サケ ・マス類の育種管理

魚、 と卵
@58) 1989
サケ・マス類の 育種管理
木
島
田
博
、ンロサケ の人工ふ化放流事業が
成功を修め, 北 日本の多くの 河川で産卵湖
上する サケ がみられるようになった。 また卯の移植により 今までみられなか
った河川にも 湖上するようになった。 その結果,生産量の 問題 は一段落し ,
湖上サケの質的問題がクローズアップされるようになってきた。
たとえば湖
上時期を早めたり ,遅くしたり ,肉質の悪いブナケやホソ チャレではなく 良
質の肉をもつ ギンケ ,のままで産卵できる 個体などをつくれないかという 要
望がでてきた。 また, シロサケやサクラマスの 河川湖上 群 およびイワナやヤ
マメなどの河川集団は 養殖品種の素材となる 遺伝子資源 (遺伝子給源 ) とし
ての役割が見直されつつあ り,無計画な 移殖や選択に 対する反省がなされ ,
河 l@ 団や系統 群 が本来もっている 産卵湖上期や 卵径, 卵 数などの遺伝的特
, 陛の保全も考えられてきている。
養殖されているニジマスやヤマメなどでは
,成長の早い系統や年 2 回産卵の
系統および耐病性の 系統などが選択や 系統間交雑によって 作成されてきてい
る 。
さらに最近では , 培 養殖の対象として 有利な特性をもって 新しい種や品
種の導入,染色体工学を 利用した品種や 系統の作成および 性のコントロール
まで考えられるようになってきた。
人工ふ化放流にせよ 養殖にせよその 目的に合った 集団の質的向上を 望め
ば、 意識的あ るいは無意識的人為選択が 加わることになる。 これは対象生物
の遺伝的制御をおこな
「育種」にほかならず ,生産された集団の遺伝的特
う
性を保ちながら 維持生産して い くこと,すなわち,集団の遺伝的制御が「育種
管理」であ る。 ここでは シロサケ を中心に, 日本におけるサケ・マス 類の育
種管理について 基本的な考え 方と具体的方策について 概述する。
対象集団の把握 育種の対象となる 集団とは「同一の 遺伝子給源 (gene
pool)を共有し性的な 交配受精をおこな 個体からなるメンデル 集団」と定
義される。 すなわち,遺伝的特徴をもち ,相互に独立した繁殖単位を意味す
う
る。養殖種 では品種や系統に
相当し,天然では 地方品種や系統 群 に相当する。
,正確には婚姻色が
顕著でない 個体
一5一
一般に魚類の 形態による個体差の 遺伝子支配を 明らかにすることは 難しい
ことから,形態による 遺伝的特徴をもった 繁殖単位の把握が 容易にできなか
った。 1950 年代より発展してきた 電気泳動 法 と組織化学的染色法により 酵素
やタンパクの 一次構造の違い
(アイソザイム ) が容易にとらえられ ,直接遺
伝的変異が推定できるようになった。
これが集団遺伝学の 理論と結び付き ,
魚類集団の遺伝学的解析を 容易にした。
アイソザイムを 標識として日本の シロサケ の河川集団の 構造が調べられて
いる。 木島・藤尾 (1979) はイソクェン 酸 脱水素酵素 (IDH) と乳酸脱水素
酵素 (LDH) アイソザイムの 遺伝子頻度に 河川間で差が 認められることから ,
それぞれの河川に 1 つの繁殖集団が 存在していることを 示した。 さらに本州
太平洋側と本州日本海側のそれぞれの 河川問に遺伝子頻度の 勾配があ ること
をみつけ, 日本には少なくとも 3 つ (北海道,本州太平洋側,本州日本海側)
の系統群 が存在することを 示唆した。 北海道については 本州でみられたよう
な遺伝子頻度の 地理的勾配
は 観察できなかった
(木
徳 志方
几
島・藤尾1981)。 同様の結果
がOkazaki
(1982) によっ
ても認められている。 しか
ml mll
」
月
標 津川
西川州
別当 賀 Ⅲ
l
釧路
十勝Ⅱ @
遊楽部Ⅱ
@
厘沢き Blll
馬淵川
閉伊川
牛渡 Jll
清洲Ⅱ
l
幸 軽石川
片岸 @ll
l
|
l
憶妨
青戸Ⅱ
l
木戸川
黒き DJll
川神通@ll
鬼怒 @ll
ホ葉奉ま
采
フ
Ⅰ
止
也理
可
図
置
と
集
から河口までの 地理的距離
遺伝的類似度を 示す遺伝
的距離,の関係を 調べた 結
ラウスⅡ
Ⅱ
1
11
1
ートに沿って 各河川の河口
上
盛大
対象に図 2 に示す 5 つのル
Ⅱ
列奉迎 牛 @ll
の地理的関係が 存在してい
ただろう。 これを乱した 要
因として道内の 卵の移植が
考えられる (木島1981)。
そこで本来の 地理的関係
と遺伝的関係を 復元するた
めに,図 1 に示す 37 河川を
J
ハ
『
し本来は本州と 同様に,北
海道においても 河川集団間
千歳Ⅱ
り
ぺ @1l 斜 且
『
@
よ
式
Ro
6
一一 め
ス部 る
v--調
難を
ス部州間
ウ楽怒川
ケ
サ
図
ラ
表1
ス瀬
ウ入
ラ奥
系
日本全体
ラ月
賀部
岩沢川
別厚庄
1
河川集団間の 地理的距離 (km) と遺伝的距離の 間の相関係数 (r)
範
囲
最大距離 組合せ教 相関係数 有意水準
Km
N
3251
1758
561
0.0575
ノ
0.100
120
0.4635
く
0.010
I1I ラウスⅢ一別当賀川一遊楽部Ⅲ
一奥入瀬Ⅱl一鬼怒 @
1599
231
0 . 4368
く
0 . 010
IV 別当賀川一ラウス
一奥入瀬川@一鬼怒 小一尾利沢Ⅱ
l
l
1996
276
0.0456
ノ
0.400
V
1485
0.4255
く
0.010
1 日本全体
11 別当賀川一ラウス 川 一尾 沈賠 0J@@
一月光Ⅱ@水系一庄川@
Ⅱ
Ⅱ
ウス川 一別当賀川一遊楽音BJll
一月光川水系一 庄 Ⅱ l
91
果 ,表1 に示すように 日本全体 (1) およびルート (IV)では相関は認められな
かったが,根室海区からオホーツク 海側に,北海道日本海側,本州日本海側
のルート (11),根室海区から 北海道太平洋側,本州太平洋側に 至るルート
㎝ 1, および根室海区から 北海道太平洋側,そして 本州日本海側に 至るル一
一7一
ト
(V) では有意な正の 相関が認められた
(Kij㎞ aandFulio,
1982) 。 これ
らのルートは シロサケ の産卵回遊経路とよく 一致し河川間の 遺伝子の混入
は産卵回遊経路に 沿った迷い込みによっておこると 考えられた。 従って,北
海道の場合は 大きく分けて 太平洋側とオホーツク 海・日本海側の 2 つの系統
群 が存在したと 考えられる。 湖上時期や標識放流の 結果を考慮すれば 日本海
側と オホーツク海側をさらに 区分できるだろう。
以上のことから ,
シロ サケ のような放流を 目的とした平野生集団の 育種管
理は,最小繁殖単位であ る河川を基本とするが ,遺伝子資源の観点からは近
隣の河川を含めた 系統群 (地方品種 ) を対象とすることになる。
養殖集団の場合,養殖種 によって養殖化のレベルが 違っていたり ,養殖場
毎に生産目標や 選択の仕方,繁殖のさせ方が異なっている。 また,同- の養
殖場でも品種や 系統によって 繁殖方法が異なっている。 ここでいう品種や 系
統とは各養殖場で 世代を超えて 飼育している 閉鎖集団も含めている。 事実,
ニジマス,ヤマメ ,
イワナでの各養殖場の 閉鎖集団間,品種間の 遺伝的組成
の違いは自然集団や 半野生集団よりも 顕著に大きくなっている
et al.,.1986, 1988:Macaranas
(Nakaj@a
et al.,]1985) 。 従って,養殖集団における 育種
管理の対象は 各養殖場での 閉鎖集団や品種および 系統単位となる。
平野生集団の 育種管理 シロサケ の河川集団は 遺伝子資源としての 役割を
もつので,理想的には 自然の状態を 維持すればよいが ,人が利用するために
繁殖させることから , その集団が本来もっている 遺伝的特性を 保ちながら 効
率よく維持生産することになる。 そのためには 集団の遺伝的組成や 遺伝的変
異性の変化を 最小限にとどめ ,有害遺伝子の除去をおこな ことであ る。
遺伝的組成および 変異性を変化させる 主な要因として 近親交配,遺伝的浮
う
動,選択,突然変異,移住
(移 植 ) があ げられる。 近親交配は使用 親 魚類の
減少により集団の 有効な大きさ (次世代に子を 残した血縁関係のない 親の数)
が小さくなり ,血縁同志の交配の確率が 高くなっておこる 場合と,特定の形
質をもった親を 意識的に選択するためにおこる
場合があ
る。 遺伝的浮動は
集
団の有効な大きさが 小さくなったとき 次世代を形成する 配偶子の抽出誤差が
生じ,遺伝子頻度や変異性の機会的変動をおこす。 選択には前述の 意識的選
択 のほかに,無意識的に 大きい魚体のものや 産卵時期の早いものを 親として
使っていたりするためにおこる 無意識的選択があ る。 突然変異は洗卵や 消毒
などの時に突然変異誘発物質となる
薬品を使用しなければ 通常無視できる
一
8
頻
度 nl 世代当り 10"'一 10" つであ る。移住による影響は 遺伝的に異なる 集団か
らの移植 特定の親からの 子をすべて移出したために 集団の有効な 大きさを
小さくしておこる 場合があ る。 以上のことから 平野生集団の 遺伝的特性の 保
全には意識的要因および 無意識的要因でおこる 集団の有効な 大きさの減少を
防止するような 繁殖様式をとることが 重要であ る。
表 2 に使用した有効な 親の数と 1 世代で蓄積される 近交係数の理論的関係
を示した。 近交係数は有効な 親の数が少なければ 高くなり, あ る親の数を交
と
配する場合は 雌雄同数のときに 近交係数は最小となり ,集団の有効な大きさ
表2
親の数と
1 世代の間に蓄積される
近代係数の関係
2@@
Ⅱ
.
-D
212
Ⅰ
は最大となる。
(1986) は北海道さけ・ますふ 化場事業報告書および 本
Kij ㎞ a and Fujio
州 鮭鱒ふ化放流事業報告に 記録されている 湖上敷,使用親 点数 を 10 年間に 亘
って調べ,各河川の 集団の有効な 大きさ (Ne)
一 を以下の式によって 推定した。
nNf n/ は lノ Ne,)
一一 二
Ne , =4Nm
ここで Nm
。
,, Nfi
と
Ⅰ
Nm
+Nfi)
Nf, は i 年度に使用した 雄の数と雌の 数を示している。 その結
果, Ne は使用した 親焦がすべて血縁関係ないとしても
一9一
平均湖上数の 約 37%
にしかならなかった。 また,アイソザイム 遺伝子を標識として 求めた遺伝的
すとの関係
変異性の 1 つのパラメーターとなる 平均ヘテロ接合体率 (百 ) と菌
は有意な正の 相関があ り, Ne の減少は変異性の 低下をもたらすことがわか
った。 さらにこれらを 自然突然変異率 ル ) を 10-, 仮定したときの 集団遺伝
学的理論曲線 H 二 WNeu/(WNe が +1) と上ヒ校 すると,図3 に示すように ,一般
によく合っているが ,いくつかの河川では大きくはずれていた。 これらは 多
と
量の卵の移出入をしていた 河川であ
った。 特に発眼 卯の大規模な
移出をして
いる十勝川や 釧路 川 では,特定の親からの子をすべて 移出しているために ,
折角採卵してもその 親は白河川に 何ら寄与せず 集団の有効な 大きさを小さく
してしまった 結果と推定できる
(木島, 1982)。
一H
log Ne
log@Ne
図3
シロサケの河川集団の有効な大きさと平均ヘテロザイゴシ テイー
㈹ : 移出人卯 数を考慮しない
場合。
(B): ランタム抽出でな
い 移出人
卵 数を考慮した
場合
実線は突然変異
l0 5, 破線は
l0- ,Ⅱ
,の理論線 を小す。
以上のことを 踏まえて現実における 育種管理を考えると 以下になる
1 . 原則として湖上個体のすべてを
交配 親 とする。 ただし未熟個体や 倭 小 個
体および極大個体などは 有害遺伝子の 除去の観点から 使用しなくてもよい。
また採卵 数過剰は次に述べる 採卵計画にのっとり 特定の時期や 個体に偏らな
いようにする。
2 . 産卵 期 全般に 亘り 採卵できるように 適正な採卵計画を 設ける。 たとえば
シロサケ の場合, 1 週間単位での 採卵計画をたてると ,
-m0
一
月曜日から木曜日ま
では沿岸,ふ化場共に通常通り 採捕採卵するが,採卵数が計画に満たない
場
合は金曜日から 日曜までを沿岸において 禁漁とする。採卵数 が計画の 100% を
超えたら沿岸 採捕を強化するなどが 考えられる。
3. 人工授精は雌雄 比 1 : 1 でおこなう。 現実には 雌 5 一 10 尾に対し 雄 5
-10 尾といった方法になるだろう。
4 . 移植をする場合, あ る親からの子をすべて 移出しないようにする。 移入
は同じ遺伝子資源 (系統群) とみなせる河川からおこなう。 実際には単一の
ふ化槽ではなく ,いろいろなふ化槽から取り 出して移出することにより 元集
団の Ne を減少させずにすみ ,移入先 では多くの親からの 子をもらうために
Ne の大きな集団の 導入になる。
5 . 集団の遺伝的状態をアイソザイム 分析によって 毎 世代調べる。 遺伝的状
態は遺伝子頻度,遺伝子型分布,遺伝的変異性からとらえ
,変化の有無。近
交の程度を把握する。 同時に従来通りの 繁殖記録 (湖上敷,使用観点雌雄 数 ,
放流数など ) をとると共に ,体長,体重,
卵 数などの形態形質の 記録をとる
ことも重要であ る。
養殖集団の育種管理
養殖集団の目的は 人間にとって 都合のよい形質をも
ったあ る程度遺伝的に 均質な品種や 系統を作成し ,全生涯を人為管理下にお
いて維持生産していくことであ る。 また, ライオン やサイ などの大型陸上動
物でみられるように 自然集団の資源の 枯渇時には自然へ 戻すための遺伝子資
源としての役割をもつ。 従って,養殖集団は 小さな「集団の 有効な大きさ」
の 多くの閉鎖集団や
品種,系統を維持生産し各々の 集団中に遺伝的変異を
分散させて保有することになる。
集団の有効な 大きさが小さな 養殖集団は近親交配の 確率が高くなり , 奇型
率の増加や繁殖力の 低下などの 近 交羽勢 をもたらす可能性があ る。 魚類の近
文弱 勢 に関してグッピーをモデルにした 実験があ る (藤尾1986)。 約 500 個体
からなる グッピ 一集団から名の 成魚を抜きとり , この操作を 3 世代にわたり
3 回繰り返した。 このときの集団の 近 交 係数 (F) をアスパラギン 酸アミノ
転移酵素 (AAT)
と
フォスフォバルコムターゼ
(PGM) アイソザイムの 遺伝
的組成から,
F=l
一
ヘテロ接合体の 期待値
ヘテロ接合体の 観察値
によって求めたところ
,図4
に示すように 近交係数は兄妹交配
一11
一
1
回に相当
甜Ⅰ
報中
観ヰ
0
近
-0
・
10
l
仔
6
㈲
4
図4
グソピ一のアイソザイム遺伝子型より推定した近交 係数の変化と産伴類
するレベルに 達した。 近交係数の回復はこの
後の回復はアイソザイム
きの雌
1
場合考えられないので
遺伝子のへテロ 効果であ ろうとしている。
,その
このと
尾当りの平均 産 件数は直線的に 低下した。 このような繁殖力の
下は, 産仔できない雌の 割合が増加するためにおこり ,
は減少しないことが 兄妹交配実験で 確認された
ことは 近変 によって有害遺伝子のホモ
低
産仔 した雌の産件数
(佐々木・藤尾, 1984L 。 この
化がおこり, 近 文弱 勢 が顕在化したも
のと,有害遺伝子が除去されたために 近交 がかかっていても 繁殖力のあ る 個
休 が存在することを 示している。 このような現象はサクラマスの 養殖集団 (中
嶋 ら 1988), 染色体工学によるアユの
人為雌性発生個体でも
認められている
る
(Taniguchiet al 1988)0
以上のことから ,養殖集団の育種管理は個々の 閉鎖集団や品種,系統の 近
文弱 勢 による繁殖力の 低下を防ぐことになり ,その方法は以下のようになる。
1 . 品種や系統の 作成段階にあ る各養殖場の 閉鎖集団の繁殖において ,未熟,
奇型 および倭小個体などは交配から 除き,有害遺伝子の
一12 一
除去
(減少 )
をおこ
なう。 また, 品種や系統の 維持生産においても 同様にする。
2 . 保有している 閉鎖集団や品種,系統は 毎世代の同集団からの
加入を含め
てあ る程度の親負数 (100一 500尾程度) を保有し交配は 雌雄比 1 : 1 でお
こなう。 有害遺伝子を 完全除去した 系統はなく,集団の 維持には集団の 有効
な大きさをあ る程度保有する 必要があ る。
3 . 多くの閉鎖集団, 品種や系統をいろいろな 養殖場で保有する。 近 交は必
らず進むので ,同じ起源の閉鎖集団,品種や系統を多くの 養殖場で保有すれ
ば危険分散となり ,異なる起源であれば遺伝的変異の 分散により遺伝子資源
の維持になる。 さらに系統間交雑による へ テロシス育種の 親として有用であ
る。 ただし この場合は F, を 親魚として養成しない。
4
. 集団間の混合は 避ける。 品種とはあ る形質について
世代を重ねても 整一
性を示す集団を 意味し系統とはあ る特徴をもち ,計画的な交配によって 維
持されている 起源の明確な 集団を意味する。 従って,各養殖場でもっている
閉鎖集団はこれらのもととなっており
, 継代 飼育がなされていれば 意識的,
無意識的選択も 加わって品種などに 近い性質をもっている 可能性があ
る。 こ
こに他集団からの 混入をすればそれは 育種素材の段階に 戻すことになる。
5 . 各閉鎖集団や 品種,系統の遺伝的状態をアイソザイム 分析により, 毎 世
代把握すると 共に, 毎 世代特性検定や 生産力検定をおこない 近 文弱勢を避け
る。
5 . 作成された品種や 系統は自然界への 流出防止をし ,無計画な放流はおこ
なれない。
本稿に記された 用語などの詳細な 説明は「水産育種の 基礎」 (藤尾 木島,
1988) を参照されたい。
一13. 一
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