コンビニオーナーのための 税理士との正しい付き合い方 マニュアル

コンビニオーナーのための
税理士との正しい付き合い方
マニュアル
2010年
作者 株式会社フロンティア代表 佐伯祐司
レポート提供者 アミージュ 代表 竹内 純子
1.はじめに
はじめまして、私は、神戸市長田区で 20 年以上にわたって税理士業を営んでおり
ます、佐伯祐司と申します。
コンビニ専用記帳センター、アミージュの代表の竹内純子さんとタイアップして
発行いたしております。
本小冊子は、ここ半年の間の何人かのコンビニオーナーとの出会いから、旧態依然
とした会計事務所に喝を入れ、現状の契約内容に甘んじ、みすみす経費の無駄
使いを看過している状況に警鐘を鳴らすものです。
そして、本小冊子では以下のようなコンビニオーナーを対象に、現状を打開するた
めのノウハウをまとめています。
①青色申告の届出をされていない方
②委託店とオーナー店との違いがよく分からない方
③神戸・大阪を中心とした近畿圏で事業を展開されている方
④現在の会計事務所に不満がたまっている方
⑤奥さんに専従者給与を取られていない方
これらの条件に該当しない方は読まないで下さい。
それでは、お話をはじめていきたいと思います。
2.あなたは、これが常識だと思っていませんか?
・会計事務所には、特殊な仕事をしてもらっているので顧問報酬が高いのは当然
であり、タブーである。
・会計事務所に本部からの資料の整理などの合理化について教えてもらうのは契
約外であり対応してもらえないものである。
・会計事務所がコンビニ本部の財務諸表から決算までの手順と作業時間等を把
握していないのは普通である。
・会計事務所のサービスは、毎月 1 回職員が巡回に来て、資料をコピーして帰る
ことである。
・会計事務所に経理について質問しても、年末調整と確定申告しか回答してもら
えないものである。
・法人化への道など、老後のための貯蓄への最短コースについては相談できな
いものである。
これらは常識ではありません。
会計事務所は、顧問先に業績向上のために、情報提供を行い、いっしょに改善に
取り組むのが本来の仕事であるべきです。しかし、実態は既存の契約にあぐらをか
き、本来の仕事をやっていない会計事務所のなんと多いことか?
コンビニ本体はどんどん儲けていますが、コンビニオーナーさんがどれだけ儲けて
いるというのでしょうか?
立地の悪いところでは、小・中学生がたむろしたり、素行の悪い店員がいたり、と
神経をすり減らしながら毎日24時間、お店を開けてくれているのが現状です。
こんなコンビニオーナーたちに、もっと報いてあげられないかを考えるのが税理士
の仕事なはずです。
この現実に、私は怒りを覚え、そして、この状況を改善すべく、立ち上がるために、
この小冊子をまとめることにしました。
それでは、コンビニオーナーとの出会いのエピソードをお話します。
3.オーナーのところでも、こんなことありませんか?
私は、税理士を長年やっております。
しかし、コンビニ業界では、本部と連携のある会計事務所が独占し、指導している
ものとの認識から、今までお付き合いがありませんでした。
今回、あるキッカケから、このコンビニ業界のことについて色々学ばせていただ
くことができました。
最初の発見は、コンビニオーナーの方は、脱サラされた方が多く、今までに税
理士と接する機会が尐なく、限られた情報の中から税理士を選択し、申告するし
かなかったという点です。
次の発見は、本部から毎月送られてくる財務資料がこんなにすばらしいものだと
いう点です。ここまで出来上がっている資料を使えば、決算だって簡単なはずなの
です。
それなのに、会計事務所に対して年間30万円もの税務報酬を支払わなくてはな
らないケースがほとんどなのです。
同業者として、税理士の風上にも置けない輩だなぁ、と心から情けなくなりました
が、私の長年の経験がコンビニオーナーの経営に対してお役に立てれるとの確信
をもつようになりました。
【事例①】・・・神戸須磨大池町店のオーナーの渡辺さん
今年の個人事業者の確定申告時に、飛び込みで私どもの事務所にこられました。
「一昨年から開業しまして、昨年は自分自身で申告を済ませましたが、今年は売
上も大きくなり、自分では無理なので申告書の作成お願いできませんか?」
とのご相談でした。
彼は、セブンイレブン本部からの山のような資料を持ってこられ、私が必要な書類
をこれとこれっと言えば、手馴れたもので一年分の貸借対照表・損益計算書・消費
税計算書等を揃えてくれました。
その資料を見たときセブンイレブン本部のすごさと同時にこれを利用すればコンビ
ニ経営者にも簡単にわかる経理マニュアルができるゾ、と思ったのです。
そして、それで最終資料を作れば、10万円でできるのではないか、とも思いました。
彼に、そのことを教えてあげたら「えっ、そうなんですか?」とびっくりされていまし
た。
【事例②】・・・神戸市垂水区のコンビニ経営者
先日、神戸の垂水区のコンビニ経営者からお電話いただき、その後すぐに私ども
の事務所に来られました。
まず、電話で今年の市・県民税が高いとの認識をお持ちであることをお話されてい
ましたので、今年から地方への税源委譲が行われることになり、所得税は尐なくな
った分、市・県民税が高くなったことをお話しました。
彼は、どうしようもないのですか、と何度も念を押されていましたが、無理なのです
とお答えしました。
そして、近くだから今から伺ってもいいか、と聞かれましたので、いいです、と答え
し、彼が来られることになりました。
再度、どうして私に電話されたのかを確認すると彼は、インターネットで「税理士
神戸 コンビニ」と検索をし、私どものサイトにつながったということでした。
彼はこうも話してくれました。現在コンビニの委託店であるが、来月 7 月からオー
ナー店に変わるということ。2 年前からコンビニの委託店として個人の確定申告は
してきこと。
1 年目は税務署に行って、税務職員に教わって記入して申告し、2 年目は税務署
で行っている無料での税理士の派遣を受けて申告をしたとのことでした。
そして、そのことが市・県民税が今回の高いということの嘆きと関係することが分
かりました。実は彼は、2 年目である今年の確定申告は、無料で税理士に見ても
らい、所得税が安くなったと喜んでいたのだそうです。
ところが税源移譲というトリックがあったことを聞かされていなかったため、市民税
が高いのでおかしいのでは、と思い、そしてそれが私に連絡してきた目的だったの
です。
ここで私は、彼らの3年間のミスを指摘しました。まず、第一は、2 年前に委託店で
あっても個人事業者の届出と同時に青色申告承認申請書を提出すべき点。
第ニは、仮に 1 年目は仕方がなかったとしても、1 年目の申告時に税務署へ相談
に行ったとき、税務署員が来年からは青色申告をするように話がなかった点。
第三は、それらも仕方なかったとして、今年税務署から無料の税理士が派遣され
申告したときに、19 年度分の申告は青色申告をするように指導しなかった点です。
すでに 3 年間青色申告をしないために1年目 55 万円、2年目 65 万円、3年目 65
万円の青色特別控除が受けられず、所得が大きくなっていることを説明しました。
3年間で185万円ですヨ。彼は、「先生にもっと早く会えていたらよかったのに・・・」、
とうな垂れていました。
さらに彼は、委託店とオーナー店との違いも知りませんでした。コンビニの本部は、
まず、研修を兹ねて委託店から始めさせることがあります。この時には、ほとんど
給与をもらうだけのようにみられますが、個人事業者として確定申告をするように
コンビニ本部から言われるそうです。
それ以外の税務については、営業担当はほとんど話してくれないそうです。
それは、何か問題になっては困るからのようで、彼もこのときに十分に委託店という
ものを理解していなかったのが、上記のような災いをもたらしたといえます。
そして来月 7 月からオーナー店になればどうなるのか?ということは、まるで理解し
ていないようでした。まず、アルバイトの給与の源泉の納付を毎月 10 日にしないと
いけないことを説明しました。
そのためには、本部から給与明細を元にして人数や支給総額そして源泉所得税額
を記入して納付をする必要があるのですが、できますか?と聞くと、そんなこと全然
分からない、聞いていない、との回答でした。
そして私は、あなたは儲けることに邁進して下さい。そして税務のことは、私に任せ
て下さい、と言いましたら、非常に喜ばれました。
この経験を通して、私は税務職員にも無料の税理士派遣の担当税理士にも憤慨し
ました。彼らは、自分の仕事だけしか見ておらず、相手のためになるようなことなど
無関心であったと言えます。
コンビニ本部からの財務諸表はすごく精緻なものであり、この資料に基づいて確定
申告をすれば、青色申告特別控除の 65 万円など簡単に受けれます。
さらに、奥さんに専従者給与を取ることもできて、これだけでも大きな節税になるの
ですから私が憤りを感じるのも無理ないと思われませんか?
派遣税理士は、顧客からはお金をもらわなくても国から報酬をもらっているのですか
ら、きちんと仕事をすべきではないでしょうか。
【事例③】・・・北海道旭川市のコンビニ経営
先日、私どもの以下のホームページをご覧になって北海道の方がメールを下さいま
した。
『旭川市でセブン経営している●●と申します。
ホームページ観させていただきました。現在法人にて経営、7月末が決算です。
新年度を佐伯様にお世話になることを検討しております。
概要は理解できたと思っておりますが、確認したいことがありました。
初年度費用合計10万円、次年度からどのようになるのか?
書類等はお互いに郵送にてやり取りになるのでしょうか?
従業員の年度末の源泉処理等は含んでいるのでしょうか?
現在確認したい事項です。』
この内容へ、早速以下のように返事を差し上げました。なお、細かなノウハウも書い
たものですから、尐し割愛した部分や伏せている箇所があることをご理解ください。
『●●様
はじめまして、神戸の税理士で IT コーディネータの佐伯です。
私どものホームページをご覧いただきありがとうございました。
私の怒りは当然●●様に伝わったと理解いたしますので、すべてお話していきた
いと思います。
毎年の年間顧問報酬が10万円(消費税込)です。
初年度だけ入会金2万円頂戴いたしますので、年間では12万円になります。
私ども佐伯税理士事務所とオーナーの●●様との毎月のやり取りをお知らせい
たします。
毎月●●のセブンイレブンからの明細を私ども宛にファックスいただきます。
それを●●しまして、●●を私どもで作って、ファックスいたします。
そして、●●様のほうでは、オーナーの経費を私どものマニュアルに従い、整理
していただき、一番かんた~ん会計に入力していただくか、それともエクセルで
作っています簡易な経費集計表を利用していただきたいのです。
12月の年調も1月の支払調書の作成及び提出も行います。
決算時には、必要書類を明示しますので送っていただくことになります。
決算書及び申告書におきましては、e-Tax で行いたいと思います。
●●様へは、わずらわしい点はありません。
税務署への心象がよく、遠く離れていても顧問契約もできるという証明にもなりま
す。このようにコンビニオーナー様とは総額で年間10万円、今までの税理士顧問
同様、わからないことや相談などは電話やファックスやメールでいつでもおっしゃっ
ていただいて結構です。
ぜひとも長いお付き合いをお願いしたいと思います。』
時期から契約をとお約束いただきました。
今後、ますます税理士の位置付けや求められるモノが変わってくると思います。
日本ではインターネットを利用している方が、7千万人以上います。地方にいてもイ
ンターネットを利用すれば質の高いサービスを受けることが可能です。
インターネットを活用すれば地方でも最新情報をゲットすることが可能であり、これ
から益々インターネットを有効に活用すること重要になってきています。
したがって、IT の分かる税理士と、そうでない税理士とでは顧問先の企業の成長に
も大きく影響すると言えるでしょう。
これから求められる税理士は、節税や経費削減の方法などを実行していくコンサ
ルティングのできる税理士なのではないでしょうか?
神戸市にある会計事務所でも旭川市のセブンイレブン経営者様とのお付き合いが
可能なのです。インターネットをフルに活用することで会計事務所の選択肢も広が
りつつあるといえます。
【事例④】・・・神戸市須磨区の合名会社のオーナー
合名会社のオーナーさんがおられました。
彼は、本部からのランクが上がり収入が増えると言われていました。彼のところへは
毎月一度、会計事務所の職員が来ていたそうです。その職員は、資料をコピーして
帰るだけが仕事だったそうです。
そして、ある時、彼がその職員に節税のアドバイスを求めたそうです。
その答に納得できなかったと言いますのは、賞与を払えばいいのではと話されただ
けだけだそうでした。
その方には、収入が増える喜びと節税できるかという不安が同居している様子でし
た。 私が○○しましょうというと安心なさったようでした。
税理士として、こんな初歩的なアドバイスもできていない現状がこのコンビニ業界に
はたくさんあるようです。
【事例⑤】・・・年間70万円から会計事務所に払っていたオーナー
な、なんと、年間70万円から会計事務所に払っていたオーナーさんが2件もあり
ました。
まず一人目のオーナーさんは、以前、その会計事務所に無理なお願いしたことがあ
るので私(佐伯)へ契約を変えることができないと言われていました。
最近、コンビニオーナーさんとの出会いが多くなってきており、そこで教えていただ
いたことを、そのオーナーさんへお話しました。
例えば、ある地域のコンビニでは、中学生が昼間からたむろし、警察を呼んでもすぐ
にまた戻ってきて、ひどい場合は原付を店内で乗り回すということがあったそうで、
そのオーナーさんは精神的にダメージを受け、コンビニをやめたという店があること。
また、既存店の売上の減尐を物語る2000年以降のデータについてのお話もしまし
た。
そんな話をして、その日は別れたのですが、次の日にそのオーナーから電話があり、
家内と話し、前の先生にはもうそれなりの義理は果たしている、との結論になり、私
へ契約を変えることにしたと言われるのです。
こちらの情報提供する姿勢や、経費節約をしないといけないといった話に共感され
意識が変わったのではないでしょうか?
二人目のオーナーさんは、合名会社さんのオーナーさんと知り合いであり、あの人
のところが契約を変えたのであれば、間違いないだろうと、合名会社さんのところと
夫婦ともどもお付き合われていることが影響し、私どもへの契約に変更していただき
ました。
これらの事例を通して、私どものコンビニオーナーさんへの思いを感じていただくこ
とができましたでしょうか?
4.このノウハウを試してみて下さい。
できる税理士とは・・・顧問先に自計を進め、常に経営とは何かを示して上げれ
る税理士
できない税理士とは・・・顧問先の記帳代行を引き受け、顧問先の成長を止めて
経営に関するアドバイスまでもっていけない税理士
オーナーさんが現在付き合っている税理士ができる税理士なのか、できない税理
士なのか、これは御社のこれからの業績に大きく影響してきます。
ぜひ、このタイミングで見極めて下さい。そのために、この資料をもとに節税につい
て、今の会計事務所へ質問してみて下さい。どう回答してくれるかで、できる税理
士なのか、できない税理士なのかが分かるはずです。
つくものと私は考えます。
【節税について】
セブンイレブンの経営者も最初は個人事業者が多いとは思いますが、法人化
も考えておかなければならないでしょう。
日本の税法では、個人事業よりも法人事業の方が有利なのです。
現在、私は、個人事業が得か、法人が得か、この選択を考える時期に来ていると
感じています。
法人にすれば、家族を非常勤役員にして報酬も取れます。会社の経費でゴルフな
ど行って、会社が赤字である企業が 7 割もあります。これらの企業すべてが倒産
しないのは、明らかに法人を利用した個人の財産形成に他ならないのです。
そのことは、歴史が語っています。土地は昔、個人所有が主でした。しかし、明治
になって会社が繁栄してくると、こぞって土地は法人所有になっていきました。
これは、遊休地にかかる固定資産税などの経費が法人ならばすべて損に落とせ
るからです。 個人では事業用資産のみ経費に落とせないという抜け道があるの
です。このような専門的な話についてもコンビニのオーナーへ説明していきたいと
考えています。
この秋から消費税率のアップが議論に出てくるはずです。そして早ければ、翌年
から税率アップも考えられます。すると個人から法人に組織変更することにより
2 年間は消費税を払わなくてすむ可能性があります。
法人化の2年間は消費税を払わなくていいのですから、改定後の法人化は非常
に有利でしょう。私どもでは、生命保険も上手に活用していますし、不払いの案件
もありません。
なぜなら、生命保険こそ長期的な付き合いが功を奏するものだからです。
以上のように、いつでも税務に対するタイムリーな情報を流していきます。
ぜひとも長いお付き合いをお願いします。
○個人事業者よりも法人の方が有利
・メリット
税金の計算上、法人税の方が所得税よりも税率的に有利
以下の経費を必要経費にできる。
経営者に対する一定の役員給与、経営者の家族への給与(届出不要)、
経営者や同一生計内の親族に対する退職金や不動産賃料、経営経営者を
被保険者とした一定の生命保険料など
法人化後、2年間は消費税が免税になる。
また、法人化することによって会社の信用力は高まりますし、金融機関か
らの融資も多尐受けやすくなります。
・デメリット
①事業が赤字でも法人事業税を支払わなければならない。
②必要経費にできる交際費に限度がある。
③従業員が5名未満でも社会保険の加入義務がある。
個人の所得税は、10の種類に分けられています。
事業所得、不動産所得、給与所得、退職所得、一時所得等ですが、法人
ですと、これらを上手に使い分けられるのが大きなメリットです。
給与所得には給与所得控除額が自動的に経費のように引いてくれます。
だから、事業所得から給与所得に変更することになって有利なのです。
また、青色専従者給与は改定したら届出をし、お伺いをたてるのですが、
役員給与は非常勤でも黙って取れますので、贈与税を払わない生前贈与
をしているのと効果は一緒です。
多いに家族で給与を取り、接待でゴルフに行って、会社は赤字にしても
つぶれない仕組みがお分かりになりましたでしょう。
事業を活用して財産形成を上手にしなければ何をしているかわかりませ
ん。また、退職所得には、勤続年数が長いほど有利にできています。
しかも控除した残りを2分の1した金額に税金をかけますので、大きな
メリットです。
でも個人事業では退職金を事業からもらえません。
だから法人にして、退職金をもらえるようにしておくのです。
また、相続税においても相続人一人について500万円の非課税枠があ
ります。
法人にして本人を被保険者とする生命保険に加入する意義がわかります。
最後に一時所得も有利です。
一時所得の計算は、まず50万円を利益から引いてくれます。
その後の金額を2分の1下金額に課税されます。
従いまして、例えば満期受取金100万円の保険で保険料仮に50万円
支払ったとすれば、差額の利益50万円から50万円引いてゼロですの
で、このときの一時所得はゼロとなりまして、100万円がそのまま手
取りになります。
これを法人で損金にしながら個人が満期金を取得できれば、どうでしょ
う。
○個人事業者の節税方法(青色申告制度)
個人も法人もどちらも青色申告と白色申告を選択できますが、青色申告のほ
うが特典を多くして勧奨しているのが政府です。まずは、個人では白色よりもどれ
ほど有利かを見ていきます。
・青色申告特別控除 65万円
青色申告とは、複式簿記、損益計算書、賃借対照書の提出が義務づけられ
ていますが、最高65万円の青色申告控除や赤字の繰越など税金面での優
遇がありますので、白色申告より得です。
青色申告を選ぶのであれば、税務署に青色申告承認申請書を提出すること
が義務付けられています。
1月1日~15日にまでに開業した場合だとその年の3月15日までです。
1月16日以降だとその日から2ヶ月以内という申請書の提出期限もあります。
(注意点)必ず領収書はもらってちゃんと保管しておきましょう。
・青色専従者の届け出
生計を一にする配偶者又は、親族の方は、青色専従者給与を必要経費に計
上することができます。
所得税の給与収入には最低 65 万円の控除があり、基礎控除 38 万円を加算
しますと年間 103 万円までの給与収入には所得税は課税されません。
ただし、住民税は基礎控除 33 万円ですので、98 万円までならどちらも課税され
ません。
白色申告者では、事業専従者控除として配偶者は 86 万円、その他親族は
50 万円と決まっていますので、差額がメリットといえるでしょう。
・中小企業者の尐額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例
原則では 10 万円以上の備品等は、買ったときに全額経費にすることはできませ
ん。ところが、青色申告者であれば、30 万円未満のものについてはその年度に
全額経費にすることができます。白色申告者は、10 万円以上 20 万円未満の
ものは 3 年で一括償却、つまり 3 分の1しかその年の経費にすることができませ
ん。
・貸倒引当金
金融事業以外の青色申告者は 12 月末の売掛金などの 1000 分の 55、5.5%
の繰り入れ損を計上することができます。
以上のような特典が青色申告者にはあります。
○記帳の心構え(5 つのポイント)
1
の日の売上げや仕入れなどの取引は、その日のうちに記帳するよう
心掛けましょう。
2 記帳は、あなたの仕事の経営状態を知る手がかりです。税金の申告のためだ
けでなく、事業発展のための基礎資料となるものですから、正確に記帳しまし
ょう。
3
収書、請求書や納品書などは、記帳の基となる大切な資料です。
まず、これらの保存からはじめましょう。
4
仕事の現金残高と帳簿の現金残高が合わないときは、記帳もれや記帳誤り
が原因です。早く記帳もれなどを発見するために、仕事の現金の実際残高と
帳簿残高は、日々突合せる習慣をつけましょう。
⑤仕事のお金(事業資金)と生活のお金(生活費等)の区別をつけることが大切
です。仕事と生活の区別ができないと、正確な事業の実績が分かりません。
仕事と生活のお金ははっきりと分けられるよう記帳しましょう。
どうですか、お役に立ちそうですか?
ここまで読んでいただいたお礼に、事務の合理化について私のノウハウをお話させ
ていただきます。このノウハウはぜひ、試していただき業務改善に結びつけて下さ
い。
【事務の合理化】
コンビニ本部からの貸借対照表・損益計算書によって事業年度末に残高試算表
を作ることができます。貸借対照表と損益計算書をあわせるだけですから誰でも
簡単にできちゃいます。
これに、オーナーさん自ら事業のために支払った必要経費を集計してプラスする
だけで出来上がるのです。
それでは、具体的な手順をご説明していきます。
年度末には、貸借対照表と損益計算書をたして残高試算表を作成します。こ
の残高試算表(フォーマットのデータ下さい)は、「コンビニA」という仮名のものだ
と理解して下さい。これに、オーナーさんが毎月、コンビニ会計とは別で支出した
経費等をスクラップブックに領収書を貼り、手書きでもエクセルでもかまいません
ので集計していきます。
領収書と請求書などの整理に必要なものは、
①のり、表紙にするボール紙、2穴パンチ、とじひも、インデックス
②スクラップブック
③よく使う勘定科目のゴム印
④勘定科目一覧表
<http://www.itsaeki.jp/data/siryou1.htm>
これらは、ホームページに写真で掲載しておりますのでご参照ください。
<http://www.itsaeki.jp/siryou.htm>
どれも安価で間に合いますヨ。
次にこれらを使って整理する方法をお話します。
①領収書を日付順にスクラップブックにページ右下から貼っていきます。
領収書の上部の幅1cmほどを“のりづけ”し1ページの右下に貼ります。
②2枚目は、同じ要領でのりをつけて、1枚目の上部2cmほど上にずらして階段
式に1枚目の領収書の金額などが下からはみ出すような要領で貼ります。
③3枚目以降は同じ要領で随時上へ上へと貼っていきます。このとき注意する
ことは、右下から貼っていくのすが、右側には何月分というインデックスを貼
るための余白を1cmほどとっておくという点です。また、大きな領収書などは
上手に折りたたんで貼っていかれるといいでしょう。
④翌月の領収書は、もったいないですが、できれば後日の領収書の漏れなど
があったとき用に、1ページ空けて新たなページから右下から順に同じ要領で
貼っていきます。なお、どのページでも最初は右下から貼るのをお間違いの
ないように!どのページも右下から始めますと上手に互い違いになってアコ
ーディオンが閉じている時のようにおさまるのです、イメージできますか?
⑤インデックスには、「何月分」と書き、すぐにわかるように階段のように
ずらして右の箇所にはりましょう。
⑥整理をした領収書の下部に上部の勘定科目一覧表を参考になさって、勘定
科目印をおしていきます。
⑦今後の入力のことを考えた裏技があります。領収書のほとんどは現金での
支払いでしょうが、中には普通預金の支払いの領収書も含まれています。
普通預金での支払い領収書だけに「普通預金」のゴム印も一緒に押します。
現金は押す必要がありません。なぜなら、他はすべて現金支払いだからで
す。
⑧年度末での上記「コンビニA」の残高試算表にそれぞれを加えていけば、
最終的な決算書が出来上がりです。
どうですか、できそうですか?
5.こんなサービスを用意しています。
現在の税理士さんが残念ながら、できない税理士だと判明してしまったオーナーさ
ん、安心して下さい。
私は、そんなあたなのために、入会金2万円、毎月 5 千円、決算料 4 万円の年間
10 万円(消費税込み)の顧問契約で提供させていただくサービスを用意しました。
今回、セブンイレブンオーナー用の「経理マニュアル」もお付けいたします。どのよう
に「経費集計表」を作ればいいのかの説明をしています。
さらに、なんと「節税対策マニュアル」も作りました。
6.最後に私の想いを聞いて下さい。
税理士業務も可能な弁護士や公認会計士を国はもっと量産する体制をとりだしまし
た。
会計事務所の脅威は怒涛の如くやってくると思われます。そして、そのカギは IT だ
と私は考えます。IT の分からない会計事務所は、もうすぐ脱落するのではないでし
ょうか?
顧問先のニーズも変わっってきました。オフコン時代は、会計事務所には記帳代行
をお願いすればよかったのですが、パソコンの普及とインターネットの普及により、
会計事務所よりもITリテラシーが高い企業が多くなりました。
会計事務所へのニーズは、記帳代行から経営アドバイスであったり節税対策であっ
たり、事業承継であったりとMAS業務、つまりコンサル業務を求めることが多くなっ
ています。
しかし、旧態依然とした会計事務所は、FAXのインフラが整ったぐらいで、メールで
のやり取りも大先生である所長では無理なのです。このような事務所では、ボスの
権威が急速に損なわれつつあるのです。
士業の競合はITであると私は考えます。弁護士もしかり、ITに事務所とのつながり
は非常に大きな利益を顧問先へ与えることになるでしょう。
しかし、まだまだ、会計・税務に関する契約は多くの場合、顧問先と税理士の結びつ
きが強く関係性が、馴れ合いになっている状況の方が多いのではないでしょうか。
本来、税理士は大切な顧問先の節税対策はもとより経費節減に努めなければなら
ないにもかかわらず、旧態然とした形で契約を結んでいる現実がある。
バブル崩壊後の17年間、多くの企業が企業努力を行い、商品やサービスにおいて
大幅なコストダウンに努めてきました。今こそ、税理士も自らコストダウンを図る中で、
多くの顧問先(事業経営者)に経費節減のメリットをもたらすべきだと考えます。
「人のやらないことをやれ!/オーエス出版社/島田晴雄・山口邦夫」で著書の山口
邦夫氏は以下のように述べられています。
「毎月数万円の顧問料を払うのなら会社にとって役に立つ税理士と付き合わないとも
ったいない」、「資金繰りや人の問題、あるいは販売不振と悩みの種は尽きないのが
現実だろう。こうした難しい時期にあって、会社の強い味方として活用すべき存在が
税理士なのである」
そして、資金繰りに関連して事業計画の策定を指導し、金融機関との交渉に同席する
税理士、それから(いろいろな業種の)社長に聞いた経営のヒントを他の社長に教え
てあげている税理士を紹介されていました。
このような税理士に巡り会うためにはどうしたらいいか?山口邦夫氏は言います。
「見極めるポイントは、毎月会社を訪問してくるかどうか。訪問するのは税理士本人で
はなく、会計事務所の職員でも構わない。ただし、数字を確認するだけ、経理担当者
に会うだけでは不十分だ。社長と会うことを求めるかどうかが、熱意を図る上での物
差しとなる」、「現在の顧問税理士にさまざまな悩みを打ち明け、その問いかけに対し
て回答が来るなら申し分ないだろう。優秀な税理士なら、他分野の資格者やプロとの
人的ネットワークを持っているのが当たり前であり、遠慮しないで質問を投げかけて
みるべきだ。逆にはっきりしたレスポンスがない場合は、残念ながら黄色信号といわ
ざるを得ない。」
あなたが顧問税理士はいかがですか?
「税理士に毎月支払う顧問料を単なる経費として考えるか、経営を改善するための投
資として位置付けるか。税理士・会計事務所をどこまで活用できるかで、大きな差が
つく時代になったのは間違いない。」
これが今の時代の税理士が置かれている状況ではないでしょうか?
私も同じ思いでいます。
私は、旧態然とした契約内容にあまんじ、みすみす経費の無駄使いを看過している
多くのコンビニオーナーへ警鐘を鳴らすためにこの小冊子をまとめました。
この小冊子との出会いが、あたなの事業の改善のキッカケになったならば私は幸せ
です。
最後に、私の夢を聞いて下さい。私はインターネットを活用した新しい税理士のビジネ
スモデルを構築し、高齢者の雇用の機会の創出に貢献していきたいと考えています。
年金問題が叫ばれる中、高齢者の方々が、自らの道を切り開いていくためのステー
ジを提供し、尐しでも不安の解消に役立ちたいと思います。日本人は高齢者の知恵を
もっと活用すべきですし、それを実現すべく仕組みを構築したいと考えています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
以上