Case Study 5 メディアサイト株式会社の場合

Case Study
5
企業分野導入事例
メディアサイト株式会社の場合
■ 事業戦略推進と人財育成のための研修にBMGを採用
事業目標達成に向けて、全社一丸となって推進するために人財育成は不可欠
2000年の設立から15期を迎える映像配信ソリューションベンダーである、メ
ディアサイトでは会社規模の増加に伴い、プロパー社員、様々な背景をもって参
加してくる中途社員、4期連続で採用している新入社員との認識を共有させる必要
性を感じていました。
その為にも、組織の拡大と共に事業目標達成に向け全社員一丸となるには社内
コミュニケーションの活性化が必須と考えていました。
そこで、集合研修をトリガーとして、風通しの良い、社員が自発的に行動でき
る会社の文化を築いていく大切さを共有する手法として、ビジネスモデルジェネ
レーション研修の採用を決めました。
■ 全社員参加のビジネスモデルジェネレーション研修
ビジネスモデルジェネレーション研修は、営業や技術の枠
執行役員 営業部長 南 常治 氏
しかし、一方で研修を企画している教育担当の大木氏は、
ワークショップでキャンバスの活用方法は学ぶことが出来ても、
を超え、全社一丸となってビジネスに取り組んでいくために
継続的に個々人が使い続けなければ効果はないのでは?とも危
共通言語を身に着け、ビジネス環境の共通認識を育み、実ビ
惧していました。
ジネスが円滑に実践できるスキルを身につける事ができると、
執行役員 営業部⻑ 南氏は導入の理由を説明します。
一方的に受講する研修とは違い、ワークショップで実践的
にビジネスモデルキャンバスを作っていく、メンバーは営
この心配は半年後に2回目の研修を行った際に顕著に出る事
となり、理解力にも個人差はありますが、研修を見ていると
ワークショップの際に積極的に意見を出している理解度が深い
社員と、そうではない社員の温度差がまるで違っていました。
業・技術といったディビジョンをミックスする事で、多角的
そこで、個人が主体的にキャンバスをつくれるように、ビジ
な視点から自社の優位性を分析する事ができます。研修の最
ネスモデル・ユーという、自分自身をビジネスモデルに当ては
後に各グループが行った発表では既存のビジネスモデルでは
めて考えるという研修を追加する事にしました。
なく、新しいビジネスモデルを創らなければ、といった意見
ビジネスモデル・ユーは自身の優位点や弱点といったポイン
が多数出たこと、自社のビジネスモデルを可視化していく
トをワークショップのなかで客観的な視点で分析するスタイル
ツールとしても有効で、継続的に活用していく大切さにも気
を取り、自身の今後のCDPを考えるような感覚でキャンバスを
づかされましたと、研修の成果に満足されているようです。
作っていくことができます。しかし、この研修については、成
果を発表させることはせず、自分でキャンバスを保管し見直し
ながらキャンバスを重ねていく、主体性に任せました。
また、この研修でのファシリテータは、専門家ではなく教育
担当が中心に行った事もあり、果たして導き方が正解であった
のか?という疑問も持つことになってしまったのです。
研修担当としては、研修内容を実務に活かしてもらいたいと
考えますが、受講者は自分のスキルとして正確に理解し、正し
く実践できる自信が持てません。
この双方の悩みを解決するために、自社ソリューションを活用
できないか?と考えました。
映像はe-Learningコンテンツとしては、多数の実績がありま
したが、プッシュ型のコンテンツ提供方法が主でした。
そこで、映像コンテンツに双方向性を持たせる事ができれば、
研修担当と受講者の目的意識が共通化できる。
インタラクティブなe-Learningの導入を実施しましたと、教育
実践的なワークショップやディスカッションで理解を深める
担当の大木氏は経緯を説明します。
企業分野導入事例
メディアサイト株式会社の場合
■ 社内教育に積極的にICT
社内教育に積極的にICTを活用
ICTを活用
昨今は高等教育においても反転授業の重要性が高まっていま
すが、まずは基本の研修を受けた社員に対し、講師の概要説明
をいつでも映像コンテンツとして復習して、視聴する事が可能
な環境を作りました。
これはe-Learningで現在行われている事とあまり差異はあり
ません。この先が重要で社員からの反応や正しい判定や評価を
する為にICTを活用する事にありました。
そこで、メディアサイトの新しい機能の一つであるデスク
トップレコーディングを使い、ビジネスモデル・ユーで自身の
キャンバスを全員にプレゼンテーションとして映像コンテンツ
化してもらいました。これは、自身のアカウント(My
Mediasite機能)をサーバ上に作成する事で、自分だけの領域
にコンテンツをアップする事ができます。講師や管理者といっ
た特別な権限を持つ以外の人から見られる心配がありません、
これは当人にとっては非常に重要です。
そして、講師は権限の設定により全員のコンテンツを閲覧可
自席や出張先からもプレゼンテーションの録画が可能
能ですから、そのコンテンツに対し評価やアドバイスをメール
蓄積された研修成果から検索機能を使い、アダプティブラーニ
で通知します。受け取った社員は修正したキャンバスをもとに
ングのように個別学習のプログラムの設計や研修の問題点の抽
再度プレゼンテーションをコンテンツ化し、アップロードして
出・今後の研修の改善点といった分析にも活用できます。
いく工程を繰り返します。
システムを利用する事で、時間や場所に制約を受けず、講師
やはり教育にはFace to Faceが最も効果的であり、顔を見な
がらの研修が我々の組織規模では重要とは考えますが、時間や
はどこからでもアドバイスを送れますし、社員は環境に左右さ
場所に縛られずに行えるICTを活用した研修は、受講者にとって
れず自分のペースで自身のキャンバスがブラシュアップされて
も運営側にとっても今後は欠かせないでしょう。
いくことを体感していきます。
研修成果を可視化させる事で、スキルアップを実感し実務に
当面はHybridでWebと対面の双方で研修は実施しますが、個
別にしっかりと成果を評価するにはインタラクティブな研修は
まで活かせると社員からも好評です。
重要で、受講者の満足度やコミュニケーションを活性化させる
また、教育担当者としては、研修成果をデータとして蓄積する
為には映像はキラーコンテンツになると考えます。
事でナレッジマネジメントとしての活用も期待ができます。
今後は研修のラインアップを増やしていきたいと大木氏は述
べています。
■メディアサイト株式会社
映像によるコンテンツ視聴は、事前・事後いつでも可能
設立年月日:2000年12月8日
従業員:37名 (2013年4月1日現在)
主要株主:Sonic Foundry, Inc
事業内容:授業収録・Webcasting専用システムの販売
授業収録・ Webcastingのトータルソリューション提供
授業・講演会・ウェブセミナーの収録及び配信サービス
Mediasiteシステム
全世界で2,500のユーザを超える世界標準の映像配信システム
国内120を超える高等教育機関、250を超える会社・組織が採用
■ 講師紹介 今津 美樹 ウィンドゥース 代表取締役 ITアナリスト
米国系IT企業にてマーケティングスペシャリストとして⻑年の実勢と
20か国以上におよぶグローバルでの経験によるマーケティングアウト
ソーサー ウィンドースの代表を務める
ITを活用したマーケティングに関する講演・企業研修など幅広く活動
し、ITアナリストとしてのラジオ解説、執筆活動・解説・書評等多数
「ビジネスモデル・ジェネレーション」のワークショップ、セミナー実
施の他、原著者ティム・クラークと「ビジネスモデル・ユー」日本代理
店として日本における普及推進も行っている。
明治大学リバティーアカデミー講師。