権利擁護研 修 (人権擁護 、高齢者虐 待 、成 年後 見制度等 ) 1.日 時 平 2.場 所 筑 (金)18;30開 始 ∼ 20;30終 了 前 町役場 敷 地 内 コ スモ ス プ ラザ 講演担 当 リ ー ガ ル サ ポ ー ト福 岡支部社員 成 20年 7月 18日 司法書 士 林 謙 一 1.高 齢者 の権利 擁護 の 必要性 (1)高 齢 化社 会 の 到 来 日本 人 の 平均 寿命 (平成 18年 筒 易 生命 表 ) 男性 79歳 (アイ ス ラ ン ド ;79.4歳 に 次 い で 2位 ) 女性 85.81歳 (世界 1位 2位 ;フ ラ ンス 83.8歳 ) 高齢 化 に よる課題 家族 の 変容 と介護 核 家族化 の進行 に よ り高齢者 夫婦 の み 、高齢者 単身世 帯 の増 加 → 高 齢 者 の扶養 、介護 を ど うす るか ? 財 産侵 害 高齢者 が財 産侵 害 を受 け るケ ー ス の増 大 ・ 高齢者 の 孤独 ・判 断能 力 の低 下 に乗 じた 、不 当に高額 な商 品 ・ 不要 なサ ー ビスの購 入 、高額 な詐 欺事件 (豊田商事事件 ) 。 家族 ・友 人 ・知人等 が 高齢者 の 預 貯金 を勝 手 に 引 き出す ※ 尊 厳 あ る人 生 とは 自己決 定がで き る こ と、人権 ・財 産 の侵 害 の 心配 が な い 安 心 した社 会 の 実現 が必 要 ※ 長 寿社 会 を支 える さま ざまな法律 「日本 国憲 法 第 11条 基本 的人権 」 「 同 13条 の個 人 の 尊重 と公 共 の福祉 」 「 同 25条 の 国民 の 生 存権 と国 の 社 会 的任務 」 等 を基本 と して 各種 の法律 が 制 定 「 高齢 社 会 対策 基本 法」 長 寿 を全 ての 国民 が 喜 び の 中 で迎 え 、高齢者 が 安 心 して暮 らす こ とが で き る社会 の形成 が望 まれ ・・ ・・ → 後 期 高齢者 医療 帝J度 ? ( 2 ) 成 年 後 見制度 ( 平成 1 2 年 4 月 施行 ) 「目白 旬」 は ・・ ・ 判 断能 力 の 不十分 な高齢者 や 障害者 の判 断能 力 を補 うこ とに よ り、本 人 の 生命 や 自由、財産等 を護 り、本 人 の 生活 を支援 す る。 「 理念 」 は ・・・ ① 自 己決定権 の尊重 本人 の 自己決定権を尊重 し、残 された能力を活用 しよ うとい う考 え方。 ※ 本 人のいいな りになるとい う意味ではない。 ※ 普 通 の生活 、本人のこれまでの生活暦 、環境、本人 の発す る 言葉 の真 の意味、本人保護 の立場等を総合的に判断 して 自己 決定の見極 めが必要。 → 後 見人 の知識 ・経験 ・資質 が問われ る ② ノ ーマ ライゼー シ ョンの尊重 認知症 の高齢者、障害者 だか らといって特別扱 い を しないで健 常 者 と一緒 に助けあいなが ら生活 してい く。 ③ 身 上配慮義務 本人 の生活を支えることが後見人 の役割。 「 成年後見」 が生まれて きた背景は ・・・ ① 急 速な高齢化社会 ② 措 置 か ら契約 に移行 した社会 介護保険制度 とセ ッ ト ③ 弱 者 が狙われ る社会 。一人暮 らしの認知症高齢者や障害者 をね らつた悪質商法 。家族や他人による金銭 の搾取 ・施設内な どでお こる財産 の横領 。身体拘束など病院や施設でお こる虐待につ ながる行為 成年後見制度 の利用 が必要 となるケー ス 判断能力 が不十分なため '預 貯金通帳 を紛失する、生活に必要な支払 いが滞るな ど、金銭管理 やそ の他 の財産管理 が十分にできない。 ・ 介護 サ ー ビス利 用や 老人 ホ ー ム入所 の た め の 契約 の 理 解 が で きな い。 ・ 繰 り返 し悪質 な訪 問販 売 にだ ま され て財 産 を失 って しま う。 ・ 無 計画 な買 い物や借金 を繰 り返 す。 な どの事象 が 起 こ り、本人 の 生活 がお びや か され て い る。 成年 後 見人等 の職 務 ( 後見人 を中心 に) ① 財 産維持 ・管理権 ② 本 人の生活 。療養 ・介護に必要な手配 ※ 本 人 の意思 の尊重を特に重要視す る必要ある場合 ① 居 住用不動産処分 ・・・・家庭裁判所 の許可 居住用不動産 とは ? 処分 とは ? ② 利 益相反行為 ・・・・特別代理人 の選任 具体的には ? ③ 医 療行為 の同意 ・・・同意権な し (入院 ・診療契約 とは別) 成年後見制度 のなかでは直接的な解決策示 されてい ない。 費用 の支出が妥当か どうかの判断 生命 に関わる緊急性 あ り ・・・イ ンフォーム ドコンセ ン ト が どの ように行なわれたのかの確認 ④ 本 人 の居所決定権 ・・。な し (入所契約締結権は別) ⑤ 入 院 の保証人 ・・,後 見人には保証義務な し (本人の財産 の範囲内) ( 後見人等 申立時 の問題) 。 申立人 (本人、配偶者、 4親 等内の規族等、 )(市 町村長 精 神 51の 11の 2 知 障 27の 3 老 福 32)の 確保 の問題 ( 後見人候補者 の問題) 。 候補者 が必ず選任 されるとは限 らない。 ( 後見人報酬 の問題) 。 第二者後見人 の報酬 ( 親族後見人 の報告事務負担 の問題) ・ 定期的に家庭裁判所へ の報告を しなければな らない。 ( 3 ) 高 齢者虐待 防 止 法 ( 平成 1 8 年 4 月 施行 ) <目 的 > この 法律 は 、高齢者 に対す る虐待 が深亥J な状 況 にあ り、高齢者 の 尊厳 の保 持 に とって 高齢者 に対す る虐待 を防止 す る こ とが極 めて 重 要 で あ る こ と等 にかん が み 1.高 齢者虐 待 の 防 止 に 関す る国等 の 責務 2.高 齢者虐待 を受 けた高齢者 に対す る保 護 の た めの措 置 3.養 護 者 の負 担 の軽減 を図 る こ と等 の養護者 に対す る擁護者 よる高齢者 虐 待 の 防 止 に資す る支 援 (以下 「 擁護者 に対す る支援 」 とい う)の た め の措置等 を定 め る こ とに よ り 高齢 者 虐 待 の 防 止 、擁護者 に 対す る支 援 等 に 関す る施 策 を促 進 し、 も つて 高齢者 の権利利 益 の擁護 に 資す る。 高齢者虐 待 の 定義 ∼ 65歳 以 上 の 高齢者 に対す る 「 養護 者 (高齢者 を現 に養護 す る者 )及 び 「 要介護 施設従事者 等 」 に よる次 の よ うな行為 を い う。 国及 び地方公 共 団体 の 責務 、 国民 の 責務 高齢者 虐 待 の早期発 見等 第 5 条 養 介護施設 、病院、保健所そ の他高齢者 の福祉 に業務 上 関係 の ある団 体及び養介護施設従事者等、医師、保健 師、弁護 士 そ の他高齢者 の福祉 に職務 上 関係 の ある者 は、高齢者虐待 を発見 しや す い立場 にあることを 自覚 し、高齢 者虐待 の早期発 見に努 めなけれ ばな らない。 ② 前 項に規定す る者は、国及 び地方公共団体 が講ず る高齢者虐待 の防止のた めの啓蒙活動及び高齢者虐待を受けた高齢者 の保護 のための施策に協力す るよ う努 めなければな らない。 具体的 な虐待 とは ? 「 家庭 内 にお け る高齢者虐待 に 関す る調 査 ( 医療経 済研 究機 構 ) 」 よ り ① 身 体 的虐 待 。 平 手打 ちをす る 。 つ ね る、殴 る、蹴 る ・ 無理や り食事 を 日に入れ る 。 や け どを させ る 。 ベ ッ ドに縛 り付 け る ② 養 護 を著 しく怠 る こ と ( ネグ レク ト) ・ 入浴 してお らず 異 臭 が す る 。 髪 が伸 び放題 で あ る 。 水 分や食事 を十分 与 え られ てい な い こ とで 、脱水 症状 や栄 養失 調 の状態 にあ る 。 劣悪 な住環境 の 中 で生活 させ る ③ ,い理的虐待 (著しい心理 的外傷を与える言動) 。 排泄 の失敗等を嘲笑す る等により高齢者に恥をかかせ る 。 怒鳴る、のの しる 。 侮辱 を込めて子供 の よ うに扱 う 。 話 しかけを無視す る ④ 性 的虐待 ・ 排泄 の失敗に対 して懲罰的 に下半身を裸に して放置す る ⑤ 経 済的虐待 (財産 の不当処分、不当に財産上の利益を得 ること) 。 日常生活に必要な金銭 を渡 さない 。 本 人 の 自宅等 を本 人 に無 断 で 売却す る 。 年金や預貯金 を本 人 の 意 思 、利益 に反 して使 用す る 虐待へ の対応 1 . 家 庭 における擁護者による虐待へ の対応 町村へ の通報等 高齢者虐待を発見 した者は、 ① 高 齢者 の生命又は身体 に重大な危険が生 じている場合 には、市町 ( 1) 市 村 に速やかに通報 しなければな らない。 (義務) ② そ れ以外は、市町村に通報す るよ う努 めなければな らない。 (努力義務) (2) 市 町村 の対応 ① 高 齢者及び養護者に対する相談、指導、助言を行な う。 ② 通 報 があつた場合 の事実確認 のための措置を講ずる。 ③ 高 齢者 の保護 のため、生命又は身体身体に重大な危険 が生 じてい るおそれがあると認 められる高齢者 を一時的に保護するため迅速に施 設 に入所 させ る等 、適切 に老人福祉法による保護 のための措置を講ず る。 ④ ③ の措置を採 るために必要な居室を確保するために必要な措置を 講ずる。 ⑤ 高 齢者 の生命又 は身体に重大な危険が生 じてい る場合は、立入調 査をすることができる。 立入調査を行な うに当たって、所管 の警察署 長 に援助を求 めることがで きる。 (3) 養 護者 に対す る支援 ① 市 町村は、養護者 の負担軽減 のため、養護者 に対す る相談 、指導 及び助言その他必要な措置を講ず るもの とする。 ② 市 町村は、① の措置 として、養護者 の心身 の状態 に照 らしてその 養護 の負担 の軽減を図るため緊急 の必要があると認 める場合に高齢者 が短期間養護を受けるために必要 となる居室を確保するための措置を 講ずるもの とする。 (4)連 携協力体制 の整備等 ① 市 町村は、養護者 による高齢者虐待 の防止等 の適切な実施 のため、 包活支援センター等 との連携協力体制を整備 しなければな らない。 ② 市 町村は、ア)相 談、指導、助言、イ)通 報 の受理、 ウ)事 実確 認 のための措置、工)養 護者に対す る支援、の事務 を地域包括支援セ ンター等 に委託することができる。 2.施 設等 の職員 による高齢者虐待 へ の対応 町村へ の通報等 ① 施 設等の職員は、業務に従事 している施設等で虐待を受けた高齢 者を発見 した場合は、市町村に通報 しなければならない。 ② ① 以外の (施設等職員以外)者 による発見 ア)高 齢者 の生命又は身体に重大な危険が生 じている場合には、市町 (1) 市 村に速やかに通報 しなければならない。 (義務) イ) 上 記 ア ) 以 外 の場 合 は 、市 町村 に通 報す るよ う努 めな けれ ば な ら な い 。 ( 努力義務 ) (2) 道 府 県 へ の報告 市 町村 は 、 ( 1 ) に よる通 報 を受 けた場合 は 、厚 生 労働 省 令 で定 め る事 項 を都道府 県 に報告す る。 (3) 市 町村長 又 は都 道府 県知事 の 対応 市 町村長 又 は都道府 県知 事 は 、 ( 1 ) に よる通 報又 は ( 2 ) に よる報告 を受 けた場合 は 、適切 に老人福祉 法又 は介 護保 険法 に よる監 督 権 限 を 行使 す る もの とす る。 道府 県知事 に よる公表 ( 年次報告 ) 都 道府 県知事 は、毎事 業年度 、施設 。事 業者 に よる高齢 者虐 待 の状況 (4)都 等 につ い て厚 生 労働 省 令 で定 め る事項 を公 表す る。 成 年 後 見制 度 の利 用促 進 第 28条 国 及び地方公共団体 は 、高齢者虐待 の防止 及び高齢者虐待 を受 けた 高齢者 の保護並びに財産上 の不 当取引に よる高齢者 の被害 の防止 及び救済 を図 るため、成 年後見制度 の周知 の ための措置 、成年後見制度 の利用 に係 る経済的 負担 の軽減 のための措置等 を講ず ることによ り、成年後見制度 が広 く利用 され るよ うに しなけれ ばな らな い。 罰則 ・ 事務 委託 を受 けた もの に よる知 りえた情報漏 えい違反 ( 1 年 以 下 の懲 役 又 は 1 0 0 万 円以 下 の罰金 ) 。 正 当な理 由な く立 ち入 り調 査 を拒 む 、妨 げ る、忌連 、質 問 に答弁 しない 、 虚 偽 の答弁 、高齢者 に答弁 させ な い 、虚偽 の答弁 を させ る ( 3 0 万 円以 下 の罰金 ) → そ れ 以外 の罰則 な し ( 他の犯罪 を構 成 、民事 の損 害賠償 、行 政処 分等) ( 4 ) そ の他 相 続 遺 言
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