可能性を拡げる表面加工 ―新たな用途を生み出す伝統技法― 【 669 号 】 生活空間の至る所に木を使ってきた日本では、日本人独特の美 意識と木工技術とが融合し、「なぐり」や「浮づくり」といった 表面加工技術が発展してきました。表面加工の歴史は古く、数寄 屋造りが誕生した頃には、下処理された木材表面の“面白さ”が 広く認知されるようになり、意匠的な加工技術として扱われるよ うになりました。 無垢の木材は、同じ樹であっても木目や色調 、風合いなどが微妙に異なり、二つと同じものがない独特の存在 感を備えていますそこに表面加工を施すことによって、ひとつひ とつ違う魅力とオリジナリティを増幅します。 選べる表面加工 伝統の技法を取り入れた表面加工や、斬新な表面加工まで、当社では様々な表面加工を施すことが可能です。その代表例をご紹介 します。 ①キッコウ なぐり加工のなかで、代表格に位置づけられるキッコウ加工。その名の通り、亀の甲羅を連想させる見た目の 面白さもさることながら、肌触りの良さも魅力のひとつとなっています。また、キッコウ加工を施すことで、木目がより強調され、 木柄を大胆に活かすことができます。 ②タテスジ 木材の表面に一本の筋(ライン)を入れることにより、塗装の仕上がりが一際引き 立ち、シャープな印象になります。着色によって、先鋭的な雰囲気にしたり、上品なイメージにしたり、と思い思いに仕上げること ができます。 ③マルノコ 木材の表面に斜めの切り込みを入れ、規則正しい小波のような模様をつけるマルノコ。見る向きによって 異なる表情を楽しむことができます。 ④ノコビキ 木材の表面に不規則な帯鋸目を細かく施すことで、波立つような自然な風合いを 加えるノコビキ。塗装を施すと、細かなラインと木目模様とが相まって、立体的な表情に仕上がります。 ⑤ヤバネ 漢字では「矢羽 」と表記され、弓の弦にあてがう部分のことを指します。斜め方向に削りを入れていくことにより、寄木細工を施したような表情に 仕上がります。 表面加工をアクセントに 上記の表面加工は、フローリングへの加工はもちろん、パネリングや框、カウンターなどに施すことができます。無垢木材ならで はの質感と風合いを様々な箇所に取り入れることで、空間にリズムとアクセントを加えることができます。 ※表面加工の仕上がりにつきましては、樹種や材質によって異なります。詳しくは弊社営業担当までお問合せください。 表面加工とウレタン基準色 当社では、ウレタン基準色としてクリアー塗装を含む15色のコ ーティング系塗料をご用意。表面加工によって創り出された表情 にウレタン基準色でコーティングすることにより、表面に適度な 光沢を与え、多彩でオリジナリティの高い素材となります。 木材塗装とウレタン基準色についてはこちら。 空間イメージに マッチした素材を選ぶ際、従来の樹種と塗装仕上げに、新たなエ ッセンスとして「表面加工」を加えることで、選択の幅は一段と 広がります。 無垢木材、表面加工、塗装の組み合わせというセ ミオーダーによって創り出されたユニークな表情が、デザインワ ークの既成概念を打ち破る何かのヒントをもたらすかもしれませ ん。 ホワイトアッシュ キッコウ ウレタンオーク塗装 Powered by TCPDF (www.tcpdf.org)
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