平成 16 年 10 月 28 日 「三位一体の改革」実現に向けた 関西からの緊急アピール 福井県知事 西 川 一 誠 三重県知事 野 呂 昭 彦 滋賀県知事 國 松 善 次 京都府知事 山 田 啓 二 大阪府知事 太 田 房 江 兵庫県知事 井 戸 敏 三 奈良県知事 柿 本 善 也 和歌山県知事 木 村 良 樹 徳島県知事 飯 泉 嘉 門 京都市長 桝 本 賴 兼 大阪市長 關 神戸市長 矢 田 立 郎 大阪商工会議所会頭 野 村 明 雄 京都商工会議所会頭 村 田 純 一 神戸商工会議所会頭代行 太 田 敏 郎 社団法人関西経済同友会代表幹事 奥 田 社団法人関西経済同友会代表幹事 松 下 正 幸 関西経営者協会会長 奥 井 社団法人関西経済連合会会長 秋 山 喜 久 淳 一 務 功 三位一体の改革について、 「骨太の方針2004」に概ね 3 兆円規模の税源 移譲が明記されたが、その前提として、地方公共団体が国庫補助負担金改革 の具体案をとりまとめるよう、国から要請された。これを受け、地方六団体 は、3 兆円規模の税源移譲を確実に実現し分権型社会への扉を開くために、 「小異を捨てて大同につく」という精神のもと結束し、 「国庫補助負担金等 に関する改革案」をとりまとめた。そこには、税源移譲や地方交付税のあり 方を含め地方分権の理念に基づく三位一体改革に関して幅広い提案が行わ れている。 この地方の改革案を受け、国と地方の協議の場が設けられたが、各省庁か らは、 「補助金見直しにより全国の施策水準が低下する」 「地域格差が拡大す る」等の反論が相次いでいる。これらの反論は、国と地方の新たな関係の構 築を目指す改革の目的や、その実現を求める地方の熱意を理解しないだけで はなく、地方の自治能力に疑義をはさむに等しく、誠に遺憾である。 地域の再生と経済の活性化に確かな道筋をつけるため、 「地方にできるこ とは地方に」を方針とする地方分権改革の積極的推進が求められている。か かる認識に基づいた地方からの提案に対して、政府は各省庁の固定観念に囚 われた個別論争に終始することなく、 「この国のかたちを変える」改革の一 環であるという視点から大局的な判断を行い、不退転の決意でその実現に努 めてもらいたい。 関西の2府7県3政令市と6経済団体は、 「三位一体の改革」が真の地方 分権改革の理念にそって推進されるよう、下記諸点の実現を強くアピールす る。 記 1 地方六団体の「国庫補助負担金等に関する改革案」を最大限尊重すること 2 政府としての補助金改革案の全体像を早期に示すとともに、確実に税源 移譲に結び付けること ・ 個別補助金の廃止の是否について、各論レベルで反論するのではなく、 政府として国と地方の役割分担を念頭において3兆円の改革案の全体 像をとりまとめ、提示すること。 ・ 補助金の改革にあたっては、地方の自主性の拡大につながるよう、生活 保護費負担金などの単なる補助率の引下げや、国のシーリングにより単 純に削減されたものを対象に含めないこと。 ・ 補助金の改革にあわせ、必置規制をはじめ基準の義務づけなどによる国 の関与・規制を廃止し、自治体の自主的な行財政運営を確保すること。 ・ 補助金の廃止により、地方の実情に基づく創意工夫が生かされるように なり、国・地方を通じた人員削減・事務コストの縮減などの行財政改革 につながることを認識の上、改革を断行すること。 3 国の歳出削減を目的とする、不合理な地方交付税総額の削減は、断じて 許されないものであり、地方交付税の見直しにあたっては、地方の意見、 実情を十分に踏まえること ・ 地方財政計画と決算との乖離については、投資単独事業費だけではなく、 一般行政経費等も含め、全体として議論を行い、適正な行政水準の検討 を行った上で、見直しを行うこと。 ・ 地方財政計画の作成にあたって、地方の意見を聞く場を常設すること。 以上
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