テスト自動化で 時間とコストを節約

DEVELOPMENT
LABCAR-AUTOMATION V2.0
テストベンチに依存したテストから、
依存しないテストへと移行
SOLUTIONS
Robert Bosch GmbH
ティロ・
アルメンディンガー
ETAS
Dr.クリストファー・
アンハルト
テスト自動化で
時間とコストを節約
LABCAR-AUTOMATION V2.0によるテストシステムの有効利用
ETASは、2004年後半にリリースしたソフトウェアLABCAR-AUTOMATION V2.0により、テストを自動化する
ための柔軟性に富んだプラットフォームを実現しました。このツールはテストケースの再利用や、さまざまなプロジェ
クトへの応用を可能にします。Robert Bosch GmbHでは現在、シャーシシステム、ディーゼルシステム、ガソリン
システムの各部門で当ツールを使用しています。
コスト削減の圧力を吸収し、高品質の要
求に応えるために、ソフトウェアエンジ
ニアリング業界では体系的なテストの実
施が重要課題となっています。自動車業
界のさまざまな要求に応えるためにはテ
ストの自動化が必要であり、開発された
テストケースが高度な次元で再利用可能
であることを自動車メーカもサプライヤ
も求めています。プロセスを構造化する
場合、与えられたテストシステムの運用
とスケジュール管理に過大な手間がかか
らないように配慮しなければならないほ
か、テストベンチといったハードウェア
の購入やテストケースの開発に対する過
去・未来の投資を無駄にしないことも必
要です。しかし既存のテストシステムの
ほとんどは、そうした要件を満たしてい
明快なGUIにより
テストプロジェクトを
効率的に管理
ません。多くの企業は自社で開発したソ
リューションに頼っています。自社のソ
リューションであれば個々のケースの技
術的要件を満たすことはできますが、独
自のアーキテクチャを設計する際に相当
なコストがかかる上、開発とメンテナン
スにも多額の費用が生じます。他方、市
販の自動化アプリケーションは概して柔
軟性に乏しく、標準化されたプラット
フォーム上でプロジェクトごとに異なる
多様な要求事項を処理するといった作業
はできません。
ETASではLABCAR-AUTOMATION
V2.0の開発に際し、顧客の要求事項と既
存のテストプロセスの双方を綿密に分析
しました。その結果、革新的な自動化コ
ンセプトに基づいた様々なメリットをも
たらすツールの開発に成功しました。顧
客はテストケースの開発準備段階におい
て専用のツールをそれぞれ選択し、それ
らをオープンインターフェースによって
LABCAR-AUTOMATIONに統合するこ
とができます。一度開発されたテスト
ケースは、LABCAR-AUTOMATION
V2.0により効率的にパラメータ設定を行
い、フレキシブルに再利用できるため、
開発サイクルにおけるHiL、SiL、MiLと
いった各種のテスト工程やさまざまな試
験対象のあるアプリケーションで利用す
ることができます。一度定義されたテス
トシーケンスは、構成を少し手直しする
だけで各メーカのテストシステム上で実
行することができます。
LABCAR-AUTOMATION V2.0は高度
なフレキシビリティを備えたツールプ
ラットフォームで、個々のプロジェクト
の要求事項に柔軟に対応させることがで
きます。また、標準化されたツール環境
により、テストプロセスの自動化をス
ムーズに、しかも費用対効果の高いもの
を実現できるといった明確な特徴を備え
ています。
自動化アーキテクチャの詳細
新しいソフトウェアツールLABCARAUTOMATION V2.0の自動化コンセプ
トは、テスト作業を「テストケースの開
発」・「テストの管理」・「テストの実
施」の3つのカテゴリに分けています。
24
RT J1.2005
DEVELOPMENT
SOLUTIONS
Automation tool
Test case
library
Test case
Test case
Test case
Test bench
第1のカテゴリ「テストケースの開発」
では、外部の開発ツールを使ってテスト
ケースをデザインし、ライブラリに保存
します。その過程でユーザは抽象化のレ
ベルとともに、テストケースの再利用性
を定義します。またこれらのテストケー
スは、自由に定義できるパラメータセッ
トを使用することで、特定のテストシス
テムや「テスト対象ユニット」に依存し
ないように開発することが可能です。
LABCAR-AUTOMATIONはオープンイ
ンターフェースを備えており、各種の開
発ツールを統合することが可能ですが、
Telelogic TAU®/TesterTMのように広く使
われている開発ツールについては、専用
の統合用パッケージを用意しています。
第2のカテゴリ「テストの管理」では、
個々の開発やテストプロジェクトの枠内
でテストケースの管理と、プロジェクト
を再利用するための管理を行ないます。
LABCAR-AUTOMATIONは数多くの
ツールを備えており、ユーザに対してそ
れぞれの課題に応じた最適なサポートを
提供します。そのためにユーザはまず、
目的のプロジェクトに適したテンプレー
トをGUIによるテストケースライブラリ
から選択し、希望するパラメータセット
を指定した後に、テストシーケンスの詳
細を定義します。
第3のカテゴリ「テストの実施」を行う
ため、LABCAR-AUTOMATION V2.0で
は専用のユーザインターフェース画面を
提供しています。この画面では、候補に
上げた特定のテスト対象に対し、直前の
ステップ(テストの管理)で定義したテ
ストベンチに依存しないテストシーケン
スを割り当てることができます。続いて
LABCARのHiLシステムや Simulink®の
MiL環境のためにあらかじめ定義された
テストベンチの構成を選択し、そのテス
トベンチ上でテストシーケンスを実行し
ます。
LABCAR-AUTOMATION V2.0
Bench A
Bench B
テストの構造化による時間の節約
テストツールがモジュール化されてお
り、各作業を専門のスペシャリストが行
えることから、貴重な時間を節約するこ
とができます。例えばプロジェクトマ
ネージャは、面倒なパラメータ設定に関
与することなく作業を行うことができま
す。同様に、パラメータの設定を行うス
タッフの場合も、テストベンチやテスト
の構成に関する専門的な知識を必要とし
ません。テストの実行に特別の専門知識
は必要ないため、どのメンバでもテスト
を実行することができます。しかも
LABCAR-AUTOMATIONは非常にユー
ザフレンドリな設計で、スタンドアロン
のホストコンピュータ上でも作業を行え
ます。それぞれの組織構成に特異な部分
Test case
development
はあるにせよ、さまざまなテストに対し
て構造化の手法をとることで、テストシ
ステムの運用に明快さや透明性を与え、
効率化を図ることができます。
LABCAR-AUTOMATION V2.0の稼
働状況
LABCAR-AUTOMATIONは、ETAS
GmbHとリファレンスカスタマーである
Robert Bosch GmbHの共同開発を経てリ
リースされました。その背景にBoschでは
テストケースの再利用を高い次元で実現す
るため、シャーシシステム、ディーゼルシ
ステム、ガソリンシステムの各部門に標準
化された自動化ツールを導入する計画を立
てていた経緯があります。Boschがテスト
ケース開発のために選択した標準化言語は
TTCN 3でした。TTCN3用の開発ツール
( Telelogic TAU® / TesterTM) は 、
LABCAR-AUTOMATIONの専用パッ
ケージ(オプション)を用いてインター
フェースされます。
Test case
management
柔軟性に富んだ
テスト構造化の
手法を採用
Test case
execution
Test bench
info
Test bench
Reusable test
iibrary
case library
Physical test
project
MiL LABCAR
with Simulink®
HiL LABCAR
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J2005.1 RT