三雲小学校 6 年生 国語・社会「平和学習」ブックトーク みんなはいま、戦争や平和について学習していますよね。今日は、さらに深く考える手が かりとなるような本を、いくつか紹介します。 まず最初に紹介するのは「井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法」です。前書きから、 すこし読みますね。 →読む 「いまでは信じられないことですが」~「しばらく呆としていました。 」 みんなはいま12歳?13歳?だから、もしこの時代だったら、男の子はあと 10 年ぐらい しか寿命がなかったということですね。 さて、日本が受けた空襲の中でいちばん大きなものといえば、1945年8月6日に広島 に投下された原爆の被害です。 →見せる 26・27 ページ 「絵で読む 広島の原爆」には、原爆が落とされる前と、あとの様子が描かれています。 絵だけではなくて、このように(48・49 ページ)解説されたページもあります。少し読み ます。 →読む 「あの日、広島市内に」~「被害をうけたことになります」 この数字を、滋賀県に置き換えてみましょう。滋賀県の人口は大体 140 万人です。爆発の 瞬間に居合わせた 35 万人だけでも、湖南市と草津市、栗東市、守山市、野洲市の人口を足 したぐらいの数です。45 万人だと、それに甲賀市をたしたくらいです。 そして、爆心地から半径 500 メートル以内の人は、ほぼ即死したそうです。 ほかにも大きな空襲がありました。東京大空襲や、神戸大空襲。 「鉄の暴風がふきあれた」 と言われた沖縄戦では 20 万人もの命が失われました。 この本「目でみる戦争とくらし百科」4の「日本全国空襲地図」のページを見ると、それ 以外にも日本のあちこちで空襲による死者が出ていることがわかります。 滋賀県にも空襲があったんですね。大津市では17人が亡くなっています。 こんなふうに聞くと、日本がまるで被害を受けるばかりだったかのように思えますが、こ の戦争で日本はアジアを侵略しています。 「ポプラディア情報館 アジア・太平洋戦争」を見てみましょう。 →見せる 48・49 ページ 日本が勢力を広げたのは、このピンクの線の範囲です。 (指し示す) 「目でみる戦争とくらし百科3 うばわれた平和なくらし」 →12・13 ページ ここに「軍靴で踏みにじられた人々」とあります。すこし読みます。 →読む 「アジアの国々を占領した日本軍が」~「武力で抑えられた。」 →38 ページ ここにも、日本軍に支配されたあとの海外の子どもたちが、どんなふうに扱 われたのかがのっています。 同じ時代、ヨーロッパではドイツのヒトラーが、自分たち優れた民族が劣った民族を滅ぼ すのは「自然」だという説を立てて、すべての問題をユダヤ人のせいにしました。そして アウシュビッツなどの収容所で、数百万人のユダヤ人を殺しました。 この本「体験取材!世界の国ぐに 31 ポーランド」には、なぜユダヤ人が標的になったの か?という背景も、少しですがのっています。 こちら「世界を信じるためのメソッド」にはこう書かれています。 →読む 114 ページ「ドイツがナチスの一党独裁に」~「暴走するばかりだった。」 この本は戦争の本ではなくて、メディア、つまり世界のことを伝えてくれるテレビ・ラジオ・ 新聞・本・インターネットをどう読んだらいいんだろう?と考えるための本です。 ナチスはメディアをうまく使って、人々の心を変えていきました。また同じことが起こら ないとは限りません。ぜひ、読んでみてください。 ところで現在、世界から戦争はなくなったのでしょうか? 去年の 12 月、ひとつの戦争が終結したという発表がされましたが、何戦争かわかる人はい ますか? →問いかけ イラク戦争です。 イラク戦争は 2003 年 3 月にはじまって、オバマ大統領が終結宣言を出したのが去年 12 月 14 日です。 「ぼくの見た戦争」は、アメリカ軍海兵隊の兵士たちについて戦場へ行ったカメラマンの 写真集です。あとがきを少し読みます。 →読む 55 ページ 「理由はどうあれ戦争というものは」~「みなさんに考えてもらえたら、と思います。」 →読みながら見せる 12・13 ページ 46・47 ページ 50・51 ページ 「前線で身を低くして銃を構えるアメリカ兵がどんなきもちだったのか、いきなり爆弾を 落とされて一瞬のうちに住んでいた家をなくしたおばあさんはどんな思いだったのか、そ して、両足に爆撃を受けて寝たきりになってしまった男の子はなにを思いながら病院のベ ッドに横たわっているのか・・・。そんなことに思いをめぐらせてみてください。そして、 彼らの生活と、いまの日本での自分の生活とくらべてみてください。 」 最後にみんなに聞きたいと思います。 「調べ学習に役立つ日本の歴史 12 太平洋戦争をしらべる」→見せる 2・3 ページ 原爆ドームは世界遺産に指定されています。 「なぜ、おきたのか?――ホロコーストのはなし」 →見せる 24・25 ページ アウシュビッツ収容所も、世界遺産に指定されています。 なぜでしょうね?本に書かれた言葉でなく、みんなの心の中で答えを出してもらえたら、 うれしいです。 では、ブックトークを終わります。 参考文献 「井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法」 井上ひさし 講談社 ※教育研究所所蔵 「絵で読む 広島の原爆」 那須正幹 福音館書店 「目でみる戦争とくらし百科 4 空襲と空腹の日々」 日本図書センター 「ポプラディア情報館 アジア・太平洋戦争」 ポプラ社 ※教育研究所所蔵 「目でみる戦争とくらし百科3 うばわれた平和なくらし」 日本図書センター 「体験取材!世界の国ぐに 31 ポーランド」 佐々木ときわ ポプラ社 ※教育研究所所 蔵 「世界を信じるためのメソッド」 森達也 イースト・プレス 36 モ 「ぼくの見た戦争 2003 年イラク」 高橋邦典 ポプラ社 20 タ 「調べ学習に役立つ日本の歴史 12 太平洋戦争をしらべる」 小峰書店 「なぜ、おきたのか?――ホロコーストのはなし」 ※湖南市立図書館蔵 クライヴ・A・ロートン 岩崎書店
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