者、医療スタッフのミーティング等を行っている
場合、メンバーとして参加する
④自ら集団のミーティングの場を組織する
⑤指導医が家族と面接している様子を見学する
⑥家族と単独で面接し、その内容を指導医に報告して助言を受ける
⑦教材及びビデオを用いて学ぶ
7.心理社会的療法、精神科リハビリテーション、及び地域精神医療・保健・福祉
<一般目標>
患者の機能の回復、自律促進、健康な地域生活維持のために種々の心理社会的療法やリハビ
リテーションの方策を実践し、あわせて地域精神医療・保健・福祉システムを理解する
<行動目標>
①患者の持つ健康な側面や潜在能力を把握し、患者を生活人として理解する
②患者の機能を高め生活の質を向上させるような心理社会的療法・精神科リハビリテーショ
ンの方策を実践する
③関連する社会資源と協同すべき他職種の業務について理解する
④地域・職場・学校などのメンタルヘルスを理解する
<方法>
①デイケア、社会復帰病棟などで治療活動に参加する
②生活指導、作業療法、レクリエーション療法を見学し、活動に参加する
③社会生活技能訓練、心理教育、コミュニティ・ミーティングなどを見学し、活動に参加
する
④小規模作業所、授産施設、生活訓練施設、福祉ホーム、グループホーム、地域生活支援セ
ンターなどを見学し、活動に参加する
⑤精神保健福祉センター、保健所の活動を見学する
⑥精神保健活動をしている職場、学校、教育関連施設等を見学し、意見交換などを行う
⑦各種制度利用に関する公式文書を作成する
- 81 -
8.精神科救急
<一般目標>
精神運動興奮状態や自殺の危険性の高い患者への対応など、精神科において救急を要する事
態や症状を適切に判断し、対処する
<行動目標>
①精神運動興奮状態を呈している患者への対応及び治療ができる
②自殺の危険性が高い患者へ適切に対応できる
③自殺未遂後の患者の治療ができる
④他害行為を行った患者へ適切に対応できる
⑤救命救急を要する場合、救命センターあるいは他科医師への迅速な連絡・紹介・転送がで
きる
⑥ ⑤以外の急速に対応を要する事態や症状を判断し、適切に対処できる
<方法>
①都道府県(大阪市)が施行している精神科救急システムの活動を経験する
②救命救急センターで精神科医としての活動を経験する
③日直、宿直で遭遇する救急患者を指導医の指示のもとに診察する
④精神科救急の専門施設を見学する
9.リエゾン・コンサルテーション精神医学
<一般目標>
他科の依頼により、患者の精神医学的診断・治療・ケアについての適切な意見を述べ、
患者・医師・看護師・家族などの関係についての適切な助言を行う
<行動目標>
①他科からの依頼の応じ、患者の精神医学的診断・治療・ケアについて適切な意見を述べる
ことができる
②他科でのミーティングに出席し、患者・医師・看護師・家族などについて適切な精神医学
的な助言を行い、問題解決に協力することができる
<方法>
①(精神科を併設する)一般病院等において、他科の患者の治療依頼に応じ、指導医ととも
にその実態を学ぶ
- 82 -
②指導医とともに他科のミーティングに参加し、経験を積む
③教材およびビデオを用いて学ぶ
10.法と精神医学(鑑定、医療法、精神保健福祉法、心神喪失者等医療観察法、障害者自立
支援法、成年後見制度等)
<一般目標>
日常の臨床で、自らの行動を「法」の視点から点検する態度を身につけるとともに、司法精
神医学に関する問題を理解する
<行動目標>
①精神保健福祉法全般を理解し、とくに行動制限事項について把握できる
②成年後見制度を理解する
③簡易鑑定、精神鑑定の実際を理解できる(必須事項ではない)
<方法>
①精神保健指定医の措置診察を見学する
②成年後見制度については指導医の指導の下に診断書を作成する
③可能であれば、簡易鑑定ないし精神鑑定の際に助手となって鑑定書を作成する
④教材およびビデオを用いて学ぶ
11.医の倫理(人権の尊重とインフォームドコンセント)
<一般目標>
日常の臨床で、自らの行動を人権及び自己決定権の尊重という視点から点検する態度を身に
つける
<行動目標>
①日常の臨床で、自らの行動を「医の倫理」の視点から点検する態度を身につける
②インフォームド・コンセント(informed consent)に基づく診療を行うことができる
<方法>
専攻医は、指導医の臨床姿勢を観察することにより、自らの行為を点検し、1に挙げた点に
ついて指導医と討論する
- 83 -
■研修ガイドライン(疾患別)
以下の疾患について総論の1から 11 の項目に基づき研修するものとする。
①統合失調症
②気分障害
F2
F3
③不安障害、身体化障害、ストレス関連障害(摂食障害を含む)
④児童・思春期精神障害
F9
⑤アルコール、精神作用物資による精神障害
⑥症状性または器質性精神障害、認知症
⑦人格障害
F6
⑧睡眠障害
F5,G47
⑨てんかん
G40,G41
F0
- 84 -
F1
F4(F5)
整形外科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
医師数
正職員 8 名
専攻医 1 名
病床数
58 床
外来患者数
1 日平均約 88 名(平成 25 年度)
新入院患者数
延 923 名(平成 25 年度)
平均在院日数
16.1 日(平成 25 年度)
手術件数
883 例(平成 25 年度)
当院の立地環境から、
当整形外科受診患者には、
加齢による退行変性に基づく慢性疾患が多い。
しかし、救急部門の充実により、交通外傷や産業外傷による多発外傷も増加している。平成 25
年度の手術件数は 883 件。脊椎 186 件(頸椎 59 件、胸腰椎 124 件)、股関節 77 件(人工関節 54
件、人工骨頭 12 件、その他 11 件)、膝関節 338 件(人工関節 195 件、半月板手術 75 件、靱帯再
建 28 件、その他 40 件)、肩関節 99 件(鏡視下腱板修復術など)、骨折手術 85 件(上肢 56 件、
下肢 29 件)、手の外科 33 件などである。
医局内の勉強会としては、症例検討会、抄読会をそれぞれ週 1 回行っている。また、近隣の病
院とタイアップし「上本町整形外科フォーラム」を年 2 回開催し、日本整形外科学会認定の教育
研修講演を行っている。
Ⅱ.目的
運動器系(骨・関節・筋など)の変性疾患ならびに外傷に対する幅広い知識と治療技術を習得
し、日常の臨床に臨機応変に対応できる医師を養成する。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
<指導体制>
1)専攻医 1 年目(卒後 3 年目)
・医療行為(外来医療、入院医療とも)は全て指導医と相談の上、指示と許可を得て行う。
・入院患者の受け持ちは、指導医との共同担当とする。
・入院治療計画は指導医とともに計画し、患者への説明は指導医の同席の下に行う。
・検査、投薬、手術などの医療内容については、指導医と相談し、許可を得て行う。
- 85 -
・医療内容を変更するときは、指導医と相談し、許可と指示を得て行う。
・医療内容について患者本人あるいはその家族に説明するときは、指導医と共同で行う。
・外来患者の診療は、いつでも指導医の指導が得られる所で行う。
2)専攻医 2~3 年目(卒後 4~5 年目)
・医療行為(外来、入院医療とも)は適時、指導医と相談の上、単独で責任を持って行う。
・治療内容の変更や新しい医療の試みは、指導医と相談の上、許可を得て行う。
・医療内容について患者本人あるいはその家族に説明するときは、指導医の了解を得て行う。
<指導医リスト>
富原 光雄
(日本整形外科学会専門医)
大浦 好一郎 (日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会スポーツ認定医)
坂本 武志
(日本整形外科学会専門医、日本脊椎脊髄病学会認定指導医)
鈴木
(日本整形外科学会専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、
隆
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医)
渡邊 慶
(日本整形外科学会専門医)
Ⅳ.研修内容
日本整形外科学会専門医制度による教育研修施設であり、それに準じた各種の整形外科的疾患
の診断、保存的および手術的治療、リハビリテーションについての基本的な知識と技術を習得す
る。
なお、当院としては成人例を主として対象にしているが、大手前整肢学園が併設されているた
め、肢体不自由児を始めとする小児整形外科症例についての研修も行われる。
Ⅴ.到達目標
1)運動器救急疾患・外傷に対応できる基本的診療能力を習得する。
2)適正な診断を行うために、必要な運動器慢性疾患の重要性と特殊性について理解・習得する。
3)運動器疾患の正確な診断と安全な治療を行うために、その基本的手技を習得する。
4)基本的整形外科手術の手技を習得する。
5) 運動器疾患に対して理解を深め、必要事項を医療記録に正確に記載できる能力を習得する。
6)学会発表・論文作成などの学術活動に参加する。
7)整形外科専門医を取得するために、教育研修講演を受講する。
- 86 -
Ⅵ.週間スケジュール
午
前
午
後
月
外来、手術
各種検査、手術、総回診
火
症例検討会、外来、手術
手術
水
外来、手術
各種検査、手術
木
外来、手術(整肢学園)
各種検査、手術
金
抄読会、外来、手術
手術
- 87 -
形成外科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
<科別データ>
当院は、日本形成外科学会認定施設である。
医師数
正職員 3 名(うち 1 名は日本形成外科学会専門医)
患者数
外来 1 日平均 32 名、入院 1 日平均 9 名
年間新患者数
859 名
年間手術件数
入院手術
204 件、外来手術 296 件
<特徴>
診療対象は、形成外科領域全般にわたっている。特に、皮膚軟部組織の腫瘍切除及び切除後
の再建が多い。
Ⅱ.指導体制と指導医リスト
<指導体制>
日本形成外科学会専門医が個別に指導にあたる。
<指導医リスト>
研修指導責任者
内藤 浩(形成外科部長)
指
重吉 直哉(形成外科副部長)
導
医
Ⅲ.到達目標
(1)臨床研修
1.指導医の指導のもとで形成外科の外来診療の実際を習得する。
2.主治医として入院患者を受け持ち、病棟診療の実際を習得する。
3.外科の一分野として必要な局所解剖の知識を習得する。
4.熱傷患者の全身管理、局所治療の実際を習得する。
5.良性腫瘍、悪性腫瘍の組織学的診断、鑑別を習得する。
6.軟部腫瘍や外傷、先天異常における X 線写真、CT、MRI 画像の読影を習得する。
7.悪性腫瘍における抗癌剤の種類とその使用方法について習得する。
8.創傷治癒、瘢痕の成熟化の過程を観察し、対処する技能を習得する。
- 88 -
(2)手術習得
1.手術器具の操作法の基本、術野消毒法
2.局所麻酔法、各種伝達麻酔法
3.皮膚切開、縫合、止血などの手術基本操作
4.種々の形成外科手術(皮弁など)の作図法
5.四肢・顔面の小腫瘍の摘出
6.熱傷などのデブリードマン操作
7.簡単な小範囲の遊離植皮
8.ダーマトーム(採皮器)の使用法
9.手術記録の記載法
10.その他形成外科のより高度な手術手技に対しての理解
Ⅳ.週間スケジュール等
月曜日
午前:外来診療、手術、回診
午後:手術
火曜日
午前:外来診療、手術、回診
午後:手術
水曜日
午前:外来診療、手術、褥瘡回診、回診
午後:手術、専門外来
(下肢静脈瘤・原発性腋窩多汗症)
木曜日
午前:外来診療、手術、回診
午後:手術
金曜日
午前:外来診療
午後:手術、症例検討会
※年に約 10 回の形成外科関連学会、研究会への出席、発表
- 89 -
脳神経外科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
脳神経外科のスタッフは 5 名で、全員が日本脳神経外科学会専門医資格を有している。その他
にも、日本脳神経血管内治療学会指導医、日本神経内視鏡学会技術認定医、脳卒中学会専門医な
どの資格を有しており、それぞれの所属学会から専門医研修指導施設に指定されている。
当院脳神経外科の入院患者数は、年間約 500 名である。疾患の内訳は、脳卒中(くも膜下出血、
脳出血、脳梗塞)
、脳腫瘍、頭部外傷、顔面けいれんや三叉神経痛などの機能的疾患、水頭症、脊
椎・脊髄疾患などから成り、脳神経外科で経験すべき疾患がほぼ網羅されている。また、入院患
者の約 2/3 は脳卒中や頭部外傷などの救急疾患が占めている。脳卒中センターでは、神経内科と
合同でチーム医療を推進しており、24 時間体制で中枢神経系疾患の患者に対する救急対応を行っ
ている。手術件数は、年間約 300 件である。脳神経外科的な手術療法が中心であるが、より侵襲
性の低い脳血管内治療や神経内視鏡による治療も増加しつつある。
Ⅱ.研修目標
京都大学脳神経外科が管理する専攻医研修プログラムに参加し、当科での研修期間を含めて
4 年間の専門分野研修を終了する。この時点で日本脳神経外科学会専門医試験を受験する資格が
得られる。また、日本脳卒中学会専門医試験や日本脳神経血管内治療学会専門医試験を受験する
資格が得られる。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
1)指導体制
研修期間中は専攻医が担当医となるよう指定された患者を担当する。脳神経外科ではチー
ム医療を実践しており、専攻医は個々の患者については脳神経外科学会専門医資格を有す
る主治医のマンツーマン指導を受ける他、定期的に開催されるカンファレンス等で脳神経外科
所属の各医師からも指導を受ける。
2)指導医リスト
研修指導責任者:山下 耕助(脳神経外科部長)
日本脳神経外科学会専門医、日本脳神経血管内治療学会指導医
日本脳卒中学会専門医
- 90 -
指
導
医:西村 英祥(脳神経外科部副部長)
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医
金本 幸秀(脳神経外科部副部長)
日本脳神経外科学会専門医
Ⅳ.研修内容と到達目標
専攻医は別紙の如く脳神経外科専攻医研修プログラムに従って研修する。同時に脳神経外科
学会所定の研修記録に必要な項目を記載する。
当院での研修終了後は、当院正職員としての採用、京都大学その他の大学院進学、京都大学
関連施設での研修継続、関連病院での研修継続などの進路がある。
Ⅴ.週間スケジュール
8:15~
月
火
Journal club
水
木
金
Seminar
午前
午後
外来、脳ドック診察 or 手術
脳ドック説明、手術
脳血管造影検査 or 外来
合同カンファレンス、回診
外来、脳ドック診察 or 手術
手術
外来、脳ドック診察
脳血管造影検査、脳血管内手術
脳血管造影検査
合同カンファレンス、回診
- 91 -
評価基準:1 できない、経験がない
2 手伝うことができる
3 環視下に実施できる
4 独立して実施できる
脳神経外科疾患の診断
診
断
目標レベル
評
価
項
卒後年次
目
必修2年に脳神経外科
専従を加えた年数
脳神経外科入院患者の診察を行い、入院時診断をつけ、鑑
別診断のための検査計画を立てられる
脳神経外科外来患者の診察を行い、入院の必要性について
判断できる
新生児、小児脳神経外科患者の全身診察、神経学的診察を
行える
3年
4年
5年 6年
2
3
4
4
2
3
4
4
2
2
3
4
補助検査法(実施と診断)
目標レベル
評
価
項
卒後年次
目
必修2年に脳神経外科
専従を加えた年数
3年
4年
5年
6年
温度眼振検査が実施できる
3
3
4
4
4
4
4
4
腰椎穿刺(圧測定や髄液検査)が実施でき、合併症に対処
できる
3
4
4
4
脊髄造影が実施でき、合併症に対処できる
脊髄血管撮影が実施でき、合併症に対処できる
2
2
2
2
3
2
3
4
2
4
4
3
内分泌検査(下垂体ホルモン負荷試験を含む)が実施でき
る
2
3
4
4
眼底検査が実施できる
脳血管撮影が実施でき、合併症に対処できる
- 92 -
評価基準:1 できない、経験がない
2 手伝うことができる
3 環視下に実施できる
4 独立して実施できる
補助検査法(診断)
目標レベル
評
価
項
卒後年次
目
必修2年に脳神経外科
専従を加えた年数
3年
4年
X 線検査(頭部、脊椎、胸部などを含む)の結果を解釈で
きる
3
3
4
4
CT 検査(造影 CT 等を含む)の結果を解釈できる
3
3
3
3
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
3
2
2
4
3
3
4
3
3
3
3
3
4
4
4
4
3
3
3
4
3
MRI 検査の結果を解釈できる
核医学検査(PET, SPECT など)の結果を解釈できる
脳波検査の結果を解釈できる
筋電図検査の結果を解釈できる
神経伝導速度検査の結果を解釈できる
脳誘発電位検査(ABR, SEP など)の結果を解釈できる
主な脳腫瘍の病理診断ができる。
高次脳機能の評価ができる
- 93 -
5年 6年
評価基準:1 できない、経験がない
2 手伝うことができる
3 環視下に実施できる
4 独立して実施できる
脳神経外科疾患の治療
基本的手技(病棟診療)
目標レベル
評
価
項
卒後年次
目
必修2年に脳神経外科
専従を加えた年数
心肺機能停止時の緊急処置ができる
人工呼吸器の管理ができる
循環不全に対する体液管理ができる
薬物療法の適応を判断し、実践できる
血圧管理ができる
栄養管理ができる
全身合併症への対策と管理ができる
意識障害、認知症(痴呆症)患者の評価と管理ができる
てんかんの診断、管理、痙攣重積への対応ができる
頭蓋内圧の管理と脳圧亢進に対応ができる
新生児・小児・高齢者の特異性を理解し管理できる
リハビリテーションの指導や社会的支援ができる
脳死診断と社会的対応ができる
- 94 -
3年
4年
3
2
3
2
3
3
3
2
2
2
2
2
2
4
3
4
3
4
4
4
3
3
3
2
3
3
5年 6年
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
3
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
3
4
4
評価基準:1 できない、経験がない
2 手伝うことができる
3 環視下に実施できる
4 独立して実施できる
手術適応の判断と治療計画
目標レベル
評
価
項
卒後年次
目
必修2年に脳神経外科
専従を加えた年数
3年
4年
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
3
2
2
3
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
3
2
3
3
2
2
2
3
2
3
2
2
3
3
2
4
3
2
3
2
2
2
2
2
2
5年 6年
次の疾患の手術適応の判断と治療計画の作成ができる
1.
グリオーマ
2.
胚細胞性腫瘍
3.
悪性リンパ腫
4.
転移性脳腫瘍
5.
聴神経腫瘍
6.
髄膜腫
7.
下垂体腺腫
8.
血管芽腫
9.
頭蓋咽頭腫
10. 神経皮膚症候群
11. 脳動脈瘤
12. 脳動静脈奇形
13. 脳出血
14. 硬膜動静脈瘻
15. モヤモヤ病
16. 脳梗塞
17. 外傷性頭蓋内出血
18. 顔面骨骨折
19. 慢性硬膜下血腫
20. 外傷性髄液瘻
21. 外傷性血管損傷
22. 水頭症
23. 脳脊髄奇形性疾患
24. クモ膜嚢胞
25. 頭蓋骨早期癒合症
26. 片側顔面けいれん、三叉神経痛
27. 不随意運動症(ジストニアなど)
28. てんかん
評価基準:1 できない、経験がない
2 手伝うことができる
- 95 -
3 環視下に実施できる
3
2
2
3
3
3
3
2
2
2
3
3
4
2
2
4
4
3
4
4
2
4
2
3
2
3
2
3
4
3
3
4
4
4
4
3
3
3
4
4
4
3
3
4
4
4
4
4
3
4
3
4
3
4
3
4
4 独立して実施できる
非手術的治療
目標レベル
評
価
項
卒後年次
目
必修2年に脳神経外科
専従を加えた年数
脳腫瘍に対する化学療法の薬剤選択ができる
化学療法による副作用に対応できる
定位放射線治療の適応を判断できる
血管内治療の適応を決定できる
血管内治療の基本手技の施行ができる
脳卒中危険因子に対する評価、治療、生活指導を行える
脳梗塞急性期の治療ができる
急性期脊椎・脊髄損傷患者の初期治療ができる
頭蓋直達牽引ができる
パーキンソン病の薬物治療ができる
てんかんの薬物治療ができる
感染症の薬物治療ができる
3年
4年
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
3
2
2
3
3
2
3
3
2
2
3
3
4
5年 6年
2
3
3
3
2
4
4
3
3
3
4
4
3
3
4
4
3
4
4
4
4
3
4
4
手術準備と周術期管理
目標レベル
評
価
項
卒後年次
目
必修2年に脳神経外科
専従を加えた年数
疾患に応じた適応決定、アプローチの選択ができる
手術リスクを評価できる
手術内容を患者、家族に適切に説明できる
術前術後に必要な指示を出すことができる
術前術後の病態を適切に把握できる
術前術後の病態に応じた適切な処置ができる
術後合併症を診断でき、適切な処置ができる
- 96 -
3年
4年
2
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
3
5年 6年
4
4
3
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
評価基準:1 できない、経験がない
2 手伝うことができる
手
術
3 環視下に実施できる
4 独立して実施できる
1
目標レベル
評
価
項
卒後年次
目
必修2年に脳神経外科
専従を加えた年数
3年
4年
5年 6年
2
3
3
3
2
3
4
4
4
3
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
3
2
2
2
4
3
2
2
2
4
4
3
3
2
4
4
4
4
3
3
3
4
4
2
2
2
2
2
2
2
2
3
2
3
3
4
3
4
4
基礎的手技
体位設定、固定器具使用法
消毒法、無菌操作、ドレーピング、糸きり、糸結び
皮膚切開法、止血法、閉創法、デブリードマン、抜糸
吸引管使用法、術野洗浄法
気管切開術
穿頭法
穿頭術
脳室ドレナージ術
2~3
脳室腹腔短絡術
定位的脳内血腫吸引術
脳膿瘍穿刺排膿術
顕微鏡下操作トレーニング
顕微鏡操作法
開頭および閉頭法
一側天幕上開頭術
頭蓋陥没骨折整復術
硬膜外血腫除去術
頭蓋骨形成術
- 97 -
評価基準:1 できない、経験がない
2 手伝うことができる
手
3 環視下に実施できる
術
4 独立して実施できる
2
目標レベル
評
価
項
卒後年次
目
必修2年に脳神経外科
専従を加えた年数
3年
4年
5年 6年
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
3
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
4
3
2
3
3
2
2
3
2
3
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
3
3
2
3
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
3
3
2
3
3
2
2
2
2
2
4
4
3
4
4
3
3
2
3
3
頭蓋以外の骨削除法、やや複雑な開閉頭法
後頭下開頭術
大孔減圧術
頭蓋骨早期癒合症開溝術
椎弓切除術
椎弓形成術
椎間孔拡大術
骨棘切除術
椎間板摘除術(頚椎)
椎間板摘除術(腰椎)
頚椎前方固定術
インスツルメンテーションによる脊椎固定術
頭蓋外主幹動静脈の処理
浅側頭動脈剥離
頚動脈剥離
移植用血管採取
脳室心房短絡術
頚動脈血栓内膜剥離術
硬膜内操作(単純)
脳べらおよび固定器使用法
減圧開頭術
髄液漏閉鎖術
硬膜下血腫除去術
脳内血腫除去術
脳葉切除術、内減圧術
円蓋部髄膜腫摘出術
表在性グリオーマ摘出術
転移性脳腫瘍摘出術
クモ膜嚢胞開放術
- 98 -
評価基準:1 できない、経験がない
2 手伝うことができる
手
3 環視下に実施できる
術
4 独立して実施できる
3
目標レベル
評
価
項
卒後年次
目
必修2年に脳神経外科
専従を加えた年数
3年
4年
5年 6年
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
硬膜内操作(やや複雑)
髄膜腫摘出術(傍矢状洞、大脳鎌)
小脳腫瘍摘出術
頭蓋内血管吻合術(STA-MCA 吻合術)
頭蓋内血管吻合術(深部、複雑、モヤモヤ病)
神経吻合術
天幕上動脈瘤頚部クリッピング術
経蝶形骨洞手術
脳神経減圧術
2
2
3
2
2~3
3
3
3
硬膜内操作(複雑)
トルコ鞍部腫瘍摘出術
松果体部腫瘍摘出術
小脳橋角部腫瘍摘出術
頭蓋底部腫瘍摘出術
脳室内腫瘍摘出術
天幕下脳動脈瘤頚部クリッピング術
脳動静脈奇形摘出術
脊髄硬膜内腫瘍摘出術
脊髄血管奇形摘出術
脊髄髄膜瘤整復術
硬膜内電極埋め込み術、てんかん焦点切除術
定位脳手術(機能的脳手術)
深部脳刺激術
- 99 -
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
放射線診断科・放射線治療科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
医師
常勤 8 名、専攻医 3 名
診療放射線技師
37 名
外来患者数
1 日平均 60 名
病床数
なし
Ⅱ.研修目的
放射線科専門医総合修練機関に認定されており、放射線科領域の診療全般にわたり研修し、専
門医取得を目指す。
Ⅲ.指導体制と指導医リスト
(1)放射線診断、核医学
藤堂 義郎
副院長兼放射線診断科部長
日本医学放射線学会放射線診断専門医
塩﨑 俊城
放射線診断科部副部長
日本医学放射線学会放射線診断専門医
日本核医学会専門医
梅岡 成章
放射線診断科部副部長
日本医学放射線学会放射線診断専門医
前倉 拓也
放射線診断科部医師
日本医学放射線学会放射線診断専門医
森本 笑子
放射線診断科部医師
日本医学放射線学会放射線診断専門医
大野 亜矢子 放射線診断科部医師
日本医学放射線学会放射線診断専門医
西尾 直子
放射線診断科部医師
日本医学放射線学会放射線科専門医
放射線治療科部長
日本医学放射線学会放射線治療専門医
(2)放射線治療
石垣 孝
Ⅳ.研修内容
1.放射線診断部門
・放射線被爆、防御について理解し、患者・各科医師よりの相談に答えることができる。
・疾病診断の過程における放射線診断の役割について理解し、適切な検査を選択、 組み
合わせをプランできる。
<CT 検査>
- 100 -
・検査の適応を理解し、造影剤の禁忌、副作用対策を習熟する。
・CT 撮像の原理を理解し、検査プランニングをたてることができる。
・造影剤の適切な注入法をプランできる。
・正常像を理解し、通常診療で見られる疾患の診断ができる。
・各科医師の画像コンサルトに的確に対応できる。
・次に行うべき画像診断検査法の選択がわかり、主治医と討議できる。
<MR 検査>
・MR 検査禁忌事項について理解する。
・検査の適応を理解し、造影剤使用の禁忌、副作用対策を習熟する。
・MRI 撮像の原理を理解し、検査プランニングをたてることができる。
・造影剤の適切な注入法をプランできる。
・正常像を理解すると共に、通常診療で見られる疾患の診断ができる。
・各科医師の画像コンサルトに的確に対応できる。
・次に行うべき画像診断検査法の選択がわかり、主治医と討議できる。
<X 線単純写真>
・正常像を理解すると共に、通常診療で見られる疾患の診断ができる。
・各科医師の画像コンサルトに的確に対応できる。
・次に行うべき画像診断検査法の選択がわかり、主治医と討議できる。
<消化管透視>
・造影剤の選択と適応の判断ができる。
・スクリーニング検査が適切に撮影できる。
・上部・下部消化管透視が精密検査の精度で実践・読影できる。
<超音波検査>
・腹部・乳腺・甲状腺の超音波検査の基本的な手技・読影ができる。
<血管造影検査>
・腹部・胸部・四肢の血管造影が独立してできる。
・緊急止血血管造影に対応できる。
<IVR 手技>
・血管系では止血、腫瘍治療ができる。
・動脈ポート留置ができる。
・非血管系では膿瘍ドレナージ、CT ガイド下生検ができる。
- 101 -
2.核医学部門
・放射性医薬品の取り扱いが安全にできる。
・基本的な以下の核医学検査の実施・診断ができる。
①骨シンチ
②腫瘍シンチ(ガリウムシンチ、タリウムシンチ)
③肺血流シンチ
④甲状腺シンチ
⑤脳血流シンチ
⑥レノグラム
・この他の核医学検査の理解ができる。
・レポート作成が指導医の指導のもとできる。
3.放射線治療部門
・基本的な放射線生物学、物理学について理解する。
・放射線治療の適応について理解する。
・放射線治療計画の内容を理解する。
・簡単な治療計画が立てられる。
・放射線治療患者の副作用について理解する。
4.特徴
大阪赤十字病院放射線科後期研修の特徴は、放射線科で研修不十分な部門があれば、他の診
療科とのローテーションや協力によって、研修内容を充実させることができます。個人的に
充実したい分野があれば、できるだけ希望に添えるように、選択できる体制にします。
後期研修後、さらに研究に従事したい場合には、京都大学や他の赤十字病院と緊密に連絡を
とり、希望に沿えるように配慮します。他の病院での更なる研修にもご相談に乗ります。
- 102 -
Ⅴ.週間カンファレンススケジュール
放射線診断科内
月
症例検討
(8:00-8:45)
その他
産婦人科(16:30-17:30)
耳鼻科(第 1・3 月曜 18:00-19:00)
乳腺(17:30-18:30)
脳卒中(14:00-14:30)・脳外科(14:30-16:00)
火
症例検討
(8:00-8:45)
水
症例検討
(8:00-8:45)
木
症例検討
(8:00-8:45)
乳腺(17:30-18:30)
金
症例検討
(8:00-8:45)
乳腺病理(第 2 金曜 18:30-)
放射線治療科内
月
放射線治療疾患
(8:00-8:30)
火
放射線治療疾患
(8:00-8:30)
水
放射線治療疾患
(8:00-8:30)
木
放射線治療疾患
(8:00-8:30)
金
放射線治療疾患
(8:00-8:30)
消化器(第 3 火曜 17:30-18:30)
泌尿器(18:00-19:00)
その他
耳鼻科(第 1 火曜 17:00-18:00)
呼吸器内科外科(17:00-18:00)
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麻酔科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
大規模総合病院の麻酔科として、心臓手術、脳外科、呼吸器外科、小児外科、周産期、障害者
の麻酔など多くの症例の麻酔管理を行っている。また 3 次救急を行う市中病院として、合併症
をもつ患者の緊急手術も多い。
Ⅱ.研修目的
麻酔専門医に必要な知識、技術の修得。
麻酔科学会の定める専門医研修プログラムの開始(修了するためには 4 年間の研修期間が必要
なため、当院または関連病院でさらに 1 年の研修が必要となる)
Ⅲ.指導体制および指導医リスト
<指導体制>
基本的には症例ごとにスタッフと後期研修医マンツーマン体制であるが、習熟度に応じて
単独で麻酔管理を行うこともある。
<指導医リスト>
研修指導責任者:内海
潤(麻酔科部長)
Ⅳ.研修内容
①一般目標
安全で質の高い周術期医療を提供し、国民の健康と福祉の増進に寄与することのできる、麻
酔科およびその関連分野の診療を実践する専門医を育成する。具体的には下記の4つの資質
を修得する。
1)十分な麻酔科領域、および麻酔科関連領域の専門知識と技量
2)刻々と変わる臨床現場における、適切な臨床的判断能力、問題解決能力
3)医の倫理に配慮し、診療を行う上での適切な態度、習慣
4)常に進歩する医療・医学を則して、生涯を通じて研鑽を継続する向上心
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②個別目標
目標1(基本知識)麻酔科診療に必要な下記知識を習得し、臨床応用できる。具体的には公
益法人日本麻酔科学会の定める「麻酔科医のための教育ガイドライン」の中の学習ガイドラ
インに準拠する。
1)総論:
a)麻酔科医の役割と社会的な意義、医学や麻酔の歴史について理解している。
b)麻酔の安全と質の向上:麻酔の合併症発生率、リスクの種類、安全指針、医療の質向
上に向けた活動などについて理解している。手術室の安全管理、環境整備について理
解し、実践できる。
2)生理学:下記の臓器の生理・病態生理、機能、評価・検査、麻酔の影響などについて理
解している。
a)自律神経系
b)中枢神経系
c)神経筋接合部
d)呼吸
e)循環
f)肝臓
g)腎臓
h)酸塩基平衡、電解質
i)栄養
3)薬理学:薬力学、薬物動態を理解している。特に下記の麻酔関連薬物について作用機序、
代謝、臨床上の効用と影響について理解している。
a)吸入麻酔薬
b)静脈麻酔薬
c)オピオイド
d)筋弛緩薬
e)局所麻酔薬
4)麻酔管理総論:麻酔に必要な知識を持ち、実践できる
a)術前評価:麻酔のリスクを増す患者因子の評価、術前に必要な検査、術前に行なうべ
き合併症対策について理解している。
b)麻酔器、モニター:麻酔器・麻酔回路の構造、点検方法、トラブルシューティング、
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モニター機器の原理、適応、モニターによる生体機能の評価、について理解し、実践
ができる。
c)気道管理:気道の解剖、評価、様々な気道管理の方法、困難症例への対応などを理解
し、実践できる。
d)輸液・輸血療法:種類、適応、保存、合併症、緊急時対応などについて理解し、実践が
できる。
e)硬膜外麻酔:適応、禁忌、関連する部所の解剖、手順、作用機序、合併症について理解
し、実践が出来る。
f)神経ブロック:適応、禁忌、関連する部所の解剖、手順、作用機序、合併症について理
解し、実践ができる。
5)麻酔管理各論:下記の様々な科の手術に対する麻酔方法について、それぞれの特性と留意
すべきことを理解し、実践ができる。
a)腹部外科
b)腹腔鏡下手術
c)胸部外科
d)成人心臓手術
e)血管外科
f)小児外科
g)高齢者の手術
h)脳神経外科
i)整形外科
j)外傷患者
k)泌尿器科
l)産婦人科
m)眼科
n)耳鼻咽喉科
o)レーザー手術
p)口腔外科
q)手術室以外での麻酔
6)術後管理:術後回復とその評価、術後の合併症とその対応に関して理解し、実践できる。
7)集中治療:小児の集中治療を要する疾患の診断と集中治療について理解し、実践できる。
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目標2(診療技術)麻酔科診療に必要な下記基本手技に習熟し、臨床応用できる。具体的には
日本麻酔科学会の定める「麻酔科医のための教育ガイドライン」の中の基本手技ガイド
ラインに準拠する。
1)基本手技ガイドラインにある下記のそれぞれの基本手技について、定められたコース目標
に到達している。
a)血管確保・血液採取
b)気道管理
c)モニタリング
d)治療手技
e〉心肺蘇生法
f)麻酔器点点検および使用
g)脊髄くも膜下麻酔
h)鎮痛法およぎ鎮静薬
i)感染予防
目標3(マネジメント)麻酔科専門医として必要な臨床現場での役割を実践することで、患者
の命を助けることができる。
1)周術期などの予期せぬ緊急事象に対して、適切に対処できる技術、判断能力を持っている。
2)医療チームのリーダーとして、他科の医師、他職種を巻き込み、統率力をもって、周術期
の刻々と変化する事象に対応をすることができる。
目標4(医療倫理、医療安全)医師として診療を行う上で、医の倫理に基づいた適切な態度と
習慣を身につける。医療安全についての理解を深める。
1)
指導担当する医師とともに臨床研修環境の中で、
協調して麻酔科診療を行うことができる。
2)他科の医師、コメディカルなどと協力・協働して、チーム医療を実践することができる。
3)麻酔科診療において、適切な態度で患者に接し、麻酔方法や周術期合併症をわkりやすく
説明し、インフォームドコンセントを得ることができる。
4)初期研修医や他の医師、コメディカル、実習中の学生などに対し、適切な態度で接しなが
ら、麻酔科診療の教育をすることができる。
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目標5(生涯教育)医療・医学の進歩に則して、生涯を通じて自己の能力を研鑽する向上心を
醸成する。
1)学習ガイドラインの中の麻酔における研究計画と統計学の項目に準拠して、EBM、統計、
研究計画などについて理解している。
2)院内のカンファレンスや抄読会、外部のセミナーやカンファレンスなどに出席し、積極的
に討論に参加できる。
3)学術集会や学術出版物に、症例報告や研究成果の発表をすることができる。
4)臨床上の疑問に関して、指導医に尋ねることはもとより、自ら文献・資料などを用いて問
題解決を行なうことができる。
③経験目標
研修期間中に手術麻酔、集中治療の充分な臨床経験を積む。通常の全身麻酔・硬膜外麻酔・脊
髄くも膜下麻酔・神経ブロックの症例経験に加え、下記の特殊麻酔を担当医として経験する。
・小児(6 歳未満)の麻酔
・帝王切開術の麻酔
・心臓血管手術の麻酔(胸部大動脈手術を含む)
・胸部外科手術の麻酔
・脳神経外科手術の麻酔
Ⅴ.週間スケジュール
術前カンファレンス(症例プレゼンテーション)
:毎日 8:30~
臨床麻酔:毎日 9:00~
術前回診:原則毎日 16:00~19:00
術後回診:原則毎日 適宜
術後症例検討会:毎月最終金曜日 8:00~8:30
英文抄読会:原則毎月第 2 金曜日 8:00~8:30
年間行事としては、各種学会の参加・発表
春の麻酔科学会、秋の臨床麻酔学会時には、半分以上のスタッフが学会参加できるように手術
数を制限している。
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Ⅵ.到達目標
3 年の後期研修期間中に麻酔科標榜医、麻酔認定医の資格を得る。心臓血管麻酔専門医をサブ
スペシャリティとして選択する場合は、後期研修中に周術期経食道心エコー認定(JB-POT)合
格を目指す。
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救急科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
国家指定の救命救急センター
日本救急医学会救急専門医指定施設
診療体制:正職員 5 名(兼任を含む)+ 専攻医、研修医
救命救急センター専用病床:HCU 7 床を含む 27 床。他に ICU・CCU 12 床。
当救命救急センターは、平成 23 年度年間外来救急患者数 17,402 名(うち救急車搬入台数 6,510
名)
、入院数 3,686 名(救急からの ICU・CCU 入院 203 名)に対応している。救急車搬入台数は、
大阪府の DPC 病院一である。
疾患の内訳としては、救命対象患者として、院外心肺停止 172 例、急性冠症候群 110 例、大動
脈疾患 25 例、脳血管障害 153 例、重症外傷 74 例、重症熱傷 9 例、急性中毒 8 例、消化管出血 160
名、敗血症 252 名、重症呼吸不全 448 例、重症心不全 170 例、重症意識障害 179 例、腎不全 17
例など、内科系疾患を中心にいわゆる重篤な疾患は 1,935 例を数える。
このような多彩な患者さんに対応するため、ER 型の救命救急センターとして、休日および夜
間閉庁時は 4 名の救急当直医以外に、内科、外科、心臓血管センター、脳卒中センター、小児科、
NICU、産婦人科、精神科当直医が常駐し、その他にも各科オンコール体制を敷き、救急診療を行
っている。最近は外傷症例が増加傾向にある。
救急科としては、バイタルの不安定な救命対象患者への救急診療技術の習得を基本に、安定化
させた重症患者に対する自科での診療および、他専門科への迅速な引き継ぎや ICU や HCU での
重症患者のマネージメントを中心に研修する。
また、一次から三次までの多彩な患者さんに対応するための、いわゆるプライマリーケアの技
量を習得する。
さらに赤十字病院という施設のメリットも生かし、災害医療やメディカルコントロールについ
ての診療知識、技術を習得する。機会があれば災害現場での研修も行う。
Ⅱ.指導体制及び指導医リスト
指導医のもとで多岐にわたる救急外来患者(主として救急車による搬入患者、一般外来での不
安定患者)への救命管理を中心とした診療、処置を行う。また、指導医のもとで救急病棟や ICU
入院患者の診療にあたる。
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<指導医リスト>
研修責任者:救急科部長
研修指導医:救急科部副部長
山本 英彦
村井 隆太
Ⅲ.到達目標
(1)救急専門医としての技量を身につける。専門医取得をめざす。
(2)救命救急を中心に、救急診療における基本的な診療技術と診療態度を習得する。
(3)災害医療に関する診療知識、技術を習得する。災害現場に赴いての診療を経験する。
(4)メディカルコントロールを学び、ICLS、JATEC、DMAT などに参加し、広い視野で救命救
急医療を担える経験を積む。
(5)救急医療、災害医療に関する学術活動に積極的に参加する。
Ⅳ.研修内容
研修期間は、原則として 3 年。1 年間の後期研修を救急科に在籍後(一年間在籍は救急専門医
資格取得のための最低条件)
、院内各科後期研修医への移籍も可。
救命救急センターでの研修が中心。救急病棟の患者管理、ICU での患者管理も行う。希望によ
り救急関連各科への短期ローテーション、院外高度救命救急センターへの国内留学も可。
研修終了後の進路については、希望により当院救命救急センター常勤医、当院他科専攻医など
も可。
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病理診断科後期研修プログラム
Ⅰ.概要
当院の病理診断科は、
昭和 40 年に大阪の一般病院としてはもっとも早く設立された伝統ある医
局である。
また日本病理学会認定施設として、大阪市内でもトップクラスの症例数を擁している。
医師数
正職員 1 名
病理組織件数
約 12,800 件/年
細胞診件数
約 12,000 件/年
蛍光免疫染色
120 件/年
電子顕微鏡検査
120 件/年
病理解剖数
平均 40 件/年
当院での研修終了後は正職員としての採用、京都大学その他の大学院進学、関連病院での研修継
続などがある。
Ⅱ.取得可能な専門医、認定医
病理専門医(日本病理学会認定、初期研修後4年で取得可能)
細胞診専門医(日本臨床細胞学会認定 学会員歴3年で取得可能)
死体解剖認定医(厚生省に申請。2年以上、20体以上の経験で取得可能)
Ⅲ.指導体制と指導医
日本病理学会認定指導医の資格を持つ医師がマンツーマンで指導に当たる。
<指導医リスト>
嶋田 俊秀(日本病理学会認定指導医、日本臨床細胞学会認定専門医)
Ⅳ.研修内容と到達目標
日本病理学会専門医研修プログラムにしたがって研修する。
(社)日本病理学会ホームページ http://pathology.or.jp
当院では電子顕微鏡、蛍光免疫染色も院内で行っており、一般病院であるが、研修プログラムの
すべての項目を院内で経験することができる。
また細胞診専門医は、一定のカリキュラムをこなすことにより、臨床科に所属していても取得可
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能である。細胞診断に携わると同時に、細胞検査士の指導にもあたる。
【必要な知識】
1)病理業務に関わる知識
1.病理業務に関連する法および制度を説明できる。
2.病理業務に関するリスクマネージメント(医療廃棄物問題を含む)を説明できる。
3.病理業務の資料を管理し、保存できる。
4.病理業務で得られた人体材料を研究に用いる際の手続きを説明できる。
2)病理診断に必要な知識
1.基本的な病理組織標本の作製過程を説明できる。
2.免疫組織化学(免染)を含む特殊染色の原理を説明し、結果を評価できる。
3.電子顕微鏡(電顕)標本の作製過程を説明し、結果を評価できる。
4.分子病理学的検索の原理を説明し、結果を評価できる。
5.病理診断に必要な臨床的事項を的確に判断し、病理診断との関連性を説明できる。
6.病理診断に対してコンサルテーションの必要性を判断できる。
3)病理診断に必要な技能
1.病理診断の進め方を理解し、自ら診断できる。
(組織診年間 3,000 例程度を目標)
a.主要臓器の手術材料を肉眼観察。取り扱い規約に基づく切り出しを行い、検鏡・
組織診断を自ら行う。
代表的な腫瘍の組織型に加え、特殊型を理解し、自ら診断できる。
非腫瘍性病変を理解し、自ら診断できる。
b.全身臓器の生検材料の診断を行う。
c.特殊染色を適切に選択し、その結果を理解し、診断に応用する。
d.全身臓器の細胞診材料の診断がおよそできる。
e.術中迅速材料の診断ができる。
f.組織カンファレンスで病理所見の提示を正確に行える。
2.病理解剖の解析を自ら主体的に行える。
a.年 15-17 体を目標に病理解剖を行い、自ら解析し、肉眼診断書および顕微鏡的
診断書を書く。
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b.CPC で病理側の症例解説を適切に行える。
c.後期 2 年次に死体解剖資格を申請、取得する。
3.病理業務におけるバイオハザード対策を実行できる。
4.CPC や臨床とのカンファレンスにおいて、病理所見を的確に説明できる。
4)求められる態度
1.病理診断、剖検および CPC などに際して患者や遺族に対する配慮ができる。
2.病理業務において、臨床医と適切に対応できる。
3.学生、臨床研修医および病理専門医初期研修医に対する病理の指導ができる。
4.病理業務に関してコメディカルと協調できる。
5.病理診断の精度管理について積極的に関与する。
6.学会、研修会、セミナーに積極的に参加する。
7.病理業務の社会的貢献に積極的に関与する。
8.人体病理学に関する研究を行い、結果を報告できる。
Ⅴ.週間スケジュール
午前:診断書作成指導
午後:外科材料切り出し・仮診断書作成
【他科とのカンファレンス】
月曜日:腎臓内科、産婦人科
火曜日:肝臓グループ
水曜日:院内合同 CPC、放射線科合同カンファレンス(月 1 回)
木曜日:皮膚科
金曜日:乳腺グループ(月 1 回)
日本病理学会総会、近畿支部会、臨床細胞学会等に出席し演題を発表し、年間 2 題以上の論文
作成(症例報告を含む)を推奨している。
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