今回は、前回お話したパースでの高品質画像の出力やライトコントロール

※ このスキルアップ講座は、Ver 4.10b を基に作成しております。
今回は、前回お話したパースでの高品質画像の出力やライトコントロールの方法、作成する為の
注意点などをご説明します。これらのことをふまえてパース作成を行ってみましょう。
レイトレーシング機能・フォトンマッピング機能・パストレーシング機能によるレンダリング処理を
すれば最高品質の画像が生成できます。レイトレーシング処理を行うのもマウスでチェックするだけ
なので簡単に作成できます。
■ 1.パースの位置決定
パース画像を出力するためには、まず、建物を見たとき一番見栄えがする位置や、その建物の特徴
などの構図を決定する必要があります。この構図によって作成される建物の雰囲気がかわります。
ⅰ.視点位置・角度の変更
視点の変更は、パース画面の右下にある
ボタンと
ボタンで行います。
建物を回転・伸縮する場合はこのボタンをON状態にし、画面上でマウスをド
ラッグします。マウスの左ボタンをドラッグした場合は「回転」、右ボタンをド
ラッグした場合は「拡大・縮小」されます。
建物を平行移動する場合はこのボタンをON状態にし、画面上でドラッグしま
す。マウスの左ボタンをドラッグした場合は「水平&奥行移動」、右ボタンをド
ラッグした場合は「水平&垂直移動」されます。
モードにしてマウスをドラッグしても水平方向にしか回転しない場合があります。これ
は、パースの透視法が「2点透視」になっているからです。透視法を「3点透視」に変更して
操作してみましょう。
[3点透視]に変更するには、[設定]メニューの[透視法]を「3点透視」に設定して下さい。
ⅱ.建物内部(部屋)の表示方法
建物の内部を表示するには、パース画面右部にある
ボタンをクリックします。[平面]ボタン
をクリックすると画面右下に平面図が表示された小さなウィンドウが表示されます。その平面図
の表示したい部屋の上で、
① 視点位置をクリックします。
② 次に焦点位置をクリックします。
すると、視点・焦点を元に指示された部屋のパースが表示されます。
※ 平面図上にマウスカーソルがある状態でキーボードの PageUP 、 PageDown キーや矢印キ
ーを押すと平面図が拡大縮小・移動できます。視点を設定しにくい場合は、キー操作で調節し
ましょう。
■ 2.高品質パースの作成
建物の画像を作成するための表示位置が決定したら、レイトレーシング処理などを行った高品質な
画像を作成しましょう。[画面出力]メニュー/[着色画面出力]を選択すると[パースデータの記録]
ダイアログが表示されます。ここで、画像出力するための必要な条件を設定し[了解]をクリックし
ます。
レイトレーシング処理が行われ、高品質の画像が自動で作成されます。
●アンチエイリアス
エッジがギザギザになるのを防いで、滑らかな画像を作成します。
●影付け
建物や備品の影を作成します。
●ハイライト
照明機器の反射による効果が生まれます。
●映り込み
反射率を持っている壁や床、ガラスなどに建具や備品などが映り込んで
表現されます。
●影ぼかし
影付けした表現の影が、はっきりしすぎている場合は、影ぼかしをチェ
ックします。すると影が柔らかい感じで作成されます。[詳細]ボタンで影
のぼかし方も設定できます。
●照光シミュレーション
レイトレーシング処理を行った後に、太陽や照明の点灯・消灯が調節で
きます。設定を変更して再描画するだけなので簡単に照明をコントロー
ルした画像が確認できます。
●フォトンマッピング
フォトンマッピングという描画手法を使って画像を作成していきます。
●パストレーシング
パストレーシングという描画手法を使って画像を作成していきます。
◆ レイトレーシング・フォトンマッピング・パストレーシングの違い
レイトレーシング - 直接当たっている光だけを処理します。
フォトンマッピング - 直接当たった光が反射する間接光までを処理します。
パストレーシング - 間接光に加えてその面が相対する色までを取り込む処理をします。
※ フォトンマッピングについては、第1回テクニカル講座をご覧ください。パストレーシングにつ
いての解説は、ここでは省略します。
パース出力の条件設定において影付けや照光シミュレーションなどのチェックができない場合が
あります。光源の設定が「仮想光源」に設定されているからです。
「仮想光源」の設定を OFF に
して作成してみましょう。
[仮想光源]を OFF にするには、[設定]メニュー/[光源]/[光源一括指定]をクリックします。[光
源一括指定]ダイアログが表示されます。
「視点に仮想光源を発生」のチェックを OFF にして下さ
い。
また、[画面出力]メニュー/[着色画面出力]を選択したとき、[パー
スデータの記録]ダイアログが表示されない場合があります。そのと
きは、[設定]メニュー/[Wバッファの使用]のチェックを外して、
【パース】プログラムを再起動し、パースを再作成してください。
太陽光や照明機器の点灯・消灯やライトの色などを個別にコントロールすることで昼や夕方、夜など
いろいろな雰囲気の表現をシミュレーションすることができます。ライトシミュレーションすること
で、より完成に近いイメージが確認できます。
■ 1.太陽の位置の設定
建物の外観は、太陽の方位や高度によって壁や屋根などの陰影表現が変わります。太陽の位置を、
建物が見栄えのする位置に変更しましょう。
太陽の方位や高度の変更は、
ボタンで行います。[光源]ボタンをクリックすると[太
陽位置設定]ダイアログが表示されます。「太陽の位置」を変更する場合は、「太陽の方位」
欄で、
「太
陽の高度」を変更する場合は、「太陽の角度」欄で、太陽を設定したいところをクリックします。
太陽光の位置を変更するだけで、まったく別のイメージになります。
■ 2.照明効果の演出
[平面図]に照明機器が設置されていると、[パース]で表示したときに光を発します。この光は、照
明機器の個別に消灯・点灯することもできます。照明や太陽光を調節して照明による光の効果を最
大限に引き出しましょう。
照明機器の光を個別に調節するには、[設
定]メニュー/[光源]/[光源一括指定]で
行います。照明機器ごとの点灯・消灯の設
定は、[光源一括指定]で設定したい照明の
スイッチをクリックすると切り替えるこ
とができます。また、明度や環境、鏡面な
ど数値をクリックすると光の強さや色も変
更することができます。
光源の設定で夜(太陽の光 OFF)にすると真っ暗になる場合は、照明機器が設置されていないため
です。この場合は、一度[3DCAD]に戻り、[部品]メニューから照明機器を設置しましょう。
※ [設定]メニューの[光源]/[光源一括指定]で「視点に仮想光源を発生」
にチェックを入れると、
照明機器が入っていなくても明るく表示されます。
太陽光や照明機器を調節することで光の効果によるシミュレーションができます。
太陽の位置を変更するだけでまったく別のイメージが生まれます。
レイトレーシングによるレンダリング処理で最高品質の画像を作成します。