利益相反に関する声明

利益相反に関する声明
マーサー・インベストメンツ部門
2015 年 6 月
目次
はじめに ........................................................................... 1
利益相反の認識 ..................................................................... 1
マーサーとクライアントとの利益相反 ................................................. 2
マーサーのマネジャー・リサーチの提供 ....................................................................................... 2
クライアントとの料金設定............................................................................................................... 2
投資マネジャーとの関係................................................................................................................... 3
マーサーのクライアント間の利益相反 ................................................. 3
利益相反
はじめに
マーサーは、組織人事、福利厚生、退職金・年金、資産運用分野における大手グローバル・コンサルティ
ング会社です。マーサーは、 最も重要な資産である人材の健康、財産、および成果の向上のために、世
界中のクライアントを支援しています。 マーサーは、マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ
(NYSE:MMC)の完全所有子会社です。
マーサー・インベストメンツ部門(マーサー)は、投資サービスの大手グローバル・プロバイダーであり、
40 年以上にわたって、クライアントのニーズに応えることに専心してきました。 当社はリサーチ、分析
ツール、投資アドバイスの提供にくわえ、投資アドバイスの実践も行っています。
利益相反は、マーサーの一部の事業部門に内在するものです。 利益相反とは、実際に存在するか、また
は外見上存在するかにかかわらず、個人または企業が他方を犠牲にして一方に便宜を図ろうとすることを
意味します。 こうした利益相反には、さまざまなプロフェッショナル・サービスを提供する大手企業で
あれば、どこにでも内在するものもあれば、マーサーがクライアントに提供するサービスの本質に由来す
るものもあります。 マーサーは、クライアントの利益を守るために定めた方針および手順を通じ、また、
情報開示により、このような利益相反の管理に努めており、 倫理と透明性を重んじた事業活動を行うこ
とに取り組んでいます。
この声明文には、マーサーが確認している一般的な利益相反の概要および利益相反の管理と軽減策が記載
されています。 ただし、現在わかっている、あるいは今後発生する可能性のある利益相反のすべてを網
羅しているわけではありません。 また、マーサーの他の事業部門との関係に関連する可能性のある利益
相反は対象としておりません。
この文書を読んで質問がある場合、または具体的な内容についての詳細が必要な場合は、マーサーの担当
者に問い合わせてください。
利益相反の認識
利益相反の特定、管理、および軽減には、常に取り組んでいく必要があります。 マーサーは、定期的な
トレーニング、コミュニケーション、情報開示の確認、監視とテストを通じて利益相反を意識した環境を
整えていると確信しています。 このプロセスは、主に次のような要素で構成されます。
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行動規範:従業員は、就業条件としてマーサーの行動規範『The Greater Good』を順守する必
要があります。 『The Greater Good』には、利益相反を含む倫理問題に対応する際の明確な
要件およびガイドラインが定められています。
贈答品および接待に関する方針:従業員は、贈答、飲食、または接待を受けることで不正に
影響を受けないようにするために定められた、贈答品および接待に関する方針を順守する必
要があります。
クライアントの秘密の保護義務:従業員は、クライアントの秘密を保護し、インサイダー取
引規制法および関連法を順守する義務があることについて説明を受けています。
個人的な投資に関する報告:一定の従業員は、個人投資を規定する方針の適用対象にもなり、
一般的に、一定の個人投資についての報告や事前承認が必要です。
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1
マーサーとクライアントとの利益相反
マーサーの投資サービスは、クライアントが自身の希望に合わせて当社との関係レベルを選択できるよう
に一連のサービスとして提供されます。 マーサーは、当社のビジネス・モデルがクライアントにとって
柔軟性の高いものであると同時に、当社自身の利益とクライアントの利益とが相反する可能性を持ってい
ることを認識しています。
マーサーのマネジャー・リサーチの提供
マーサーは、マネジャー・リサーチの調査結果をマーサーのすべてのクライアントに提供する前に、特定
のクライアントや投資実践チームに提供するインセンティブを持っている可能性があります。潜在的価値
のある情報の例としては、マネジャーが提供する投資戦略のマーサー・レーティングの変更や、特定の戦
略またはファンド商品への新たな投資が受け入れ可能かどうかの受託余力などが挙げられます。
軽減策(対策)
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マーサーはマネジャー・リサーチの調査結果(新規および更新)をマーサーが設計・開発したグロー
バル投資マネジャー・データベース(GIMD™)のすべての利用者(社内および社外を含む)に同時
に公開しています。 GIMD に公開される調査結果には、マネジャーに関するニュース、マネジャーの
投資戦略のレーティング変更に対するマーサーの決定、新規投資の受け入れに関するマネジャーの受
託余力に関する情報などが含まれています。
·
マーサーは、他のクライアントより先に自社の利益または一部のクライアントの利益になるような新
たな情報に基づいて行動する可能性を最小限に抑える規則を整備し、実施しています。 たとえば、
マーサーはマネジャーの戦略のレーティングを変更する場合、その情報がすべての GIMD 利用者に公
開されるまでは、変更に基づいた行動が許されません。
クライアントとの料金設定
マーサーでは、投資代行サービスを利用している一部のクライアントを対象に、マーサーへの手数料はマ
ネジャーに支払う投資運用手数料とは別に定めた料金設定をしています。 また、一部の市場では、マー
サーへの手数料は、マネジャーに支払う投資運用手数料を含めた金額とする料金設定をしています(マー
サーがマネジャーに支払う費用は固定料金制)。 料金設定がマネジャーへの支払い投資運用手数料を含
む総額ベースの場合、マーサーに数量割引を交渉して資産クラスや投資マネジャーを選ぶインセンティブ
を持たせることになるかもしれません。 このような料金設定の場合、運用対象の資産の金額が増えると、
マネジャーに支払う手数料は減ります。 数量割引により、クライアントが支払う手数料合計のうちマー
サーに支払われる割合が増えることがあります。
総額ベースの料金設定は、適用対象である特定のクライアントに対して、マーサーが便宜を供与したり、
マーサーにとっての報酬額が全体的に高くなるような特定の投資や資産クラスを勧めるインセンティブを
マーサーに持たせる可能性があります。 また、マネジャーの手数料だけを判断基準にして、マネジャー
を選ぶインセンティブをマーサーに持たせるかもしれません。
軽減策(対策)
·
マーサーが運用するポートフォリオに対して、投資マネジャーとしてマーサーが得る手数料について
は、開示文書および契約書に記載されており、適用される法律を順守するよう構成されています。
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マーサーは、マネジャー戦略のレーティング、推奨、または選択について文書化されたプロセスに従
っています。 これらのプロセスでは、一貫したガバナンスを実践しています。
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2
·
マーサーにとって、クライアントとの長期的な関係がインセンティブになりますが、そのような関係
は、投資プロセス以外の要因に基づいた意思決定によって、投資の運用結果が基準を満たさないとい
うリスクを負うことで損なわれることになります。
·
資産配分の推奨案を提出する場合、マーサーではそれぞれのクライアントの投資ニーズや目標、財務
状況、リスク許容度、長期的な利益、さまざまな資産クラスのリスク特性を考慮しています。 また、
通常は、運用対象のアカウントについて資産配分やリスクの設定基準がクライアントから提示され、
それらの基準はクライアントの同意がなければ変更できません。
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マーサーでは、通常、投資のパフォーマンスおよびリスク目標を投資代行サービスを利用するクライ
アントとともに設定し、定期的に見直しを実施しています。
投資マネジャーとの関係
マーサーは、マーサーがマネジャーとの間で定めた料金設定に応じて、特定のマネジャーのレーティング
に便宜を図ったり、特定のマネジャーにクライアントの資産を配分したりしようとするインセンティブを
持っているかもしれません。 たとえば、マーサーでは、運用対象のクライアント資産の金額に応じて数
量割引を提供するマネジャーに便宜を図ろうとするインセンティブを持っているかもしれません。
また、マーサーは、マーサーまたはマーサーの系列会社のクライアントでもある投資マネジャーの戦略の
レーティング、見直し、推薦などを実施することがあります。 このような投資マネジャーは、マーサー
やマーサーの系列会社から広範囲にわたるコンサルティング・サービスを受けたり、マーサーが設計・開
発したソフトウェアやデータベースの使用ライセンスを購入したり、マーサーのグローバル・インベスト
メント・フォーラムの参加費を支払ったりしていることがあります。 マーサーやマーサーの系列会社も、
世界的にマーサーやマーサーの系列会社が推奨または利用している投資マネジャーの親会社や系列会社に、
コンサルティング・サービスや投資代行サービスを提供している場合があります。 マーサーがこのよう
な投資マネジャーから得る収益は、当社がマネジャーやその戦略を他のマネジャーよりも高く評価する誘
因になる可能性があるため、マーサーが投資マネジャーを客観的に採用したり、解約することの妨げにな
るおそれがあります。
軽減策(対策)
·
マーサーは、マネジャーの戦略のレーティング、推奨、または選択について文書化されたプロセスに
従っています。 これらのプロセスでは、一貫したガバナンスを実践しています。
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マーサーでは、投資の評価、採用、解約のプロセスのいかなる場合でも、マネジャーのステータスを
マーサーやマーサーの系列会社のクライアントとして見なすことはありません。
·
マーサーは、マーサーやマーサーの系列会社のクライアントでもあるマネジャーの優遇を防止するよ
う合理的に定められた方針および手順を採用してきました。
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マーサーは、マーサーやマーサーの系列会社が投資マネジャーから利益を受け取っても優先的な取り
扱いはしないことをマネジャーに表明しています。
マーサーのクライアント間の利益相反
マーサーには大規模で多様なクライアント基盤があり、 同じ業界や分野で業務を行うクライアントが複
数いる可能性も少なくありません。 マーサーは、当社にとって影響力が強いと感じられたり、より貴重
であると感じられるようなクライアントにサービスを提供することで得られる事業利益が、これらのクラ
イアントを他のクライアントよりも優遇するリスクをもたらすものであることを認識しています。
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3
軽減策(対策)
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当社は、マネジャー調査のレーティング情報を GIMD を通じて公開するタイミングについて、特定の
クライアントを他のクライアントと差別化したり、優遇したりすることはありません。ただし、クラ
イアントそれぞれの状況に応じてアドバイスが異なったり、特定のクライアント向けにアドバイスを
カスタマイズしたりする場合があります。
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マーサーは、コンサルタントがそれぞれのクライアントに応じてさまざまな意見を持ち、個別化され、
時にはその判断が主観的であったりすることは、クライアントの利益になると考えています。 従っ
て、マーサーのコンサルタントは、複数のクライアントが似たような状況にあるとしても、すべての
クライアントに対して同一の投資アドバイスを提供する必要はありません。
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