【イモネジとムシネジとホーローセットと六角穴付き止めねじ】 これらは、呼び方は異なりますが、皆、同じネジを指しています。 「イモネジ」は見たまま、感じたまま、そんなネジ形状ですから芋のように見えた人がいたんでしょう。 ボルトのように頭がありませんから、そして、径に近い長さのものを使用することが多いのでコロコロ した「芋」という表現はピッタリの言葉ですね。 また、こんな考えもあります。見る人によっては「芋虫」のように見えたのでは?という考えです。 これは結構正論かもしれません。でも「芋虫」は里芋の葉を食べるからきた言葉ですから「イモネジ」 のイモは「里芋」に近いのかもしれません。 それでは「ミノムシ」ではいけなかったのでしょうか?「イモネジ」は機械などのプーリーを固定する のにとても便利です。プーリーには勿論メネジを切ります。そうなんです。「ミノムシの蓑」のように です。そして、プーリーからはみ出すと回転体ですから危険なのでメネジの中に飛び出さないようネジ 全てを放り込むのが普通の設計です。そうです。ミノ虫のように体の全てをメネジの中に隠してしまう のです。でもミノムシネジでは語感が悪いので流行らなかったのかもしれません…。 ムシネジは「芋虫のようなネジ」或いは本当に「ムシのようなネジ」と見て取った人がいたのでしょう。 因みに英語で「芋虫」は「green caterpillar」です。キャタピラは、あのトラクターや戦車についてい るチェーンのようなバタバタ動く足元です。国が変わると見方も変わります。日本ではあんなに小さい 芋に似た芋虫が外国ではあんなに大きなものに例えられていることにびっくりしますね。きっとグリー ンキャタピラですからゲジゲジ毛虫の歩き方からきた喩えなんでしょうね では「ホーローセット」はどこから来たのでしょうか? ホーローセットは「くぼみ」・「穴」 ・「谷間」が英語で「hollow」です。 そこにネジとしてセット「set」するからホーローセットと誰かが言い出したんでしょう。 外国人の方に「ホーローセット」と言って通じるとは思えませんが…。1 度試してみて下さい。 因みに JIS B 1177 では日本語で「六角穴付き止めねじ」英語では「Hexagon socket set screws」です。 ≪豆知識≫ 「六角穴付き止めねじ」には JIS B 1177 では平先・とがり先・棒先・くぼみ先と4種類あります。 くぼみ先 「くぼみ先」は六角穴付き止めネジで一番多く使用されます。その通り先端にくぼみがあり ます。普通市販の六角穴付き止めネジは特別な要求がない限りこのくぼみ先をいいます。 平先 「平先」はネジ部の先が平らになっている六角穴付き止めネジです。先が平らになっている ので「くぼみ先」のように締め付ける部材を締めていためません。プーリーなど修理ではず すことがある場合、傷が付くとプーリーが軸から抜けませんからそんなときに便利です。 とがり先 「とがり先」は名前の通りネジ部の先端がとがっています。平先のような使い方とは違い 永久に固定したい場合に使用されます。ねじの先端のとがり部分が締結下の部材に突き刺す 状態で締結するため、繰り返し使用する場所には不向きですが周り止めにもなります。 棒先 「棒先」は六角穴付き止めネジのネジ部の径より少し細い径の先端部分が棒のように先に ついています。先端部分は平らですが平先に比べ細い分、端面の面積は小さくなっています。 部材側にキー溝などの隙間がありその隙間にこの細い棒の部分を入れた状態で締結する場 合などに使用されます。棒がある分「六角穴付き止めねじ」のネジ部が傷みませんので繰返 し使える利点があります。 おまけです これ以外にもメーカーによっての呼称も色々ですが「ダブルポイント」「丸先」「ボールポイント」「ブ レットポイント」 など色々な特徴や機能を持ったものもあります。 池田ネジ商会 ネジの学習帳
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