震災の後の心のケア - NPO法人メンタルレスキュー協会

NPO 法人 メンタルレスキュー協会
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震災の後の心のケア
この度の地震にあわれた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
震災の後には、次のような反応が生じることがあります。
これらは、人として自然な反応(誰にでも起こりうるもの)で、時間の経過とともに
おさまっていきます。
・余震のたびに体が反応する。
・腰が痛くなる。肩がこる。関節が痛い。
・一人になるのが怖い。建物に入るのが怖い。
・地震があったことがまだ信じられない。
現実感がない。
・眠れない。悪夢を見る。
体がだるい。頭痛がする。
・耳鳴りがする。耳が聞こえにくくなる。
・のどが渇く。喉に何かが詰まったような感じ。
・めまいがする。目がかすむ。
・訳もなくイライラして、人に当たりたくなる。 ・吐き気がする。
・下痢が続く。便秘になる。
・冷や汗が出る。寒気がする。手足がしびれる。
・自分を責めてしまう。
・息が苦しい。緊張している。動悸がする。
・あるシーンが忘れられない。フラッシュバック。・おしっこが出にくい。夜尿。
・狭いところ、暗いところが怖い。
・食欲がない。あるいは過食。
・どうでもいい感じがしてくる。
・わけもなく涙が出る。
・自分ではこの事態を乗り切れないと思う。
・エリアメールの音(携帯での地震の警戒音)
・無気力になる。やる気がおきない。集中力がない。
が耳から離れない。
・情報がなく何が起こっているのかわからず不安になる。
など
最初は元気でも、しばらくしてから上のような反応が強くなる人もいます。人それぞれなので、
その人が弱いわけではありません。避難所生活や後片付けが続くと、上の状態に加え、次のような
ことが出てくることがありますが、これは疲れがたまってきたということを意味します(地震に直
接遭ってない人も不便な生活が続いたり、関連報道に接するにつれ同じ反応が生じることがありま
す)ので、裏のページにあるような対処を取ってください。
特にそれまで元気だった人の場合、このような疲労による変化を自分自身で気がつかないで、
「気
力が足りないせいだ」などと考えて、がんばる人もいますが、人のエネルギーは1ヶ月ほどで切れ
るものです。疲れてくるのが自然なのです。
・人を避けたい。人が怖い。
・やたらに涙もろくなる。
・とても疲れやすい。仕事の能率が極端に落ちた。
・アルコールやタバコが増える。
・つい人や物に当たっている。
・やたら不安な気持ちが続く。
・これまでうまくいったストレス解消法が効かない。
・休もうとしても休めない。
・眠れない日が続く。悪夢を見て目がさめる。
・死にたくなる。
・無気力。やる気がおきない。どうでもいい感じがしてくる。
・自分がいると周囲に迷惑をかけているような気持ちになる。
・自分だけが弱い、自分だけが仲間はずれにされているように感じる。
上にあげた身体症状が続いており、自分では対処できないかも、という不安に襲われる。
など
皆さんは、普段の生活パタンとは違う刺激を体験し続けています。
次のようなことを実施してみたり、気を付けてみてください。
人と話をしましょう
困っていることや、悲しさや不安、怒りなどは、(相手を選んで)できるだけ言葉にしてしま
いましょう。黙っていると心の中でどんどん大きくなったり、しみついてしまったりします。
あるいは、一人になって、思いっきり泣いたり、叫んだりすることも効果があります。
計画的に休みましょう
震災からの復帰は長期戦です。一気に片付けてしまいたい気持ちはあるでしょうが、それでは
長期戦を戦えません。疲れ切ってしまってから休むのでは、回復に長くかかります。毎日の作業
量や時間を決め、疲れる前に休憩を取るようにしましょう。睡眠時間を多めに取りましょう。
住民同士で協力し助け合いましょう。また、ボランティアの方の力も借りましょう
一人で作業をやっていると、すぐに疲労してしまいます。日本人は、このような災難に際して
みんなと力を合わせて乗り切ってきた民族です。だから一人で作業せず、できるだけ他人の力を
借り、ボランティアの方々の力も借りましょう。いつか恩返しするときが来ます。
お酒は控えましょう
このような時は、ついお酒の量が増えがちです。特に眠れない人が眠るためにお酒を飲むこと
があります。しかし、お酒はかえって睡眠の質を落としてしまいます。また、みんなイライラし
ていますから、人間関係をこわす元にもなりかねません。ですから、極力お酒は控えましょう。
毎日の記録をつけてみましょう
震災の後は、毎日が精一杯です。何日経ってもちっとも復旧していないような気持ちになるか
もしれません。そんな時、日記(カレンダーにメモでもよい)をつけておくと、それでも少しず
つ前進していることが実感できます。書くという作業は、心を落ち着けてくれます。
少しの運動をしましょう
あなたが、避難所などから動くことができず、ただじっとしているだけの時間が多いならば、
軽い運動をすることを勧めます。ぶらぶら散歩をしたり、子供たちと遊ぶのもいいでしょう。一
人で考え込んでいるとつい悪いほう悪いほうに考えが進んでしまいますよ。
水分を十分補給しましょう
作業をするような場合、没頭してしまうことがあり水分補給がおろそかになりがちです。水分
補給が十分でないと疲れやすくなります。
自分の好きなことをする時間を取りましょう
音楽を聴いたり、日記を書いたり、ペットと触れ合ったり、ゆっくりお風呂に入ったり、マッ
サージを受けたり・・・・。
もし調子が悪ければ、専門家の力を借りましょう
表のページの下の部分の症状が出てきる方は、疲労がだいぶたまってしまっています。これか
らも続く戦いのためにも、早めに医師や看護師、カウンセラー等の力を借りる勇気を持ってくだ
さい。秘密は守ってもらえます。