IPを用いたX線ビーム幅測定 産業医科大学病院 ○大石 芳貴 小川 正人 古海 誠 片山 竜也 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 背景1 CTのX線ビーム幅精度を評価することは,被曝や画質特性 等,装置管理を行う上で重要であり,評価法については古くから 検討されてきた. IEC(International electrotechnical commision)ではフィルム 法による評価が提唱されているが,精度良く評価するためには 工業用の低感度フィルムやマイクロデンシトメータ等の特殊な 器材が必要なこと,試料となるフィルムの現像過程などの諸問 題,さらにはCTのX線ビーム幅測定自体が煩雑であることから あまり実践的には普及してこなかった. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH IEC61223-3-5 : CT受け入れ試験 1.ノイズ,平均CT値,均一性 2.空間分解能 3.スライス厚 4.線量 5.患者支持器の位置決め 6.患者位置決め投光器 (Patient positioning light : PPL) 7.らせん式撮影 8.低コントラスト分解能 X線ビームの幅は,一般的には照射口側の プレコリメータで制御され,回転中心ではス ライス厚と同等の幅となるように設定してあ る. しかし,コリメータ(照射野制限器)が正 常に作動していない場合は,被曝線量の増 加やスライス精度の低下をきたす. 9.線量プロファイル X線ビームの幅が,公称値通りに正確に照射されているかどうかについて,フィ ルム法を用いた体軸方向の線量プロファイルから判定しようとする規定. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 線量プロファイル測定 工業用のフィルムを回転中心に精 度良く配置し,X線管球を0°に固 定し照射をする.フィルムをマイクロ デンシトメータでスキャンし得られ た濃度プロファイルの半値幅を測 定し,X線ビーム幅とする. 工業用 低感度フィルム (A) 2405型 マイクロデンシトメーター (B) 基礎値との差異 スライス厚T 2mm > T : ±30% 2mm ≧ T ≧ 1mm : ±50% T < 1mm : +100% 測定頻度:受け入れ時 煩雑! UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 背景2 近年,ディジタル化が急速に進み,多くの施設において増感 紙−フィルムシステムからCR(computed radiography)システ ムへと移行したことや本装置の導入により,DICOM(Digital information communication of medicine)形式での画像取得 が容易になったことで,汎用ソフトの有効利用が可能となった. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH IPを利用したCT装置の簡易的な管理方法 放射線機器管理士シリーズ X線・MRI・CT 社団法人 日本放射線技師会 放射線機器管理士部会 • X線ビーム幅測定試験(スリット精度,コリメータ精度) • ガントリ傾斜角度精度測定試験 • スキャン範囲精度測定試験 • 投光器精度測定試験 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 簡易法の測定手順(フロー図) CT回転中心にIPを精度良く配置 線量の減弱(CTの線量は多い) Pb等の付加 X線照射 簡易法 画像取得(DICOM形式) DICOM形式での画像取得 Image J等の汎用ソフトで解析 ディジタルプロファイル作成 X線ビーム幅(ディジタルプロファイルのFWHM) 簡単! UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 目的 イメージングプレート(imaging plate:以下IP) を用いたX線ビーム幅測定の原理・特徴につい て,CRの原理を踏まえて,基礎的な解説を行う. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH CRシステムの原理(復習) UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 情報伝達特性(入出力特性) X線 光 ディジタル値 Ⅱ:ディジタル特性曲線 濃度 Ⅰ:検出器特性 4.0 L値:4 S値:200 3.0 IP 発 光 量 log 2.0 L値:2 S値:200 画像処理 1.0 0 1023 766 511 255 0 ディジタル値 (ピクセル値) 1.0 1.0 2.0 3.0 4.0 相対露光量(log) モ 写 ニ 2.0 真 タ 濃 輝 3.0 度 度 Ⅲ:ディスプレイ特性 4.0 Ⅳ:オーバーオール特性 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH ディジタル画像の分類 Logシステム(CR装置) Linearシステム(FPD) 輝尽発光量を対数変換し ディジタル値に割り振る 入射X線量を直接ディジタ ル値に割り振る 富士メディカルシステム社製 1024階調 → 0∼1023 コニカミノルタメディカル社,コダック社製 4096階調 → 0∼4095 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH ディジタル特性曲線(富士メディカル社製) 1023 ディジタル値︵ピクセル値︶ 511 L値:2 S値:2000 L値:2 S値:20 L値:4 S値:200 L値:2 S値:200 0 0 1 2 3 4 相対露光量(log) 4桁のIP入射線量の範囲内において,S値,L値でディジタル値が 任意に変わる. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH X線ビーム幅測定の実際 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 簡易法の測定手順(フロー図) CT回転中心にIPを精度良く配置 線量の減弱(CTの線量は多い) Pb等の付加 X線照射 簡易法 画像取得(DICOM形式) DICOM形式での画像取得 Image J等の汎用ソフトで解析 ディジタルプロファイル作成 X線ビーム幅(ディジタルプロファイルのFWHM) 簡単! UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 今回の提案手法(フロー図) 1.使用するCRシステムの検証 2.IP入射線量の減弱 (Pb厚の決定) 5.画像取得 3.ディジタル特性曲線の取得 6.ディジタルプロファイル作成 4.回帰式の取得 (IP入射線量−ディジタル値) 7.線量プロファイル作成(ディジタル値から線量へ変換) 8.X線ビーム幅(線量プロファイルのFWHM) UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 1.CRシステムの検証 1.システム感度 2.IP入射線量に対するS値の直線性 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 1-1. システム感度の検証 FCRのシステム感度設定 管電圧80kV,1.0mRで,S値=200 線量測定 ディジタル値測定 (方法) 80kV,200mA,0.0025sec(0.5mAs),SSD:100cmにて照射線量を測 定し,距離の逆二乗から1mRとなる距離を算出し,その前後で,照射線量を 測定して微調整した条件でIPに照射して「感度」メニューで処理をした. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH CR装置の感度 80kV SSD cm 読み値mR 100 3.846 150 1.763 195 1.004 194 1.023 1.025 1.033 200mA 0.0025sec 0.5mAs ave. 3.847 1.757 1.001 1.019 1.023 1.036 3.851 1.759 1.006 1.022 1.028 1.032 3.848 1.759667 1.003667 1.021333 1.025333 1.033667 SSD:100cm 校正値 3.73256 1.706877 0.973557 0.990693 0.994573 1.002657 (検証結果) 今回使用した装置では,3回測定全てにおいてS値は210となり,僅かにフェー ディングを含むものの適正に調整されていることが検証された. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 1-2.IP入射線量に対するS値の直線性 IPの輝尽発光量は,約0.01mR∼100mRまでの4桁に渡り広範 囲なX線量域と直線関係にある. 線量測定 ディジタル値測定 (方法) 感度測定と同じ幾何学的配置において,撮影線量を変化させ,IP入 射線量毎にS値を求め線形であるかの確認を行う. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH S値と入射線量の直線性 入射線量とS値 105 R 2= 0.99788 y = 136.58 * x^(-0.96506) 104 今回使用したCR装置は安定した測定が行われることが検証できた S値 1000 100 10 1 0.001 0.01 0.1 1 10 100 IP入射線量 (mR) UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 2.IP入射線量の減弱 120kV ビーム幅32mm 鉛付加無 10 CTで使用可能なX線量は,他の 一般撮影装置に比べ高い. 5 IP入射線量 (mR) 104 1000 CRの感度域(約0.01mR∼100mR) では適応外となってしまう. 100 10 1 (方法) 鉛等を付加してIP入射 線量の減弱特性を調査する. 0.1 0.01 1 10 100 1000 mAs どのくらいの鉛を付加する必要があるのか? UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 鉛厚の決定 120kV ビーム幅32mm 105 Pb Pb Pb Pb Pb Pb Pb IP入射線量 (mR) 104 1000 (-) カセッテ 0.5mm 1.0mm 2.0mm 3.0mm 4.0mm CRの感度域(約0.01mR∼100mR) に対応するためには2mm厚さの 鉛を付加することが必要である. 100 10 1 0.1 0.01 1 10 100 1000 mAs UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 今回の提案手法(フロー図) 1.使用するCRシステムの検証 2.IP入射線量の減弱 (Pb厚の決定) 5.画像取得 3.ディジタル特性曲線の取得 6.ディジタルプロファイル作成 4.回帰式の取得 (IP入射線量−ディジタル値) 7.線量プロファイル作成(ディジタル値から線量へ変換) 8.X線ビーム幅(線量プロファイルのFWHM) UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 3.ディジタル特性曲線の取得 線量測定 ディジタル値測定 CTのX線管球を0°で固定し,線量計とIPがアイソセンターになるように配 置して撮影線量毎のディジタル値をもとめる. 撮影条件:管電圧120kV,X線ビーム公称32mm,鉛 2mm 付加 撮影線量:2.5,5,10,20,40,80,160,320,600,900mAs CRの設定:TESTメニュー『AVE4.0』(FIXモード)L値4,S値200固定 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 1024 1024 768 768 ディジタル値 ディジタル値 ディジタル特性曲線 512 256 512 256 Log変換 120kV Pb2mm L4 S200 0 0 5 10 15 20 25 30 35 40 IP入射線量 (mR) 0 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 IP入射線量 logE IP入射線量−ディジタル値曲線 ディジタル特性曲線 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 4.回帰式の取得 軸入れ替え ディジタル特性曲線 0.7 X軸,Y軸を入れ替える Excel等で近似式を計算させる IP入射線量 logE 0.6 0.5 0.4 0.3 y = ( 1/2018.6 )x + 0.2041 0.2 0 256 512 768 1024 ディジタル値 120kV Pb2mm L4 S200 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH X線ビーム幅測定の概観 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 5.X線ビーム幅測定用画像の取得 120kV,160mAs,Beam : 0.5×64 Pb2mm L4 S200 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 6.ディジタル値プロファイルの取得 ディジタル値プロファイル 1024 120kV 160mAs Pb2mm Beam 0.5×64 768 仮想スリット 1000×30 ディジタル値 L4 S200 ImageJ 512 256 0 0 50 100 150 200 Z position ImageJを使用してディジタル値プロファイルを取得する. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 7.線量プロファイル作成 120kV,160mAs,Beam : 0.5×64,Pb2mm,L4,S200 線量プロファイル 10 ディジタル値プロファイル 1024 8 512 256 0 線量変換 0 50 100 150 IP入射線量 (mR) ディジタル値 768 6 4 2 200 Z position 回帰式 y = ( 1/2018.6 )x + 0.2041 0 0 50 100 150 200 Z position ディジタル特性曲線から求めた回帰式を使用して,ディジタル値→ 線量(log)→ IP入射線量(mR)と変換させ,線量プロファイルを作成する. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 8.X線ビーム幅算出 線量プロファイル(正規化) 1 120kV 160mAs 0.75 Beam : 0.5×64 Pb2mm 0.5 L4 S200 0.25 0 60 80 100 120 140 Z position 線量プロファイルを最大線量で正規化し,線量プロファイルの半値幅(FWHM) をX線ビーム幅としてもとめる. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 測定結果の参考例および その他の検証 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 公称X線ビーム幅毎の実測値 120kV 200mAs Pb2mm L4 S200 Aquilion64(東芝メディカル社製) 測定ビーム幅 [mm] 40 公称値 測定幅 デジタル値 線量mR 120kV 1 6.0 793 9.0 2 7.0 795 9.2 4 9.0 797 9.4 8 13.4 798 9.5 12 17.9 799 9.6 16 22.4 800 9.6 24 31.1 802 9.9 32 40.1 803 9.9 30 20 10 0 0 10 20 30 40 公称ビーム幅 [mm] UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 線量がプロファイルへ及ぼす影響 120kV Pb2mm L4 S200 ディジタル値プロファイル 線量プロファイル 50 1024 5mAs 40mAs 80mAs 160mAs 320mAs 900mAs 40 IP入射線量 (mR) ディジタル値 768 5mAs 40mAs 80mAs 160mAs 320mAs 900mAs 512 30 20 256 10 0 0 0 50 100 Z position 150 200 0 50 100 150 200 Z position UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 線量が測定値へ及ぼす影響 120kV Pb2mm L4 S200 正規化 mAs 1 5 40 80 160 320 900 5mAs 40mAs 80mAs 160mAs 320mAs 900mAs 0.75 ビーム幅 39.7 39.9 40.0 40.1 40.2 39.9 45 測定ビーム幅 [mm] 0.5 0.25 0 60 80 100 Z position 120 140 42.5 40 37.5 35 0.1 1 10 IP入射線量 (mR) 100 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH プロファイルの相違と測定値への影響 120kV Pb2mm L4 S200 80 線量プロファイル デジタル値プロファイル 簡易法 ディジタル値プロファイルを正規化 して半値幅を測定する. 測定ビーム幅 [mm] 70 60 今回の測定法 ディジタル値プロファイルを線量プ ロファイルに変換した後,正規化し て半値幅を測定する. 50 40 1 10 100 1000 撮影線量 [mAs] UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 簡易法の測定精度 ディジタル値を揃えるためS値を調整する手法 80kV 治療用Pb付カセッテ 0.23sec 管電流 45 測定ビーム幅 [mm] デジタル値600 デジタル値800 デジタル値1000 10mA 42.5 20mA 40 30mA 40mA 37.5 50mA 35 0 10 20 30 40 50 60 ディジタル値 S値 FWHM 600 70 38.87 800 163 39.39 1000 409 39.83 600 34 38.87 800 82 39.39 1000 210 39.85 600 23 38.87 800 55 39.41 1000 145 39.87 600 19 38.87 800 46 39.43 1000 118 39.86 600 14 38.87 800 32 39.41 1000 82 39.86 撮影線量 [mA] UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH L値変化でのプロファイルの違い L値 2 L値 3 1024 1024 800mAs 400mAs 200mAs 100mAs 50mAs 5mAs 768 ディジタル値 L値 4 1024 800mAs 400mAs 200mAs 100mAs 50mAs 5mAs 768 768 512 512 512 256 256 256 0 0 0 50 100 150 Z position 200 800mAs 400mAs 200mAs 100mAs 50mAs 5mAs 0 0 50 100 Z position 150 200 0 50 100 150 200 Z position 120kV Pb2mm S200 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH L値とCRの測定域 120kV 0.5×64 Pb2mm S200 1024 L値 2 L値 3 L値 4 ディジタル値 768 512 256 0 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 IP入射線量 logE UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 線質の影響 L4 S200 40 実測ビーム幅 [mm] 80kV 80kV L4 100kV L4 120kV L4 135kV L4 回帰式 y = 1902.9x – 305.78 100kV y = 2017.4x – 385.40 管電圧毎にディジタル特性曲線を作成し,得られた回帰式から 120kV y = 2018.6x – 411.94 ディジタル値を線量に変換することで線質の影響は除外できる. 135kV 30 20 10 0 0 10 y = 1952.1x – 375.69 設定幅 80kV 100kV 120kV 135kV 1 5.9 6.0 6.0 6.0 メーカーや機種の異なる装置においても 2 6.9 7.0 7.0 7.0 4 9.0 9.1 9.0 9.0 同等のビーム幅測定が可能 8 13.4 13.5 13.4 13.3 12 17.9 18.0 17.9 17.9 16 22.4 22.5 22.4 22.4 24 31.1 31.2 31.1 31.0 32 40.2 40.3 40.1 40.0 20 30 40 公称ビーム幅 [mm] UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 本法の精度についての検証 プレート幅 10mm プレート撮影風景 長さが既知であるファントム(ステンレスプレート)をビーム上に おいて撮影し,プレートの半値幅を測定した. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH ステンレスプレートの線量プロファイル 120kV,200mAs, Pb2mm, 線量プロファイル Beam : 0.5×64, L4, S200 10 仮想スリット 1000×30 IP入射線量 (mR) 8 6 4 2 0 0 50 100 150 200 Z position UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH ステンレスプレートの半値幅測定 120kV,200mAs, Pb2mm, Beam : 0.5×64, L4, S200 この部分を抜き出し,最小線量値 を基準に反転させたプレートのプ ロファイルを作成し,正規化した. 線量プロファイル 10 IP入射線量 (mR) 8 1 6 0.75 4 FWHM=10.0mm 0.5 2 0.25 0 0 50 100 Z position 150 200 0 85 90 95 100 105 110 115 120 Z position UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 線質変化の影響 ープレート幅ー 10mm 幅 プレート正規化 1 Pb2mm, 80kV L4 100kV L4 120kV L4 135kV L4 Beam : 0.5×64, L4, S200 0.75 管電圧 80kV 100kV 120kV 135kV 0.5 プレート幅[mm] 9.9 9.9 10.0 10.0 0.25 0 85 90 95 100 105 110 115 120 Z position UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 注意点 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 線量計の校正 使用線量計 「9015型 放射線モニター」 RADCAL 社 基準 :10X5-180 180cc(校正済) :10X5-6 6cc 電離箱 一般撮影 CT :10X5-3CT 3cc 参照用線量計 「Dose1」 Scanditronix/Wellhofer社 電離箱 :Type PTW30013 0.6cc( 60Co 校正済) PTW社 6cc一般撮影用電離箱の校正定数は校正された180cc電離箱(平行平板)で 一般撮影装置を使用してクロスキャリブレーションにより求めた. CT用電離箱はクロスキャリブレーションで校正した6cc一般撮影用電離箱で CT装置を使用して求めた.但し,下記の条件のみ有効 (Beam slit:0.5mm,slit:0.5mm,N:64,filter:Large,focus:Large) 0.6cc電離箱は60Coで校正された値をそのまま用いた. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 80kV 105 0.6cc-chember 6cc-chember CT-chember 1000 1000 100 100 10 0.6cc-chember 6cc-chember CT-chember 104 空中線量 (mR) 空中線量 (mR) 104 120kV 105 1 10 100 10 1000 1 10 mAs 135kV 105 0.6cc-chember 6cc-chember CT-chember 80kV 0.90 2.20 空中線量 (mR) 4 0.6cc-chember 6cc-chember CT-chember 100kV 0.90 2.18 空中線量 (mR) 校正定数 10 管電圧 1000 6cc-chember CT-chember 1000 mAs 100kV 105 100 104 120kV 0.89 1000 2.16 135kV 0.89 2.15 100 10 1 10 100 mAs 1000 100 1 10 100 1000 mAs UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH IPのフェーディング特性 220 S value 210 200 190 180 170 0.1 0.2 0.5 1 5 10 Time(min) 日本放射線技術学会雑誌第65巻第10号:1391-1399 藤本啓司他 UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH まとめ ディジタル値のプロファイルから線量プロファイルに変換するこ とで良好な測定結果が得られる. 管電圧毎に特性曲線を取得し,ディジタル値を線量に変換する ことで線質の影響を受けない測定が可能となる. メーカーや機種が異なるCT装置の比較が可能であることが示 唆された. ディジタル値を線量に適切に変換できることから,今後IPによる 線量測定が可能なことが示唆された. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 結語 ディジタル値のプロファイルの半値幅から得られたX線ビーム 幅は,CRシステムの処理条件を常に同じとすることで,短時間で容 易に再現性の高い測定値が得られるためCT装置の管理(初期 性能の不変性や幾何学的位置ズレ)等には有用である.しかし,X 線ビーム幅毎の比較や他の装置との比較など測定値の精度を 追求するためには,ディジタル値を線量に変換し,最大線量で正規 化した線量プロファイルの半値幅から求める必要がある. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH 結語 現在,多くの施設に設置されているマルチスライスCTでは,X線 ビームの半影部分が画像作成に利用されないため,公称ビーム 幅に対して大きめのビーム幅が設定されている.マルチスライス CTの被曝が問題視されていることを鑑みて,是非とも保有装置の X線ビーム幅測定を試みて頂ければ幸いである. UNIVERSITY OF OCCUPATIONAL AND ENVIRONMENTAL HEALTH
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