創造空隙 - 東海大学工学部建築学科

 創造空隙
デザインメディアパークとしての原宿防災拠点
指導教員 吉松 秀樹
教授 3AEB1133 渡邉 修一
1. 問題意識 ー神宮前1丁目民活再生プロジェクトー
4. ー整流器としての建築ー
原宿は、集客力に目を付けた大型建築が次々に計画され、
原宿に集まる人々やそこで生まれるデザインが集合する
本来の魅力を失いつつある(fig.1)。神宮前1丁目には、民
場所となる公園の地面を起伏させ、整流器として建築を
営留置所や商業施設などのコンプレックスが計画された
挿入していく(fig.5)。結果だけでなく、デザイン発生の
(fig.2)。このような開発は、原宿に相応しいのだろうか。
過程に着目できる文化施設となるように、建築内部には
資料、制作、展示、ワークショップ機能を与える(fig.6)。
制作
展示
ワークショップ
大開発/均質化する都市 fig.1 都案/高層コンプレックス fig.2
公園
資料
2. 調査/分析 ー原宿の魅力、文化/歴史ー
原宿の魅力は、生活環境と店舗の動線が重なった、竹下
空隙を公園として整備する fig.5
通りや裏原などの独特なデザイン生産機能領域をつくり
5. ー創造空間の形成/デザイン生産機能領域の抽出ー
だした歴史と文化にある。しかし近年、住民が増加し、
内部空間は、竹下通りや裏原に見られるクルドサック状
開発が進んでいく過程で、ヒューマンスケールな景観や
の平面計画をとり、上部の起伏に連動させて壁や天井の
原宿固有の文化が薄れ、生活環境も悪化してきている。
角度を徐々にずらし、アイストップを増やすことで、
地下に挿入される機能 fig.6
様々な機能の領域を展示空間となる中央通路に重ねてい
3. 目的 ー原宿らしさを発信するー
く(fig.7)。地下空間は一体となり、原宿を創造する活動
本計画は、神宮前1丁目の空地を、住民のための防災拠
や意識を記憶、継承していくアーカイブとなる(fig.8)。
点公園とし、原宿の魅力をつくってきたデザイン生産機
能のコアを埋め込むことで、「原宿」をテーマとする原
宿ビエンナーレの受け皿とするものである。原宿独特の
デザイン生産機能領域と来訪者の若い発想力を生かすこ
とで、原宿の歴史や文化を継承し、これからの原宿をデ
ザインしていく機能をもつ施設を整備する(fig.4)。
LANDSCAPE DESIGN
公園/校庭
室内イベントスペース
スタジオ
至原宿駅
通路に重なり合う領域(モデル)fig.7 形成された地下空間 fig.8
6. 結果 ー原宿創造拠点/防災拠点ー
原宿外苑前中学校
原宿の文化や歴史を、来訪者や住民が継承し、魅力を再
ホール
構築していく象徴ができ、デザイン生産機能領域をもつ
発電機能
防火林
←表参道
プラザ
集合住宅群
裏原
記憶装置
図書館
建築が増えていく。また、外周を防火林で囲まれた公園
地下駐車場
は防災拠点となり、生活環境も補完する(fig.9)。原宿は、
ビエンナーレや空隙を利用する人々によって、ヒューマ
イベントスペース
空隙ダイアグラム fig.4
←原宿駅方向
ンスケールな創造都市として、魅力を発信し続けていく。
原宿外苑前中学校(管理)
公園/校庭
室内イベントスペース
発電/貯水機能
公園/イベントスペース
地下駐車場
ホール棟
図書館棟
明治通り
展示/アーカイブ
長手断面 fig.9
CREATIVE VOID
Harajuku Media Park of Design for Disaster Prevention
WATANABE Shuichi
2006年度卒業設計梗概集 東海大学工学部建築学科