-運河-

ほっと一息
水辺の旅シリーズ
-運河-
6月21日は「夏至の日」。昼が最も長いこの日を
<運河を使ったクルーズ>
祝い、1985年にパリで始まった「音楽の祭日」が世
ベルギー第3番目に大きな都市、ゲント。首都ブリ
界300都市以上で開催された。音楽を通じて世代や
ュッセルから西へ50kmほど離れ、列車で30分と近
民族、宗教を超えて交流するイベントで、日本も13
い。園芸が盛んで、「花の都」とも呼ばれている。また、
年前から関西で始まり、今年は祇園四条駅に近い京
100名ほど乗船できる運河クルーズも人気だ。乗船
都の「町家」が会場の一つとなった。鴨川横を流れる
客は6月の温かい天候に恵まれ、1時間少々の水辺
高瀬川に面して建つ町家に招かれ、国内、海外の水
の旅を楽しんでいた。街の中心地を流れるレイエ川。
辺を紹介しながら、オリジナル曲の弾き語りで「音楽
中世から近世にかけ、ゲントでは川や運河を利用し
の祭日」を祝った。
た水運と商業が発展。現在はこの水の道を使ったク
ルーズは大きな観光収入源となっている。
<高瀬川と欧州の運河>
最近は蛍も飛び始めたという高瀬川。今年は開削
400年を迎え、様々なイベントも開催されている。か
つて、江戸時代初期に京都の中心部と伏見を結ん
だ物流用に作られた高瀬川。窓越しにこの川を見な
がらの公演は、する側も聴く側も、水辺のそばとあっ
て心地よい。公演では、2年前の6月に取材と現地
公演で訪れたオランダ・アムステルダム、ベルギー・
ゲントやブルージュの運河を紹介しながら進行。アム
ステルダムでも、昨年は運河開削400年を迎えた。
高瀬川と欧州の水辺に思いを馳せながら、運河の魅
車と船と自転車。アムステルダムの運河で
何度も出合う被写体だ。
力を探ってみた。
「音楽の祭日」の会場になった町家と高瀬川
移動せずに景色が流れ、楽しめる。
運河クルージングの魅力だ。