1 - 1994年 5月15日発行(隔月奇数月発刊) 点訳

1994年
5月 15日発行 ( 隔月奇数月発 刊)
点訳通信 16 号
盲人情報文化 センター
第1 6号
〒550
大阪市西区
江戸堀 1-13-2
℡ 06-441-0015
私
の
点
訳
ラ
イ
フ
93 年度 も14 名 の 点訳講習会受講生 が受講修了 され 、4月より 点訳 活動 に参
加されまし た。 新 たに 加 わられた 方 から 、今後 の抱負 、感想文 などをい ただきま
した 。
点訳講習に参加して
伊藤
宏
去年 の9 月から 、 約半年間 の 講習 に参 加し、この 程、なんとか 終了す ることが
出来 た 。学 校を 出 てから 、40 数年 ぶり の“お勉強 ”である 。最後 まで 続くか 心
配していた が、 なんとか 持ち 堪 えること が出来 たようである 。
それにし ても 、 清水 、 磯村両先生 のご 指導 には 敬服 した 。授業 はもち ろんのこ
と、 我 々全 員の 宿題 を 細部 にわたるまで 洩れなく チェック されている。 かなりの
お時間 と労 力を 、 お 使 いになられてもの と推測 される 。これからも 実践 的なご 指
導をお 願い するのであるが 、 講習終了に あたって 取り敢えず 両先生 に深 く感謝 と
敬意 の 念を 表したい 。
小生 は、 来年 の 後半 から 、 実社会 とは 若干離 れた 、第三 の人生 に入る ことにな
っている。 第三 の 仕事 に 、点訳 を 選 んだ のは 、誰にも 迷惑 をかけず 、一 人でこつ
こつ 、 やれ る仕事 ではなろうかと 、 考え たからである 。
点訳 とは 、漢字 を カナ に換 えたらいい んだろうと 、と云うぐらいの気 楽な気持
ちで 講習会 に参加 したものの 、 マス 明け 一つ、いまだに 満足 に出来 ない 。目下 、
ひろさちや 著の “ やじうま 歳時記 ” に取 り組んでいるが 、表意文字 であ る漢字交
じりの 文章 を、 表音文字 の点字 だけで文 章にしていく 、点訳作業 に、四 苦八苦 し 、
いささか兜 を脱 ぎつつある 。
また 、私 の悪 い 癖 で 、 字を 一字 づつ読 めない 。一字 づつ 打っていく点 訳作業 を
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通じで 、こ の癖 を 矯正 していきたいと考 えている 。点字 は、6点字 で入 力してい
るが 、 入力 は考 えながら 打っているのか 、なんとかやっていけるようで ある 。し
かし 、 読む 時は 考 えないのか 、 左右反対 に読んでは 、立往生 ばかりして いる 。点
字の 読 みに も、 早 く 馴 れて 生 きたい 。
関学 の増 谷名誉教授 が 、関学精神 の一 つである “Mastery For Service”を日経
のコラム欄 で紹介 されていた 。 (H5.11.9)
同教授 は、“奉仕 のための 修練 ”と訳
されている が、 点訳 と 取 り組 んでいる現 在、しみじみと 痛感 する 言葉で ある 。
我 々 健常 者は 、 書物 ・ 雑誌 ・ 新聞 etc.を通じて 、日々限りない 恩恵を 受けてい
る。 どの障 害が 最 も 不幸 かは 、 簡単 には 比較 できないであろう 。 しかし 、私は視
力障害者に 、最 も 同情 を 感じる 。 自分の 人生 で、書物 がなかったらとは 、考える
ことも 出来 ない 。
点訳作業 の難 しさは 、 おぼろげながら 解ってきた 。今後 、点訳作業を 完全 に
Masteryす ることでこの 困難 を 克服 し 、質 的にも 高い点訳作業 が出来 るよう 、努力
していきた い。
これから 先、 何年間 、 点訳活動 が 出来 るかどうかわからない 。 しかし 、体と頭
が元気 な間 は、 Mastery For Service
を 念頭 に 、点訳作業 に従事 していきたい 。
それが 、第 三の 人生 を 無意味 にせず 、少 しでも 社会 のお 役に立てる 唯一 の方法 で
なかろうか と、 思 っている 。
点訳技術講習会に参加して
奥村純子
あれは多 分、 中学生 の 頃に 読 んだので しょうか 。タイトル は忘 れてし まいまし
たが 、 盲学 校で 図工 ・ 美術 を 指導 してお られた 先生 のお 話だったと 思い ます 。子
供達 の 作っ た、 造形作品 の写真 も 載 って いましたが 、その 一つ一 つの作 品の力強
さに 私 は圧 倒され 、 心 を 打たれました。 そして 、私達 にはわからない様 々な日常
生活 での出 来事 や 、 困 ったこと 等 を 笑い 話を交えて 書いておられました 。私たち
は目 で 見て 何もかも 判断 してしまいがち ですが 、それは 必ずしも 正しい ものでは
ないんだと いうこと 。 そして 、 日常生活 をおくる 上でのご 苦労 の 一端を 知ること
ができまし た。 その 後 、 点訳 クラブ の先 輩に誘われ 、点字 タイプライタ ーを見せ
られたので す( 今 から 思 えばあれは 、カ ニ式だったんですね !)。 それ を使わせ
てもらえる と入部 したところ 、 出 された のが 、点字器 と点筆 。だまされ ました 。
恐い 先輩( 本当 はとても 優しい ) に 囲ま れた 信州 での 楽しい 合宿 。点字 を打つ音
だけが 部屋 中に 響 き 、 蝉時雨 も 遠 くにし か聞こえない 。民宿 のおばさん がおやつ
に振 る 舞っ てくれた 、 もぎたてのなんば きびの 甘くておいしかったこと 。20 年
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程前 の 点字 にまつわる 私 の思 い 出 です。
当時 、1 枚打 ち 上 げても 、 墨字 1 ペー ジ分にはほど 遠く、行末 で1字 多ければ
消して (つ ぶして ?) 次 の行 へ 打 ち 直し 。手首 は痛み、力をいれすぎる と穴があ
いてしまう 。卒業 までにとうとう 出来上 がらなくて 、点訳 からも 離れて しまいま
した 。 その 頃の 点字 で 覚 えていたのは、 “メ”だけです 。
パソコン に接 するようになって 、 これ は絶対 に点訳 に使うべきと 考え ていたと
ころ 、 一昨 年の 講習会 には 、 仕事 の 都合 で参加 できなかったのですが、 昨年大阪
府の 広報を 見ていて ライトハウス や 他の 施設 でも 点訳講習会 が開 かれる ことを 知
り、 中 でも 「パソコン による 点訳 」 とい う言葉 にひかれ 応募 することに しました 。
適正 テスト にも 合格 する 自信 などなく、 会場 でたくさんの 参加者 を目前 にし 、受
けずに 帰ろ うかなと ・・・・ 。 久 しぶり の緊張感 をあじわいました 。思 いもかけ
ず講習会参 加の 案内状 が 届き 、 喜 んだの も束の間。講習会 が終わる 度に 頭の中
に? マーク が増 えるばかり 。 何 とか 点訳 技術講習会 の終了証書 を 頂けま したが 、
まだまだ頭 の中 の ? マーク は 増 え 続 ける ことだと 思います 。センターの 皆様 、諸
先輩 の 皆様 、点訳本 を 待 っておられる皆 様、もうしばらく 暖かい 目で見 守ってい
て下 さい。
点訳講習を終えて
小野 やよい
とんでも ない 世界 に 足 を踏 み 入 れてし まったというのが 今の私 の正直 な感想 で
ある 。 そそ っかしくいい 加減 という 私の 正確 をすっかり 忘れていた !し まった !
という 気持 ちである 。 見直 しをしていっ ても 点訳 ミス がゾロゾロ なので 自分 に嫌
気がさす。
その 上、 コンピュ - タ -が 私 にとって また 厄介 である ・・・ 。 コマン ド?ファ
イル ? パラ メ- タ ? コンフィグ ? “ 何や 、それ ”コンピュ -タというも のに 全く
無知 な 私が 、なかなかいうことを 聞 いて くれない コンピュ -タと 格闘し なければ
ならないは めになっている 。 どうも 相性 が悪いらしい 。かといって 放り 出し“別
れる ッ ”と いうわけにはいかない 。 木村 さんはいつでも 優しく 、 ていね いに 教え
て下 さるが 、正直 なところ 半分 ぐらいし かわからないし 、販売店 の人に はほとん
ど愛想 づか しされそうである 。
いまだに 点訳 の 世界 の 門口 で モタモタ していてなかなか 発進 できない でいる 。
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「 セ ン ス 」 ( 点訳講習会 を終えて )
杉 山
真
講習期間 中、 分 かち 書 きには 悩 まされ 続けでした 。僕は特に、 何でも 理屈 で納
得しないと 気がすまない 悪癖 があり 、分 かち 書きを 数学 の公式 のように 考えよう
としたから です 。
しかし、 それでは 駄目 なことが 途中で 解ってきました 。点訳 という仕 事には 、
感性 ( セン ス) も 求 められていることに 気付 いたのです 。とにかく 一つ 一つ憶え
ていく 、そ うする 中 でしだいに 能力 を高 めれば 、点訳全体 が感覚的 に捉 えられる
のではない かと 考 えています 。
講習会に 参加 する 前 に 、ある 盲人 の方 が触読 をされるのを 拝見 したこ とがあり
ます 。 僕の 黙読 と 変 わらない 読 みの 速度 に驚嘆 しました 。何度 も 点字に 触れたこ
とはありま したが 、 あんなことができる なんて 信じられませんでした。 あの 方の
指先 の 神経 は研 ぎ 澄 まされているのでし ょう 。
また 、数 年前 に 失明 した 友人 は 、 先日 こんなことを 語りました 。
「光 は 失っ たけれど 、 目 が見 えていた時 には 見えなかったものが 見える ようにな
った 」 と。
人間 は皆 、多 くの 能力 や感性 を 眠 らせ たままにしているのではないで しょうか 。
特に 僕 は、 理屈 ばかりにこだわって 、セ ンス や人間性 を伸ばせていない ことに 気
付きました 。その 意味 でも 、 点訳講習会 を受講 した 意義 は大きかったで す。
僕 なりに 夢も 抱 いています 。 先 の 友人 に、いつか 僕の訳した 本 を読ん でもらえ
たらな 、と 願っているのです 。
目標 もで きました 。 僕 の年齢 ほどの永 年にわたって 、点訳 にたずさわ っておら
れる 尊敬す べき 先輩 です 。( ちょっと大きく出すぎたかな …)
既 に 点訳 作業 にかかっていますが 、頭 の中で打とうと 思っている 点意 外にも 、
指が 勝手に 働いてしまい 、打 ち 直 すこと が多くあります 。「 不器用 やか ら向かな
いのかな… いや 、 頑張 ればいつかこのセ ンス も身に付くはずだ 」 と自分 を励まし 、
また 「G] のキー を 押 すのです … 。
完成点字 図書 への 責任 を考 えると 、真 剣勝負 で挑まねばと 緊張感 も湧 きますが 、
日本語 の勉 強にもなるし 、自分 の センス も磨けるものでもあるし 、楽し みながら
続けていき たいと 考 えています 。
最後 にな りましたが 、 講師 の 清水 さん 、磯村 さん 、職員 の皆さん 、そ れから 講
習生 の 皆さ ん、 お 世話 になりありがとう ございました 。そして 、 今後も よろしく
ご指導 いた だきますようお 願 いしまして 、センス という 言葉 を多用 した 割には セ
ンス の 無い 拙文 を 終 わります 。
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点字を通じて日本語の難しさを実感
辻村
清子
昨年夏、 新聞 で 、 何度 か受講 したいと 思っていた 点訳講習 の記事 を見 つけ 、最
近ようやく 時間 に 少 しゆとりができたこ ともあって 、早速申 し込 みをし ました 。
少々 苦手の 漢字 の テスト も何 とか パスし 、点訳 の勉強 を始めて 半年 ,最 初に考え
ていたもの とはその 内容 はかなり 違 って いました 。ただ 単に文字 を点字 に置き換
えるだけの 作業 と 思 っていましたが 、改 めて 日頃 、何気 なく 使っている 日本語 の
複雑 さ ,難 しさを 知 りました 。 点訳 を学 んで 良かった 事の一つです 。
今回 、一 冊の 本 をいただき 、 その 点訳 を少しずつ 始めておりますが, パソコン
による 点訳 は調子 にのると , どんどん進 んでしまい ,そのあとの 校正の 大変 さを
考えると, 入力 の 時点 で 辞書 やてびきを 常にこまめに 引き,ミス を最小 限にとど
める 事 がい かに 大切 であるかを 今 ひしひ しと 感じ始めています 。
点訳 を通 じて 様 々 な 書物 と 出会 えるの も一つの 楽しみでもあり ,ある 程度自信
がついてき たら , いろいろな 分野 の 点訳 にも 触れてみたいとも 思 ってい ます 。
また 、是 非我 が 家 にも 一台 をと 思 いな がらその 使い道がわからず 、ち ゅうちょ
していたパ ソコン もこの 機会 に 購入 する 事ができ 、今はその 操作 に四苦 八苦 して
いますが、 そのうち 使 いこなして 自分の 世界 を広げていきたいとも 思っ ています 。
今 は 、仕 事と 家事 の 合間 に 点訳 をして いるという 状態 ですが 、 これか ら先は徐
々に 自分の 生活 の 一部 にしながら 、 こつ こつと 続けていきたいと 思って います 。
パソコン点訳講習を終えて
中
内
洋
子
昨年 3月 、それまで 続 けてきた パート の仕事 にきりをつけて 、 これか らは 少し
生活 を 変え て、 ゆったりと 家 で 過 ごした いと 考えていた 。しかし 、子ど もも 学生
生活 とはい え、 家 を 離 れて 暮 らしている し、夫は仕事 の関係 で、 週のう ち、2・
3日 は 留守 になる 生活 では 、 時間 があり すぎて 、自分自身 を持て 余しそ うになっ
てしまった 。優雅 な 生活 になるはずが、 かえって 何をしたらよいのか、 何をすべ
きなのかと いうあせりが 強まって 、「こ れではいけない 。何か新 しいこ とに チャ
レンジ した い」 と 考 えていたときに 、ラ イトハウス のパソコン による点 訳のこと
を知 り 、と びついた 次第 である 。
むかし、 むかしの 学生時代 、 点筆 と点 板の時代 に少しやったことがあ るだけで 、
その 後 は全 く無縁 の 生活 をしてきた 。そ の点字 が、ワープロ に向 かうよ うに 、パ
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ソコン で可 能になったのか …… との 感慨 で、受講 に望んだ 。が、 何もか もが 便利
になったと は言 え 、 日本語 の 特異性 で点 字の約束事 は厳然 と存在 し、い くら コン
ピューター といえども 墨字 = 点字 は 現在 ではまだ 不可能 なことをこの講 習でしっ
かり 学 んだ 。
半年 の間 、久 しぶりに テキスト に 向か い、宿題 に頭を悩ませながら、 充実感 を
覚えた 。一 週間 に 一度 、 ライトハウスに 通うことで 、ほかの 面でも 自分 なりの 生
活リズムを つくりだせたように 思 う 。
今 、 実際 に1 冊 の 本 にとりかかって、 自分 の不確 かな 知識 に慌 てふた めいてい
る。 でも、 仲間 があり 、 先輩 がいらして 、わからない 事を教えていただ き、解決
する 手 だて を考 える 、 その 楽 しさも 自分 に向いているようで 、点訳講習 を受けて
よかったと しみじみ 思 う 。まだまだ 、や りたい 事もいっぱいあって 、点 訳だけの
世界 には落 ち着 けそうにないが 、「 私の 生活 」の一部 として 楽しく 続け て生きた
いと 考 えて いる 。
点訳講習を終えて
二宮典子
充実 した 時間 をもちたいと 思 う 願 いか ら、点訳 を習いはじめたのです が、とっ
ても 大変だ ということを 実感 しています 。何が大変 かといえば 、 講習を 受ける 施
設によって 、分 かち 書 き 、漢字 の 読 み方 の違い、さらに 点筆 で一文字ず つ間違 い
のないよう に。 まちがえると 、 ケシゴム では 消せませんので 凸面 を平ら にしても 、
その 時点で 用紙 はもう 使 いものにならな いかも 知れません 。更に 新しい 用紙 を準
備してはじ めからやり 直 しです 。 何 と時 間と資源 のむだづかいでしょう 。今の世
の中 、 パソ コン で 点訳 することはできな いものかと 探していたところラ イトハウ
スの パソコ ン点訳講座 の 案内 を 見 つけま した 。パソコン 点訳 すると 絶対 便利 なは
ずだ 、 と思 っていても 、 自分自身 が 、さ わるとなると 、操作 することが できるか
しら 、 均等 に指先 に 力 が 入るかしら 等と 不安 はいっぱいです 。やっと少 しなれて
来たところ かなという 感 じですが 、 頭の なかは 錯乱状態 です 。はじめて 1冊の本
を点訳 させ て頂 くにあたり 様 々 な 失敗と 経験 を重ねながら 日々努力 した いと 思っ
ています。 ボランティア ということばは 消えて 、自分自身 の勉強 のやり 直しとい
う気分 の今 日この 頃 です 。不勉強 のとこ ろは 多々ありますが 、諸先輩方 に一歩 で
も近 づける よう 、 よろしく 御指導 、 御協 力お願い申しあげます 。
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講習を終えて
藤本靖子
パソコン 点訳技術者講習会 の 案内 を、 新聞 で見つけたとき 、ワープロ を触るの
が好 きな私 は、 これぞ 自分 の 求 めていた 活動 だと 思い、すぐに 応募 しま した 。
本 の 文章 を、 どんどん カナ 入力 してゆ けば 、パソコン が自動的 に点訳 してくれ
ると 、 簡単 に考 えていた 私には 、 講習会 は意外 なことの 連続 で、 頭の中 を整理 す
るのに 苦労 しました 。
自立語 、 付属語 なんて 、習った 記憶 のない 私は 、まず 中
学生用 の国 語参考書 で 、 口語文法 の 勉強 をし 直す始末 でした 。
ち書 き 」。
そして 、「 分か
あまりの 複雑 さに 「 そのた めの パソコン 。一発 で、 分かち 書きにし
てくれるソ フト はないの ?」 等 と 、 ブツ ブツ 言いながらの 勉強 でした。
苦労 し
ただけに、 試験 に 合格 したときの 喜 びは 、久しぶりに 味わった 喜 びでし た。
点字 の読 みも 又 、 なかなか 大変 でした 。
しかし 、墨点字 を一字一字 苦労 して
読んでみて 初めて 、 墨字 と点字 を 読 むこ との 違いを 、理屈 でなく 、実感 しました 。
目 の 見え ない 方 々 のご 苦労 とともに、 「分かち 書き」が、いかに 重要 であるか
良く 判 りま した 。
講習 を受 ける 中 で 感 じたこと 、 帰 り道 に仲間 と語り合う中で考 えたこ となど 、
この 講習会 では 、 様 々 なことを 教 わり、 自分 の世界 が少し広がったよう に思いま
す。
清水先生 はじめ 、 皆 さん 、 どうもあり がとうございました 。これから は少しず
つですが、 点訳 を 丁寧 にしてゆきたいと 考えています 。
点字と私
松下
柳子
街に 出 かけ て電車 の 切符 を買 うとき 、エ レベーター のボタン を押 すとき 、いつも
見かけてい た点字 、 どんなきまりで 50 音を表しているのかしらと 、な ぞときを
とく 気分で 、しばし 、 みとれていた 時も あった 。縁があって 、点字講習 をうける
チャンスを 得、 なぞときが 出来 たうれし さ、知らなかったことを 知る新 鮮な感動
に、 今 、心 をときめかせている 。 一歩、 点字 の世界 に入ってみると 、ま ず、うん
ざりするよ うな 、 点訳 の 約束事 があるの に驚き、また 、点訳 は、 点訳者 のもつ セ
ンス ( 知識 、教養 など ) が、 そのまま表 れる 。センス をみがくのが 一番 と奥の深
さを 感 じて いる 。 終 わりのない 遠 い 道の りを 、経験 と知識 を道ばたの風 景、花々
と思 い 、楽 しみながら 、 ただ 、 歩 みつづ けてゆきたいとおもっている。 そして 、
楽しい 友と 私の 居場所 がふえたことを、 ライトハウス に一番感謝 したい 。
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パソコン点訳に夢中
矢嶋
史
点訳講習 会が 始 まった 矢先 、 突然夫が 入院 、手術 ということになって しまいま
した 。 これ はもしかすると 講習会 どころ ではなくなってしまうかも 知れ ないと 、
半分 、 覚悟 をきめたことでした 。 本当に 幸いに 順調 に回復 し、私 も再び 念願 の講
習会 に 戻る ことができました 。 その 間は 、休んだり 遅刻 したりでずいぶ んご 迷惑
をおかけし ましたのに 、 清水先生 、 見捨 てずにいて 下さって 、ありがと うござい
ました 。こ の上 は 何 とかお 役 にたつまで になりたいと 思っていますが、 何しろ 清
水先生 はじ め講習会 の 仲間 の 皆 さんの頭 の回転 の早いこと 、舌をまきま す。パソ
コン も 初め てですし 、 本当 に 私如 きにつ とまりますでしょうか 、 と、か なり 自信
のない スタ ート ですが 、 思った 以上 にパ ソコン 点訳 はおもしろくて 今の ところ 夢
中です 。
清水先生 が繰 り 返 しおっしゃった <正 確に!> ということを 頭 にたた きこんで 、
時間 をかけ てまずはやさしいものからと りかかり 、いずれ 得意 なものを みつけて
いきたいと 思っています 。
長 く 住み 慣れた 四国 の 高知 から 大阪に 移り住んで 1年、知り合 いも少 ないなか
こうやって ライトハウス や講習会 の 皆さ んともご 縁が出来 ましたことを 感謝 し健
康で 長 く続 けていくことができますよう に願っています 。
点字の合理性に驚き
渡辺節子
まだ 残暑 の厳 しい 九月 に、 漢字 の 読み のテスト を無事通過 し、 点訳技 術の講習
を受 け 始め 六ヶ 月 がたちました 。
点字 というものに 全く無縁 だった私 が、まず
驚いたのは 、点字 がとてもよく 考 えられ 、実に合理的 に作られていると いうこと
でした 。た だ漠然 と 50音 が並 べられてい るのではなく 、母音 と子音 の秩 序だった
組み 合 わせ 、また 数符 や 外字符 など 、「 六つの 点」が、多種多様 な表現 力を持っ
ているとい うことでした 。
そして 、た った 「六つの 点」ですべてを表 現しなけ
ればならな いからこそ 、 一つ 間違 えば、 すべてが 違ってきてしまうとい うことへ
の驚 きでし た。
先生方の 手取 り 足取 りの 講習 の 第一段 階を終了 し、第二段階 として、 金子雅臣
著『 ホーム レス になった
ー 大都会 を漂 うー』の点訳作業 に入った 今、 ただ 、た
だ、「 間違 えないように 」という 思 いで いっぱいである 。
まだ 、
最初 の 一歩 を踏 み 出 したばかりではある が、この 本が無事 、点訳 できる まで 、ま
ずは 、 がん ばっていこうとおもっている 。
- 8 -
点訳Q& A
“ 取って 返 す ”“ 取 って 変 わる ”“ 取ってつける ”の区別 がよ くわかり
Q
ま せん 。 どのように 区別 すれば よいのでしょうか 。
辞 書を 見 ますと 、“ 取 って 返す ”は「途中 から 引き返す 」とい う意味 を
A
持 つ一 つの 動詞 として 扱 われて います 。「 机の上の鉛筆 を取っ て返す」
の 取って 返 すは “取 る ” と “返 す”という 、本来 の意味 をもつ 別々の動
詞 からなっているに 対 しこれは 、“取る”という 本来 の 意味が 失われ 、
“返 す ”と 複合 して 一 つの 動詞 となり、 別の意味 をもつようになったの だと 思わ
れます 。
そのよう な理由 から 、 ご質問 の 三 つは 「トッテカエス 」「 トッテ ◇カ ワル 」
「トッテ◇ ツケル 」 となります 。
“ 取 って 変わる ” は 辞書 により 一 つの 動詞 として 扱っているものもあ りますが 、
当センター では 切 って 書 くことにしてい ます 。
“ 取 って 返す ” のような 言葉 は 、 他に “打って 変わる ”(がらりと変 わる )“
打って 出る ”( のりだす )“ 見 て 取 る” (見抜 く・悟る)があります。
難読 漢字コーナ
-難読漢字 -
脛巾 ( ハバ キ)
寝( フテネ )
ケバカマ)
身 を 躱す ( カワス)
手練 ( テダレ ) の 者
臥所 ( フシド )
熨斗 ( ノシ )をつけて 返上 する
丁髷 ( チョ ンマゲ )
下衆 ( げす )のかんぐり
鯨波 (トキ )の声をあげる
眉庇 (マビサシ )
飛蝗 (バッタ )
硝子 (ガラス )窓
台所 の 三和土( タタキ )
五月蝿 (ウ ルサイ )
- 9 -
不貞
裁着袴 (タッツ
血塗 れ( チマミ レ)
肥担桶 (コエ タゴ )
公孫樹 (イチョウ )
仮令 (タトイ )
ミニミ ニ点訳講座
ナ クナル と
ナク ◇ ナル につい て
(1) 「 ナク ナル 」 と
続 けるもの
ナク ナル が 、 紛失 する 、 消滅 する 、亡くなるという 意味 の 動詞と して 使わ
れてい る場合 は 続 けます 。 近頃 は変 な文体 の本が多いので 、 首を傾 げること
が 多く なりましたが 、大変 おおざっ ぱな 言い方をしますと 、 たいて い名詞 +
が ・は ・も ナクナル のような 形 にな っているようです 。しかし 、会 話文 の中
では、 「名刺全部 なくなる 前 にちゃ んと 作っときなさいよ 」 などと 、助詞 を
省 いて いる 場合 が 多 く見受 けられま す。やはり ナクナル のところを 、紛失 す
る 、消 滅する 、 亡 くなるの 意味 に当 てはめてみて 、これは 動詞 のナ クナル だ
と 判断 するしかないと 思 われます。
(例 )年 を 取 りすっかり 気力 が
ナクナッテ
矢 を 取 ろうとする 手 に 力も
ナクナリ
この 家 は 2 年後 に
ナクナ ルでしょう 。
もろもろの 病苦 が
ナクナ ル
しまった 。
彼はうずくまった 。
時を待ちながら 、彼 は遂に
ナクナッタ 。
(2) 「 ナク ◇ナル 」 と
あけるもの
ナイ が、 否定 の 意味 の 形容詞 ナイ として 使われ 、その 後に 動詞の ナル が続
く 、即 ち
※ 美しく
ナイ
※ 食べたくも
→
美 しく
ナイ
→
※ ~~ では (でも )
ナイ
※ ~~ じゃ
→
ナイ
ナク ◇ナル
食べ たくも
→
ナク ◇ナル
~~ では (でも )
~~じ ゃ
ナク ◇ ナル
ナク ◇ナル
のよう な場合 はあけます 。 やはりこ こでも 時には 省略 した 形 で文が 綴られて
いる場 合があり 、「 暖かくなると暖 房が必要 なくなりますね 」など と書かれ
てある ことがあります 。 これは 、必 要では ・必要 じゃの 「では ・じ ゃ」の部
分 が省 略されている 形なので 、 必要
( 例) 寒 がりの 私は 寒 く
ナク ◇ナリ ますねとなる 訳で す。
ナク ◇ナル のをひたすら 待っている のです 。
そのうちに 3 階建 ての家 なんか 珍しくも
ナク ◇ ナッテ
しまう
でしょう 。
今 までの 彼が 彼 では (じゃ )
思 います 。
- 10 -
ナク ◇ナル
日もそう 遠く はないと
(3) 参考ま でに 例文 を 書 いてみました。
1)花は 美 しく
ナク ◇ ナル と捨 てられてしまいます 。
花に 美 しさが
《美 しさ
比較 していただければと 思い ます 。
ナクナル と捨 てられてしまいます 。
美 しいという 形容 詞のウツクシ に接尾語 の サがつ いて 出来
た 名詞 》
2)わさび 漬 けは 辛く
ナク ◇ナ ルと美味 しくありませんね 。
わさび 漬 けは 辛み (さ)が
《辛 み
ナ クナル と美味 しくありませんね 。
辛 いという 形容詞の カラ に接尾語 のミがついて 出来 た名詞 》
3)足の 怪我 のため 犬 を 散歩 させ るのが 楽しく
足の 怪我 のため 犬 を 散歩 させ る楽しみが
4)彼が 元気 で (では ・ じゃ )
ナク ◇ナル とと もに ‥‥
ナクナル とともに ‥‥
ナ ク◇ナッタ
原因 の一つとして 考えられ
るのは ‥‥
彼の 元気 が
ナクナッタ
原 因の一つとして 考えられるのは ‥‥
(4) 方言の 、のうなるについて
辞書 によりますと 連語 として 記さ れております 。
そして 、 意味 として
は 、動 詞と 同 じになっています (亡 くなる 、紛失 する )ので 、ノー ナル と続
けるの がよいのではと 思 いま す 。
その 他 、同辞書 には 、「 ぬうなる 」「 ぬ
なる」 「のなる 」「 のうならかす」 の例が、記されてありました。
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( BASE編 )
BASEのバージョンアップ間近
現在 お使 いの BASE の最新 バージョ ンは 1.59bではないかと 思いま す。
現在 テス トバージョン ですが 、 1.59Rまで バージョンアップ が 行われ ています 。
まだ テスト バージョン ですので 、 配布が 禁止 されていますから 、 すぐに お手元 に
と言 うわけ には 行 きませんが 、 公開版と なる 時期 も間近 と思われますの で、ご期
待下 さい。
この 1.59Rからのさらなる アップ もし た、との 連絡 も作者 からいただ いていま
すので 、公 開版 となる 時 には 1.59Rより 上のバージョン となることと思 います 。
現在 のテ スト 版 の 1.59Rまでに 追加さ れた 主な機能 としては 、
辞書機能 の登載 ‥‥‥‥ BASE を使 って 点訳作業 をしながら 、必要 に応じて
分かち 書き 辞書 を 検索 することができま す。ただ 、当センター から 適当 な「分か
ち書 き 辞書 」を 提供 するまでには 準備が できませんので 、すぐに 威力を 発揮 する
と言 うこと にはなりませんが 、 ご 自分で 迷われた 分かち 書きなどを 比較 的簡単 に
辞書 ができ ますので 、「 分かち 書 き ノー ト」代わりに 使っていただけれ ば、だん
だん BAS Eが 便利 な ツール になるでし ょう 。
左寄 せ・ センタリング ・右寄 せ ‥‥‥ ‥「左寄 せ」を点訳 で使 うこと はあまり
ないと 思い ます 。「 センタリング 」 は、 、例えば 中央 12 マス の 区切り 棒線 、第
○○ 巻終わ り、 扉 の 著者名 や 書名 、 など 、中央 に書かなければならない 文字 を、
あらかじマ ス数 を 数 えて 必要 な 空白 を自 分で入れることなく 簡単 に中央 に書くこ
とができま す。「 右寄 せ 」では 、 例 えば 、
カイセツ
ヤマダ
タロー
と書 くよう な場合 、 解説者名 を 行末 に書 くわけですが 、こんな 時 に便利 に使える
と思 います 。
ページ 削除 ‥‥‥‥ 今までの バージ ョン では 、「 1行削除 」 を何回 か押すか 、
あるいは「 コントロールキー を 押 しなが ら[Y] キー を押し続ける 」こ とによっ
て連続行の 削除 を 行 って 今したが 、 ペー ジ単位 の削除 ができるようにな りました 。
分冊 がまず かったのでやり 直 す 時 など、 特に便利 に使えると 思います。
インデン ト‥‥‥‥ 段落全体 を 、 ある いはいくつかの 段落 かに 渡って 、全体 を
通常 より2 マス ずつ 下 げて 書 かなければ ならないような 時がたまにあり ます 。今
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までは 画面 を見 ながら 行末 を 確認 して、 書く行頭 に2マス のスペースを 入力 しな
ければなり ませんでした 。これは 大変め んどうです 。新バージョン では 、とりあ
えず 何 も考 えずに 通常 のように 入力 した 後、ある 行からある 行までをす べて 2マ
スずつ 下げ る、 と 言 う 作業 が 簡単 にでき るようになりました 。引用文な どを 通常
より 2 マス ずつ 下 げて 書 かなければなら ないような 本の点訳 には 、大変 威力 を発
揮すること でしょう 。 この 時下 げの 単位 は、別に2マス に限ったことで はなく 、
行頭何 マス ずつでも 簡単 にインデントで きます 。
その 他、 細かい 点 はいくつかあるよう ですが 、今のところわかってい る大きな
点はそんな ところかと 思 います 。 新 しい 版が公開 されましたらお 知らせ し、ご希
望により順 次バージョンアップ をして行 きさすので 、今しばらくお 待ち 下さい 。
お知ら せ
校正表から
今回 は「 図」 についてのお 願 いです。
点訳 にあ たって 、 原本 の「 図 」 を 省略 することはよくあります 。それ が、文章
で説明 され ている 事柄 を 、より 〈 視覚的 に〉分かり 易くするための 図で ある 場合
は、 点訳し てもほとんど 意味 がありませ んし 、極端 な場合 、点図 がある ことで 内
容理解 がか えって 妨 げられてしまうよう なケース もままあります 。また 、「 地
図」 のよう に必要 とは 思 えても 点訳 でき ないものも 多くあります 。
「 図 」を 省略 される 場合 、 例 えば 「図 のように 」「 図○× 参照 」「図 から 明ら
かなように 」などと 言 った 、「 図 」 関連 の本文 の一部 も一緒 に省略 され るケース
があるので すが 、 これはしないでいただ きたいと 思います 。一応本文は 原文通 り
点訳 してい ただいた 上 で 「図 を 省略 した 」
旨を点訳者注 として 挿入し ていただ
きたいので す。 また 、 原本 に 大変図 が多 く、しかもその 全部 を省略 する 場合 には 、
点訳書第1 巻の 最初 に 「 点訳者凡例 」あ るいは 「点訳者 から 」「 点訳に あたっ
て」 などの 項をもうけ 、 そこに 書 いてい ただいても 結構 です 。
いずれに しても 本文 の 一部 を 省略 して しまったり 、書き換えてしまっ たりと 言
うことはし ないようにお 願いします 。
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パソコ ン講座
BE がバ ージョンアップ され BESに なり 、このたび BASE がバー ジョンア
ップ される 予定 です 。 また 、 世 の 中 、マ ルチメディア が叫ばれ 、 Windowsソフト
が急激 な勢 いで 増 えています 。 新 しいソ フト を導入 したり 、自分 なりに 使い勝手
を良 くしよ うとすると 、 パソコン や ソフ トに関する 知識 が必要 です 。
今 は 、必 要ないと 思 っている 方 も 、必 ず必要 となる 時が来ることでし ょう 。時
間があれば この コーナー も目 を 通 して下 さい 。面白 く、分かり 易 く書か れていま
す。
○バ ッ チ フ ァ イ ル と は
DIR コマ ンド で ディスク の 中 を 覗 くと 、AUTOEXEC.BAT という ファイルがあると
思います。 この ??.BAT と書 かれた ファ イル は自動実行 ファイル と呼ば れるもの
でファイル の中 に 書 かれた コマンド を上 から 順番 に実行 していってくれ ます 。
AUTOEXEC.BAT( オートエグゼック ・バ ッチ )ファイル はMS-DOS が立ち上
がったとき に自動的 に 読 み込 まれ 実行さ れる ファイル です 。例えば
COPY A:ATOK.DIC C:
JXW
と AUTOEXEC.BAT ファイル に 書 かれてい れば 、A ドライブ の ATOK.DIC をCドラ
イブ に コピ ーした 後 、 一太郎 が 起動 しま す。また 、
DATE
TIME
123
と AUTOEXEC.BAT ファイル に 書 かれてい れば 、日付 と時刻 を確認 した後 ロータス
1- 2 -3 が起動 します 。
バッチフ ァイル は エディタ ( その 項参 照)などで 作成 して 使います。
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○ハ ン グ ア ッ プ と は
トラクタ ーが 暴走 ( コンピュータ の世 界でも 同じ言葉 が使われていま す)して
しまったり 、農協 の 職員 が訳 のわからな いことをやみくもに 進めてしま い、どん
な指示 も受 け付 けなくなってしまったよ うな 状態 を言います 。
どの キー 入力 に 対 しても 反応 がなくな り、画面上 はカーソル が 点滅し たままか 、
同じ 画面の まま 動 かなくなってしまいま す。
原因 はい ろいろ 考 えられますが プログ ラム のミス (バグ と言います) が多く、
これは 使う 側にとってはどうしようもな いのですが 、最近 はメモリーを 大量 に使
うソフトが 増えてきたため メモリー が足 りなくなり 突然起 こる 場合 も増 えてきま
した 。 また 常駐 ソフト ( その 項参照 )を 入れすぎると 起こることもよく あります 。
この 状態 になったら リセット ( その項 参照 )するか 、電源 を切 る以外 方法 があ
りません。 パソコン は 完成 された 機械で はないので 、こういう 現象 はし ばしば 起
こります。 パソコン が 壊 れたわけではな いので ハード 的な損失 は 無いの ですが 、
ワープロな どで 文章 を 作成中 にこの 状態 になるとそれまでに 作った 部分 がすべて
パー になり ます 。
ですから 、長 い 文章 を 入力 したり 膨大 なデータ を入力 する 場合 は、途 中でこま
めに セーブ しながら ( それも 仮想 メモリ にではなく 、フロッピーディス クやハー
ドディスク に) 作業 を 進 めることをお勧 めします 。
○リ セ ッ ト と は
農協 の中 や田畑 が 混乱 してきたり 新た に全く別の作業 を始めるような 場合 に、
農協 の 職員 やお 百姓 さんを 一旦家 に 帰し 、再び翌朝 から 正常業務 に入る ようなこ
とです 。
主記憶内 容を クリア し 、メモリ の チェ ック をやり 直し、電源 を 投入し た時のよ
うに 全 て最 初から コンピュータ を 立 ち上 げ直します 。
日電 とそ の互換機 の デスクトップ 機に は、前面 にこのための リセット スイッチ
があります 。IBM 系 や ノート 系 では、 CTRL+ALT(GRPH)+ DEL と3つのキー を同
時に 押 すと リセット されます 。
*リ ブ ー ト と は
おおむね リセット と 同 じ事 です 。 ただ 、メモリチェック をし 直 さなか ったり 、
主記憶 の内 容が 保護 される 場合 もあり、 再起動 にかかる 時間 がリセット よりずっ
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と短 くなっ ています 。
どういっ た場面 で 使用 されるかと 言い ますと 、FEP( その 項参照) を切り替
えたいとか 、その 他 の デバイスドライバ を切り替えたいとか 、DOS/ Vで日英
モード を切 り替 えるとかといった 場面で 、CONFIG.SYS を所望 のものに 書き換える
などしてか らリブート するわけです 。
リセット はハード 的 に スイッチ を 入れ て行ないますが 、リブート はそ れ用のプ
ログラムを 起動 して 行 ないます 。
**
植えろ作物(ファイル)
**
*拡 張 子 と は
ファイル 名の 後 ろについている 3 文字 (3文字以下 なら 何文字 でもよ いが )の
ことを 拡張 子と 言 います 。この 3 文字は 野菜 でいえば 色にあたります。 赤なら ニ
ンジン 、白 なら ダイコン 、緑 なら キュウ リというふうに 色で大体 それが どんな 野
菜か 分 かる でしょう 。 つまり 拡張子 とは この ファイル がどういう 種類の ファイル
かというこ とを 表 しています 。
例 えば BAT とついている ファイル はバ ッチファイル といわれる ファイル ですし 、
EXE、 COM とついている ファイル は 実行型 ファイル と呼ばれ 、アプリケーションソ
フト の 本体 はたいていこの 型 の ファイル です 。
良 く 使わ れているものを 以下 に 紹介し ます 。
.SYS
:「 システム 」ファイル と呼 び、畑の構造 に関する ファイル です 。
.COM
:「 コム 」 ファイル と 呼 び、 実行型 プログラム が書かれてい ます 。
.EXE
:「 エグゼ 」 ファイル と 呼び 、これにも プログラム が 書かれ ています 。
.BAT
:「 バッチ 」 ファイル と 呼び 、簡単 なプログラム が読 める形 で書かれ
ています 。( バッチファイ ルの項参照 )
.TXT
:「 テキスト 」ファイル と呼 び、標準的 な文字 で書かれたも のです 。
.BAK
:「 バックアップ 」 ファイル と呼び、新しい ファイル を作る 際に同名
の ファイル をこれに リネー ム(REN の項参照 )して 保存 する 事が
あります 。
.DIC
:辞書 ファイル です 。
他 に 、各 社の ユーティリティソフトが データ を保存 する 場合 に 使う、
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.JSW
:一太郎 Ver.4 文書 ファイル
.JSH
:花子図形 ファイル
.WJ2
:日本語 ロータス 1 - 2 -3 ワークシートファイル
.BUN
:松 文書 ファイル
.DBF
:dBASE データベースフ ァイル
などの 独自 のものもあります 。
◎デ ィ レ ク ト リ と は
畑 に 雑然 といろいろな 作物 が 植 わって いるとお 百姓 さんは 非常 に毎日 の作業 が
しにくいで しょう 。 そのためこの 畑 をど こに 何が植わっているのか 一目 見て分か
るように畑 の区画整理 をします 。 この区 画がディレクトリ です 。 春にな る作物 を
「春物 」の 区画 に 、 秋 になる 作物 を 「秋 物」の区画 に植えておけば 分か りやすい
畑となるは ずです 。
「 春物」 、「 秋物 」 が ディレクトリ名 です 。
ディレク トリ を 作 るには MD( メイク ディレクトリ )コマンド を使い ます 。例
えば 「 春物 」という ディレクトリ を 作る には
A>MD 春物
と入力 しま す。
いちばん 元になる ディレクトリ を ルー トディレクトリ と言い、 だれだ れさんの
畑というこ とになります 。例 えば A ドラ イブ さんの 畑なら A:\ となります 。\ マ
ーク が ディ レクトリ を 表 すマーク です。
先 ほどA ドライブ には 「春物 」 と 言う 区画 を作りましたので 、 ここに 植えた ニ
ンジン はA ドライブ の 春物 の 中 にあるニ ンジン ということで 、A:\春物 \ニンジン
と表 されま す。
この 「春 物」 と 言 う 区画 は 、「 ルート ディレクトリ 」に対して 「サブ ディレク
トリ 」 と呼 ばれます 。 そして 「 春物 」の 中にさらに 「ニンジン 」、「タ マネギ 」、
「ゴボウ」 等の サブディレクトリ を 作る 事が出来 ます 。
A>MD \春物 \タマネギ
とすると、 春物 の 中 に 更 に「 タマネギ」 という 区画 ができます 。 この区 画にニン
ジン を 植え てしまうと 、 この ニンジンは
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A:\春 物\タマネギ \ニンジン
と表記 する ことができます 。MS-DO Sでは 同じディレクトリ 内に同 じ(同
名)
ファイルは 存在 できませんが 、 このよう にディレクトリ を替える 事によ り同じ名
前の ファイ ルを 作 る 事 ができます 。 また これはこれは 先ほどの
A:\春 物\ニンジン
で表 される ニンジン とは 別の ニンジンで あることが 、名前 を見ただけで すぐにわ
かりますね 。
しかし、 この 関係 は 言葉 で 説明 するよ り次のような ツリー (樹 )構造 で見た方
が直感的に は理解 し 易 いでしょう 。
A:\--------COMMAND.COM
|
CONFIG.SYS
|
AUTOEXEC.BAT
|
その 他 いろいろ
|
|----\春物 --------ゴボウ
|
|
ニンジ ン
<-------------------------|
|
|
キュウ リ
|
|
その他 いろいろ
|
|
|
|----\タマネ ギ--------タマネギ
|
ニンジン
|
同じ作物名であって
も存在場所の違いで
区別 できる
<--------|
|----\夏物
|
|----\秋物
○C D と は
内部 コマ ンド に CD( CHANGE DIRECTORY)というものがあります 。こ れは 、今
いる 自分の 場所 を 別 の 場所 に 変 えること が出来 ます 。
例 えば、 今いる 場所 が Aドライブ のル ート であるとして 、
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A>CD \春物
とすると、 自分 が 「 春物 」という 区画に 移動 したことになります 。
あるいは 、ルート から 直接 、
A>CD \春物 \タマネギ
として 、「 春物 」 区画 の 中の 「 タマネギ 」区画 に移動 することもできま す。
今 、 \春 物\タマネギ に 移動 しました。 ここで 1つ上の「春物 」 に移り たい 時は 、
A>CD \春物
としても良 いのですが 、 親ディレクトリ を示す「..」を利用 して 、
A>CD ..
でも 戻 れま す。 この 「 CD ..」 という コマ ンド は 「1つ上の ディレクトリに戻る」
という 意味 を持 ちます 。 もちろん
A>CD \
とすれば、 どこからでも 一気 に ルートに 戻ることが 出来 ます 。
○D I R と は
ディスク は畑 と 違 って 中が 見 えません 。中にある ファイル やディレク トリ を見
るためのコ マンド が DIR コマンド です。
A>DIR
でA ドライ ブの ディスク の中 が 見 られま す。B ドライブ の中が見 たけれ ば
A>DIR B:
とします。 また 同 じ ドライブ の 違 う ディ レクトリ の中身 を見たいときは (A ドラ
- 19 -
イブ の 中の タマネギ という ディレクトリ の中を見ます )
A>DIR A:\タマネギ
または
A>CD \タマネギ
A>DIR
と入力 し、 一旦自分 のいる 場所 を 「 タマ ネギ 」サブディレクトリ に移し てからそ
この ディレ クトリ を 見 るという 手 もあり ます 。
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追加データ
ニュース
- 操作方法 は 簡単 です 、ぜひ 使って 下さい -
1993年に 発刊 された 朝日新聞 、 日本経 済新聞 の記事 の中で、人名 にカ ナのつい
ていた デー タが 検索 できます 。 主 に 物故 者と政治家 、行政官僚 、 企業経 営者 ご主
です 。 引き 続き 1994年度 を入力 してゆき ます 。人名 に関してはまだまだ 力不足 で
すが 、 徐々 にデータ 量 を 増やして 、 実用 的なものにしてゆきたいと 思っ ています 。
また 、CD -ROM、 電子 ブック などの 他の媒体 の利用 なども 検討 し、 点訳 に役
立つものと なるよう 考 えています 。
◇地 名 ・ そ の 他 の 固有 名詞
元号名 /年中 行事 /漢方 医学関 係
郡名 / 市区町 村名 / 山名 / 河川 名
用語 / 植物名 /鉱 物名 / 四字熟 語
/ 外国 名 / 外 国都 市名 / 駅名
/馬術 用語 / 歴史 用語 / 暦
◇人 名
◎登 録辞書 (登録 中 も 含む)
戦国人 名 / 劇 画家 名 /相 撲人名 /
『 河川 よ みかた 辞典 』日外 アソシエーツ
天皇名 /外国 人名 / 現在 の 衆議 院
『 人物 フ ァイル '93』樺山 紘一 ほ か
議員名 /現在 の閣 僚名 / 外国駐 在
『 戦国人 名辞典 』高 松年一 ほか
大使名
『 日本史 用語 の 基礎 知識 』 武光誠
『 郵便番 号簿 』 郵政 省
◇そ の 他
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【新編集委 員紹介 】
今年 は『 厄年 』 だと 思 っていたら 『役 年』になってしまいました 。マ ンション
の理事 、そ して 、 今回点訳通信 の 編集委 員を引受 けることになりました 木下正義
です 。
点字板で の点訳 からもう (?) 4 年目 になりますが 、うん ?・ ええ? の毎日 で
す。 みなさ んはどうですが 、 あなたが迷 ったり 悩んでいることは 、他の 人も同じ
ように 思っ ているはずです 。 新 ボランテ ィア の人も加わりますから 、ど んな 初歩
的な 疑問で も結構 です 、 どんどん 編集部 に連絡 を!
シャイな 鴻農 ( こうの )さんのあとを 受けて 、大先輩 の清水 さん ・有 馬さん 、
そして 、森 さん ・ 木村 さんと 共 にわかり やすく 役立 つ情報 を提供 してい こうと 思
っています ので 、 どうぞよろしく !
( 木下
正義 )
お知ら せ
IBM製品の福祉割引
日本 アイ ・ビー ・ エム では 、 障害者と 障害者 に関係 する 施設及 び点訳 ボランテ
ィア に 対し て、 福祉割引 を行 っています 。割引率 は販売代理店 によって 、多少差
はあります が、 兵庫県 の ボランティアグ ループ 「点V連」では 45 %引 きで 購入
されている そうです 。 一般的 に 新製品は 割引 が少ないのですが 、 この制 度を利用
すると 旧製 品、 新製品 にかかわらず 、同 じ割引率 ですので 大変 おとくと 思われま
す。
購入 に際 しては 、 ボランティア である 証明書 が必要 です 。必要 な方は 、当方 で
発行 します ので 係 までお 尋ね 下 さい 。
また 、点 訳ソフト 「BE」 の バージョ ンアップ 版「BES」( 定価3 万円 )も
この 制度で は、 17 , 000 円 で 購入で きます 。DOS/V 機で 図表の 処理 をさ
れる 方 は一 度検討下 さい 。
- 21 -
×
○
掲 示 板
×
○
◆作 業スタッフ 募集 !
毎 年、 点訳 に 伴 う作業 が 複雑に なってきました 。校正用 の墨点 字
の 打ち 出 しや 、 点字 の 打 ち 出し 、「 てんやく 広場 」への データ ッ
の アプ 、 製本 の 発注 、 貸出用フ ロッピー 図書 の複製 ‥‥ 等など 。
さ らに 墨字用紙 の張 り 合 わせや 、細かな 作業 が多く、1 人で対 処
す るには 限界 にきています 。そ こで 月に1~2回作業 を 手伝っ て
い ただける 人 を 募集 しています 。
◆資 源節約 にご 協力 を !
点 字の 校正用用紙 は 、 裏表使用 しています 。各人 の打ち 出し量 は
少 しでも 、 全 ボランティア の使 用する 紙の量は莫大 な量 になり ま
す 。そこで 表面 だけ 使用 した用 紙は回収 し、裏面 を利用 できる よ
う にセロテープ で張 り 合 わせて います 。ご面倒 ですが 片面 だけ 使
用 した 用紙 の 回収 にご 協力 お願 いします 。
◆点 訳グループ の 皆様 へ
グ ループ で パソコン 点訳 された 図書 がありましたら 、てんやく 広
場 にアップ させていただきます 。てんやく 広場 では 電話回線を 通
じ て広 く 、 点字図書館 や 公共図 書館 、また 、視覚障害者 が直接 点
字 データ を 入手 する 事 ができま す。せっかく 出来 たデータ を眠 ら
せ ておく 手 はありません 。
但し 、 校正 がなされているも の。図書 の全文 が点訳 されてい る
も の( 部分点訳 は不可 )。 図書 であること (パンフレット など 一
過 性のものは 不可 ) が 条件 です 。
詳しくは 点字製作係 へ 。
◆点 訳に 関 して 何 かお 困 りのこと はありませんか ?
点訳 に 関 しての 質問 を 受 け付 けています 。直接 、職員 や各週 の
世 話役 ( 斎藤 、 沢田 、 清水 、古 谷さん )にお 尋ねになってもい い
で すし 、 質問箱 (ピンク の 箱) に入れていただいても 結構 です 。
質問箱 に 入 れていただいた質 問は、本誌 「Q&A」 などの欄 で
回 答させていただきます 。
◆夏 休みの 計画 はたてましたか
毎年 、 夏 は 点訳量 が 減 る 季節 。暑い中で点訳 もなかなか 進ま な
い ものです 。 でも 教科書 は 待っ てくれません 。また 、読書 の秋 も
ひ かえています 。ほどほどに点 訳の方もご 協力下 さい 。
大いに 遊 んで 、少 しは 点訳を !
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