2015 年度 IVR 学会第 2 回理事会

2015 年度 IVR 学会第 2 回理事会
日 時:2015 年 5 月 27 日(水) 12:00〜14:00
会 場:シーガイア シェラトングランデ 5 階 ヴィーナス
出席者:荒井保明(理事長)、吉川公彦、廣田省三(以上副理事長)、大須賀慶悟、金澤 右、清末
一路、興梠征典、齋藤博哉、田島廣之、谷川 昇、中島康雄、中塚誠之、古井 滋、水沼仁孝、宮
山士朗、山門亨一郎(以上理事)、石口恒男(監事)、小笠原、大野(事務局)
欠席者:村上卓道(監事)
議事録案
1.前回議事録確認
修正があったら事務局に連絡する。議事録が確認されたら、速やかに HP に掲載する。
2.JSIR/ISIR/APCIO 2015 大会長 挨拶(荒井大会長)
開催に先立ち、挨拶とプログラムの報告があった。第一会場のみ同時通訳が入るので、それ以外
の会場では座長の先生にご協力をお願いしたい。
3.2016 年第 45 回 IVR 学会総会について(石口大会長)
日 時:2016 年 5 月 26 日(木)~28 日(土)
会 場:ホテル ウェスティン ナゴヤ キャッスル
5 月 25 日(水)に理事会と委員会を開催する予定。
4.2017 年第 46 回 IVR 学会総会について(金澤大会長)
開催期間:平成 29 年(2017 年)5 月 18 日(木)~20 日(土)
会 場:岡山コンベンションセンター (JR 岡山駅隣接施設)
大会長:金澤 右(岡山大学)
開催担当:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科放射線医学分野
テーマ:「夢を力に」 ( Power of Dreams )
5. 2015 年度定時代議員会開催について
進行を確認した。
日 時:5 月 29 日(金)18:15 ~ 19:15
会 場:シーガイアコンベンションセンター Room1
議事進行 理事長挨拶
【議 題】
1)2014 年度事業報告について(庶務担当:中島理事)
2)2014 年度収支決算報告について(財務担当:金澤理事)
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○監査報告(石口監事)
3)2015 年度事業計画について(庶務担当:中島理事)
4)2015 年度収支予算について(財務担当:金澤理事)
5)IVR 学会定款細則の改定について(庶務担当:中島理事)
・理事任期の変更 2 年→1 年
・地方会名称変更
・常置委員会変更
6)第 47 回日本 IVR 学会総会(2018 年開催・国際)会長について
(荒井理事長) 田島理事に決定したことを報告
7)代議員からの提案、質問事項、その他
①山内栄五郎代議員
ロゴマークの変更について(荒井理事長が回答)
②中村一彦代議員
a. 緩和ケア研修会について(荒井理事長が回答)
b. 血管造影用カテーテルの償還価格について(田島理事が回答)
6.各委員会報告ならびに審議について
1)編集委員会(吉川副理事長)
a.編集委員の任期を 1 年ごとに更新する。ただし再任は妨げない。
英文ジャーナルの刊行が開始するので、和文誌と担当を分担する。
b.英文誌編集委員報告(清末理事)
編集委員が決定し、4 月 18 日に第 1 回委員会を開催した。
査読システム「スカラワン」の仕様について、業者と打ち合わせを行い、査読者もほぼ決定して
いる。契約が締結できたら 6 月中旬より投稿を開始し、今年末から来年頭に第 1 号の発行する
予定。海外へのアナウンスはこれから行う。3~5 年かけて PubMed への収載を目指す。
PubMed への申請では形態をチェックされるので、形を整えて申請する。発刊当初は投稿数が
少ない可能性があるので、地方研究会等で推薦された演題に対して英文での投稿依頼を出
すなど、働きかけが必要である。APSCVIR には声掛けを行い、機関誌を目指していく。
2)学術・教育委員会(大須賀理事)
a.技術セミナー、夏季セミナー:企業への依頼について
企業によってコンプライアンスにばらつきがあり、対応が難しい。今後はセミナーの運営体制
を整え、マニュアル作成を進めていく。一度関係者が集まって検討する予定である。
b. メディカルスタッフ小委員会
・4 月 19 日に第 1 回 INE 認定合同委員会を開催した。
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次回試験より試験問題を 50 問に増やし、正解を3つを選ぶ問題は出さない
ことを決定した。
・5 月 29 日にメディカルスタッフ小委員会を開催し、INE 資格の指導者育成またはアドバンスコ
ースの新設等を検討する予定。
3)ガイドライン委員会(谷川理事)
① ガイドライン作成の基本方針
・以前のガイドライン作成時と同様、evidence-based guidelinesの作成を基本とする。
・ガイドライン委員の間で、EBMおよびガイドライン作成についての知識にばらつきがあるため、
Mindsのガイドライン作成マニュアルの改訂版(初版と内容がかなり異なる)にて知識の共有
をはかる。委員(12名)分のマニュアルを学会事務局で購入、郵送する(実施済)。また、明
日開催の会議で、曽根副委員長が説明を行う。
・ガイドライン作成組織は、作成の実働部隊となる執筆チームと、文献検索と構造化抄録作
成/エビデンスレベル決定を行うシステマティックレビュー(SR)チーム(執筆チームと重複
可)、外部評価委員会で構成する。
執筆チーム:3-5名で、コンパクトにスピード感を持って作成を進める。ガイドライン
委員の各テーマ担当者のほか、ガイドライン執筆の遂行能力を持った学会員を選出し
て組織する。各テーマ担当委員が次回会議までに選出し、内諾を得ておく。
SRチーム:3-5名で、執筆チームが兼任しても、それ以外から選出してもよいこと
とするが、文献検索、EBMの知識が必須であるため、メンバーのうち1人はガイドラインの
SR経験者を含めることとする。なお、ガイドラインのSRは、システマティック・レビューやメ
タアナリシスの論文と異なり、観察研究などエビデンスレベルが低いものであっても、使
用可能なエビデンスを検討する必要があるため、Mindsマニュアル改訂版のSR手順を
参考にする。
外部委員:内容に応じて人数を決定。ガイドラインの内容の正当性を判断するとと
もに、手技に卓越し経験の豊富な学会内外の医師や、患者に直接接する医師、コメデ
ィカルから見ても、納得のいく内容とするためのサジェスチョンを行う。メンバーは、テー
マの手技のエキスパートである学会員のほか、必要に応じて学会外のエキスパートとす
る。(注:学会内からの選出が一般的に許容されるかどうか、Mindsに問い合わせし返答
待ち中) メンバー選出は、各テーマ担当者および谷川委員長、ほかの委員も含めて検
討した上で指名する。外部委員は、スコープ(企画書あるいはコンセプトシートに相当)、
ガイドライン草案、最終版の各段階で、評価を行う。なお、他学会の外部委員が必要な
テーマは、UAEと骨盤外傷と考えられる。これらのメンバーの選出に関しては、産科危
機的出血と肝外傷ガイドラインで他学会との交渉にご尽力いただいた中島先生にご相
談したところ、交渉についてご快諾いただいた。
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・ガイドラインの作成手順を提示する。スコープ作成の過程で、当該テーマについて、IVR学
会でガイドライン作成を行うテーマとして妥当かどうかを検討すること、外部委員会による
チェック機構の体制がポイント。
・一つのガイドライン作成に要する期間は、1年程度を目安とする。
② 既存のIVR学会ガイドラインについて
・以前のガイドラインおよび第1,2回会議で作成を検討することとなったガイドラインの一覧は次
の通り。
【既存ガイドライン】
産科危機的出血に対する IVR 施行医のためのガイドライン 2012
血管塞栓術に用いる NBCA のガイドライン 2012
骨粗鬆症性椎体骨折に対する経皮的椎体形成術 (Percutaneous Vertebroplasty:
PVP)を安全に行うための指針
血管腫・血管奇形 診療ガイドライン 2013
肝外傷に対する IVR のガイドライン 2011
血管塞栓術に用いるゼラチンスポンジのガイドライン 2013
エタノールのガイドライン
透析シャントブラッドアクセスガイドライン
【新規作成予定のガイドライン】
IVR 手技(清潔操作、被ばく防護を含む)
CV ポート
IVR レポート作成(レポーティングスタンダード)
画像ガイド下穿刺(生検、胆道ドレナージなど)
骨盤外傷に対する IVR
PTPE
UAE
・改訂を検討することとなった、産科出血、骨セメント、ゼラチンスポンジガイドラインについて
は、改訂の要否と検討内容を、Mindsのテンプレートを用いて担当委 員が記載し、次回委
員会に提出する。
・作成が滞っていると思われる透析シャントIVRガイドラインについては、後藤先生に現状を確
認した。CQとAnswerは完成しており、解説と文献を入れれば素案が完成する段階。後藤先
生は、開業されガイドライン委員も辞されたため、とりまとめ実務担当者として自治医科大学
の松浦先生にご依頼していただきたいとのこと。
・エタノールのガイドラインについては、原稿は完成している。佐口先生がパブリックコメント、
外部評価について着手されている。
③文献の入手と管理について
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・文献PDFファイルの入手には手間と費用がかかるため、外注可能か検討したが、血管
腫・血管奇形ガイドラインでも外注したのは文献検索のみであり、文献PDFファイルは個々
で入手したとのこと。したがって、文献検索、PDF入手はSRチームで行うが、施設で無料で
入手できないものに関しては、他の施設に勤務する委員に問い合わせて、それでもない
場合には学会負担で購入するのが現実的と考えられる。
・文献の管理は、学会事務局で行うことが望ましいと考えられる。学会事務局でDropbox
のアカウントを取得し、委員および執筆チーム、SRチームのメンバーで共有する体制が可
能か、検討を依頼する。
④ 費用について
・費用が発生するのは、下記と考えられる。
a.
ガイドライン委員会の会議費用
b.
各ガイドラインの執筆チームおよびSRチームの会議費用
c.
外部委員会の会議費用
d.
文献PDF入手に関わる費用
e.
Mindsマニュアルの委員への配布(施行済み)
a, bについては、メールで可能な部分はメールで行う。また、face-to-face で行う会議は、
おおよその回数と各会議の討議の目標を定めて、あらかじめ各ガイドラインのリーダーが委
員長に提出する。
⑤ 国内外のガイドラインの紹介――担当: ガイドライン委員の全員
米虫、保本、森田委員の共同作業でガイドラインのファイル共有はできている。
利便性を高めるため、IVR マニュアル目次に準じて分類を行っている。
上記報告について、ガイドライン作成方法が変わったので、学会でガイドラインの作成に関する
講習会を開催する必要があるといった意見が出された。血管奇形ガイドラインは改訂中であるこ
とが報告された。
4)広報・渉外委員会(興梠理事)
①プラップジャパン社報告
時事通信配信のラジオ波焼灼療法に関する記事が、地方紙で紹介された。
②メディカルトリビューン社(MT 社)からの広報活動の提案
費用について、次の通り確認したことが報告された。
MT 社の予算 トータル 200 万円を予定。
内訳:編集・印刷費 160 万円、IVR 学会へ支払う監修費 30 万程度、その他 5 万
IVR 学会への協賛に影響のない企業を選ぶ予定とのことだが、MT 社が新しい企業に働き
かけができるのかが未確定であるため、引き続き動向を見守る。プラップジャパン社はサ
ポートする意向があることを確認している。
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③ 啓発ページ「市民の皆様へ」は原稿が出そろい、まもなくアップ予定である。
④ ダウンロード版パンフレット 16 種類をアップしたので活用してほしい。
5)倫理委員会(齋藤理事)
IVR 学会主催の倫理講習会開催について、委員会で検討する。
6)健保委員会(水沼理事)
①平成 28 年度診療報酬改定要望書提出に関して
4 月末、下記 4 項目の医療技術評価提案書を外保連へ提出した。肺動脈閉塞試験は
「D206 心臓カテーテル法による諸検査 右心カテーテル 3,600 点」で既収載であったこ
と、加算の方針で検討したが、IVR 学会 web 登録には必要なデータ蓄積がないことより提出
を断念した。
(ア) BRTO 術(バルーン閉塞下静脈瘤塞栓術)
(イ) 経皮的肝内門脈短絡術(TIPS)
(ウ) 血管奇形の硬化療法
(エ) 副甲状腺静脈サンプリング
6 月に外保連より厚労省に提出され、8 月にヒアリングを受け、 9 月から中医協の医療技術
評価分科会で審議が始まる。
② 侵襲的機能試験について
肺動脈閉塞試験は診療報酬掲載されているものの、外保連生体検査試案には掲載されて
いない。同様な試験として脳動脈閉塞試験(超選択的)、頚動脈閉塞試験(マタステスト)が
ある。また、経血管的にカテーテルを挿入、薬剤を注入して誘発試験を行うものに「脳
血管薬物誘発試験」、「選択的動脈内刺激剤注入試験:SSI テスト」(インスリノーマ、外保連
試案未掲載)などがあり、これらはカテーテルやガイドワイヤーが償還されない。生体検査
試案の機能試験項目になると画像診断より人件費が安くなってしまうという側面がある。こ
れらの解決法を話し合わなくてはならない。 健保委員会でも検討する。
③「血管造影カテーテル償還価格低下」に関し、IVR 学会への支援申入れがあった件
テルモ社より次の通り報告があった。
セレコン MP カテーテル(ラテックスのバルーンカテーテル)のような BRTO や閉塞試験に用い
るカテーテルは「診断用血管造影カテーテル」ではなく血管内手術用カテーテルへの種目変
更が望ましいと進言したところ、「オクリュージョンカテーテル」に申請することで社内が決定し
たとのこと。申請に関し、PMDA へは未だ、接触していないとのこと。BRTO の診療報酬掲載に
は間に合わない模様。
7)薬事委員会(田島理事)
次の通り報告があり、引き続き薬事委員会で検討する。
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①特定保険医療材料 算定基準の見直しについて
提案の種類:特定保険医療材料 再評価提案( 保険既収載技術)
特定保険医療材料:132 ガイディングカテーテル(腹部四肢末梢用)
材料価格:腹部四肢末梢用 22,600 円
再評価区分:算定要件の見直し(適用拡大)
診療報酬番号:K615 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)
及び、K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術
具体的内容:
経皮的四肢血管拡張術又は血栓除去術の他、腹部四肢末梢血管の血管内手術(K615
血管塞栓術)を目的として使用した際の算定
再評価の理由:
四肢末梢の血管塞栓術において、塞栓コイル、塞栓用プラグ、液体及び球状塞栓物質等
の新しい医療機器が使用されるようになり、より安全に血管塞栓術を実施するために、ガイ
ディングカテーテル等のアクセスデバイスの機能(安定性、バックアップ特性等)が重要とな
っている。しかしながら、「四肢末梢用」としてのガイディングカテーテルの特定保険医療材
料としての算定基準においては、「K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術」に限定されて
いる。その為、現状は、血管塞栓術において、血管造影用カテーテルを血管内手術用の
ガイディングカテーテルの代用として使用している。臨床現場においては、血管造影用カテ
ーテルのバックアップ特性の不十分さから、塞栓物質の意図しない部位への配置や、迷入
等の危険性を、術者の技術で補っているのが実情であり、結果、四肢末梢領域での血管
塞栓術における、医療機関毎の技術格差につながっている。
また「四肢末梢用」のガイディングカテーテルとしての算定基準は、「脳血管用」と比較して
も著しく限定的であり、昨今の医療技術の進歩に伴い、四肢末梢領域においても、K615
血管塞栓術での算定を要望する。
(1) 定義
次のいずれにも該当すること。
① 薬事法承認又は認証上、類別が「機械器具( 51) 医療用嘴管及び体液誘導管」であっ
て、一般的名称が「ガイディング用血管内カテーテル」、「中心循環系ガイディング用血管内
カテーテル」又は「ヘパリン使用ガイディング用血管内カテーテル」であること。
② 経皮的冠動脈形成術に際し、経皮的冠動脈形成術用カテーテルを病変部に誘導する又は
血管内手術を実施する際に、血管内手術用カテーテル等を脳血管、腹部四肢末梢血管等に到
達させることを目的に使用するカテーテルであること。
(2) 機能区分の考え方
使用目的、使用部位及び術式により、冠動脈用、腹部四肢末梢用及び脳血管用の合計3 区分
に区分する。
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(3) 機能区分の定義
① 冠動脈用(材料価格:16,600 円)
経皮的冠動脈形成術を行う際に、心臓手術用カテーテルを安全に到達させることを目的に
使用するガイディングカテーテルであること。
② 腹部四肢末梢用(材料価格:22,600 円)
経皮的四肢血管拡張術又は血栓除去術を行う際に、腹部四肢末梢血管に血管内手術用カテ
ーテルを安全に到達させることを目的に使用するガイディングカテーテルであること。
③ 脳血管用(材料価格:23,400 円)
脳血管手術を行う際に、脳血管の手術部位に血管内手術用カテーテルを安全に到達さ
せることを目的に使用するガイディングカテーテルであること。
【特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項】
(平成 24 年 3 月 5 日保医発 0305 第 5 号)
(66) ガイディングカテーテル
ア冠動脈用は、冠動脈形成術を施行する際に使用した場合のみ算定できる。
イ腹部四肢末梢用は、経皮的四肢血管拡張術及び血栓除去術を行う際に使用した場合にのみ算定
できる。
ウ脳血管用は、脳血管の手術の際に使用した場合のみ算定できる。
②薬事既承認機器の適応拡大についての方針
a.対象機器
ア)ラジオ波凝固療法用機器(コビディエン、他)
イ)経皮的凍結療法用機器(日立メディコ)
b.目標
ア)肝腫瘍のみから、「腎悪性腫瘍、肺悪性腫瘍、有痛性骨腫瘍(類骨骨腫を含
む)」 に適応拡大。
イ)小径腎悪性腫瘍のみから、「骨及び軟部組織に発生あるいは浸潤または転移
した有痛性腫瘍」に適応拡大。
c.方法
日本 IVR 学会より、「ニーズの高い医療機器の早期導入についての検討会」に申
請書を提出。
ア)については、海外文献に基づいて申請書作成
イ)については、いずれも JIVROSG で高度医療評価制度に基づく臨床試験が完
了しているため、その論文を参考資料として添付。
d.資料作成担当(予定)
ア)稲葉吉隆先生(愛知県がんセンター中央病院)
イ)宮崎将也先生(群馬大学)
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8)専門医制度委員会(廣田副理事長)
① Web登録データの利用について(中塚理事)
a. 現状
統合倫理指針では、連結不可能匿名化されたデータの利用の制限はない。また新個人情
報保護法の動向は依然として見守る必要はあるが、省令あるいは政令により学術利用の問
題はクリアできると予想される。
b. National Clinical Database のビッグデータの利用方法
NCD のデータのうち消化器外科領域のデータは、日本消化器外科学会と NCD が一括管
理しており、日本消化器外科学会データベース委員会が、年に一度各領域(臓器)から
1研究を選び、NCD 委員が実際の統計解析を行っている。各領域の研究は、たとえば食
道領域であれば日本食道学会が公募の上、1テーマを採択し、日本食道学会がそのテ
ーマを日本消化器外科学会に推薦するという形になる。データ取得には費用請求があり、
解析内容にもより1テーマ 300 万円以上が請求される。ただし、これらのデータは、NCD
により多変量解析などの解析が加えられたものが渡されている。
c. .IVR 学会 Web 登録データ利用に関する問題点、検討課題
ア) 個人情報の保護について
連結不可能匿名化であり、倫理指針上は研究目的の利用になんら支障はないが、他
の情報と照らし合わせて個人情報が特定されるリスクは残っている。データの取り扱い
についての制限が必要(研究分担者以外への提供をしない、他の情報と照合して個
人を特定することを禁止する、等)
イ) 情報の公平利用について
会員全員に平等な機会が与えられるよう、データの利用希望を公募し、公平に審査
を行う環境整備が必要。
ウ) 倫理審査について
連結不可能匿名化データであり、倫理指針の対象外ではあるが、一定のルールが必
要と思われる。解析結果を論文等で公表する場合、学会の倫理審査を原則とするべ
きと思われる。なお、他施設共同試験と銘打つのであれば各施設の倫理員会審査が
必要。
エ) データ利用に関する費用について
データベースからのデータ抽出作業には当然ながらコストがかかる。NCD 同様に実費
はデータ利用者に負担して頂くこととするか議論が必要。抽出条件等により費用は変
わる可能性がある(10 万円前後?)。
オ) 多施設共同研究のための基盤としての新たな入力ページの作成
肝癌塞栓術のような詳細項目を新たに作成して、多施設共同研究の基盤として活用
する方法もある。この場合、システムの改変等に費用が発生する。(数十から百万円
程度、負担はどうするか)。
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カ) 登録データの信憑性
肝癌登録データなどの場合、施設を限定してデータ収集する場合は信憑性の問題は
最小化できるが、全施設を対象とする場合信憑性に問題が残る。全施設を厳格にチ
ェックする場合、高額な費用が発生する。法的な問題も考えられる。
d.IVR 学会 Web データに関して
ア)
Web 登録利用の公募の方法
・会告、およびメールで公募。
・理事会で選定することが望ましいと思われる。採択件数の上限設定は必要か?
・選定の後(前?)、学会の倫理委員会に書類提出。書式は?
・費用請求は、データ利用者全額負担とするか、学会からの補助を出すか。
イ) 登録データの監査
・全施設を厳しく管理することは難しい。監査を行っているというアリバイ作りに年間
数施設を監査するというのが現実的。この場合でも、施設間で申し合わせて、信
憑性の高い肝癌登録データを収集し利用することは可能。
NCD のように全施設のデータを利用する場合、学会からの強力な指導(修練施設
剥奪など)が必要。また、NCD のような多方面での有効利用のためには、数千万
円以上のシステム維持費が必要となる。
以上の報告について検討した結果、症例登録データの学術的利用の可能性について、中
塚理事を中心に検討を進めることになった。また既に稼働している TAE の登録システムを具
体例として、今後の方針を検討する。5 年後のシステム見直しについても検討していく。
② 日医放学術集会調査報告
専門医更新単位に関する調査票に記載し日医放に提出した。
9)国際委員会(山門理事)
①
CIRSE との会議
2015 年 4 月 22 日 12:30-14:30
Nice, Acropolis International Conference Center
Agreement 締結に向けて、CIRSE 事務局が MOU を作成中。
JSIR メンバーは CIRSE 会員になると会費の discount がある。
次回はリスボンで開催する。
② 台湾放射線学会(CTSR)との会議
未定 協定締結済み
③ KSIR(韓国 IVR 学会)との会議
GEST での会議を Do 会長が提案
出席予定者は荒井理事長、吉川、廣田副理事長、山門理事、石口監事
④ SIR 3 月 3 日アトランタでミーティングを行った。また、4 月末にスピーカーを推薦した。
来年以降もミーティングで情報交換していく。日本からの参加積極的に参加してほしい。
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⑤ 国際セミナー小委員会
セミナーの内容について、次の通り検討中である。
座学 2 日間 動物実験 施設見学
羽田にある動物実験施設が格安で利用できるとの情報があるので、小泉先生に打診を依頼
している。本日の委員会でさらに検討し、理事会に報告する。コンプライアンスには十分留意
する。
⑥国際委員会会議 本日(5 月 27 日)開催
10)防護・安全委員会(石口監事)
・ e-ラーニングについて
プラップ社と面談し、 用意している PPT を HP に載せる件はすぐに対応できるとの回答を
得た。本人確認を行い設問に回答するシステムの構築には概算で 150 万円程度かかる。
今後見積もりを取って検討する。
11)財務委員会(金澤理事)
・ IVR学会年会費の値上げについて
技術セミナー、夏季セミナーでは企業にかなりの部分を協力いただいているが、コンプライ
アンスの問題があるので、今後は学会でも予算をつけて実施する必要がある。現状通りの
セミナーを実施するためには、会費の値上げが必要と考えられる。他学会の会費と比較し、
20 年以上同じ会費であることから値上げする方向で、金澤理事が検討することになった。
会費の金額は細則に定められているので、値上げする場合には代議員会で議決する必
要がある。2016 年の定時代議員会での決議では、実際の値上げが 2017 年からになる
ので、今年度中に臨時代議員会を開催することを検討する。
7.その他
1) IVR学会再入会申請について
2011 年、2012 年の年会費未納のため 2013 年自然退会になっていた会員より、再入会の申し
出があり、検討した結果、未納分の会費を支払い復帰することを承認した。
2) 日本医学会加盟申請について
123学会が加盟している日本医学会分科会への加盟申請を進めている。申請書に社会貢献活
動について記載する欄があるので、広報担当の興梠理事と記載する内容を検討することになっ
た。申請は 7 月 31 日締切。
3) 日本医療機器学会 医療機器情報コミュニケータ(MDIC)対象学会認定
IVR 学会総会は 10 単位認定されたので、来年度以降学会総会案内にポイント数を掲載する
ことになった。
4) エンボスフィア講習会ビデオについて
・京都府立医大 山田教授の依頼により、日本放射線科専門医会(JCR):プロモーションビデオ
に、エンボスフィア講習会ビデオの中の DC beads が腫瘍の中に流れ込んで行くコンピューター
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グラフィックスの利用を許可したことが報告された。
・エンボスフィア講習会ビデオについて、個人への配布の希望があったが、配布は認めず上映、
貸出(要回収)のみ認めることになった。
5)IVR 専門医更新のための講習会開催が提案された。清末理事が素案を作成し、学術・教育委
員会で検討し、理事会に提案することになった。
6)2016 年 10 月 13~14 日日本脈管学会を吉川副理事長が大会長として開催す
る。ぜひ参加してほしい。
8.次回理事会開催予定
7 月 31 日(金) 17:00~20:00 東京での開催を予定。
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