in GIAPPONESE - Chiesadimilano

Giapponese
日本人の学童、学生の皆さんへ
遠い日本からミラノに移られて来たあなたも、君も、ようこそイタリアの学校へ!
イタリアに着いた段階では、周りは知らない人ばかりだし、言葉も習慣も違うし、いくらか
の不愉快な思いをさせられたでしょうね。ご覧のとおり、私達イタリア人は穏やかな人柄を持っ
ていると言われながら、やはり欠点も少なくはありません。ご免ね!それはそれで、時間がたつ
に連れて、イタリアでの生活も楽になったのではありませんか。とにかく、先ず望まれることは、
このイタリアは遠くから来たあなたにも、君にも、暖かい家と感じられるようになることです。
では、あなたの家になったこのイタリアには、楽しい生活を送るための秘訣を教えましょう。先
ず、イタリア国民の人柄、歴史、文化、伝説、宗教心を知ることです。イタリアの歴史は遠い昔
から続くものであることに、早くも気付いたと思います。私もあなたの国を訪れる機会を得たら、
あなたの国の特徴をよく見取りたいものです。ミラノのドゥオモとか、ローマの聖ペトロ寺院と
かを始め、至るどころに点在する教会を見ただけでも、イタリアの歴史は 2000 年ほど前からキリ
スト教、厳密に言えばカトリック教会の影響を受けていることが分かります。あっちこっちにか
けられている聖書の聖句、あるいは安置されているイエスと聖母マリア、あるいはアッシジの聖
フランシスコ、聖ヨハネ・ボスコ、または聖ピオなどの御絵や御像を見かけたことがあるでしょ
う。また、テレビをつけたら必ずと言ってもいいほど、教会の指導者である教皇と司教、または
神父が子供達に囲まれる光景、あるいは他の宗教やカトリックでないキリスト教の代表者たちと
話し合う光景に目を留めたことがありませんか。彼らの内には、ユダヤ教徒、イスラム教徒、仏
教徒、ヒンズー教徒、ルター教会の信者、エホバ証人などなどがいて、各宗派が独特な歴史やお
経や祝日を抱えています。教会は有りのままの現実に根付いています。
イタリアの学校制度は IRC1、すなわち「カトリック教育」という教授を定めています。そこには、
カトリック教会の思想、歴史、聖書などを教わるのは勿論、それだけではなく、他の宗教につい
ての知識も得ることが出来ます。
もしあなたも、自分の学識を広めるためには IRC の教室に通いたいと望めば、知っておいて頂き
たいのは、あなたもそれが簡単に出来ることです。学校の事務所に申し込むだけで済みます。き
っと、宗教教室の友達は大歓迎してくれます。IRC の教授を受ければ、強制的にキリスト教と改宗
せねばならない条件は決してありません。IRC の目的はあなたを迎えてくれたこのイタリア国のカ
トリック伝統を知ることによって、あなたが自分自身の宗教をより広く、より誠実に生きること
が出来るように、それだけです。宗教は人間の心を清める修行であれば、宗教の教育は自他の問
題に直面できる力を得ることであり、特に生死、戦争と平和、友情と愛、人種的な偏見と寛容、
個性と共同性、自由と戒律などに対する判断力を備えることです。
あなたも、他の人間と同様、次の自問をこらえたことがあるでしょうね。「私の存在は何処から
でしょうか。何故この世に生まれなければならなかったでしょうか。私の未来は如何なものでし
ょうか。私の存在の是非によって、いったい世の中に変わることがあり得ますか。私にも価値は
ありましょうか。どうでしょうか。どうして対話や出会いを建設的に求める人がいれば、反面に
は分裂や紛争を好む人もいなければならないでしょうか。どうして人類には善悪が混合するので
しょうか。」
上記の質問は人々の心の平和を乱すが、それに答えようとして知識を広めなければならないこと
自体は、まさに人生の小道を美しくて優しくすることになります。IRC の教授は、あなたの成長を
促したり試したりする「現場」だし、毎日の生活に関わる質問を解くための知恵を得る学校でも
あります。勉強が嫌な日もやって来るでしょうが、特にそのときに宗教の先生はあなたの話し相
手になってくださるので、遠慮なく声をかけてください。
ご両親とも、お友達とも、宗教の先生とも、他の先生とも、誰ともいいですから、自由に IRC の
相談をなさってください。ご両親によろしく!お元気で!
1
IRC は Insegnamento della religione cattolica」の略