検討事例の書き方 検討する事例は、分かりやすさと見やすさのために

検討事例の書き方
検 討 す る 事 例 は 、分 か り や す さ と 見 や す さ の た め に 、書 き 方 を 統
一しました。
使 用 す る 書 式 は 、ワ ー ド で A 4 2 枚 横 書 き 3 6 文 字 3 6 行
の 設 定 で お 願 い し ま す 。手 書 き の 場 合 に は 、A 4 で 2 枚 ま で に ま と
め て く だ さ い 。 手 書 き の 場 合 、 400 字 詰 め 原 稿 用 紙 6 枚 程 度 で す 。
個 人 情 報 保 護 の た め 、事 例 の 実 名 、医 療 機 関 や 行 政 機 関 の 具 体 名
など、個人を特定できることは書かないで下さい。
事例は次の項目に沿ってお書きください。
1 検討事例のテーマを【表題】としてください。
2 【都道府県名 施設名 事例提出者】
( 配 布 資 料 で は 施 設 名 ・提 出 者 を 匿 名 に し て 、 配 布 し ま す )
3 【 事 例 の 要 約 】 2~ 3 行 で 事 例 の 要 約 を し て く だ さ い 。
4 【事例の性別、年齢】
5 【家族関係】できれば家族図を用いて図式化してください。
6 【病名(精神科・身体科) 障害手帳の有無】
7 【生活史】
( 出 生 地 、出 生 家 族 の 特 記 事 項 、幼 少 時 の 特 記 事 項 、
最終学歴、職歴、婚姻歴など)
8 【 飲 酒・薬 物 使 用 歴 】
( 初 回 飲 酒・使 用 、常 習 飲 酒・使 用 、問
題飲酒・使用)
【 治 療 歴 】( 今 ま で の 治 療 歴 と 現 在 受 け て い る 治 療 )
9 【自助グループの利用について】
10 【 施 設 利 用 ま で の 経 過 】
11 【 施 設 利 用 中 の 経 過 】( 施 設 利 用 中 の 出 来 事 、 職 員 の 関 わ り )
12 【 処 遇 方 針 】( 今 後 の 方 針 )
13 【 検 討 し た い 課 題 】
( 困 難 に 感 じ て い る 点 、あ る い は 困 っ た が
うまくいった点を書いてください)
14 【 そ の 他 備 考 】
※
経過が長い場合には①②などの小見出しで区切ってください。
検討事例の書き方
1
【表題】
2
【都道府県名
3
【事例の要約】
例
飲酒を繰り返し、施設への通所を何度も中断する男性
施設名
事例提出者】
埼玉県
こころの家
埼玉太郎
飲酒問題のため、離婚して一人暮らしの男性で、アルコール専門治療プロ
グラムを終えた後、地域の作業所に通所中であるが、2回の再飲酒があり、
安定した生活を送ることができない状態である。
4
【事例の性別
5
【家族歴】
年齢】
男性
52歳
二人兄弟の兄。両親、本人の幼少時離婚。結婚して娘2人生まれるが、離婚
して現在単身生活。
6
【病名(精神科
アルコール依存症
7
身体科)
肝硬変
障害手帳の有無】
障害手帳なし
【生活史】
( 出 生 地 、出 生 家 族 の 特 記 事 項 、幼 少 時 の 特 記 事 項 、最 終 学 歴 、職
歴、婚姻歴など)
東京生まれ。幼少時に両親離婚し、母親に育てられる。高卒後、親戚のそば
屋 で 働 く 。30 歳 で 結 婚 し 、自 分 で 店 を 持 つ 。娘 が 2 人 生 ま れ る 。4 8 歳 で 飲
酒が原因で離婚。店をやめ、その後何軒か他のそば屋で働くが、飲酒のため
長続きせず、50歳で内科入院し、生活保護を受け、現在アパートに独居。
8
【 飲 酒 ・ 薬 物 使 用 歴 】( 初 回 飲 酒 ・ 使 用 、 常 習 飲 酒 ・ 使 用 、 問 題 飲 酒 ・ 使 用 )
【 治 療 歴 】( 今 ま で の 治 療 歴 と 現 在 受 け て い る 治 療 )
① 高 校 時 代 に 初 飲 。 そ ば 屋 で 働 き だ し 、 毎 日 晩 酌 日 本 酒 2~ 3 合 。
② 30 歳 結 婚 後 は 酒 量 が 増 え 、 毎 日 4~ 5 合 を 晩 酌 。
③ 45 歳 過 ぎ か ら 、飲 み 過 ぎ る と 仕 事 を 休 み 、妻 と け ん か が 多 く な る 。時 に は 妻
に暴言暴力。離婚後は、新しい店で数ヶ月飲まないでがんばるが、飲み出す
と連続飲酒になり、転職を繰り返した。
④ 50 歳 で 連 続 飲 酒 に よ る 衰 弱 が 激 し く な り 、内 科 入 院 を 3 回 繰 り 返 し た 後 、A
病院アルコール専門病棟に入院し、2 ヶ月のプログラムを終了。退院後、こ
ころの家に通所する。現在、内科とA病院のアルコール外来に通院中。
9
【自助グループの利用について】
A 病 院 入 院 中 は 院 内 の A A と 断 酒 会 参 加 の み 。退 院 後 、 近 く の A A に 週 1 回
参加している。
10【 施 設 利 用 ま で の 経 過 】
A病院入院中に、病院のワーカーと見学し、退院後に通所開始。
11【 施 設 利 用 中 の 経 過 】( 施 設 利 用 中 の 出 来 事 、 職 員 の 関 わ り )
①通所開始当初から作業所のプログラムに一生懸命に参加し、活動に取り組む
2 ヶ月ほどたってから、イライラが目立ち、他のメンバーや職員と些細なこ
とで口論が多くなる。
② 通 所 3 ヶ 月 目 の こ ろ 、調 理 プ ロ グ ラ ム の 日 に 、自 分 の ア ド バ イ ス を 聞 か な い
で メ ン バ ー が 作 っ た 食 事 に 対 し て 「こ ん な も の 食 え る か ! 」と 言 っ て ア パ ー ト
に帰ってしまった。
③翌日から、通所もしなくなり、連続飲酒になって衰弱しているので、以前に
入院した内科病院に救急で入院した。
④1 ヶ月ほどして体調も戻り、もう一度こころの家に通所することになった。
⑤ 再 通 所 後 は 、他 の メ ン バ ー と ぶ つ か る こ と は な く な っ た が 、「自 分 は 役 立 た ず
だ 」「も う 俺 も お し ま い だ 」と 悲 観 的 な こ と を 言 う よ う に な っ た 。
⑥2 ヵ月半後、外出プログラムの集合場所を勘違いして別のところに行き、参
加 で き な か っ た 。翌 日 、機 嫌 が 悪 く 、話 し て い る う ち に 酒 臭 が し た の で 「酒 の
臭 い が す る ん だ け れ ど 」と 職 員 が 関 わ る が 、 「飲 ん で い な い 。 疑 う な ら も う 来
な い ! 」と 帰 っ て し ま っ た 。1 週 間 後 福 祉 の ワ ー カ ー と 職 員 が ア パ ー ト に 行 く
と、部屋がめちゃくちゃで意識も朦朧としているようなので、A病院に再入
院になった。
⑦ 入 院 後 は 5 日 間 ほ ど 保 護 室 に い た 。ア ル コ ー ル 病 棟 で 主 治 医 、 病 院 の 担 当 ワ
ーカー、B市生保ワーカー、作業所職員で退院後の作業所利用について話し
合い、デイケアの利用も検討されたが、再度作業所への通所となった。現在
再通所後 1 ヶ月が経過したところで、今回は少し元気が無い様子はあるが、
前よりおだやかに通ってきている。
12【 処 遇 方 針 】( 今 後 の 方 針 )
過 去 2 回 、通 所 3 ヶ 月 ぐ ら い で 問 題 が 生 じ た の で 、ま ず 3 ヶ 月 の 壁 を ク リ ア
することが目標としている。そのため、職員との個別の面接を増やしてサポ
ートを行う予定である。できれば、自助グループの参加を増やして仲間意識
を強めてほしいとも思っている。
13【 検 討 し た い 課 題 】
( 困 難 に 感 じ て い る 点 、あ る い は 困 っ た が う ま く い っ
た点を書いてください)
1 回目のスリップはプライドや怒りが、2 回目はうつ状態がその原因に思え
るが、この気分の波は躁うつ病と関係があり、薬でコントロールできるのだ
ろうか。それとも、アルコール依存症の病状なのだろうか、教えていただき
たい。このようにスリップを繰り返す人への支援方法を知りたい。また自助
グループへの参加を渋る人への働きかけも知りたい。
13【その他
備考】なし