複数の作品を結びつけ、一つの風景をつくりだす北川貴好［美術作家］特集 INTERVIEW きたがわたかよし｜ 1974 年大阪府生まれ。1999 年武蔵野美術大学建築学科卒業。環境や建物自体に手を加え空間そのものを新しい風景へと変換させていく作品を制作している。これまで、大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ 2003、取手アートプロジェクト2006、旧中工場アートプロジェクト 2007、黄金町バザール、水と土の芸術祭 2010、六甲ミーツアート芸術散歩、あいちトリエンナーレ、仙台メディアテーク開館 10 周年全館プロジェクト等に参加し作品を発表している。 http://www.takayoshikitagawa.com/ ＊ホームページで過去の作品をみることができる。 1-a ―まず、公募で選ばれた作品プランについて改めて教えて下さい。 Asahi Art Square OPEN SQUARE PROJECT 2011 作品制作と発表に取り組むアーティストにアサヒ・アートスクエアを「全面開放」美術作家・北川貴好がアサヒ・アートスクエアのユニークで開放的な空間と向き合い、その魅力を引き出すような作品制北川貴好［以下、北川］―これまでの僕の作品に共通するコンセプトに「ホール［穴］」があるのですが、今回のプロジェクトでも、4F フロアーの床面に無数の穴があいている状態をつくりたいと考えています。そこにこれまでの作品をとにかくぶち込んでみたい。バラバラに置かれた作品が一つの床、一つの平面で混じり合って展開されることで、新たな一つの風景が出来上がる。それと共に、控室やトイレや小部屋など、特殊な空間があるので、そこにも何か作と発表に取り組みます。本プロジェクト仕掛けられないかなと。アサヒ・アートスクエアの大小あらゆる空間のキーワードは「空間」と「飛躍」。創をお客さんが移動し、そこで色々な表情がふわっと現れるような、する空間が出会い、それぞれの新たな可森の中のルートのような、そんなことを現段階では思っています。造性豊かなアーティストと創造力を刺激 1-b 2-a 1 能性が提示されることを目指します。そしてこのプロジェクトが、アーティストの飛躍の機会となることも期待しています。今後は作品発表に向けて準備を進めて行きます。プロジェクトの詳細や進捗につい ―アサヒ・アートスクエアの空間の印象はいかがですか。北川 ―内部空間がスクエア［正方形］じゃなくて、楕円だったのては AAS ホームページをご覧下さい。が衝撃的でした［笑］。中に入ってみると、照明機材が美術館とアーティスト｜北川貴好［美術作家］比べて非常に充実している。あと5F がガラス張りで 4Fを見下ろ企画名｜アサヒ・アートスクエアフロアーランドスケープひらき、つない 2-b せる構造だったり、そうした特性は意識しますね。あと、搬入口で、閉じていく［仮］が普通のエレベーターしかないこと。もっと搬入口が大きければ、開催期間｜ 2012 年 1月2 月外でつくって持ってくるなど、プランも違ったかもしれない。でも、その制限をポジティブに持って行く事が、この空間を生かすことにつながると思います。 2 3-a ―少し話がそれますが、現在の興味として「アートプロジェクトと批評」について考えてみたいとお話されていましたよね。＜以下、コンセプト文より抜粋＞北川 ―「アートプロジェクトと批評」っていうか、「作家［もしく「今までの作品で重要なモチーフである、は作品］と言葉」っていうかな。特に大規模なアートプロジェクトの空間に展開する。一つの巨大な空間は、全体的な効果や仕組み、住民とのエピソードは語られるけど、『穴』を巨大なアサヒ・アートスクエアの床をキャンバスとすることによって、いくつかの作品を同時にひとつの作品として結びつける…＜中略＞…作品は過去の作品を利用し、新しい作品、未発表それだけで終わってしまうことが多くて、アーティストとして作品をつくってもそこでの表現自体はあまり語られない。書かれづらい。作品や構想のみであった作品も同時展開確かにアートプロジェクトに参加する作品の中には、一人の作家する。…＜中略＞…床の上に無数にあけや作品を追い続けるには、難しい要素が多々あるんですけどね。られた穴、皮膚のようでもあり、土のようでもあり、排気口のようでもある。穴を通すものは、水、排水、電気、光、空気、植物、映像、それぞれの穴を用いた作品によって異なる。穴はどこかへ通じている。例えば、排水溝の先には、下水処理場が有り、川が有り、海が有る。電気ダクトの先には、発電所。植物は、土から光ある方向へと。そして、光の向かう先は闇。床に閉じられていたエネルギーが穴を通じて、表出する。そのエネルギーの源を想像し、それによって生まモノとしての作品がなくプロセスが重視されたり、期間が長かったそれが語られる時間がないと、蓄積されない。現在の状況の中で、どんなやり方があるのかなっていうのを、今回の作品制作と平行して考えてみたいと思っています。 5 1 ｜ウチを開く［家、穴、電球 2000 年］ 2 ｜ Twilight Zone 眠り - 都市［ベット、木材、水、 ―1 月の作品発表までどのように準備を進めましょうか。北川 ―11 月にはディテールも含めて確定したいですね。それまくつかの環境のシーンが、一枚の床にでにまずは自分のスタジオで、4F フロアーの床をどうするか、未発の風景ランドスケープが浮かび上がる。照明制御装置、排水口、チューブ、モーター照明、その他 2006 年／ 2007 年］ 3 ｜ amplitude 鳩の街／光［鳩の町周辺を中心として集めた約 700 個の電球、照明調光器、ステンレス、コード、ワイヤー 2009 年］ 4｜水 / 物質 / 自然が再生し、繋がっていく土地［古タイヤ 1500 本、砂丘の砂、草、水、空き缶、噴水（ポンプ）他 2009年］ 5 ｜ DOUBLE SKIN LANDSCAPE［2010 年］表作品や小さな作品について色々と実験したいなと思っています。エネルギーの源のフラム・炎の下に、開かれていく風景を創出させる」イベント情報 INFORMATION ［その他のイベント｜8 月 9 月］［聞き手｜アサヒ・アートスクエア事務局 2011 年 7 月 18 日］予約・問合せ｜ [email protected] ／自由席］日時｜ 9 月 11 日［日］17:00 開場／出演｜カウシキ・チャクラバルティ・デ 17:30 開演 noon dance performance 「Voilill」主催｜吾妻橋ダンスクロッシング実行シカン［ボーカル］／スバシッス・バタチャ料金｜前売 3,000 円／当日 3,500 円ジョン・ケージの音楽を継承しつつ、そ振付家松崎えりが中心となって毎年ダルヤ［タブラ］／アジャイ・ジョーグレー＊9/13［火］の関連公演［荻窪：杉並公会れを異なる方向に深化した、4 人の作ンス作品を発表する noon.。今回は＊詳細は http://azumabashi-dx.net カル［ハルモニウム］堂小ホール］とのセット前売券 5,500 円曲家によるラディカルな作品。ミニマリ香港で振付家、ダンサーとして活躍問合せ・web 予約｜ Tel.03-3353-6866 出演｜ニ・ニョマン・チャンドリ［歌・ズム、ライヴ・エレクトロニクス、空間中の Andy Wong を迎え、日常、非 http://www.p3.org/aas/ 舞踊］／イ・クトゥット・ブダ・アストラ［ガをめぐる 60 年代の精神を検証する。日常をテーマにパフォーマンスをする。主催｜アサヒ・カフェナイト実行委員会ムラン演奏］／サンディア・ムルティ［ガ企画制作｜ P3 ムラン演奏］ほか日時｜ 9 月 26 日［月］18:45 開場／ンサーが出演することで注目をされてン ! 今年で 8 年目を迎える、ダンス音楽…「グルーヴィーな身体」をキーワードにあらゆるジャ art and environment ／ novus axis 予約・問合せ｜ Tel. 19:15 開演いる。今年はパリ、ケルンでの公演が [email protected] 料金｜前売 2,600 円／当日 2,900 円決まっている。主催｜チャンドリ・ブダ招聘公演実行委出演｜足立智美／有馬純寿／今井和雄 Azumabashi Dance Xing 2011 Asahi Cafe Night「カウシキ・チャ独自の表現法、また毎回優れたダ＊詳細は http://www.p3.org/aas/ ンルの最先端パフォーマンスを "X"（クロス］させるサプライズなパーティ ! 「音楽の複数次元 2011 ∼バーマン、一柳、ルシエ、テニー」委員会新パフォーマンス、ベスト・セレクショアート 4 Tel.03-3423-8669［プリコグ河村］「吾妻橋ダンスクロッシング 2011」 VERY COOL!! VERY FOOL!! 最演劇 4-a 3 り、場所も田舎だったりする。でもそこで生まれた表現が何なのか、れる周辺、つまり環境を作り上げる。いよって流れをもって生まれるとき、一つ 3-b 「踊る声、歌うガムラン∼日本とバリ 03- 6421-3171 員会／亀井庸州／鈴木光介／西原尚／松本日時｜ 9 月 30 日［金］15:30 開場＊詳細は充明／山本達久ほか／ 16:00 開演、18:30 開場／ 19:00 http://blog.goo.ne.jp/candribuda/ 予約・問合せ｜ [email protected]. 開演 10 月１日［土］14:30 開場／ 15:00 開演クラバルティ・デシカン」のアーティストによるコラボレーショ日時｜ 8 月 19 日［金］8 月 21 日［日］透き通る歌声、可憐で美しく、そしてン：バリ島の歌・音楽・舞踊」 ne.jp ／ Tel.03-5875-8306［ナヤ・コ＊日程詳細は WEB でご確認ください。神秘的。インド古典の若き女性声楽バリ島伝統声楽の第一人者で、歌芝レクティブ］料金｜前売 4.000 円／当日 4,000 円、料金｜前売 3,500 円 / 当日 4,000 円家カウシキ・チャクラバルティ・デシカ居アルジャの人気役者でもあるチャン主催｜ナヤ・コレクティブペアチケット 7.000 円、学割 2800 円出演｜遠藤一郎／悪魔のしるし［危口統ン初来日 !! ドリと、ガムラン音楽家ブダがバリ島＊詳細は http://www.purple.dti.ne.jp/ 出演｜松本大樹／ Andy wong ／増田より、いよいよ来日。気鋭の日本人グ naya/ 之］／ core of bells ／地点／ボクデス／三浦康嗣［□□□］／康本雅子／ Line 日時｜ 8 月 23 日［火］18:30 開場／ループ、サンディア・ムルティとコラボ京急／大谷能生 19:30 開演レーション。吉田アミ＋ ucnv ／毛利悠子／東葛スポーツ料金｜前売 4,800 円／当日 5,300 円［全真也／松崎えり予約・問合せ｜ [email protected] ／踊る声、歌うガムラン Tel.03-3972-1476［バレエ団ピッコロ］主催｜バレエ団ピッコロ