■ 産業動物(D) 次の問題を a ∼ e の記号で答えなさい。正解は各問とも 1 つである。 D − 1. 豚丹毒の経過と病型の対応として正しい記述の組合せはどれか。 A. 急性型 ------------- 蕁麻疹型 B. 慢性型 ------------- 心内膜炎型 C. 慢性型 ------------- 関節炎型 D. 亜急性型 ---------- 敗血症型 E. 亜急性型 ---------- 関節炎型 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E D − 2. 鶏の大腸菌症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 発症には環境因子、マイコプラズマ、ウイルス感染などが誘因となる。 B. 本症には多種の病型があるが高発し被害が大きいのは呼吸器病型である。 C. 呼吸器病型は大部分が幼雛から育成期に発現し急性致死の経過をたどる。 D. 多発性線維素性漿膜炎が特徴病変で心膜と肝皮膜に最も高率に起こる。 E. 線維素滲出→マクロファージ滲出→偽好酸球浸潤→異物巨細胞反応の変遷をたどる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E D − 3. 家畜の栄養性ミオパチー(白筋症)に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 牛では 4 ∼ 6 週齢の肉牛、6 ∼ 12ヵ月齢の乳牛・肉牛および妊娠牛で最も頻繁に認めら れる。 B. 羊では老齢になるほど罹患率が高い。 C. ビタミン B12 欠乏、過酸化脂質の過剰摂取が原因と考えられている。 D. 変性疾患であり再生筋線維は出現しない。 E. 骨格筋のみならず心筋線維にも病変が認められることがある。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E D − 4. 牛の乳房炎に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 限局性乳房炎は乾乳期にみられる。 B. び漫性乳房炎の原因菌は連鎖球菌であることが多い。 C. 壊死性乳房炎は大腸菌性乳房炎とも呼ばれる。 D. 夏期乳房炎は経産牛乳房炎とも呼ばれアブやハエなどが介在する。 E. 肉芽腫性乳房炎は連鎖球菌によって起こる。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E − 17 − D − 5. 豚のウイルス性脳炎に関する正しい記述はどれか。 a. オーエスキー病では神経細胞とグリア細胞の核内に好塩基性封入体を形成する。 b. 血球凝集性脳脊髄炎の組織病変は小脳と前部脊髄背側に好発傾向を示す。 c. 日本脳炎の病変は、大脳皮質、視床、黒質で強く発現する傾向を示す。 d. 豚コレラでは時おり好中球を含む囲管性細胞浸潤が広範にみられる。 e. テッシェン病では大脳に広範な神経細胞の壊死と神経食現象がみられる。 D − 6. 鶏伝染性気管支炎に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. ヘルペスウイルスに起因する。 B. コロナウイルスに起因する。 C. ウイルスの伝播力は非常に強い。 D. 呼吸器のカタル性炎を特徴とする。 E. 呼吸器粘膜上皮細胞の細胞質内に封入体を形成する。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E D − 7. 運動器における寄生虫性疾患に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 旋毛虫 Trichinella spiralis は同一の個体が終宿主と中間宿主を兼ね、発育史が同一個体 で完了するという特異な発育を示す。 B 無鉤条虫はヒトのみを終宿主とし、牛の筋肉内に無鉤嚢尾虫を形成する。 C 有鉤条虫は中間宿主である豚の筋肉で嚢虫を形成し、その嚢虫は咬筋で最もよくみら れる。 D 住肉胞子虫 Sarcocystis spp. は牛、馬などの草食動物が中間宿主となり、サルコシスト を形成する。 E ネオスポラ Neospora caninum は牛の死流産、豚の新生子で運動麻痺を引き起こす原虫 である。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E D − 8. 原因と疾病の対応として正しい記述の組合せはどれか。 A. 鉛中毒 --------------------- 馬の変性性脊髄脳症 B. 銅欠乏 --------------------- 子羊のスウェイバック(地方病性運動失調症) C. ビタミン B1 欠乏 -------- 反芻獣の灰白質脳軟化症(大脳皮質壊死症) D. 食塩中毒 ------------------ 豚の好酸球性脳炎 E. ビタミン E 欠乏 --------- 散発性牛脳脊髄炎 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E − 18 − D − 9. 循環器疾患に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 牛の創傷性心外膜炎は線維素性炎、線維素性化膿性炎を示すことが多い。 B. 感染性心内膜炎は牛ではブドウ球菌、豚では豚コレラに起因することが多い。 C. 馬の寄生虫性動脈炎は高齢馬に頻繁にみられ、普通円虫の子虫に起因する。 D. 動脈内膜炎は豚丹毒、ヘモフィルス感染症、牛の悪性カタル熱、アスペルギルス感染 などでみられる。 E. 拡張型心筋症は牛でみられ、両心房、心室の拡張がみられる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E D − 10.豚萎縮性鼻炎の組織像として正しい組合せはどれか。 A. 甲介骨骨梁の菲薄化 B. 破骨細胞による骨吸収像 C. 鼻粘膜下組織の炎症性細胞浸潤 D. 鼻腺の増生 E. 鼻腺導管上皮の核内封入体 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E D − 11.T リンパ球の腫瘍性増殖性疾患の組合せはどれか。 A. 地方病性牛白血病 B. 鶏のマレック病 C. 若齢牛の皮膚型白血病 D. 鶏のリンパ性白血病 E. 多発性骨髄腫 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E D − 12.豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. PRRS ウイルス感染によって起こる母豚の繁殖障害と子豚呼吸器障害を特徴とする。 B. 細菌や他のウイルスとの混合感染により重篤な肺炎や死亡が引き起こされる。 C. ウイルスは主としてマクロファージで増殖する。 D. 感染豚は背中を丸め腹式呼吸を示し、肺はうっ血、腫大し、線維素性肺炎像を示す。 E. 感染豚からの鼻汁や鼻端接触により伝播され線維素性胸膜肺炎を生ずる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E − 19 − D − 13.口蹄疫に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 奇蹄類および偶蹄類を含む蹄をもつ総ての動物種が罹患する。 B. ピコルナウイルスに属する口蹄疫ウイルスが原因である。 C. 日齢に関係なく発症し多くの動物が死亡するが、幼若動物の死亡率は特に高い。 D. 組織学的には、皮膚や粘膜の上皮細胞の風船状腫大が特徴である。 E. 幼若動物では、心臓に心筋硝子様変性・壊死や心筋炎がみられる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E D − 14.Rhodococcus equi 感染症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 子馬では肉眼的に乾酪壊死を特徴とする化膿性肉芽腫性病変を形成する。 B. 子馬では化膿性関節炎を起すことがある。 C. 子馬の消化管に潰瘍性大腸炎を起すことがある。 D. 肺病変が形成されるのは子馬のみである。 E. 子馬では臍帯感染が最も重要な感染経路である。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E D − 15.家畜に血管炎を起こす疾患の組合せはどれか。 A. 馬鼻肺炎 B. 牛の悪性カタール熱 C. 牛のワラビ中毒 D. 豚コレラ E. 高病原性鳥インフルエンザ a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E D − 16.最近購入した 2 歳の雄馬が、39℃の発熱、両側性の膿性鼻汁、軽度の発咳、抑うつ、食欲 不振を示している。下顎リンパ節は腫脹し、圧痛がみられ、自潰しそうである。厩舎の両 隣の馬も類似の症状が認められる。疑われる疾患として最も適当なのはどれか。 a. 馬の水胞性口炎 b. 腺疫 c. ロドコッカス感染症 d. 馬鼻肺炎 e. 馬インフルエンザ − 20 − D − 17.ヨーネ病に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 牛、羊、山羊、馬、ロバなど草食性動物の急性腸炎である。 B. Mycobacterium tubercurosis によって起きる。 C. 病変部の腸壁が肥厚し、粘膜面には特徴的な皺襞(藁筵様)が形成される。 D. 腸粘膜固有層と粘膜下織に類上皮細胞やマクロファージが浸潤し、異物巨細胞やラン グハンス型巨細胞もみられる。 E. 牛では乾酪化組織や石灰化組織の被包結節が好発する。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E D − 18.感染症による流産、死産に関する記述として正しいのはどれか。 a. 牛のアカバネ病では子宮蓄膿症、カタル性子宮内膜炎および膣炎がしばしばみられ、 胎子に様々な奇形がみられる。 b. 馬インフルエンザウイルス A 型の感染により流産を生じる。 c. 牛のビブリオ病は Campylobacter fetus を原因とし、子宮内における増殖により胎子に 感染する。 d. 豚に流産を生じるブルセラ病の特徴は、化膿性壊死性子宮炎である。 e. 羊のオウム病は Chlamydia psittaci によって生じ、流産および虚弱胎子分娩の原因では あるが、その頻度は極めて低い。 D − 19.上皮小体機能亢進症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 血中のリンが異常に低下したときにも起こる。 B. ビタミン D3 欠乏飼料で動物が飼育されたときにも起こる。 C. 血中パラソルモンの高値がみられる。 D. 骨細胞性骨融解から線維性骨異栄養症が起こる。 E. 慢性腎機能不全のときには原発性上皮小体機能亢進症を併発しやすい。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E D − 20.馬の麻痺性筋色素尿症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 初期病変は I 型筋線維に見られる。 B. ネフローゼに起因する中毒性筋症である。 C. チョコレート色の尿を排出する。 D. Monday morning disease とも言われる。 E. 筋線維の横紋融解や肥大分裂が見られる。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E − 21 − D − 21.古典型マレック病に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 原因はパラミキソウイルスである。 B. 病変は末梢神経系に高頻度に出現する。 C. 末梢神経線維間にリンパ球、形質細胞、マクロファージの浸潤を伴う炎症性病変も 認められる。 D. 皮膚の羽毛上皮の細胞質内に封入体が出現する。 E. 末梢神経線維間に浸潤、増殖する腫瘍細胞は免疫組織学的に B 細胞系である。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E D − 22.クラミジア症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. クラミジアは偏性細胞内寄生性細菌である。 B. 原因微生物は細胞質内に好塩基性封入体を作る。 C. 感染性粒子は網様体と呼ばれる。 D. 牛や馬では化膿性脳脊髄髄膜炎を起こす場合がある。 E. 原因微生物の内部構造はグラム染色で染色される。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E D − 23.鶏の細菌性疾患とその関連病変の対応として正しいものはどれか。 a. 大腸菌症 ------------------------------------ 化膿性心膜炎、敗血症 b. ブドウ球菌症 ------------------------------ 化膿性骨髄炎、関節炎 c. 伝染性コリーザ --------------------------- 上部気道の急性カタル性炎、肺の出血性炎 d. マイコプラズマ症 ------------------------ 気嚢炎、心内膜炎 e. クロストリジウム感染症 --------------- 肺炎、壊死性腸炎 D − 24.豚腸腺腫症コンプレックスに関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 腸上皮細胞の増殖と未成熟化を特徴とし、多彩な所見を呈する。 B. よくみられる病変は豚腸腺腫症と呼ばれ、小腸下部 50 cm の領域や結腸、直腸などに も生じる。 C. 壊死性腸炎は豚腸腺腫症病変に凝固壊死が加わったものである。 D. 十二指腸筋の肥大が認められる。 E. 原因菌は Mycobacterium tuberculosis である。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E − 22 − D − 25.高病原性鳥インフルエンザに関する正しい記述の組合せはどれか。 A. オルソミクソウイルス科のB型インフルエンザウイルスの感染によって起こり、H5お よび H7 亜型が高病原性になりうる。 B. 臨床的には元気消失、食欲減退、産卵率低下、呼吸器症状、顔面および肉冠・肉垂の 浮腫とチアノーゼ、下痢などがみられることがある。 C. 肉眼的には諸臓器および筋肉のうっ血性、充・出血性、漏出性および壊死性変化が主 体である。 D. 組織学的には肉冠、肉垂、内臓諸臓器、脳、骨格筋に充・出血、壊死巣、リンパ球浸 潤、血管拡張および囲管性細胞浸潤などがみられることがある。 E. 診断は疫学所見、臨床症状、病理学的検査で行い、ウイルス学的および血清学的検査 を待たずに確定することができる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E D − 26.家畜の水疱性ないし丘疹性疾病に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 口蹄疫ウイルスが感染した幼若動物では心筋炎もみられる。 B. 豚水疱病では非化膿性脳炎がみられる。 C. 牛痘では細胞質内好酸性封入体がみられる。 D. 牛丘疹性口炎では核内好塩基性封入体がみられる。 E. 水疱性口炎では細胞質内好酸性封入体がみられる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E D − 27.神経原性筋疾患の特徴に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 小径筋線維の群萎縮がみられる。 B. 輪状筋線維がみられる。 C. 筋形質塊がみられる。 D. 線維化がみられる。 E. 筋線維タイプ群化がみられる。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E D − 28.悪性カタル熱に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 牛および水牛など野生反芻動物の全身性感染病である。 B. 血管変化は大口径動脈に著明である。 C. ヘルペスウイルス感染により、アフリカ型と山羊型がある。 D. リンパ節では B 細胞の活性化と増殖がある。 E. 血管外膜のリンパ系細胞浸潤と線維素性壊死性血管炎がある。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E − 23 − D − 29.牛のアクチノバチルス症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. Actinobacillus lignieresii による口内炎で、舌がよく侵される。 B. 菌塊を中心として化膿性肉芽腫を形成する。 C. び漫性の硬化性病変を木舌 wooden tongue と呼ぶ。 D. 上顎や下顎骨深部もよく侵襲され骨炎および骨髄炎が生じる。 E. 蹄冠では水胞が形成される。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E D − 30.西ナイルウイルス病に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 心臓および腎臓には病変は認められない。 B. 原因体は神経系、特に小脳プルキンエ細胞に親和性が高い。 C. 原因体は多臓器親和性を有する。 D. 馬に不顕性感染はない。 E. 一般的に神経系に炎症は認められない。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E − 24 − ■ 伴侶動物(C) 次の問題を a ∼ e の記号で答えなさい。正解は各問とも 1 つである。 C − 1. 心筋症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 心筋症は原因や関連疾患が不明の心筋疾患の総称である。 B. 猫、犬は肥大型の発生が多い。 C. 組織学的に、肥大型では心筋の肥大や錯綜配列、線維化が認められる。 D. 若い動物にのみ認められ、遺伝的素因が原因である。 E. 猫の甲状腺機能亢進症では、心臓に肥大型心筋症類似の変化がみられることがある。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 2. 犬のウイルス性感染症のうち心筋炎も起こし得るウイルスの組合せはどれか。 a. 犬パルボウイルス ---------- 犬ジステンパーウイルス ------- 犬ヘルペスウイルス b. 狂犬病ウイルス ------------- 犬パルボウイルス ---------------- 犬アデノウイルス 1 c. 犬アデノウイルス 1 -------- 犬パピローマウイルス ---------- 犬ヘルペスウイルス d. 犬コロナウイルス ---------- 犬パルボウイルス ---------------- 狂犬病ウイルス e. 犬アデノウイルス 1 -------- 犬ジステンパーウイルス ------- 犬パピローマウイルス C − 3. 犬の心内膜症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 心内膜症は犬の心臓病変としては稀な疾患で、進行すると左心不全に至る。 B. 犬の心内膜症は加齢とともに有病率を増す傾向にある。 C. 房室弁あるいは大動脈・肺動脈弁に、弁尖の肥厚および多発性の結節形成が認められ る。 D. 組織学的には、心内膜の増殖ならびに心内膜下組織における線維芽細胞の増殖、好中 球の遊走が認められる。 E. 原因は明確にはわかっていないが、結合組織、主に膠原線維の変性に基づくものと理 解されている。 a.A, B, C b.A, B, E c.A, D, E d.B, C, E e.B, D, E C − 4. 犬の粥状硬化症に関連する病態の組合せはどれか。 A. 上皮小体機能低下症 B. 甲状腺機能低下症 C. 脂肪線条 D. 中膜粘液変性 E. 膠原線維融解 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E − 25 − C − 5. 骨髄異形成症候群 Myelodysplastic syndrome(MDS)に関する正しい記述の組合せはどれ か。 A. 慢性骨髄単球性白血病は MDS に属する。 B. 多発性骨髄腫の前駆病態である。 C. 末梢血で 1 系統または複数系統の増多症を認め、骨髄は過形成を呈する。 D. 若齢の犬猫にみられるのが特徴である。 E. 骨髄総有核細胞中の芽球比率が 30% を超えない。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E C − 6. 病名と貧血の種類の対応として正しい記述の組合せはどれか。 A. バベシア症 --------------------------- 再生性貧血 B. 猫白血病ウイルス感染 ------------ 再生性貧血 C. 猫ヘモバルトネラ症 --------------- 再生性貧血 D. 免疫介在性溶血性貧血 ------------ 非再生性貧血 E. 鉄欠乏性貧血 ------------------------ 非再生性貧血 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 7. 犬の多発性骨髄腫に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 形質細胞の腫瘍性増殖により過剰な IgG または IgA が産生される。 B. 形質細胞の腫瘍性増殖により過剰な IgM が産生され、血漿過粘稠度症候群が起こる。 C. 皮膚における形質細胞の腫瘍性増殖で免疫グロブリン異常を伴うものを含む。 D. 血清蛋白電気泳動では多クローン性ガンマグロブリン異常が認められる。 E. 脾臓にも病変がみられることがあるが、形質細胞の主要な増殖巣は骨髄である。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E C − 8. 犬における脂質蓄積症と蓄積の顕著な臓器の対応として正しいものはどれか。 a. Gaucher 病 ------------------------------------ 肝臓、リンパ節 b. Krabbe 病 ------------------------------------- 骨髄、肝臓 c. GM1- ガングリオシドーシス ------------ 腎臓、リンパ節 d. GM2- ガングリオシドーシス ------------ 皮膚、肝臓 e. Niemann-Pick 病 ----------------------------- 脾臓、腎臓 − 26 − C − 9. 猫伝染性腹膜炎に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 病変は腹膜および肝臓に限られる。 B. 原因ウィルスの標的細胞はマクロファージである。 C. 病変の病理発生に II 型アレルギーが関与する。 D. 病変の病理発生に III 型アレルギーが関与する。 E. 原因ウィルスはコロナウィルス科に属する。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 10.猫カリシウイルス病に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 罹患猫からの飛沫感染や、キャリアー猫の唾液を介して接触感染する。 B. 病原ウイルスは、通常は鼻、結膜、口腔、舌の粘膜上皮細胞に親和性を示して増殖し、 これらの部位にびらんや潰瘍を形成する。 C. ウイルス感染によりI 型肺胞上皮細胞は腫大、空胞化や壊死・脱落を示すが、これらは 感染の初期に限られる。 D. このウイルスによる肺炎では、 肺胞壁の病変と並んで気管支に特徴的病変が見られる。 E. ウイルス抗原は免疫組織化学で肺胞上皮細胞の核内に検出される。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 11.ヒトのクローン病に類似した回腸末端炎を起す疾病はどれか。 a. 犬の肉芽腫性腸炎 b. リンパ球性・形質細胞性腸炎 c. 猫の好酸球性腸炎 d. 犬組織球性大腸炎 e. 出血性壊死性腸炎 C − 12.犬の伝染性肝炎に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 犬アデノウイルス 1 の感染によって起こる感染症で、いったん発症すると致死率が高 い。 B. 典型的な肝病変は巣状壊死で、著明な炎症性細胞の浸潤を伴うことが多い。 C. ウイルスは肝細胞のみならず全身諸臓器の血管内皮細胞などに親和性を示す。 D. 肝臓に壊死巣を形成するような症例では、進行性の肝障害や慢性肝炎に移行する。 E. 甚急性の死亡例では脳幹部を中心に多発性出血を認める。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E − 27 − C − 13. 腎臓に関する記述として正しいのはどれか。 a. ネフロンには短ループネフロンと長ループネフロンがある。犬、猫はすべて短ループ ネフロンよりなる。 b. 糸球体基底膜バリアーにはサイズバリアーとチャージバリアーが存在し、前者はヘパ ラン硫酸、後者は IV 型コラーゲンが主たる構成成分である。 c. 糸球体基底膜、メサンギウムともに PAM 染色で褐色ないし黒色を示す。 d. 糸球体基底膜は陽性にチャージしており、陽性荷電物質はろ過されにくい。 e. 傍糸球体装置は糸球体の尿細管極に存在する緻密斑、糸球体外メサンギウム細胞、 傍糸球体細胞からなる。 C − 14. 犬のレプトスピラ症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 菌体は尿細管腔から間質へ侵入する。 B. 間質への単核細胞浸潤が主な病変である。 C. レプトスピラ菌は尿細管腔および尿細管上皮細胞内に存在する。 D. 通常、尿細管上皮細胞の変性・壊死はおこらない。 E. 慢性期では間質の線維化と尿細管上皮細胞の過形成が起こる。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E C − 15. 犬の子宮蓄膿症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 子宮腔内への膿汁貯留には子宮頚管の機能的閉鎖が関与する。 B. 子宮内膜の嚢胞性過形成が先行病変になることがある。 C. 子宮壁の破裂や穿孔により二次的に腹膜炎を引き起こすことがある。 D. 内膜上皮の扁平上皮化生が特徴的所見である。 E. 性周期では発情前期に好発する。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 16. 犬の鉛中毒でみられる変化の組合せはどれか。 A. 間質性肺炎 B. 若齢犬における骨幹端部の骨硬化 C. 子宮内膜上皮過形成 D. 近位尿細管上皮の核内封入体 E. 大脳皮質層状壊死 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E − 28 − C − 17.狂犬病において脳に認められるネグリ小体に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 好酸性の核内封入体である。 B. 特異的に染める染色法はニッスル染色である。 C. 狂犬病に罹患した犬には必ず認められる。 D. 好発部位はアンモン角の錐体細胞と小脳のプルキンエ細胞である。 E. 猫では大脳の神経細胞にネグリ小体に酷似する封入体を認めることがある。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E C − 18.犬の網膜萎縮に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 犬の網膜萎縮は進行性網膜萎縮と中心性進行性網膜萎縮の 2 型に分けられる。 B. 中心性進行性網膜萎縮は多数の犬種のあらゆる年齢に劣性遺伝として発生する。 C. 進行性網膜萎縮はレトリバー、セッター、コリー犬に家族性に発生する。 D. 進行性網膜萎縮は杆状体錐状体層の消失に始まり、次いで外顆粒層、内顆粒層、さら に内網状層の消失、菲薄化にいたる。 E. 中心性進行性網膜萎縮の組織病変の発端は網膜色素上皮層に生じる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 19.甲状腺腫瘍に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 犬・猫の甲状腺原発腫瘍で発生が多いのは濾胞上皮細胞由来の腺腫および腺癌である。 B. 犬ではボクサー、ビーグル、ゴールデン・レトリーバーが好発犬種である。 C. 腺癌は気管、食道、喉頭などへ浸潤増殖し、肺やリンパ節へ転移する。 D. 機能性腫瘍では血清中の TSH が低下し、甲状腺機能低下症がおこる。 E. 傍濾胞細胞由来の髄様癌(C-cell carcinoma)では、腫瘍に関連して濾胞内にアミロイ ド沈着が認められる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 20.犬のリンパ球性甲状腺炎に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 病理組織像はヒトの橋本病に類似するが、犬では自己抗体は認められていない。 B. 甲状腺機能低下症が認められる。 C. 濾胞間にび漫性あるいは限局性のリンパ球の浸潤を特徴とする。 D. 血管壁にアミロイド沈着を伴う場合が多い。 E. 炎症反応は高度に起こるが、実質の傷害はほとんどない。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E − 29 − C − 21. 犬の肺性肥大性骨症に関する記述として正しいのはどれか。 a. 外骨膜の異常増殖により生じる。 b. 肋骨の肥厚が顕著である。 c. 骨髄腔の消失がおこる。 d. 気管支軟骨の石灰化と関連がある。 e. 肺血液循環の減少によって発生する。 C − 22. レッグ・カルベ・ペルセス病(Legg-Calve-Perthes disease)に関する正しい記述の組合せ はどれか。 A. 大腿骨骨頭の形は不整で、骨折していることもある。 B. 主に大型犬で発生しやすい。 C. 骨と骨髄の壊死、外骨膜性異常造骨、骨吸収が共存する。 D. 骨端軟骨板の早期閉鎖と関係がある。 E. 大腿骨骨頭の骨化点への血流障害でおこる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 23. 犬の皮膚病変とその好発犬種の正しい対応の組合せはどれか。 A. 悪性組織球症 ---------------------------------------------------- バーニーズマウンテンドッグ B. 眼瞼、口唇粘膜等の色素脱失 ------------------------------- 秋田犬 C. 好酸球性肉芽腫 ------------------------------------------------- シベリアンハスキー D. 肉球の無菌性皮下織炎 (Sterile pedal panniculitis) ------- ヨークシャテリア E. 黒色棘細胞症 ---------------------------------------------------- ボクサー a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 24. インコ、オウム類の嘴・羽毛病(Psittacine beak and feather disease)に関する正しい記 述の組合せはどれか。 A. 病原体はサーコウイルスである。 B. 急性例では汎血球減少症を示すが死亡率は低い。 C. 慢性例では全身性の羽毛形成不全、羽毛欠損、嘴の形成異常が特徴である。 D. 皮膚には多発性潰瘍がみられる。 E. 羽根、嘴、ファブリキウス嚢などで塩基性核内封入体が認められる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E − 30 − C − 25.犬の乳腺腫瘍に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 多くは多発性(多中心性)である。 B. 組織分類はヒトのそれによくあてはまる。 C. 筋上皮細胞の関与が頻繁に認められる。 D. 筋上皮細胞の分化の方向により様々な組織像を示すが、一括して悪性混合腫瘍と分類 される。 E. 腫瘍組織内に軟骨・骨組織が形成されることがあり、骨髄を認めることもある。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 26.犬の肛門周囲腺に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 肛門周囲腺は犬科の動物に特有な腺で、雄性ホルモンの影響を受るが、雌にも存在す る。 B. 肛門周囲腺の腫瘍では腫瘍細胞の扁平上皮化生が認められることがある。 C. 肛門周囲腺の腫瘍では腫瘍細胞の皮脂腺上皮への分化が認められることがある。 D. 肛門周囲腺の腫瘍は悪性のものが多い。 E. 肛門周囲腺上皮腫では分化した好酸性細胞質を持つ腫瘍細胞が主たる構成細胞である。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 27.犬・猫の腫瘍に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 移行癌 Transitional carcinoma は、鼻腔に発生する腫瘍の 1 つである。 B. 犬で発生頻度が高い口腔内悪性腫瘍としては扁平上皮癌、悪性黒色腫、線維肉腫など があげられる。 C. 犬の肛門嚢腺癌の随伴症として高カルシウム血症があげられる。 D. 犬のセルトリ細胞腫では前立腺肥大を伴うことが多い。 E. 猫の乳腺腫瘍では、混合腫瘍の発生が最も多い。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 28.犬の血管肉腫に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. ジャーマン・シェパードは好発犬種である。 B. 肺への転移は稀である。 C. 原発部位は主に皮膚である。 D. 出血を頻繁に伴い血腫と誤認されることがある。 E. Factor VIII 陽性所見が他の肉腫との鑑別診断の根拠となり得る。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E − 31 − C − 29. 犬のヘルペスウイルス感染症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 通常、年齢に関係なく顕性感染である。 B. 生後まもない子犬では致命的となることが多い。 C. 死亡した子犬では、腎臓および肺の出血、腹水や胸水の貯留、脾腫やリンパ節腫脹が みられる。 D. 死亡した子犬では、 顕微鏡的に全組織にわたる巣状壊死と核内封入体が特徴的である。 E. 中枢神経系病変は、白質での巣状壊死を伴う非化膿性髄膜脳炎で、二次的に灰白質へ と波及する。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E C − 30. 犬のパルボウイルス感染症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 腸管全層に好酸球の浸潤が顕著で、封入体が認められないときの診断根拠となる。 B. 骨髄では造血細胞の低形成が認められる。 C. 生後間もない子犬が感染した例では、高率に非化膿性心筋炎がみられる。 D. 小腸、大腸では、陰窩上皮細胞の壊死、脱落と陰窩腔の拡張が認められる。 E. 骨髄では形質細胞の増殖がみられ、 それに伴って免疫グロブリンの異常産生がおこり、 臨床的な診断指標になる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E − 32 − ■ 実験動物(E) 次の問題を a ∼ e の記号で答えなさい。正解は各問とも 1 つである。 E − 1. 自然発生病変に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. SD ラットの肥満細胞腫瘍の発生率は ICR マウスのそれよりも高い。 B. F344 ラットの肝細胞腺腫および肝細胞癌の発生率は ICR マウスのそれよりも高い。 C. ラットの左心室心内膜下線維化病巣は、加齢とともに高率および高度になる。 D. ビーグル犬の消化器系臓器には、 Nesidioblastosisや異所性の胃粘膜組織が見られること がある。 E. ビーグル犬のガマ腫(粘液瘤)は耳下腺に好発する。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E E − 2. ラットの膣粘膜を組織学的に観察したところ、角化を伴う厚い扁平上皮細胞層の内腔面に 明るい円柱上皮細胞がみられた。この動物の性周期について正しいのはどれか。 a. 発情前期 b. 発情期 c. 発情後期 d. 休止期 e. この記述のみでは特定できない。 E − 3. 前癌病変の組合せはどれか。 A. 胃の腸上皮化生 B. 膵臓の腺房細胞の好塩基性巣 C. 肝臓の変異肝細胞巣 D. 前立腺の腺上皮異型過形成 E. 下垂体前葉のびまん性過形成 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E E − 4. 薬物誘発性の腎乳頭壊死に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. ラット、マウスが感受性が高く、犬、サルではおこりにくい。 B. 初期の組織変化として移行上皮の変性、脱落が限局性にみられる。 C. 初期の組織変化として間質の浮腫や髄質基質のムコイド様変化が限局性にみられる。 D. 局所におけるプロスタグランジンの生成阻害や乏血性の影響が発生機序の 1 つと考え られる。 E. 局所における尿性状の変化や微小結石の形成が発生機序の 1 つと考えられる。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E − 33 − E − 5. 骨疾患に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 骨硬化症はラット、マウスにみられ、骨基質の増加を主体とする病変である。 B. 骨粗鬆症は骨質が減少する疾患で、ラットのみに認められる。 C. 骨軟化症は骨基質の不完全な石灰化により生じる疾患である。 D. ラット、マウスにおける自然発生骨腫瘍の発生頻度は高い。 E. 線維性骨異栄養症はラットにおいて高率にみられ、慢性腎症や上皮小体病変と関連し て発生する。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E E − 6. 薬物代謝酵素誘導により、肝細胞の肥大あるいはスリガラス様変化がみられた場合、 げっ歯類の甲状腺によく認められる変化はどれか。 a. 濾胞上皮細胞の肥大/過形成 b. 濾胞上皮細胞の萎縮 c. C- 細胞過形成 d. 濾胞上皮細胞への色素沈着 e. 甲状腺炎 E − 7. ラットの肝臓における増殖性・腫瘍性病変に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 卵円形細胞の増殖は LEC ラットにおいてしばしば認められる。 B. GST-P 陽性を示す変異肝細胞巣は多くが好酸性あるいは両染性である。 C. 血管腫及び肝ペリオーシスでは共に類洞のびまん性の拡張が認められるが、血管腫で は内皮細胞に異型性が認められる。 D. 胆管線維症は胆管癌との鑑別が問題になるが、胆管線維症では胆管上皮に異型性が認 められないことから鑑別される。 E. 食餌性コリン欠乏症ラットでは肝細胞癌が好発する。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E E − 8. ビーグル犬の pain syndrome に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. ビーグル犬特有の疾患で、他の犬種には見られない。 B. 開口時の疼痛、食欲減退、発熱、骨格筋萎縮をあらわす。 C. 病変の好発部位は四肢の動脈である。 D. 特徴的な組織像は壊死性動脈炎である。 E. 慢性例ではアミロイド沈着症が起こりうる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D − 34 − e.B, D, E E − 9. 感染症と病変の正しい対応の組合せはどれか。 A. ウサギのパスツレラ病 -----------------化膿性肺炎 B. エクトロメリア --------------------------四肢末端壊死 C. マイコプラズマ性肺炎 -----------------肉芽腫性肺炎 D. ティザー(Tyzzer)病 -----------------肝臓微小巣状壊死 E. ウサギ出血病 -----------------------------急性壊死性肝炎 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E E − 10. マウスあるいはラットの眼でみられる変化に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. ラットでは脈絡膜のタペタムがジチゾンの投与で変性、壊死を起こす。 B. マウスのハーダー腺腫瘍が数パーセントの頻度で発生するが、ラット、マウスとも他 の腫瘍発生は稀である。 C. 加齢性変化として網膜剥離がみられる。 D. 加齢性変化として白内障がみられる。 E. 白色ラットの網膜は光線に対して感受性が高く網膜萎縮を起こしやすい。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E E − 11. ラットの慢性進行性腎症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 初期の糸球体変化はメサンギウムの増加である。 B. 線維性骨異栄養症がみられることもある。 C. 雌でより顕著な傾向を示す。 D. F344 および SD 系で高頻度に発生する。 E. 終末像は thyroid kidney とも呼ばれる。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E E − 12. ラットの腎臓病変に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 加齢に伴い糸球体へのアミロイドの沈着が増加する。 B. 慢性進行性腎症は、雌に比較して雄で発生時期が早く、また頻度も高い。 C. 非ステロイド系抗炎症薬の投与で乳頭壊死が生じる。 D. アミノ配糖体抗生物質の投与で近位尿細管上皮に壊死が生じる。 E. 尿細管のカリオメガリーは前癌病変の一つとしてみなされている。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E − 35 − E − 13. マウスのティザー(Tyzzer)病に特徴的な所見の組合せはどれか。 A. 出血性腸炎 B. 線維素性肺炎 C. 化膿性リンパ節炎 D. 化膿性腹膜炎 E. 肝壊死巣 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E E − 14. 薬剤性のリン脂質症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 細胞は腫大して泡沫様の細胞質を呈する。 B. ペルオキシソーム酵素の障害が原因となる。 C. 電子顕微鏡では特徴的な層状構造物が観察される。 D. 原因薬物は親水性と疎水性の性質を持つ陰イオン化合物であることが多い。 E. 全身の諸組織に蓄積が観察されることが多い。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E E − 15. 変異肝細胞巣に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 好酸性変異肝細胞巣では細胞質内のグリコーゲン含量が少なく、ミトコンドリアやペ ルオキシゾームの増加が見られる。 B. 変異肝細胞巣は、γ- グルタミルトランスフェラーゼやグルタチオン S-トランスフェ ラーゼの上昇など、種々の生化学的特性を示す。 C. ラットにおいては、GST-P 陽性を示す変異肝細胞巣は好酸性あるいは明細胞性であ り、その他の型の細胞巣は概ね陰性である。 D. 変異肝細胞巣はグリソン鞘を欠き、周囲組織を圧排する。 E. 自然発生の変異肝細胞巣はラットよりもマウスで頻繁に観察される。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E E − 16. ラットの結節性汎動脈炎に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 大動脈あるいは冠状動脈に好発する。 B. 類線維素壊死を伴わず、単球が優位を占める炎症性細胞浸潤を特徴とする。 C. 腸間膜動脈に好発する。 D. 初期病変は中膜の類線維素壊死と好中球、リンパ球、好酸球の浸潤を特徴とする。 E. 進行した病変では内膜下および中膜における泡沫状細胞の浸潤を特徴とする。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E − 36 − E − 17. ラットの唾液腺涙腺炎の特徴に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. コロナウイルス群に属するウイルスが原因で生じる。 B. 唾液腺の腫大・水腫、涙腺分泌による赤色眼脂が特徴である。 C. 組織学的には炎症細胞浸潤を伴う水腫と線維素の析出がみられる。 D. 核内封入体を有する巨細胞の出現が特徴的である。 E. 炎症の波及により、眼球後部腫瘍の原因になることがある。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E E − 18. 化学物質と誘発病変の正しい対応の組合せはどれか。 A. 四塩化炭素 --------------------------- 肝細胞小葉周辺性壊死 B. カルシウム拮抗剤 ------------------ 心筋細胞壊死 C. ゲンタマイシン --------------------- 腎臓尿細管上皮壊死 D. シクロフォスファミド ------------ 精祖細胞壊死 E. ストレプトゾトシン --------------- 膵臓ラ氏島 A 細胞壊死 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E E − 19. ラットにおける薬物誘発性末梢神経障害に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. 神経線維再生が見られる場合は、それらの神経線維の起源である神経細胞に障害は発 現していない。 B. オニオンバルブが見られる場合は、髄鞘再生と軸索再生が反復して生じている。 C. ビュングナー帯の中に再生軸索が見られない場合は、これらの神経線維の再生は望め ない。 D. 坐骨神経に神経線維消失が激しい場合は、運動神経のみが障害されている。 E. 外套細胞結節が背根神経節にみられた場合は、背根神経細胞が障害され、所属の知覚 神経線維が二次的に障害されている。 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E E − 20. センダイウイルス感染症に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. センダイウイルス感染症はラットやマウスで問題となるが、その他の動物での感染は 極めて稀で、宿主域は狭い。 B. 罹患動物は異常呼吸音、削痩、体重低下を示し、感染初期には死亡率も高い。 C. センダイウイルスは肺や気管支に多彩な病変を作るが、ウイルスが増殖し封入体を作 るのは肺胞 I 型細胞である。 D. センダイウイルス感染症の初期には、気管支肺炎像が見られ、上皮細胞の変性や巨細 胞(合胞体)が観察される。 E. 先天的な胸腺欠損ヌードマウスでは持続感染し、肺胞上皮の腺様増殖を見る。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E − 37 − E − 21. 実験動物の皮膚に関する記述として最も適切なものはどれか。 a. マウス・ラットの皮下組織の厚さは毛周期の発育期に最も薄い。 b. アルビノ動物の皮膚ではメラノサイトが存在しないことが特徴である。 c. 日本ウサギでは毛周期の同調化により一斉に体毛が抜け落ちる領域がある。 d. 発癌剤による皮膚発癌(塗布)は毛周期の発育期に一般的に感受性が高い。 e. ハムスターの背部皮膚には女性ホルモン依存性のじゃこう腺が存在する。 E − 22. 老齢ラットによくみられる退行性変化の組合せはどれか。 A. 糸球体腎症 B. 神経根神経症 C. 肝臓の血管拡張症 D. アミロイドーシス E. 腎臓の好酸性小体 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E E − 23. 化学物質とそれによって誘発される腎障害の正しい対応の組合せはどれか。 A. ゲンタマイシン --------- 近位尿細管上皮細胞の myeloid body 形成 B. シスプラチン ------------ 近位尿細管壊死 C. インドメタシン --------- 糸球体障害 D. シクロスポリン ---------α2 ミクロングロブリン腎症 E. 水銀 ------------------------ 遠位尿細管壊死 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E E − 24. 精巣に関する記述として正しいのはどれか。 a. 精子形成 1 サイクルは減数分裂から次回減数分裂までで、所要時間は動物種に関係な く一定である。 b. 精祖細胞から成熟精子細胞が形成されるまでの約4.5サイクルの内、減数分裂前の1サ イクルが精母細胞の時期である。 c. 放射線による傷害に対しては、減数分裂を行う精母細胞が最も感受性が高い。 d. 血液−精巣関門は精細管壁の筋様細胞層およびセルトリ細胞相互の閉鎖結合により構 成される。 e. セルトリ細胞は有害化学物質に対する耐性が高く、最初に毒性病変が現れることはな い。 − 38 − E − 25. ミノキシジル(血管拡張薬)投与により犬の心臓に誘発され得る病変の組合せはどれか。 A. 心耳の出血 B. 僧帽弁の血腫 C. 乳頭筋の壊死 D. 心内膜炎 E. 冠状動脈の血管炎 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E E − 26. 骨格筋に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. I 型筋線維は白色筋線維、II 型筋線維は赤色筋線維である。 B. コリンエステラーゼ阻害薬では I 型筋線維の多いヒラメ筋、咬筋で壊死が顕著である。 C. 神経遮断性萎縮は group atrophy である。 D. リン脂質症では骨格筋でもライソゾーム内に層板構造、類結晶性物質が認められる。 E. カルニチン欠乏ではライソゾーム崩壊を起点として壊死が認められる。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E E − 27. モルモットのアミノ配糖体による耳傷害に関する正しい記述の組合せはどれか。 A. ラセン器では内有毛細胞が外有毛細胞より早く消失する。 B. 外有毛細胞の傷害は蝸牛 1 回転下端から上方の回転方向へ拡大する。 C. 外有毛細胞の最内列(第 1 列)が第 2 列、3 列より早くから傷害される。 D. ラセン器が完全に消失すると基底板上に多層に配列する上皮に置換される。 E. 前庭器では半規管膨大部稜の中心部の有毛細胞に最も傷害が起こりやすい。 a.A, B b.A, E c.B, C d.C, D e.D, E E − 28. ラットの生殖器障害とその要因の正しい対応の組合せはどれか。 A. 子宮内膜扁平上皮化生 -------- 卵巣摘出 B. 卵巣萎縮 -------------------------- ステロイド系避妊薬 C. 膣粘膜粘液分泌亢進 ----------- プロゲステロン D. 子宮内膜萎縮 -------------------- 抗エストロゲン剤 E. 子宮内膜増生 -------------------- プロラクチン a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E − 39 − E − 29. 下垂体腫瘍を誘発するメカニズムに関する記述として正しいのはどれか。 a. ドパミンアンタゴニストはプロラクチンの放出を抑制し、プロラクチン産生細胞の DNA 合成を亢進させる。 b. ドパミンアンタゴニストがプロラクチン細胞に対するエストロゲンの刺激作用を亢進 させる。 c. プロジェステロンの投与によりプロラクチン分泌腫瘍を誘発する。 d. 甲状腺ホルモン産生の妨害により甲状腺刺激ホルモン合成が持続的に亢進する。 e. 卵巣摘出によりプロラクチンの合成が亢進する。 E − 30. ラットの慢性進行性腎症に続発する病変の組合せはどれか。 A. 上皮小体の過形成 B. 甲状腺傍濾胞細胞過形成(C- 細胞過形成) C. 胆管増生 D. 線維性骨異栄養症 E. 転移性石灰沈着 a.A, B, C b.A, C, E c.A, D, E d.B, C, D e.B, D, E − 40 −
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