豊 饒 の 海 豊 饒 の 海 構 成 要 素 時 間 空 間 人 物 全 四 巻 の 構 成 概 説 文 章 構 成 の 素 材 ( 材 料 ) と 配 分 に つ い て 合 評 会 第 五 十 回 記 念 講 演 資 料 蒼 わ た る じ て 実 は 内 部 を 理 解 せ ん と す る に あ る の で あ る 。 し た が っ て 小 説 の 性 格 構 成 に 育 、 境 遇 等 の 外 部 は 様 子 , 即 ち 人 間 の 性 格 の 身 体 的 表 現 で あ る 。 こ の 外 部 を 通 □ さ ら に こ れ ら を 外 部 と 内 部 か ら 論 じ る 、 表 情 、 言 葉 、 動 作 、 服 装 、 身 分 、 教 沁 み 出 る こ と を 自 然 的 に 要 求 す る の で あ る か ら 、 困 難 は 加 重 し て こ よ う 。 活 動 が 個 性 的 な る こ と を 必 要 と す る も の で あ り 、 し か も そ の 活 動 の 間 に 性 格 が こ う し た 性 格 は 、 場 所 、 時 間 、 環 境 、 雰 囲 気 等 の 背 景 の う ち で 活 動 し 、 そ の ニ 、 性 格 ロ 、 精 神 、 思 想 イ 、 心 理 、 気 分 、 意 識 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 内 的 構 成 一 、 様 子 ロ 、 身 分 、 境 遇 、 教 育 イ 、 風 采 、 表 情 、 動 作 、 行 為 、 会 話 ・ ・ ・ 外 的 構 成 性 格 の 構 成 要 素 エ マ の 真 理 性 は 秤 量 せ ら れ る の で あ る 。 実 的 な 具 象 性 を 与 え る 骨 組 み が プ ロ ッ ト な の で あ り 、 プ ロ ッ ト に お い て そ の テ で あ る か ら 何 と 言 っ て も 観 念 的 な も の で あ る こ と は 免 れ 難 い 。 こ の テ エ マ に 現 テ エ マ は モ テ イ フ の 具 体 化 し た も の で は あ る が 、 な お 人 生 の 一 の 意 味 の 把 握 成 す る こ と だ と 言 え る の で あ る 。 て 小 説 を 書 く と い う こ と は 裸 に し て い え ば 、 こ の 三 要 素 を 組 み 立 て る 、 即 ち 構 的 心 理 と 外 的 行 為 と が 一 定 の 環 境 の 中 に 展 開 さ れ る 過 程 な の で あ る 。 し た が っ 完 全 な も の と は い え な い よ う な 、 根 本 的 な 原 型 な の で あ る 。 即 ち 小 説 と は 、 内 こ の 三 点 を ど ん な 複 雑 な 小 説 で も ど ん な 簡 単 な 小 説 で も こ の 要 素 を 欠 い て は 環 境 ( 背 景 ) S e t t i n g ( 時 間 ・ 空 間 ) 行 性 川 為 格 端 ( 康 心 成 理 は ) 『 A C 小 c h 説 t a 入 i r 門 o a 』 n c ( t 要 e 選 r 書 ( ( 昭 事 人 和 件 物 二 ) ) 八 ) で 、 以 下 の よ う に 展 開 す る 。 に つ い て 見 て み る こ と に す る 。 説 に 至 る ま で 同 じ こ と で あ る 。 そ こ で 最 も 複 雑 な 小 説 に お け る プ ロ ッ ト の 展 開 こ う し た 文 の 展 開 は 、 基 本 的 に テ ー マ が ひ と つ で あ る エ ッ セ イ か ら 複 雑 な 小 マ の 展 開 が そ の ま ま 各 段 落 に 示 さ れ る こ と に な り ま す 。 文 か ら 小 段 落 、 そ し て 小 段 落 か ら 大 段 落 へ と 纏 ま る に つ れ て 、 取 り 上 げ る テ ー 素 材 の 整 理 と 配 分 は 別 々 な も の で は な く 同 時 進 行 だ と 言 う こ と で す 。 こ れ ら を 支 え る の が 文 章 構 成 で す 。 も っ と 詳 細 に 述 べ れ ば 、 文 章 を 書 く こ と と 文 章 の 作 成 に お い て 主 要 な も の は 、 一 テ ー マ と 題 目 、 ニ 、 テ ー マ の 展 開 、 三 、 文 章 構 成 の 素 材 ( 材 料 ) と 配 分 に つ い て 蒼 わ た る の と 考 え ら れ る 。 こ れ ら は 小 説 に つ い て の 見 方 で は あ る が 、 全 て の 文 章 に つ い て 参 考 に な る も に こ れ ら を 視 点 ( 内 部 視 点 と 外 部 視 点 ) と い う 要 素 を 投 入 し て い る 。 性 格 の 構 成 で あ る と す る 。 そ し て 環 境 と し て 、 自 然 と 社 会 を 論 じ て い る 。 さ ら っ て も よ い 、 と い う 。 さ ら に こ の 性 格 の 構 成 と し て 時 間 に 於 い て 発 展 し て い く 於 い て そ の 核 心 を な す も の は そ の 個 性 的 な 内 部 構 造 、 殊 に 心 理 描 写 で あ る と い 『豊饒の海』概要ー全四巻 第一巻、春の雪第二巻、奔馬第三巻、暁の寺第四巻、天人五衰 A、全体に冠するテーマの概略 1巻より3巻まで各巻の主人公は相違しているが、基本的にどういう形にせよ20歳で死ぬこと。各人物が黒子が三つあること。4 巻は、最初は各巻に同じていたが、20歳では死なず、盲目になり狂女と結婚する。全巻を見通す人物として本田繁邦なる人物が登 場。 B、時間の設定 春の雪・・・明治末年から大正3年(1914)の早春まで。 奔馬・・・・昭和7年(1912)から昭和8年(1913)の年末まで。 暁の寺・・・第1部昭和16年(1941)から終戦、昭和 20 年(1945)まで。 第2部昭和27年(1952)と昭和42年(1967) 。 天人五衰・・昭和45年(1970)から昭和50年(1975)夏まで。 C、空間(場所)の設定。 春の雪・・・渋谷の高台の広い邸。麻布の武家屋敷、帯解駅、月修院(円照寺) 、共に奈良。大阪の森(博士)、学習院 奔馬・・・大阪(本田)、大神神社(おおみわ) 、沖津磐座、高宮神社、奈良ホテル 率川神社(いそかわ) 、堀中尉の下宿、鬼頭中将の家、麻布三連隊、軽井沢、洞院宮の家、 暁の寺(第1部)バンコック、 インド、渋谷松涛の邸、 (第2部)箱根外輪山麓一帯、帝国ホテル、米国大使館 天人五衰・・・清水港、日本平、三保の松原、静岡桜橋駅、帝国信号通信社清水事務所、 下田のホテル、横浜港、東大、神宮外苑、月修院(円照寺) 、 D、人物 春の雪・・・松枝清顕(18-20),松枝侯爵(父,41-43 位)侯爵夫人、松枝都志子(母)、 侯爵の母(祖母) 、飯沼茂之(23-24.清顕の書生)みね(松枝家の女中、後、飯沼の妻) 綾倉聰子(20-22)綾倉伊文伯爵(父)伯爵夫人(母) 、月修寺門跡(大伯母) 蓼科(62-64 聰子付き女中)パッサナデイド殿下(18-19 ジャオ・ピー、クリッサダの妹・月光姫が恋人、彼女からの指輪を寮で失 くす)クリッサダ殿下(18-19 クリ,ジャオピーの従兄弟で同年、共に学習院の留学生)、洞院宮治典王(25-26, 聰子と婚約、婚姻の 勅許下りる)新河男爵(34,豪商、英国流を旨)男爵夫人(あたらしもの好き)本田繁邦(清顕の親友、同じ年齢) 奔馬・・・飯沼勲(18-19.20 歳寸前で自殺)飯沼繁之(父、43-44,靖献塾長)みね(繁之の妻)、佐和(靖献塾年超塾員)相良、井筒 (18-19 勲の学友、刺殺毛鋭角の仲間) 、鬼頭謙輔(陸軍中将、高名な歌人、飯沼家と鬼頭家は親密な関係)鬼頭槙子(謙輔の娘)、 堀中尉、 洞院宮治典王(44-45),本田繁邦、妻梨枝、松枝侯爵、新河男爵、妻訽子(こうこ) 、蔵原武介(財界の黒幕) 暁の寺(第一部)・・・本田繁邦(47-51),ジャンとラバー姫(7、薔薇宮で生活、ジン・ジャン、バッタナデイト殿下の末娘) 、菱川 (本田の通訳)、蓼科(95) 暁の寺(第ニ部)・・・本田繁邦(58.73 御殿場に別荘)梨枝(本田の妻)、ジャントラバー (ジンジャン)姫(18)久松慶子(49、 別荘の隣人、友人になる)鬼頭槙子(52,3 勲の恋人)、 -椿原夫人(52,3)槙子の弟子、今西孝(40 程)椿原と心中。新河元男爵、妻訽子、飯沼繁之(63,みねと離婚)克己(慶子の甥、慶 大生。 天人五衰・・・安永透(20 歳で、自殺未遂で盲目)盲目後絹江と結婚。絹江、安永と清水港時代からの知人。久松慶子(67-72)透に 本田の秘密を教える。古沢(養子後の透の家庭教師)浜中繁久(55)東北の旧藩主出身。妻、栲子(たえこ)、娘、百子(18)透 に陥れられ婚約破棄にされる。美しい人。汀(25,6)百子を傷つけるため透に利用された女。絹江(自分を美人と思っている狂女。 月修寺門跡(83 綾倉聰子)
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