赤ちゃんのために

赤ちゃんのために
妊娠、おめでとうございます。
これからお母さんになるあなたへ、赤ちゃんのために、
小児科医からのメッセージです。
まず、私達は母乳育児をお勧めします。
是非、「おっぱいで育てよう」という気持ちを持ってください。
私達は全面的に母乳育児をサポートします。
外来指導の時にお渡しするパンフレット「母乳で育てましょう」 に
母乳育児の大切さ、母乳の出るしくみ、などが詳しく書かれています。
ゆっくり読んで下さい。
ポイントは以下の4つです。
(1)分娩前から乳頭の管理をして下さい。
(乳管開通操作)
(2)生まれてしばらくは赤ちゃんははっきり目覚めています。
この時おっぱいを吸わせて下さい。
(生後早期の初回授乳)
(3)お母さんと赤ちゃんはいつも一緒にいます。
(母子同室)
(4)欲しがったらすぐに何回でも授乳して下さい。
(一日8回以上の頻回授乳)
事情があってミルクを選択される方も、もちろん私達はサポートします。
そして赤ちゃんのために、ご自身の健康を保って下さい。
大酒のみは止めましょう。食事をバランスよく取ってください。
タバコは止めて下さい。おなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼします。
妊婦健診をきちんと受けて母親教室に参加しましょう。
安心して出産にのぞんで下さい。
周産期センターには、365日24時間、小児科医がいます。
より安全なお産ができます。(必要があれば分娩に立ち会います)
出生後は小児科医が健診します。どうぞ安心して出産に臨んで下さい。
出産はすばらしい人生の"いとなみ"です。いいお産になりますよう!
九州医療センター 小児科
2005.4
(裏のページに出生後の赤ちゃんのスケジュールがあります)
赤ちゃんのスケジュール
出生直後
「オギャー、オギャー」と泣きます。口や鼻の水を吸引して体を拭きます。
生まれたばかりの赤ちゃんは目をはっきり開けてお母さんを見ます。
抱っこして初回授乳をします。もちろん量は少しですが、非常に大事なことです。
全身の計測をします。母子手帳に記録します。
お母さんと一緒にいます。
泣いたら(欲しがったら)、そのたびに授乳して下さい。
2∼3日はおっぱいはあまり出ませんので、頻回に授乳することになります。
赤ちゃんは「お弁当と水筒を持って生まれる」 といわれます。おっぱいが
あまりでなくても心配せずに授乳してください。(一日8回以上多くは10回以上)
(医学的に必要となれば、お白湯を足したりミルクを足したりします)
12時間頃
ビタミンK 2mgを飲みます。(12時間頃、5生日、1ヶ月健診と、3回飲みます)
新生児期に不足しやすいビタミンKを補充するためです。
ビタミンKが不足すると血が止まりにくくなり、頭の中に出血することがあ
るので、予防のためにどの赤ちゃんも飲みます。
1生日健診・聴覚スクリーニング
沐浴の時に小児科医の全身診察があります。難聴のスクリーニングをします。
毎日
体重を測定します。体温や哺乳回数、尿便の回数など観察します。
2∼3日は一旦体重は減ります。それから増加してきます。
黄疸の測定(皮膚の黄色みを計測します、必要な時は採血をします)
どの赤ちゃんも生後2∼3日から黄色くなります。新生児黄疸といいます。
4∼7日をピークに徐々に消失していきます。心配ありません。
時に1ヶ月健診の頃まで続くことがあります。
(黄疸が強い場合は治療が必要です。その時はお知らせします。)
5生日健診・先天代謝異常スクリーニング
2回目のビタミンK 2mgを飲みます。
先天代謝異常のスクリーニングの検査をします(踵から採血します)。
まれな新陳代謝の病気を見つけるものです。
再検査が必要な場合は1∼2週間以内にご連絡します。
連絡がない場合は正常とお考え下さい。
お母さんと一緒に健診をします。(助産師がお呼びします)
2週間健診(母乳外来):体重測定、助産師による母乳指導
1ヶ月健診
お母さんの産科の1ヶ月健診の日に小児科外来で1ヶ月健診をします。
以上が大まかな流れです。いっしょに楽しく育児を始めましょう。
九州医療センター 小児科