第146号松蔭中高図書館広報誌はと時計松蔭中高図書館発行 [email protected] 担当：眞鍋本物？ニセモノ？今年の9月27日、ルーブルの「モナリザ」より10才ほど「若いモナリザ」がスイスの財団からダ・ヴィンチの作品だと発表されて、論争を呼んでいますね。 2004年に発見された「ヴァージナルの前に座る女」もフェルメールの作品かどうか疑われました。全てのフェルメール作品のＸ線写真が撮られ、同じサイズの「レースを編む女」とキャンバスの糸目 2013年1月6日まで神戸市立博物館で見られます。がそろっていて、本物と断定されました。光の画家フェルメール。その透明彼の作品が盗難にあって紛失当時、画家はキャンパスを自分で作ってで静謐な美しさは多くの人を魅了したまま空の額縁を展示して返いたので、画家本人の作ということになっしています。却されるのを待ち望んでいる美たそうです。『迷宮美術館第４集』河出書房新社 2007 よりオリンピックの開会式で「ヘイ･術館もあります。（『迷宮美術ジュード」を歌ったポール・マッ館第5集』河出書房新社2008 カートニーもフェルメールのファそのフェルメールの一番有名な絵ンです。お忍びでケンウッド・ハといえる『真珠の耳飾りの少女』ウスにきて『ギターを弾く女』の前で黙って何時間も座ってみていが今、神戸に来ています。モデルとなった美しい少女が誰たりするそうですよ。（『フェルなのか。実は彼のお気に入りのメメール光の王国』福岡伸一著木イドだったという説でトレイ楽舎2011より）人類の宝とも言えるフェルメーシー・シュヴァリエが小説を書いルの絵画を盗んで、政府に自分たています。それが映画化されたのちの要求を飲まないと絵を燃やが「真珠の耳飾りの少女」。神戸す、と脅迫した犯人グループもい市立灘図書館で１０月１４日（ます。（『盗まれたフェルメー日）11時∼、14時∼の2回、無料ル』朽木ゆり子著新潮選書 2000 で上映されます。興味のある人は見に行ってみましょう。より）「真珠の耳飾りの少女」が宝石をつぶした透明な青！宝石ラピスラズリをつぶして使っていたという豪華な絵の具！透き通るように美しいフェルメールの青はここからきているのです。アフガニスタンから海を越えてはるばるヨーロッパまで輸入されていたこの絵の具はウルトラマリンともいわれて300年たった今でも劣化していません。美少女？悪女？ベアトリーチェ「真珠の耳飾り少女」のモデルは誰かわかっていません。この「真珠の耳飾りの少女」にそっくりな構図の、グイド・レーニが描いたと言われる「ベアトリーチェ・チェンツィ」がイタリアにあります。オランダのフェルメールが「真珠の耳飾りの少女」を描くときに、この「ベアトリーチェ」の絵の影響を受けたといわれています。肩越しに振り返るさまがなんとも可憐な彼女は父を殺した罪で処刑されました。絵に描かれた彼女がターバンを巻いているのは、首を切るときに斧が滑らないようにという恐ろしい理由からです。同じ構図なのにとても対照的な二人の少女の絵。不幸な美少女の、神に召される直前の絵を見たい人は『怖い絵３』中野京子著朝日出版社 2006 をどうぞ。フェルメールが来た！色彩心理学では、青い車は事故率が高いって知っていました？同じ色でも遠くに見えるんだそうです。『マンガでわかる心理学』サイエンス･アイ新書 2008 また黄色が好きな人は知的で上昇志向が強く、新しいものや変わったものが大好きで、好奇心や研究心が旺盛なんですって。色によって引き起こされる感情について知りたければ『マンガあまり多くの色をつかわず、青でわかる色の面白心理学』サイと黄色という補色の関係にあるエンス･アイ新書2006や『心を伝二色がフェルメールの作品ではえる配色イメージ』講談社2008 印象的に使われています。を参考にしてください。彼の贋作を作るにはフェルメールの作品をナチスに売ったとして捕まったメーヘレンはあの絵は自分が描いたと告白しました。17世紀の絵を買ってきて、キャンバスを張替え、古い顔料をフェルメールのように自分で挽き、アルコールで溶き、アナグマ毛筆で、研究し尽くしたフェルメールの技法で絵を描く。そして火で乾かして何度も筒このイヤリングの真珠はあまりにも大きいので偽物ではないかといわれています。真珠といえばエジプトの女王クレオパトラは酢で真珠を溶かして飲んだ（『クレオパトラ物語』ミリアム・アリ著白水社1986）という伝説がありますが、真珠は現代でも実際に薬品や化粧品としても使われ、色も豊富です。世界で初めて真珠の養殖に成功したのは日本人でした。『真珠物語生きている宝石』町井昭著ポピュラーサイエンス1995 より大きな耳飾りの真珠！状に丸め、ローラーでこすって亀裂をつくり、墨汁を何度も刷り込んでぬぐう。そしてキャンバスや木枠をわざと傷めて制作年とサインを入れる。多くの専門家をだまし、美術館に飾られるほどの完成度を持った贋作はこうしてできあがりました。メーヘレンはどうして贋作を作ったのか？理由はお金儲けではなかったのです･･･。『迷宮の美術史名画贋作』青春新書INTELLIGENCE 2006 フェルメールはオランダを代表する画家です。オランダといえば運河、チューリップ、風車、割り勘︵ダッチカウント︶？今年、高校年生が修学旅行で行く長崎のハウステンボス。ここには現在のオランダのベアトリクス女王がお住まいのハウステンボス宮殿の外観を忠実に再現した美術館があります。しっかり見てきてくださいね。 20121009 2012年10月9日 2 43才でなくなったフェルメールは14 人もの子だくさんな宿屋のおやじでした。37 点しか彼の作品は現存していません。その37 点は欧米の17の美術館に散らばっていますが、わざわざ観るために全てを巡るファンもいるほどです。フェルメールを求めて国を越え海を渡る旅を疑似体験したければ『フェルメール巡礼』朽木ゆりこ・前橋重二著とんぼの本2011,『フェルメール全点踏破の旅』朽木ゆりこ著集英社新書ビジュアル版 2006などを。宿屋の主人でした