工事 - 青梅市

平成25年度
定期監査(工事)報告書
市道幹9号線改修工事
青梅市監査委員
平成25年度定期監査(工事)報告書
第1
監査の概要
1
監査の対象
市道幹9号線改修工事
所
2
管
課
建設部土木課
監査の期間
平成25年11月25日から平成26年2月26日まで
説明の聴取
3
平成26年1月20日
監査の方法
監 査 の 実 施 に 当 た っ て は 、工 事 の 設 計 、契 約 、施 工 等 が 法 令
等 に 準 拠 し 、適 正 か つ 効 率 的 に 執 行 さ れ て い る か ど う か を 主 眼
として、関係職員等からの説明聴取を実施した。
な お 、技 術 的 側 面 に つ い て は 、N P O 法 人 地 域 と 行 政 を 支 え
る技術フォーラムに工事技術調査の業務を委託して実施した。
4
調査の方法
書 類 審 査 お よ び 現 地 調 査 を 仕 様 書 に も と づ き 、次 の と お り 実
施した。
(1) 所 管 課 に よ る 工 事 経 過 お よ び 概 要 説 明
(2) 特 記 仕 様 書 の 調 査
(3) 設 計 図 面 の 調 査
(4) 積 算 書 の 調 査
(5) 工 事 監 理 状 況 の 調 査
(6) 施 工 管 理 状 況 の 調 査
(7) そ の 他
第2
工事の概要
1
工事件名
幹9号線改修工事
2
工事場所
青梅市新町8丁目から末広町1丁目地内
3
工
平 成 25年9月13日か ら 平 成 26年5月16日ま で
4
請負業者
昭和建設株式会社
5
契約金額
107,310,000円(消費税込み)
6
工事内容
期
- 1 -
(1) 工 事 延 長
(2) 幅
387.2メートル
員
(3) 幅 員 構 成
(4) 舗 装 構 造
16.0メートル
車
道
3 . 0 メ ー ト ル ×2
停車帯
1 . 5 メ ー ト ル ×2
歩
3 . 5 メ ー ト ル ×2
道
車道アスファルト舗装工
3 0 型( 路 床 改 良 共 )3 ,6 4 3 平 方 メ ー ト ル
歩道アスファルト舗装工
1 9 型( 透 水 性 )
(5) 街 き ょ 工
第3
115SF型
(6) 防 護 柵 設 置 工
(横断防止柵)
(7) 大 型 道 路 照 明
H=8メートル
2 ,0 2 0 平 方 メ ー ト ル
5 7 9 .0 メ ー ト ル
6 0 0 .3 メ ー ト ル
18基
監査の結果
監査の結果、本工事の設計、積算、契約、施工等はおおむね適
正かつ効率的に執行されているものと認められた。
な お 、一 部 改 善 さ れ る こ と が 望 ま し い 事 項 が 見 受 け ら れ た の で 、
工事技術調査に続き要望等を述べることとする。
1
工事技術調査
(1) 対 象 路 線 の 概 要
幹 9 号 線 は 、青 梅 市 東 部 地 区 を 東 西 に 横 断 す る 主 要 な 路 線
で 、羽 村 市 、福 生 市 を 通 過 し 横 田 飛 行 場 付 近 に 至 る 道 路 で あ
る。
本 路 線 は 、中 央 部 分 に 開 き ょ の 都 市 下 水 路 が 敷 設 さ れ て い
たが、都市下水路を廃止し地下に雨水管が敷設されたため、
中 央 部 分 が 更 地 と な っ て い た 。現 在 は 、こ の 更 地 を 挟 み 上 下
線 1 車 線 の 一 方 通 行 と な っ て お り 、歩 道 の 整 備 が 行 わ れ て い
な い 状 況 で あ る 。本 工 事 は 、こ の 更 地 部 分 を 含 め て 車 道 と し
て 整 備 し 、車 道 の 両 側 に 自 転 車 歩 行 者 道 を 設 置 し よ う と す る
も の で あ る 。な お 、こ の 道 路 は 既 に 土 地 区 画 整 理 事 業 に よ り
道 路 線 形 、幅 員 が 確 定 さ れ て い る た め 現 道 路 敷 内 で の 整 備 と
なり、道路線形の変更をともなわないところである。
また、本路線は、横田飛行場から西多摩地区の地域災害拠
- 2 -
点中核病院である青梅市立総合病院に至る最短ルートである
ことから、青梅市の地域防災計画において、この道路を横田
飛行場での航空機事故等の大規模災害時における負傷者の搬
送路線として位置づけている。このことから本路線の改修工
事は、防衛省所管補助事業として国庫補助を受け実施されて
いる。
本工事の全体計画は、1,073メートルであり、工事を
3 工 区 に 分 け て 実 施 し 、完 成 は 平 成 2 7 年 度 を 予 定 し て い る 。
現 在 、平 成 2 5 年 度 か ら 平 成 2 6 年 度 の 2 か 年 事 業 と し て
第2工区387.2メートルを施工中である。
(2) 標 準 仕 様 書 お よ び 特 記 仕 様 書
特記仕様書については、本工事の施工に当たり、遵守すべ
き標準仕様書類(設計図書、東京都土木工事標準仕様書)等
や本工事で発生する建設副産物の処理に関する建設発生土、
建設廃材等の搬出先およびその他の条件についても適切に
記載されていた。
(3) 設 計
ア
基準・規定
本工事は、道路構造令、東京都土木工事標準仕様書、建
設局標準構造図集、道路土工要領、道路土工軟弱地盤対策
工 指 針 、 ア ス フ ァ ル ト 舗 装 要 綱 、 道 路 ・下 水 道 関 連 法 令 等
の基準・規定に準拠して設計されていると判断する。
イ
事前調査
道 路 設 計 に 必 要 な 土 質 調 査 に つ い て は 、安 定 処 理 工 の 実
施 に 際 し 、重 要 な 土 質 試 験 が 事 前 に 適 切 に 行 わ れ て い る こ
とを報告書により確認した。
ま た 、現 場 に お け る 地 下 埋 設 物 お よ び 架 空 線 等 の 障 害 物
については、障害物調査が事前に実施されており、本工事
に影響のないよう適切に対応していると判断する。
ウ
舗装工・排水工設計
舗 装 工 は 、2 0 セ ン チ メ ー ト ル の 路 盤 工 と 1 0 セ ン チ メ
ー ト ル の 表 基 層 工 が 主 体 で あ る 。舗 装 工 の 設 計 に お い て は 、
- 3 -
再 生 材 の 使 用 を 指 定 し て お り 、建 設 副 産 物 の リ サ イ ク ル を
考慮した設計であることを確認した。
(注1)
舗装の路床の支持力に関しては、設計CB R により数
値が明確に記載されていた。土質試験のデータによれば、
路盤を支える地盤の強度が不足している箇所が多くある
ことから、本工事に最も適した工法として、安定処理工法
が採用されており、妥当な工法であることを確認した。将
来の維持管理および品質確保の面からも適切であると判
断する。
( 注 1) C B R と は 、 路 床 ( 地 盤 ) の 良 否 を 判 定 す る た め に 、 土 の
強度特性を表す指標としてアメリカで開発された試験で、舗
装厚の設計に広く利用されている。
(4) 工 期 と 工 程 管 理
契約工期は、平成26年5月16日に設定されており、工
事 の 数 量 や 降 雨 日 数 等 の 諸 条 件 を 考 慮 し 、詳 細 に 算 出 さ れ て
いることを確認した。
実 施 工 程 の 進 捗 状 況 に つ い て は 、所 管 課 と 請 負 業 者 と の 相
違が生じていた。それについては、実際に管理している工程
表 に 進 捗 率 が 記 載 さ れ て い な い こ と が 、主 な 要 因 で あ る と 判
断する。
(5) 積 算 ・ 契 約 関 係
積算内容は、標準仕様書、特記仕様書、図面等の設計図書
に よ り 確 認 し た 。積 算 内 訳 書 の 代 価 表 に 記 載 し て い る 単 価 は 、
東 京 都 の 単 価 表 を 基 本 と し 、記 載 の な い 事 項 は 、建 設 物 価 等
の積算資料を参考にしている。
ま た 、こ れ ら の 資 料 に な い 項 目 は 、3 社 見 積 り を 原 則 と し
て い る 。以 上 の 状 況 か ら 見 積 金 額 の 算 定 は 適 切 で あ る と 判 断
する。
工事の入札・契約に関しては、青梅市特別簡易型総合評
価公募型指名競争入札による電子入札を採用している。入
札 に 当 た っ て は 、入 札 参 加 者 の 見 積 書 の 提 出 が 義 務 付 け ら て
おり、入札・契約が適切に行われたと判断する。
- 4 -
建 設 業 退 職 金 共 済 制 度 の 適 用 に 関 し て は 、購 入 証 紙 に よ り
本 制 度 に 加 入 し て い る こ と を 確 認 し た 一 方 、現 場 に お い て も 、
制度適用事業主の加入状況を示すステッカーにより確認す
ることができ、本制度が適切に履行されていると判断する。
(6) 施 工 管 理 お よ び 環 境 管 理
ア
施工管理
本工事の施工管理は「東京都土木工事標準仕様書」によ
るものとなっており、工事内容は工事設計書により、工事
全体の概要、期間、工事種別・施工延長、その他を規定し
ている。
本 工事 の 着 工 に 当 たり 、工 事 で 使 用す る 水 準 点 に つい て
は、口頭で請負業者に伝えてあるとの説明を受けた。
本 工 事 の 重 要 な 工 種 で あ る 安 定 処 理 工 は 、土 質 試 験 の 結
果にもとづき適切に行われていることを確認した。
現場の施工状況は整然としており、市民の目から見ても
本工事に対して好印象を与えていると思われる。今後も引
き続き、現場内の整理整頓が図られるよう指導願いたい。
イ
品質管理
本 工 事 の 主な 材 料 は 、歩 車 道 境 界 ブ ロ ッ ク、緑 地 帯 用 ブ
ロ ッ ク 等 の コ ン ク リ ー ト 製 品 等 の 工 場 生 産 品 が 多 い 。今 回
の 設 計 で は 、集 水 ま す は 現 場 施 工 で あ っ た が 、品 質 を 考 慮
し て 工 場 で 生 産 し た も の を 搬 入 し て い た 。集 水 ま す を 現 場
に お い て 施 工 す る 場 合 、気 象 条 件 等 に よ り 品 質 へ の 影 響 を
受 け や す い こ と を 考 慮 し て 、現 場 打 ち の ま す を 工 場 製 品 に
変 更 し た こ と は 、品 質 確 保 の 観 点 か ら 適 切 で あ る と 判 断 す
る。
その他の工種の品質管理については、施工中であり、今
回の調査では確認することができなかった。
ウ
環境管理
現 場 に お け る 環 境 管 理 は 、「 東 京 都 土 木 工 事 標 準 仕 様 書 」
お よ び「 東 京 都 建 設 リ サ イ ク ル ガ イ ド ラ イ ン 」に も と づ き 、
工事に伴う公害対策や周辺地域の影響を考慮しているこ
- 5 -
とを確認した。
エ
建設副産物処理
建設発生土に関しては、特記仕様書に再利用するものと
し て 搬 出 す る こ と が 記 載 さ れ て お り 、発 生 す る 建 設 廃 材 の
コンクリート塊やアスファルト塊等についても同様に搬
出 先 を 記 載 し て あ り 、建 設 リ サ イ ク ル を 考 慮 し た 点 に つ い
て、適切であると判断する。
オ
地元説明
工事に関する地元説明は、特に実施していないが周辺住
民 を 代 表 す る 自 治 会 長 へ の 説 明 と 回 覧 板 等 に よ り 、工 事 の
理 解 と 協 力 を お 願 い し て い る こ と か ら 、地 元 に 対 し て 適 切
に対応していると判断する。
(7) 現 場 管 理
ア
現場掲示物
建設業の許可証、施工体系図、現場代理人および監理技
術 者 、労 災 保 険 成 立 表 等 に つ い て 作 業 場 内 に 適 切 に 表 示 し
てあることや交通整理員の配置、道路標識、工事件名板、
広報板等の掲示板を確認した。
また、本工事の現場担当の監理技術者に対して「監理技
術者資格者証」の提示を求め所持を確認した。
以 上 現 場 に お け る 工 事 状 況 の 確 認 の 結 果 、現 場 掲 示 物 関
係等については、いずれも適切であると判断する。
イ
安全管理
現場の工事請負業者からは、労働災害の事故防止の観点
から安全指示を行う工事安全打合せ簿を確認できなかった。
新 規 入 場 者 教 育 お よ び 安 全 訓 練 に つ い て は 、実 施 報 告 書
により確認した。
現 場 で は 、建 設 機 械 の 持 ち 込 み 許 可 証 お よ び 取 扱 い 責 任
者を明示したステッカーを確認できなかった。
現 場 内 の 整 理 整 頓 が 行 き 届 き 、作 業 の 安 全 が 確 保 で き る
環境が整備されており、工事用車両には歯止めが施されて
いた。
- 6 -
このような良好な状態は、事故防止に効果的であり、工
事が完了するまで継続されるよう指導願いたい。
ウ
出来形管理
現 在 、施 工 中 で 本 格 的 な 出 来 形 管 理 が 行 わ れ て い な い が 、
完 成 に 向 け て 整 理 す べ き 出 来 形 管 理 に つ い て は 、「 東 京 都
土 木 工 事 標 準 仕 様 書 」に も と づ き 、工 種 ご と の デ ー タ を 正
確に作成することが望ましい。
また、工事記録写真についても「工事撮影基準」にもと
づ き 、撮 影 漏 れ の な い よ う チ ェ ッ ク リ ス ト を 作 成 し 、確 認
しながら工事を進めるよう努められたい。
エ
環境管理項目等
建 設 機 械 に つ い て は 、「 東 京 都 土 木 工 事 標 準 仕 様 書 」 に
記載されている排出ガス基準および騒音振動対策基準に
も と づ き 使 用 さ れ て い る こ と を 、機 械 に 貼 り 付 け た ス テ ッ
カーにより確認した。
熱帯材使用型枠やアスベスト含有建設資材に関しては、
現場で使用していないため、対象外と判断した。
オ
工事打合せ簿(所管課と請負業者)
所管課と請負業者の間で取り交わす「工事打合せ簿」に
関する書類について、その流れが明確ではなかった。
2
要望等
今回の工事技術調査では、次のとおり改善されることが望ま
しい事項が見受けられたことから、対応を図られるとともに、
今後の工事全般について参考とされ、適正な工事の執行に努め
られたい。
(1) 工 程 管 理
行 程 表 に つ い て は 、進 捗 状 況 が 記 載 さ れ て い な い こ と か ら 、
今後は、実施工程の進捗状況(進捗率)を客観的に把握する
よう工程管理を図られたい。
(2) 施 工 管 理
ア
工 事 着 工 に 当 た り 使 用 す る 水 準 点 に つ い て は 、請 負 業 者
に対して口頭で指示していたが、使用する水準点を確実に
- 7 -
するため、今後は文書で指示するよう改善を図られたい。
イ
施工体制台帳については、協力業者の専任技術者資格の
写しを添付するよう指導願いたい。
(3) 現 場 管 理
所管課と請負業者の間で取り交わす「工事打合せ簿」に関
す る 書 類 に つ い て は 、工 事 の 状 況 を 反 映 す る よ う に「 指 示 」
「協
議 」「 承 諾 」「 提 出 」 等 の 内 容 を 具 体 的 に 把 握 す る と と も に 、
工事打合せの一連の整合性が図られるよう整備されたい。
(4) 安 全 管 理
ア
建設機械に貼付する持ち込み許可証および取扱い責任者
名を明示したステッカーについては、見える箇所に掲示す
るよう指導願いたい。
イ
労働災害の事故防止の観点から、日常の安全活動におい
て日々記録する工事安全打合せ簿については、整備するよ
う指導願いたい。
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