黄綬褒章の伝達 ( 本悟美氏) 平成27年春 消防関係褒章伝達式 消防機器関係の7名が受章 平成27年春の褒章伝達式(消防関係)は、5月15日㈮午前11時15分からスクワール麹町(東京都千代田 区)において開催された。 今回の消防関係の受章者は、紅綬褒章1名、黄綬褒章6名、藍綬褒章84名の計 91名である。 受章者のうち、紅綬褒章は、災害現場等において自己の危険を顧みず人命救助に尽力した者、黄綬褒章は、 永年にわたり消防機器の研究開発及び製造販売業務や消防設備保守業務等に精励するとともに業界の発展に 大きく寄与した者、藍綬褒章は、消防団員や婦人(女性)防火クラブ員として永年にわたり消防防災活動に献 身的に努力し、消防の発展に大きく寄与した者を対象としている。 一般財団法人日本消防設備安全センターから上申した 本 武 氏(株式会社ハツタ広島取締役会長)、川口 光夫氏(川口電気株式会社取締役会長)、吉村隆彦氏(鳥取防災株式会社代表取締役)は黄綬褒章、渡邊二郎氏 (元社団法人島根県消防設備保守協会会長)は藍綬褒章を授与された。 また、一般社団法人全国消防機器協会から上申した笠原宏文氏(株式会社山田製作所代表取締役会長)、 本悟美氏(モリタ宮田工業株式会社顧問)、富永 護 氏(和泉防災株式会社代表取締役社長)は黄綬褒章を授 与された。 本氏は、昭和19年生まれ。昭和41年株式会社初田消火器広島販売 所に入社し、爾来、消防防災製品の販売、工事、整備、維持管理の業務 に精励している。昭和60年に代表取締役に就任、経営の責任者として自 らも消防関係法令に精通し会社の規模を拡大し、現在は広島県内でも 有数の高い技術力を誇る総合消防防災企業に発展させた。 また、氏は防火対象物関係者の育成、消防用設備等点検結果報告書 の信頼度の確保、点検事業者の地位向上を図るため、協会職員が点検 現場に出向して防火対象物関係者に立会の助言をする「消防用設備等 の点検業務立会制度」を立案し、平成26年にその業務を開始した。当該 制度は消防機関、防火対象物の関係者等から大きな期待を寄せられてい る。これらの各種の協会業務は、会員事業所、消防機関、防火対象物の 関係者等からも高い評価を受けている。 これらの功労に対し、平成21年に安全センター理事長表彰、平成24年 黄綬褒章 54 「月刊フェスク」15.7 本 武氏 に消防庁長官表彰 (消防設備保守関係功労) を受賞している。 川口氏は、昭和15年福井県生まれ。会社勤務の後、消防設備に係る知 識・技術を研磨して、昭和45年に川口電気商会を設立、同年に会社を 法人化して代表取締役に就任した。爾来永年にわたり、消防防災製品 の販売並びに消防用設備等の工事、整備、維持管理の業務に精励し、福 井県でも有数の優良総合消防防災企業に発展させた。 また、平成15年には福井県内の消防設備業者の中ではいち早くISO 9001の認証を取得し、日常業務を的確に遂行するとともに、継続的な業 務改善を推進して高品質な商品を提供するとともに、消防用設備等の設 計、施工、維持管理に係る業務について高い信頼と高品質のレベルを確 保してきた。なかでも、高い技術力と技能を必要とされる発電所内の消 防用設備等の設置及び点検整備においては、その蓄積された技術は県下 随一であるといえる。 これらの功労に対し、平成8年に安全センター理事長表彰、平成19年 に消防庁長官表彰 (消防設備保守関係功労) を受賞している。 黄綬褒章 川口 光夫氏 黄綬褒章 吉村 隆彦氏 藍綬褒章 渡邊 二郎氏 吉村氏は、昭和27年鳥取県生まれ。昭和45年株式会社ニッタン鳥取 営業所に入社以来、一貫して消防防災業界に身を置き、消防用設備等 の設計及び施工並びにその維持管理や消防防災用品等の販売業務等に まい進。現在では自動火災報知設備等の警報設備、救助袋、誘導灯等 の避難設備、スプリンクラー設備等の消火設備等、防災用機器の普及と 設置拡大、消防法に基づく火災予防思想の普及啓発等に積極的に努め ている。 また、消防法に基づき、消防用設備等の定期点検報告制度の点検報 告業務を事業に組み入れ、鳥取東部地域を中心に、不特定多数の人々が 利用する防火対象物に設置されている消防用設備等の点検業務を行う だけでなく、関係者及び利用者に消防用設備等の維持管理の重要性及 び必要性を呼び掛け、それら設備等の適正な維持管理に努めてきた。 これらの功労に対し、平成14年に安全センター理事長表彰、平成24年 に消防庁長官表彰 (消防設備保守関係功労) を受賞している。 渡邊氏は、昭和15年鳥取県生まれ。昭和33年陸上自衛隊米子駐屯地 に入隊、定時制高校に通いながら、昭和38年同自衛隊を退職するまで、 任務に精励した。その後、将来の生業を地域社会に貢献できる火災予防 や防災に関係する仕事と見定め、昭和38年、地元にある山陰防災商事有 限会社に勤務し、消防用設備等の工事・整備維持管理に係る知識と技 術を習得、念願の個人企業の出雲防災商事を設立し、消防防災製品の 販売、工事、整備、維持管理の業務に精励した。 昭和50年会社法人化に伴い、代表者から代表取締役社長に就任。消 防用設備等の設計・施工、保守点検等総合消防設備業として消防防災 機器の普及、消防用設備等の適正な設置と維持管理等に心血を注ぎ、 地域の防火・防災体制づくりに多大な貢献をしており、市民及び県内の 市町村、各消防本部及び関係団体等からも高い評価を受けている。 これらの功労に対し、平成8年に安全センター理事長表彰、平成24年 に消防庁長官表彰 (消防設備保守関係功労) を受賞している。 「月刊フェスク」15.7 55 笠原氏は、昭和27年長野県生まれ。昭和60年、消防・防災資器材の 開発・製造・販売を行う株式会社山田製作所に勤務し、以来30年にわ たり主として消防・防災資器材の開発・製造等に携わり、業務の改善、 新製品の開発・製造を通じて、社業並びに業界の発展に寄与してきた。 主として、管そうのスェージング加工の自動テーパー加工機の開発、 結合金具の刻印をプレス機による打刻方法を業界で初めて導入、消防用 接続器具、呼称150の大口径結合金具、オールステンレス製送水口・採 水口の開発、製品化等を行っている。 さらに、 日本消防放水器具工業会理事として、 送水口の登録認定業務、 消防用ホース及び結合金具耐久年数研究、易操作性1号消火栓ノズル 部分の反動力に対する実証実験、 基準化、 結合金具の曲げ荷重の試験、 「大 容量泡放水砲用ねじり式結合金具」基準化の検討などに参画し、工業会 の発展に貢献している。 黄綬褒章 笠原 宏文氏 これらの功績に対し、平成8年に全国消防機器協会会長表彰、平成 18年に消防庁長官表彰 (消防関係業界功労) を受賞している。 本氏は、 昭和26年奈良県生まれ。昭和45年、 森田ポンプ株式会社 (現 モリタ宮田工業株式会社)に入社以来、約45年にわたり、消火器等の消 防機器等の販売・設置工事、維持管理等の業務に従事している。 さらに、平成13年からは、株式会社モリタユージー取締役社長に就任 し、それまでの広い営業に係る知識、経験と技術における積極性、指導 性をもって、主として環境対策を向上させた製品の開発、高齢化社会を 念頭に、より設置しやすい消火設備等の開発、製品化に尽力し、その製 品の普及に努めた。 平成13年から約8年間、日本消火器工業会の理事として、 「消火器リ サイクルシステム」の構築、老朽化消火器の破裂等による危害防止対策 等、東日本大震災における被災消火器の回収・処理などの事業を推進し、 消火器業界の健全な発展に寄与した。 これらの功績に対し、平成10年に日本消火器工業会会長表彰、平成 黄綬褒章 本 悟美氏 12年に全国消防機器協会会長表彰、平成17年に消防庁長官表彰(消防 関係業界功労) を受賞している。 富永氏は、昭和12年生まれ。昭和30年に早川電機工業株式会社 (現・ シャープ株式会社)に入社、さらに昭和38年に消防機器製造企業に入社 し、その後昭和51年に消防施設工事、消防機器等の販売、保守点検等の 事業を行う和泉防災を創業し、昭和54年に株式会社として設立、代表取 締役に就任している。 消防設備士資格を昭和41年に全種類 (甲種1類から5類まで、乙種6 類及び7類)取得し、大阪府を中心とする近畿圏内において営業、販売 活動等を行っている。 また52年以上の間、消防業界人として活躍しており、大阪府消防設備 協会、全国消防機器販売業協会及び各消防関係団体等に加入し、それ ぞれの協会、 組合の役職を歴任するなど、 推進拡充に協力し貢献している。 これらの功績に対し、平成14年に全国消防機器販売業協会理事長表 彰、平成17年 に全国消防機器協会会長表彰、平成20年に消防庁長官表 黄綬褒章 56 「月刊フェスク」15.7 富永 護氏 彰 (消防関係業界功労) を受賞している。
© Copyright 2024 Paperzz