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2016 年第 1 四半期ベトナム経済事情

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2016 年第 1 四半期ベトナム経済事情
2016 年 4 月
在ベトナム日本大使館経済班
(注)本資料の記載情報は,信頼できると考えられる情報源等をもとに作成しておりますが,その
正確性・完全性を保証するものではありません。また,記載された数値,意見,予測等は,作成時
点のものであり,今後予告なく変更されることがあります。
1 経済成長の動向
越統計総局が発表した速報値によると,2016 年第 1 四半期の経済成長率は 5.46%となり,前年同期
の 6.12%を下回った。部門別の成長率をみると,農林水産業が-1.23%(農業:-2.69%)
,鉱工
業・建設業が 6.72%(製造業:7.9%,鉱業:-1.2%)
,サービス業が 6.13%となった。製造業は
好調を維持しているものの,2015 年第 1 四半期と比較して,原油安の影響により鉱業がマイナス成
長となり,また,1-2 月期の北部での寒波の影響による収穫物の被害や家畜の凍死,昨年末以来か
ら続く中部高原及びメコンデルタ地域で続く干ばつや塩害により農業もマイナス成長となり,これ
らのセクターは困難に直面していることがわかる。政府は 2016 年の経済成長率の目標を 6.7%とし
ている。
近年の第 1 四半期経済成長率(%)
2013 年
2014 年
2015 年
2016 年
合計
4.89
4.96
6.12
5.46
農林水産業
2.24
2.37
2.14
-1.23
2.03
1.91
1.54
-2.69
4.93
4.69
8.35
6.72
鉱業
2.10
-2.90
6.70
-1,20
製造業
5.40
7.30
9.51
7.90
建設業
4.79
3.40
4.40
9.94
サービス業
5.65
5.95
5.82
6.13
小売り
4.98
5.61
7.11
7.52
ホテル・レストラン業
7.56
7.58
5.90
4.75
不動産業
1.72
2.43
2.55
3.43
農業
鉱工業・建設業
(データ:越統計総局)
2 物価等の動向
第 1 四半期の CPI 上昇率は対前月比 1.69%増,対前年同期比 1.25%増,対前年末比 0.99%増
となり,対前月比で 5 か月連続上昇した。3 月から医療費及び公立学校の授業料が引き上げら
れたことが対前月比での比較的大幅な増加要因となった。他方,コアインフレーションは前月
1
比 0.09%減となっており,部下上昇は比較的抑制されていると言える。項目別にみると,値上
げとなった医薬品・医療は対前月比 24.34%増,教育費は同 0.74%増となった一方で,タクシ
ー会社各社が運賃の値下げを行ったことで,交通が同 3.64%減となった。昨年より下落が続い
ていたガソリン小売価格は,3 月 21 日昨年 10 月以来の値上げが実施されており,交通の価格
下落には一服感もみられる。政府は物価上昇率を年平均で 5%以下に抑制することを目標にし
ている。
消費者物価指数の上昇率(対前年同月比)
25.00
20.00
15.00
10.00
5.00
1月
3月
5月
7月
9月
11月
1月
3月
5月
7月
9月
11月
1月
3月
5月
7月
9月
11月
1月
3月
5月
7月
9月
11月
1月
3月
5月
7月
9月
11月
1月
3月
0.00
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
(データ:越統計総局,注:最新月は暫定値。
)
3 為替の動向
2016 年より,対米ドル銀行間公定レートの新しい算定基準を導入し,公定レートは頻繁に調整
されることになった。テト前から若干のドン高傾向になり,2016 年 3 月末現在,1 ドル=22,350 ドン
前後と推移している。3 月 24 日,国家銀行はベトナムの外貨準備高が昨年末時点の 370 億ドルから
400 億ドルに増加したことを明らかにした。第 1 四半期の貿易額でみると,輸入額の約 3.2 か月分に
相当する。
為替の動向
22,800
22,600
22,400
22,200
基準値
店頭価格(Selling, Vietcombank)
取引バンド上限
22,000
21,800
21,600
21,400
21,200
1/5
1/16
1/29
2/11
3/4
3/17
3/30
4/10
4/23
5/12
5/25
6/5
6/18
7/1
7/14
7/27
8/7
8/20
9/3
9/16
9/29
10/12
10/23
11/5
11/18
12/1
12/14
12/25
1/8
1/21
2/3
2/23
3/7
3/18
3/31
21,000
2015
2016
2
4 貿易収支の動向
貿易動向
第 1 四半期の貿易額は,輸出金額は携帯電話・同部品の輸出が好調だったこと等により対前年同
期比 6.6%増の 387.7 億ドル,輸入金額は主要輸入品の多くの項目が減少したこと等により同 4%
減の 374.1 億ドルとなり,貿易収支は 13.6 億ドルの黒字となった。近隣諸国などが対前年同期
比で輸出額の減少に直面しているなかで,比較的好調を維持している。ベトナム政府は,輸出
増加率 10%,貿易赤字を対輸出額の 5%以下に抑制することを目標に掲げている。
月別貿易動向(百万ドル)
16000
2000
14000
1500
12000
1000
10000
500
0
6000
-500
4000
-1000
2000
-1500
0
-2000
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
8000
2014年
2015年
輸出
輸入
2016年
貿易収支(右軸)
輸出

外国企業を中心とした携帯電話・同部品(前年同期比 24.2%増)の輸出金額が引き続き増加
している一方,国際的な価格が低水準で推移する原油(同 47.2%減)
,石炭(同 91.0%減)
が落ち込んだ。他方,昨年は減少したコーヒー(同 6.1%増)コメ(同 38.5%増)
,水産物(同
5.2%増)といった農水産品の輸出金額は回復しつつある。

2015 年第 1 四半期の主要輸出品目は,①携帯電話・同部品 82.7 億ドル(前年同期比 24.2%
増),②縫製品 51.3 億ドル(同 6.5%増),③PC・電子機器・同部品 37.3 億ドル(同 4.9%増),
④履物 27.9 億ドル(同 9.6%増),⑤機械設備・同部品 21.1 億ドル(同 16.0%増)
。

主要品目別,主要相手国・地域別の動向は下図のとおり。
輸出動向(主要輸出品目別:百万ドル)
4,000
3,500
縫製品
3,000
携帯電話・同部品
2,500
原油
2,000
1,500
履物
1,000
PC・電子機器・同部品
500
水産品
Jan-14
Feb-14
Mar-14
Apr-14
May-14
Jun-14
Jul-14
Aug-14
Sep-14
Oct-14
Nov-14
Dec-14
Jan-15
Feb-15
Mar-15
Apr-15
May-15
Jun-15
Jul-15
Aug-15
Sep-15
Oct-15
Nov-15
Dec-15
Jan-16
Feb-16
Mar-16
0
3
輸出動向(主要相手国・地域別:百万ドル)
3500
3000
対米輸出
2500
対EU輸出
2000
対ASEAN輸出
1500
対中輸出
1000
対日輸出
500
対韓輸出
0
輸入

主要輸入品目である機械設備・同部品,携帯電話・同部品,石油製品,プラスチックといっ
た項目が減少したことにより輸入金額は減少した。

2015 年第 1 四半期の主要輸出品目は,①PC・電子機器・同部品 63.5 億ドル(同 13.8%増)
,
②機械設備・同部品 59.7 億ドル(前年同期比 16.8%減)
,③携帯電話・同部品 23.9 億ドル(同
7.4%減)
,④縫製品原材料 21.3 億ドル(同 2.5%増)
,⑤鉄鋼 17.1 億ドル(同 0.2%増)
。

主要品目別,主要相手国・地域別の動向は下図のとおり。
輸入動向(主要輸入品目別:百万ドル)
3,000
機械設備・同部品
2,500
PC・電子機器・同部品
2,000
石油製品
1,500
縫製品生地
1,000
鉄鋼
500
プラスチック
携帯電話・同部品
0
5000
輸入動向(主要相手国・地域別:百万ドル)
4000
対米輸入
3000
対EU輸入
対ASEAN輸入
2000
対中輸入
1000
対日輸入
0
対韓輸入
4
5 対ベトナム直接投資の動向
外国直接投資の動向

年初から 3 月 20 日時点までの外国直接投資認可額は,前年同期比 119.1%増の 40.3 億ドル。
新規投資(473 件)は同 125.2%増の 27.4 億ドル,追加投資(203 件)は同 107%増の 12.9
億ドル。なお,外国直接投資実行額は前年同期比 14.8%増の 35 億ドル。

日本からの対越直接投資は新規・追加の合計で各国・地域中第 4 番目の 3.5 億ドル。

年初から 3 月 20 日時点までの大型案件としては,①製紙工場(ティエンザン省)への 2.2 億
ドルの新規投資(台湾企業)
,②②電子宝くじ事業への 2.1 億ドルの新規投資(マレーシア企
業)
,③履物製造工場(カントー市)への 1.7 億ドルの新規投資(韓国企業)携帯電話製造工
場(バクニン省)への 1.2 億ドルの追加投資(韓国企業)等がある。
投資分野(件数別)
投資分野(金額別)
製造業
不動産
エンターテイメント
3%
3%
4%
製造業
7%
12%
卸売・小売
3%
4%
5%
科学技術
4%
給水・廃棄処理
情報通信
6%
54%
8%
交通運輸
交通運輸
卸売・小売
72%
建設
15%
その他
その他
主要投資国・地域(件数別)
主要投資国・地域(金額別)
韓国
韓国
シンガポール
22%
台湾
日本
23%
22%
31%
日本
香港
シンガポール
2%
7%
14%
中国
マレーシア
その他
中国
7%
台湾
5%
香港
7%
8%
9%
米国
7%
11%
5
16%
9%
その他
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