動物の謝肉祭

特
集
私
た
ち
の
劇
場
オープニング祝祭公演
北九州芸術劇場は、
このまちに劇場文化を
育むために生まれました。
ファミリ ー ク ラ シック
動物の謝肉祭
*2003.8.11:北九州芸術劇場(中劇場)
ライオン、ぞう、かめ、カンガルー、白鳥・・・。さまざまな動
北九州芸術劇場のコンセプトは、
「創る」
「育つ」
「観る」。
物を、踊りだしたくなるほど楽しく、うっとりするほど美
それらが重なり合い、 北九州の劇場文化という大輪の花を咲かせようとしています。
しい音楽で描いたサン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」。
北九州芸術劇場誕生のお祝いに、日本を代表する若手・中堅
劇場をとりまく私たち一人ひとりが劇場の主役です。
の演奏家が一堂に会し、53 名の市民参加のみなさんととも
今回は、3つのコンセプトのうち、
「創る」
と「育つ」に焦点を当てて、
に、アイデアいっぱいの歓喜の舞台が繰り広げられました。
「私たちの劇場」を紹介します。
第1部:動物たちのカーニバル
創る
プロの演奏のもと、詩の朗読とパントマイムを演じたのは、
ワークショップでレッスンを重ねた市民のみなさん。動物
劇場のオリジナルプロデュースで、
の特徴をとらえたユーモラスな動きや温かみのある朗読に、
質の高い作品を生み出します。
K I TA K Y U S H U P E R F O R M I N G A R T S C E N T E R
2003 . 8 .1 1 OPEN
大きな拍手が送られました。
ものづくりのまち北九州から全国へ、
第2部:動物たちのダンス・パーティー
作品を発信します。
俳優による朗読にプロのパントマイマーも加わり、動物た
育つ
観る
北九州で活動をする人たちを
トップレベルの作品を
サポートし、育んでいくとともに、
上演していきます。今観たい作品を、
舞台芸術の専門家たちがまちに出かけ、
今観たい人に届け、今まで
ワークショップなどの事業を
観たことのない人にも、作品にふれる
展開します。
楽しさを伝えていきます。
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ん
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グ
。
ちすべてが登場。物語と音楽と映像による夢の中の音楽絵
本のような舞台に、大人も子どもも一体となって感動のフ
ィナーレを迎えました。
© 藤本 彦
参加したみなさんから、こんなおたよりが届きました。
しばらくは、
「動物の謝肉祭」の音楽と朗読
ほんとうに楽しいたのしいフィナーレでした。
のフレーズが、口をついて出てきそうです。
プロの威力に目を見張りました。チームワーク
極度の緊張と、終わったあとのふるえるよう
の大切さを痛感しました。舞台の裏側に驚き
な満足感。誰彼なく肩をたたき、抱き合って喜
ました。
(志満千代子さん)
びました。素人の集団がよくあそこまでと感
この劇場のはじめての参加者の一人にしていた
激しました。
(河村小夜子さん)
だけて、娘にとってもほんとうに貴重な、一生残る
© 藤本 彦
思い出になりました。
(岡崎優菜ちゃんのお母さん)
市民参加で劇場オープンを祝った「動物の謝肉祭」
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1
★第11回北九州演劇祭特別企画
第1回
北九州パントマイムフェス ティバル
*第1部 タウンマイムフェス:2003.9.4∼ 6(7区出没パフォーマンス)
、9.7
(街中パ
「ガン★マン」で、シアターマイム市民参加プログラム
【タウンマイムフェス】
のフィナーレを飾った田中真史さん・大神拓哉さんに
★フィナーレのパレード&野外ステージ
レード、野外ステージ)
インタビューしました。
には200人を越える市民が参加。
田中:
「僕は“観る”専門だったけど、こういう感じで舞台に立てる機
*第2部 シアターマイムフェス:2003.10.11 ∼ 13 公演(北九州芸術劇場小劇場)
会があってよかったと思いました。いちから舞台を創るという過程で
記念すべき第1回北九州パントマイムフェスティバルは、まちを舞台にし
今まで経験したことのなかった新しいことができたし、新しい出会い
て賑わいをつくり出す大道芸の魅力と、楽しい舞台作品として芸術性を追
田中 真史さん(19 歳)
求する魅力がてんこもり。第1部「タウンマイムフェス」では、パントマイ
大神:
「僕は、芸術系の大学を志望しています。で、生の演劇を体験し
マーが7区 33 箇所で出没パフォーマンスを、リバーウォーク周辺ではパレ
【学校アクティビティ】
ードに加え野外ステージ公演を行い、驚きと
笑いのうずを巻き起こしました。第2部「シア
ターマイムフェス」では、10 回にわたるワー
クショップを経た市民参加作品や、プロによ
★15 校(27 回)の小中学校訪問。
【シアタ ーマイムフェス】
★爆笑もの
もあった、新しい世界が見えました。
」
アーティストのパフォーマンスを
からホロッとするものまで、幅広い
ラインナ ップのステージパフォーマンス。
間近で観て一緒に体験。
たくて、
『動物の謝肉祭』の市民参加に応募しました。舞台に立つ快感
が忘れられなくて、友人の田中真史君を誘って、『パントマイムフェステ
ィバル』にも応募しました。ワークショップの講師の本多愛也さんから、
パフォーマーを目指したきっかけを聞かせ
てもらったり、プロとしての姿勢にふれたり、
る芸術性の高いパフォーマンスが北九州芸術
本当にいい勉強になりました。観る側から
劇場で上演されました。また、
「学校アクティ
創る側になり、しかもフィナーレを飾るこ
ビティ」も行われ、パントマイムのパワーや魅
とができて、育つ楽しさを実感することが
力を教育の現場に生かすとともに、若いファ
できました。僕も表現者の道を目指します。
ンづくりの機会にもなったようです。
来年の試験は、そのための第1歩です。
」
© 藤本 彦
大神 拓哉さん(19歳)
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