平成18年度活動報告及び平成19年度活動計画全文〔平成19

教育マネジメントサイクル
平成 18 年度活動報告及び平成 19 年度活動計画
平成 19 年 6 月
福岡大学
FD推進委員会
目
次
Ⅰ 教育マネジメントサイクルとは(本学の定義) ……………………………
1
Ⅱ 教育マネジメントサイクル導入の背景と目的 ………………………………
1
Ⅲ 教育マネジメントサイクル活動の総括 ………………………………………
2
Ⅳ 平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
人文学部 …………………………………………………………………
法学部 ……………………………………………………………………
経済学部 …………………………………………………………………
商学部 ……………………………………………………………………
理学部
応用数学科 …………………………………………………………
応用物理学科 ………………………………………………………
化学科 ………………………………………………………………
地球圏科学科 ………………………………………………………
工学部 ……………………………………………………………………
医学部 ……………………………………………………………………
薬学部 ……………………………………………………………………
スポーツ科学部 …………………………………………………………
共通教育センター ………………………………………………………
言語教育研究センター …………………………………………………
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19
Ⅴ 平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
人文学部 …………………………………………………………………
法学部 ……………………………………………………………………
経済学部 …………………………………………………………………
商学部 ……………………………………………………………………
理学部
応用数学科 …………………………………………………………
応用物理学科 ………………………………………………………
化学科 ………………………………………………………………
地球圏科学科 ………………………………………………………
工学部 ……………………………………………………………………
機械工学科 …………………………………………………………
電気工学科 …………………………………………………………
電子情報工学科 ……………………………………………………
化学システム工学科 ………………………………………………
社会デザイン工学科 ………………………………………………
建築学科 ……………………………………………………………
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62
医学部医学科 ……………………………………………………………
薬学部 ……………………………………………………………………
スポーツ科学部 …………………………………………………………
共通教育センター ………………………………………………………
言語教育研究センター …………………………………………………
教務部 ……………………………………………………………………
教職課程 …………………………………………………………………
65
68
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74
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83
Ⅵ アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
人文学部 …………………………………………………………………
法学部 ……………………………………………………………………
経済学部 …………………………………………………………………
商学部 ……………………………………………………………………
理学部 ……………………………………………………………………
工学部 ……………………………………………………………………
医学部 ……………………………………………………………………
薬学部 ……………………………………………………………………
スポーツ科学部 …………………………………………………………
用語の解説
▼アドミッション・ポリシー
教育の理念、教育の目的、教育課程等に応じた入学者受入方針のこと。
▼カリキュラム・ポリシー
教育効果・教育効率を考慮したカリキュラムのこと。
▼ディプロマ・ポリシー
卒業認定・学位授与に関する方針(出口管理)のこと。
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100
Ⅰ
Ⅱ
教育マネジメントサイクルとは(本学の定義)
教育マネジメントサイクル導入の背景と目的
Ⅰ 教育マネジメントサイクルとは(本学の定義)
教育目標を明確に設定し、その実現に向けた行動プログラムを策定、実行、評価し、その評価
結果に基づく改善を組織的・継続的に図り、教育効果を高めていくシステムである。(下図はイ
メージであり、各組織体によって異なる。)
F
カリキュラム
D
科目目標
課題解決策
授業デザイン
(シラバス等)
PLAN
ACTION
教育目標
CHECK
DO
分
授業
析
(具体的課題抽出)
授業アンケート
試験
Ⅱ 教育マネジメントサイクル導入の背景と目的
大学全入時代の到来により大学間競争が一層激化する中で、特に教育面において、どのような
学生を受け入れて、どのような教育を行い、どのような人材として社会に送り出すか(アドミ
ッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー)
、すなわち大学・学部・
学科の個性・特色を生かし如何にして教育責任を果たしていくかが強く問われている。
教育責任を果たしていくためには、個々の教員の努力はもとより、学部・学科としての教育目
標を明確に具体的に示し、その目標実現のためのカリキュラムの編成および授業科目の開設を
行い、その趣旨に沿って授業内容・方法を改善・工夫し実践していくことが必要である。その
ような組織的活動の一環としてFD活動が求められてきたが、得てして、授業アンケート実施
率およびFD講演会の参加者数の多寡などに注目が集まりがちであった。
しかしながら、今日では、FD活動によりどの程度の改善効果があったかという本質こそが求
められている。学校教育法の一部改正(平成 16 年度施行)により義務化された認証評価におい
ても、組織としてのより具体的な到達目標の設定とそのもとで得られる「改善効果・結果」が
重視されているのがその証左である。
このような背景から、本学は、より具体的できめ細やかな教育改善へとつなげるために、学部・
学科等の自律的、効果的、継続的な活動である教育マネジメントサイクルの実践と充実を推進
するものである。
1
Ⅲ
Ⅲ
教育マネジメントサイクル活動の総括
教育マネジメントサイクル活動の総括
本年度の特徴
本年度は、活動報告と活動計画のいずれも、昨年度より具体的なものとなっているのが
大きな変化である。FD活動が、個々の教員のレベルまで浸透しているとはいまだに言い
難く、一部の教員が中心になっていることは否定できないが、次第に全学の活動として拡
がりつつあることがうかがえる。
全学的な拡がりのある具体的な活動としては、スタディガイドなどのガイダンス用資料
の作成、アチーブメントテストによる学生の学力測定、リメディアル教育・導入教育の充
実・工夫があげられる。
本年度からは、教務部および教職課程の活動計画も加わり、より包括的な活動計画とな
っている。
本総括では、全学的活動を概観するとともに、教育マネジメントサイクル活動の意義を
再検討し、今後の活動の方向性を示したい。
教育測定とデータに基づく議論の増加
昨年度は、日本語能力テストを多くの学部で実施した。英語、数学、物理など基礎学力
を測定する各種のアチーブメントテストが導入され、あるいは検討されている。個々の教
員の印象に基づく議論から、具体的資料に基づく計画立案へと移行している。授業アンケ
ートも、学生の認知を測定する「検査」の一つであり、それが直接的に授業を「評価」す
るというよりは、学生の状態を把握する重要な指標であるとの認識を、改めて確認するこ
とが求められる。
マネジメントサイクルとしての活動を効果のあるものとするためには、いわゆる PDCA
サイクルのうちの、Check の部分とその解釈が重要である。企業活動での Check 部分は、
会計などの各種指標があるが、これらの多くは、すでにその意義と限界が共有され、その
測定技術・集計技術があらためて細かく吟味されることはまれである。
これに対して、教育・研究活動においては、教育活動を測定する技術と、そこから得ら
れた資料を解釈し評価する技術は、教職員に共有されているわけではない。アチーブメン
トテストのように外的指標があれば、測定の部分は大きな問題にはならないが、独自にデ
ータを収集する場合には、心理測定法としての技術とその分析能力が必要になる。
数量的指標とともに、自由記述や面接調査による質的データの分析技術の共有も、今後
の重要な課題である。
得られた資料の有効活用は大きな問題である。調査結果の学生へのフィードバック・ス
キルが重要である。また、リメディアル教育にどうつなげていくかというモティベーショ
ンの問題とともに、教育プログラムの開発および改善が次の課題となる。
組織間格差の減少と活動の具体化
これまで組織毎に行われていたFD活動が、マネジメントサイクル報告書という形で一
つにまとめられたことによって、他の組織の優れた取り組みについては、自組織へ導入す
ることができ、FD活動の底上げにつながっていると思われる。
全体として、昨年に比べて具体的な記述が増加している。特に活動計画が細かく記述さ
れるようになってきている。例えば活動計画については、理学部と工学部が学科単位で記
述している。他の部分についても、各学部単位の記述から、学科等の小さな組織単位の記
述へと、細分化の方向が感じられる。FD活動は、最終的には教員個人の活動が中心とな
るべきものであるから、より自主的で具体的な活動を指向すれば、学部単位よりも学科単
位での取り組みへと重点が移るのは自然な流れである。しかし一方では、学部としての目
標、アイデンティティも重要であり、学部全体の計画の中に、学科単位の具体的活動が盛
2
Ⅲ
教育マネジメントサイクル活動の総括
り込まれるようなシステムが望ましいと思われる。
従来の活動の肯定的再評価
活動報告、活動計画の中には、従来から行われてきた活動を記述したものもある。厳し
い見方をすれば、記述の見かけ上の充実ととらえられなくもない。しかし、FD活動を組
織を超えて相互に共有するという、本報告書の趣旨からすれば、これまで自組織内で当然
のごとく行われていた活動が、他組織の参考となるのであれば、積極的に開示することに
は価値があることになる。
改革という姿勢で現状を捉えようとするとき、問題点、否定的側面に注目してしまうが、
肯定的側面を取りあげ、あるいは今までの活動を肯定的に解釈することは、教員や組織を
活性化する可能性がある。学習理論的には肯定的・積極的行動の強化であり、否定的行動
への注目よりも効果的である。
ガイダンス、修学指導、父母懇談会のように既に長い実績を持った活動も含まれている。
これまでFDという枠で意識されていなかった活動が、教育システムの重要な構成要素で
あり、実は教育改善・授業改善につながっていたという再認識であり、発見である。新た
な意味づけを得た活動は、さらに効果的なものへと改善されることが期待される。
自己点検・評価とFD活動
本学では本年度から、大学基準協会による大学評価のために、自己点検・評価の本格的
な作業が行われる。ここでの自己点検・評価は、個々の教員のFD活動よりも、大学組織
全体としての点検・評価に重点が置かれるが、これはFD活動とも密接に関連する。教員
個人のFD活動は、個人の工夫や努力に帰される傾向があるが、自己点検・評価は、全学
的教育改革と教員個人の活動との関連を明確化することになる。認証評価は、学外組織に
よる評価であり、教員も外部の目を意識することになる。曖昧な記述や、根拠のない目標
は意味を持たなくなる。自己点検・評価のための作業を通じて、FDに対する意識を高め
る効果が期待できる。
本来のファカルティ・ディベロップメントとFD支援の関係
ファカルティ・ディベロップメント(FD)の意味するところは多様であり、明確な定
義はないが、本来は教員個人のレベルでの、授業方法の改善、教育評価の適切性の確保、
学生指導の技術の向上などが中心である。その支援のために、授業アンケート、授業の相
互参観、研修会の開催、各種トレーニングなどが行われることになる。これらが組織的に
行われることが本来のFDと考えられる。
本学ではFDという言葉が使われるようになって久しいが、数年前までは授業アンケー
トを行うことがその中心であった。本来のFDの意味から見れば、FDの入口部分にすぎ
ない。教育マネジメントサイクルの活動としてあげられているものは、組織として、シス
テムとしての改善が中心となっている。研修会への参加や、授業の参観、教育技術向上の
ためのトレーニング等への参加は、一部の教員に留まっている。今後は、本来のFD活動
である、教員個人の研修・訓練への支援に重点を移していくべきであろう。
学内の情報処理システムの整備とFD活動への活用
昨年から本年にかけて、学内の情報処理システムが順次稼働を開始した。特に、シラバ
ス、Web 履修登録、IC カードによる出席調査、GPA 算出、授業支援システムなど、教務関
係だけでも多くの業務において電子化が進んだ。教員も学生も、情報処理システムを使用
する機会が増え、コミュニケーションの手段としても重要な役割を果たしつつある。
従来では作業上の負担があった、多人数クラスにおける小テスト実施や、アンケート調
査、レポート提出など、作業負担の軽減につながっている。IC カードによる出席調査に
よって、学生の遅刻が減少している。各種教育データの処理も容易になっている。
3
Ⅲ
教育マネジメントサイクル活動の総括
これらの資源を有効に使えば、教育改善や負担軽減に大きく役立つが、運用を誤れば、
過度の負担を教員や学生に課し、非教育的な行動変容をもたらす危険性もある。
情報システムは多くの部署と関わるため、運用上の工夫やその教育的効果の評価は、簡
単なものではない。全学的な視点から、教育への活用と評価について検討を加えることが
有益であろう。
継続して検討すべき課題
昨年度の総括で取りあげた課題の中には、今後とも継続して検討すべき問題が残ってい
る。システムの構築や技術の開発に時間がかかるものが多く、やむを得ない部分もあるが、
具体的検討を進めなければならない。ここでは、昨年度で取りあげたもののうち、今後と
も検討すべきものを列挙するにとどめる。
・教員に対する研修システムの確立
・全学的教育データの共有
・否定的情報の学外への積極的公開
・定期試験、成績評価の検討と改善
・GPA への対応
・教員の意識に対する調査
・プライバシーポリシーの再検討と周知徹底
・学生や教員の負担軽減の工夫
・優れた教育活動を行っている教員への肯定的評価
・組織間の教育マネジメントサイクルに関する連携
FD活動の社会への発信
福岡大学は西日本有数の総合大学である。各分野の専門家が一つのキャンパスに集結し
ている。この人的資源を有効に活用すれば、各種のFD活動の先進的な取り組みを行い、
かつそれを学外に積極的に発信し、日本の大学のFD活動の中で中心的役割を占めるよう
な大学へと、変革するだけの潜在能力を秘めている。
教育に対しても研究に対しても誇りが持てる大学として、教育環境を整えるための支援
を行うことが、FD推進委員会の役割である。
4
Ⅳ
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
人文学部
実施した 活動の概要および成果
参考となる点
他学部等のために
スケジュール通り4月に初めに言語教育研究センターからの「日本語力テスト」を3学
科の新入生に対して行なった。その結果、人文学部の新入生の約65%しか高校3年生の
レベルに達していないことが分かった。つまり、3人に1人は大学の授業を受けるために
困難をきたすということである。何らかの導入教育を考えなければならない。しかしこの
リメディアル教育を専門教育の枠の中でやるのか、共通教育の枠に位置づけるかは大学全
体の問題と深く関わっているところがあり、対応が難しい。2006年9月の『大学時報』
に書かれている同志社大学のように、専門性を持ったテキストを使ってやるとすれば、逆
に高校教育の中身、及び、現行の入試制度のあり方が問われることになる。
6月及び11月には、例年通り、「エアラインセミナー」を実施した。昨年度も、この
セミナーを受けることで、航空会社関係への就職につながったケースも多く、人文学部の
学生のみならず、他学部の学生も参加している。
同じく、6月下旬に、前期の授業アンケートを実施した。項目別に見ても人文学部の平
均評点は4点を中心に分布しており、昨年より高いものになっている。それは学生の声に
対して、教員がそれなりの対応をしているからであろう。その意味においては継続するこ
との重要性が証せられている。しかし、個別的には、自由記述欄に放置しておくことので
きないものや、評点に於いて2点台の項目が複数あるような場合には学部長と学科主任と
が話し合い、何らかの策を講じている。ただ、学生の要求の中にはそれに応じることが受
け身的な受講態度を助長し、卒業時に社会が求めている能力が身に付かない危険性もあ
る。
10月には「先輩と語り進路を考える」を行なった。50人程度の参加ではあったが、
就職に関する具体的な話が聞け、密度の濃い催しであった。
11月から12月にかけて、後期の授業アンケートを実施した。実施率は前期より幾分
下がった。その原因として、アンケートの意味や質問項目に対する意見の相違が考えられ
る。ただ、この項目の違いは学部とセンターだけでなく学部間に於いても見られ、全学と
しての FD のあり方へのひとつの問題提起であろう。
3月初め、コンソーシアム京都の第12回 FD フォーラムに参加した。その中で明らか
になったことは、卒業時に社会から求められる能力が必ずしも専門性の強いものでないこ
と、また、特に読解力や勉学の基本である自学自習能力の低下である。このことは大学教
育の本質に関わることである。
「推薦入学合格者入学前英語課題添削」は合格から入学までの勉学への適度な緊張感を
持続させる効果がある。同時に、パソコンを通じて入学者と添削者、入学者同士のコミュ
ニケーションも生まれ、入学時に於ける大学へのとけ込みがスムーズになる点は、他学部
にとっても参考になるであろう。
今後の課題
今回行なった「日本語力テスト」は、語彙を中心としたものであり、文章読解に関する
データにはなりにくい。「読解力」の低下は多くの教員が感じているところであり、この
ことは卒業論文の指導の際に特に顕著である。また、講義もののノートを取ることに困難
を覚えている学生が多いこともこのことに密接に関係あるであろう。また、授業アンケー
トの評点だけが一人歩きしてしまい、評点が高いことが即学生の実力養成とはいえない場
合もある。かつて、FD 推進委員会の席で、評点が 3.2∼3.8 くらいが妥当であるという議
論もあった。この辺りの意味付けの再検討も今後の課題であろう。
英語の業者テストの結果を見ると、300点満点で200点を超えている英語学科は別
にし、他の6学科は6割弱である。これを学部学科のカリキュラム改編への手がかりとし
たい。
5
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
法学部
実施した 活動の概要および成果
参考となる点
他学部等のために
本年度に実施した活動は以下の通りである。
1. 日本語能力テスト
主として1年生を対象とし、法学部入門ゼミ、基礎ゼミ毎に実施し、2年ゼミでも希
望するところでは実施した。
反省として、中間報告でも述べたように、日本語能力に問題のある学生抽出の基準が不
明確であることおよび当該学生に対する補習プログラムのないこと(テストだけでは何
の意味もない)が挙げられる。
法学部では、来年度より、語彙力に重きを置かず、読解力や論点整理能力を測るため
の独自テストを実施することに決した。現在、実施に向けて独自テスト作成の努力を続
けている。
2.授業アンケート
例年通り、独自アンケートを前・後期の2回実施した。結果を各教員に配布し、自己
点検および自己改善努力を求めた。学部全体の結果については、法学部のホームページ
で公表の予定である。
学生の評価は様々であるが、講義改善への取り組みを法学部は等閑視しておらず、来
年度からいくつかの講義をヴィデオ撮影し、教員相互の「教授法検討会」を開くことと
した。また、質問事項も来年度から見直しすることになった。
3.学生ヒアリング
全学年を対象として合計7回開催し、およそ90名の学生から直接意見を聴取した。
個人的感想や意見が絶対ではないにしても、建設的なものは直ちに積極的に採り上げ、
学部として対応することに決した。
学部としてこれまでに積極的に「分かりやすい講義の実現」に向けた取り組みをして
おり、本年度より講義開始前の「1年生のための導入教育」を行っている。来年度は「法
学部スタディガイド」を配布して、導入教育に更に力を入れる予定である。
4. セミナー参加
大学コンソーシアム京都主催の第12回FDフォーラム「学生が伸びる大学教育」に
参加した。
中間報告にも書いたように、日本語能力テストの結果を踏まえ、どのような具体的対応
措置を採るのか早急に検討し、もし本当に日本語能力の涵養が必要であるならば、専門教
育へ展開するための実質的効果及び教育内容・方法についての専門教育との連携を十分に
考慮しつつ、学部教員構成の再検討も視野に入れ、大学として適切な対策を取るべきであ
る。
今後の課題
授業アンケートおよび学生ヒアリングの結果からして、施設の整備・管理運用等学部だ
けでは取り組めない課題も多い。学部で把握し提言する全学的解決を必要とする問題に速
やに対処し、これらアンケート・ヒアリング活動で得られた学生の建設的意見を実現する
ための手続を大学として早急に整備することが課題と考えられる。
6
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
経済学部
経済学部が掲げた平成18年度における活動に関する報告は、以下の通りです。
1)カリキュラムデザインの明確化
学部・学科の理念を採択した。また、学科会議での検討が始まり、教員が相互
に共有できるシステムを確立しようとする動きがあった。
実施した 活動の概要および成果
2)カリキュラム目標の確認
教授会で各学科・コースの現状認識が報告され、必修科目およびコアカリキュ
ラム化の検討が始まった。
3)授業評価アンケートの活用
各教員が授業評価アンケートを自主的に実施した。
4)外部テストの導入による教育効果の測定
外部試験を取り入れて、教育効果の客観的分析に役立てる方法を模索した。
5)FD 活動促進体制の確立
どのような FD の仕組みが最も効果的かは検討されなかった。
6)少人数教育・初年度教育の充実
ゼミ等の少人数授業への収容に関して学生に説明会を開催することに加えて、
修学指導の量質両面での充実を図った。
また、1 年生向けの学習ガイドを作成した。予算の関係上、卒業までの各コース
制のロードマップを掲載するまでにはいたらなかったが、当初の目的である、
学習方法の理解ならびに学習意欲が高揚できるものが作成できたと思われる。
19 年度1年次生から使用できて、好評である。
なお、オープンキャンパスに訪れる高校生の情宣用のために余分に印刷してい
る。
に参考となる点
他学部等のため
経済学とは何かをわかりやすく解説した 1 年生向けの学習ガイドを作成した。
経済学部は、留年率(経済学科で25%、産業経済学科では30%を超える)が依
然として高いため、早急に、学生にわかりやすいカリキュラムを作成していく必要が
今後の課題
あると思われる。
それに関連して、学習ガイド等に、卒業までの各コース制のロードマップを掲載す
ることも、早めに手を打つ必要があると思われる。
紙面での授業評価アンケートを教職員の自主性にまかせているので、WEB 上でのア
ンケートの実施など方法論を含めたさらなる検討が必要であると思われる。
7
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
商学部
1.学外 FD 研修会参加
1名が「特色ある大学教育支援プログラム」(大阪市)に、また6名が「第 12 回 FD
フォーラム」(京都市)に参加した。会議の内容については、参加者が教授会で報告
した。他大学における FD 活動の実態を知ることができ、啓発されるところが多かっ
た。
2.商学部独自の授業アンケート作成・実施
実施した 活動の概要および成果
12 月にアンケートを実施した。個々の教員にアンケート結果を配付し、今後の授業に
役立ててもらうことができた。
3.スタディ・ガイドの作成
商学部新入生に配布するスタディ・ガイドと、商学部第二部商学科の新入生に配付す
るスタディ・ガイドをそれぞれ作成した。平成 19 年度の新入生に配布することによ
って、商学部生としてのアイデンティティの形成に役立ててもらうことを期待してい
る。
4.修学指導方法の改善
修学指導対象者へのアンケートを分析し、その結果を教授会で報告した。修学指導対
象者と学業優良者との間に、勉学へのモティベーション、生活態度などにおいて差が
あることが判明した。この結果を今後の修学指導や FD 活動に生かすことが期待され
る。
5.卒業生による講演会の実施
本学部の卒業生による講演会を 2006 年 10 月に実施した。商学部だけでなく、他学部
の学生も参加した。参加者にアンケートをとったところ、講演者の生き方に共鳴し、
感動するコメントが多数寄せられた。たいへん意義のある試みであった。
参考となる点
他学部等のために
卒業生による講演会は在学生の福岡大学生としてのアイデンティティを高め、有益であ
る。また、修学指導結果の厳密な分析も、学生指導において有益な材料を提供する。
平成 18 年度の目標として掲げたカリキュラム編成については検討することができず、次
今後の課題
年度の課題として残した。
授業アンケートの実施に留まらず、個々の教員の教育力を向上させるための FD 活動が今
後の課題として残る。
FD 活動の啓蒙のため、多数の教員が学外 FD 研修会に参加することは有益である。
8
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
理学部応用数学科
実施した 活動の概要および成果
参考となる点
他学部等のため
に
・工学部・理学部学力到達度テストの実施
新入生の数学の学力を把握するため、本年度も基本的にこの数年と変わらないレベル
の学力到達テストを実施した。毎年のデータを分析して比較し、この結果を当該学部学
科の教務連絡委員および教科担当者に報告し、学生の学力の実状にあった講義がなされ
るように配慮した。
・工学部・理学部 1 年次クラスの一部リメディアル教育
今年度も昨年度に引き続き、福岡大学の「特色ある教育」の中の一事業として、工学
部の建築、社会デザイン、電気工、機械工学科と理学部応用数学科の新入生を対象に、
微積を中心としたリメディアル教育を行った。前期では、正規講義の補習を兼ねた演習
を中心に行った。受講生の出席も概ね良好で、前期末の行われたアンケートでは数学リ
メディアル教育が学生に好意的に受け止められていることがわかった。後期は前期の数
学関係の正規授業とリメディアル講義の成績を元に、クラス編成を行った。前期に比べ
て出席状況は著しく悪化した。原因として、学生が後期のクラス編成に不満を持ってい
る、リメディアル講義受講の必要性を感じていない、正規の講義との関連性を見いだせ
ない、などが考えられる。
・理学部応用数学科 1 年次少人数教育(前期のみ)
1 年次科目「基礎微分積分B1」において、新入生をいくつかの小グループに分けて、
微分積分のみならず大学数学で必須となる教材を選択し、講義と演習を行った。大学数
学の基礎つくりのみならず、個々の新入生のニーズにきめ細かく対応することで、大学
生活のスタート時の躓きを最小限にできたと思われる。
・卒業生との懇談会の開催
教職(中学校、高等学校)についている卒業生を招いて、教育現場の状況や将来像
を伺った。本学科生は教職希望者が多いので、教育の現状を伝え、教職に就くための
心得として、伝えたいと考えている。
・推薦入試合格者のための入学前の課題指導
推薦入試合格者は入学まで4ヶ月の期間があるため、その間の過ごし方により、入学
後の学習態度に大きな差が表れてくる。高校3年の内容を4回にわたり課題を課し、添
削して送付している。個別の指導に効果が認められ、大部分の人は課題を真面目に学習
している。
今後の課題
・工学部・理学部の 1 年次クラスの一部リメディアル教育については、正規の講義との関
連を強くする方策の検討が必要であると思われる。学生の実状を正確に把握し、各学科
ごとのきめ細かい教育をすることが大切である。このように、一部で行われているリメ
ディアル教育を発展、定着させるためにも、学部全体としての取り組みと、その財源の
恒常化が望まれる。
・1年次の少人数教育については、前期のみならず、後期にも継続すればさらに効果が期
待でき、学生の学習意欲の向上に役立てられる。
・学力到達度テストは入学直後だけでなく、前期講義終了直前にも行えればその間の教育
効果が確認できるであろう。
9
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
理学部応用物理学科
実施した 活動の概要および成果
・物理学基礎ゼミナール実行委員会の開催(3 月∼8 月、月に 2 回程度)
1 年次前期開講の物理学基礎ゼミナールでは、教員 1 人当たり 2∼3 名の学生を配属し、
高校から大学の物理学への導入教育を行う。前年度の総括、新入生の学力テスト、日本
語プレースメントテスト、授業の進捗状況に合わせた問題の作成、中間テスト、最終テ
スト、それらの評価を行った。
多くの学生が再試験なしで合格したことから指導の効果を評価できた。また、指導を
通して学生と教員の距離が縮まったと考える。一方、目標とした確実な理解によって次
の段階への学習意欲の向上については、概ね良好とみなすことができる。
・就学指導懇談会の開催(5 月)
5 月 13 日(土)と 5 月 27 日(土)教員 6 名、学生 19 名の参加で行った。
・学科の改組、改編(通年)
化学科と協力して、材料やナノサイエンスに強く、併せて国際感覚や社会感覚を持っ
た学生を育てることを目標にした、ナノサイエンス・インスティテュートの新設につい
て、現状把握から始まり、新コースの構成やカリキュラムを含め会議を重ね検討した。
平成 20 年度からの入学者受け入れを目指しほぼ準備が整い、実行段階となった。
・カリキュラム改革(前期)
新入生の学力低下や 2 極化、入試制度の多様化に対応するため、新カリキュラムを作
成した。リメディアル教育の導入、コア科目の設定、支援科目の導入、体系的な科目配
置、教授内容の厳選・効率化、多様な進路をサポートする科目の設置を行った。
・物理教育シンポジウム参加(8 月 29 日∼9 月 1 日)
第 67 回応用物理学会学術講演会に行われたシンポジウム「応用物理教育教材開発の
現状と課題」と、8 月 13 日から 18 日に開催された物理教育に関する国際会議
International Conference on Physics Education 2006-Toward Development of Physics
for All- に参加した。
・卒業生との懇談会(10 月 13 日)
卒業生 4 名、在学生 65 名の参加があった。卒業生の話から、学生たちは目標を持った
こと、目的を持って行動することが大切だということを感じ取っていた。
・期末試験評価委員会(3 月 5 日)と入試結果評価委員会(3 月 5 日)の開催
教科書を見直すことになった。
・FD講演会(3 月 15 日)を開催した。
他学科も含め 22 名の参加者があった。
講師:株式会社インク、ディレクター 吉田宗晴氏
題目:検索エンジンで表示されるホームページ
当学部のホームページが、広く受験者に表示されるための作成方法を学んだ。
参考となる点
他学部等のために
新入生学力低下や 2 極化、入試制度の多様化に対応するため、1 年生前期に、多くのリ
メディアル科目を入れた新カリキュラムを作った。リメディアル科目が増えた分、従来か
らある科目の整理・統合を行った。
他学科と協力して、学際的な勉強ができる新しい教育プログラム、ナノサイエンス・イ
ンスティテュートを作った。
SEO(search engine optimization)と今後の展開、検索エンジンで表示されるホー
ムページの作り方を学んだ。
今後の課題
新カリキュラムとナノサイエンス・インスティテュートは、まだ計画段階である。この
計画が実行に移され、
有効に働くためには、充分の準備と、施設が望まれる。
評価システムがまだ不充分である。来年度の課題に挙げて重点的に取り組みたい。
10
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
理学部化学科
実施した 活動の概要および成果
参考となる点
他学部等のために
・平成 18 年度新入生への学力到達度チェックテストの成績は次のとおりであった。
化学(48 満点)、数学(36 満点)、物理(16 満点)の総点を 100 点としたとき、平成
18 年度の総点は 48.6 点であった。(内訳 化学 25.1、数学 18.3、物理 5.2)ちなみに、
平成 15、16 年度および平成 17 年度の総点はそれぞれ 47.9、54.4 および 49.2 であった。
平成 18 年度の総点は、平成 16 年度についで 2 番目であった。また、入試(前期、後期日
程)を受験して入学してきた学生のほうが推薦で入学してきた学生よりも成績が良かっ
た。推薦で入学してきた学生に対しては基礎化学演習で基礎学力を向上させるための充分
な指導が必要である。
・第 3 回チュートリアル研究発表会(1 年次正)の開催(7 月 3 日、10 日)
講演要旨集を作成し、Power Point を用いたプレゼンテーションを行った。自らテー
マを設定し、調査検討した結果を最新の方法で発表することは積極性、協調性、データ
を解析し、まとめる能力を養うのに大いに役立っていると判断できた。
・国際化時代に対応した科学的表現力強化の実践教育
ウルサン大学校自然科学大学化学科との国際交流を 8 月 22 日∼24 日、韓国のウルサ
ン大学で行った。4 年次生の参加は 15 名であった。大学院生の行った研究発表会にも参
加し、科学的素養の涵養に加え、国際感覚を身につけるのに有益であった。平成 17、18
年の 2 年間の成果を「国際化教育事業報告」として小冊子にまとめた。
・化学科就職懇談会の開催(10 月 7 日)
就職懇談会の参加者の総数は、116 名でした。
(内訳 卒業生 19 名、4 年生 22 名(就
職内定者、大学院進学者を含む)3 年生 48 名、2 年生 12 名、1 年生 1 名、化学科職員
14 名)この就職懇談会を通じて、学生の就職活動に対する意識の改革が行われているこ
とがアンケートの結果を見ても感じ取ることができた。
・第 34 回卒業論文発表会の開催(平成 19 年 2 月 14、15 日)
4 年次生全員(55 名)が 7 分の Power Point を用いたプレゼンテーション、2 分の質
疑応答を行った。論文発表の内容や表現力のレベルは年々、向上しているように思われ
た。
ウルサン大学との学術交流は学生の科学的素養や国際感覚の涵養、および英語による表
現力の強化に大いに役立っている。
今後の課題
・平成 17 年度に入学した学生 61 名のうち、3 年関門にかかったのは 7 名であった(11.5%)
平成 16 年度の入学生の場合は、71 名中 8 名(11.3%)であった。留年率を 10%以下にす
るための、きめ細かな指導が必要である。
・授業評価アンケートの分析
・3 年次生の後期からの研究室配属の問題点とその改善策の検討
11
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
理学部地球圏科学科
地球圏科学科では、平成 18 年度実施計画に沿って
・新入生に対する入学時動向調査 (4 月)
・前期授業アンケート (7 月)
・各分担者による前期授業アンケートの自己評価と分析
(9 月)
実施した 活動の概要および成果
・2 年次学生に対する希望専門分野動向調査 (11 月、12 月、2 月)
・後期授業アンケート (12 月および 1 月)
・各分担者による後期授業アンケートの自己評価と分析
(2 月)
・3 年次学生に対する卒業論文希望動向調査 (11 月∼2 月)
FD活動による成果としては、各学期末に授業アンケートを行うことで、次の学期に向け
てほぼリアルタイムで授業改善を検討することができたという点があげられる。
参考となる点
他学部等のために
授業アンケートの自己評価・分析をもとに、各教員は授業改善に取り組んでいるが、集
今後の課題
団的討議が不十分である。
この点を改善しつつ、カリキュラムの充実に努力する必要がある。
12
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
工学部
1.マネジメントサイクルの新しいデザインを作成した.これにより H19 年度までの計画が具体的
になった.
(1) 学科ごとに実施する.
(2) プラン(P2,P5)において教育システムの評価方法と理想的結果を明らかにする.
(3) 理想と現実の差分を分析し,フィードバックの内容を具体化する.
(4) 工学教育に関する会議は学科間の情報共有,共通項目の合理化の場を提供する.
実施した 活動の概要および成果
参考とな る点
ために
他学部等の
サイクル図:太実線は既存,太点線は H18 年度の実施目標,細実線は H19 年度の目標
(5) A1,P1 では,更に学科単位で卒業生との懇談や外部評価委員会を設置し,カリキュラムの
点検を行った.(別紙1)
(6) A1 の試みとして Spectral Clustering と呼ばれる手法を企業アンケートに適用し,良好な
コアコースが抽出できた.(別紙2)
(7) 学科レベルでアドミッションおよびディプロマ,カリキュラムポリシーを策定した.JABEE
申請書に準拠して上記図の P2 と P4 を具体化し,相互参照のための小ワークショップを開
催した.これにより科目の役割を実現する授業形態が明らかになった.(別紙3)
(8) A4 で因子分析を行うことを想定し,P5 でアンケート内容を修正した.また,C5 の結果を
A4 で単純集計した(アンケート用紙および分析表の一部を別紙4に示す).結果は P4 に関
する学科会議を開いている学科もある(別紙4).因子分析は実施中である.
(9) C3 では,数学リメディアルで達成度テストを行った.また,ワークショップを開催し,リ
メディアルの効果が数学科から示された.「新入生の持つ座標系の知識」について図学教
室からのレポートがあった.(別紙5)
特になし
今後の課題
P3(平成 19 年度の就学指導,父母懇談会の内容の点検)が実施できていない.
A2,A3:平成 19 年度の計画に盛り込まれている.
C1,C2,C4: 平成 19 年度の計画に盛り込まれている.
P4 の実施は各教員に任されている学科が多く,点検システムが必要である.
以上,A1∼A4,P1∼P5,C1∼C5 すべてについて言及したので記載漏れがないことは明らかである.
13
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
医学部医学科
1.FDに関して実施した主要な活動は以下のごとくである。
・学部内教育ワークショップを開催した。
医師国家試験対策、PBL テュートリアルの見直し、CBTに向けた基礎医学教育の
三つのテーマでそれぞれ班別討議、および全体討議を助手以上の全員参加で行っ
た。また学生代表もオブザーバーとして参加し、率直な意見交換を行い、医学教育
実施した 活動の概要および成果
の改善に向けて医学部全体の意識を向上させることができた。
・学外ワークショップへ参加して、最新の情報を入手し、スキルアップした。
医学教育ワークショップ、共用試験医学系OSCEワークショップ、若手指導医
のための指導スキルアップセミナー
・共用試験のモニター評価者を他大学に派遣した。
・学生向け教育ニュース「教育計画部ニュース」を発行した。
・
「心の相談室」(インターネット)で、西村良二教授が学生の精神的ケアを行った。
2.医師国家試験対策については、全国模試を導入し、成績不振学生への個人指導を行い、
DVD ビデオおよびインターネット利用による補習講義を強化した結果、内科を中心と
した基幹科目で成績の向上がみられ、全国模試の結果もかなり改善している。
3.学生による授業評価は例年どおり実施し、授業内容の改善に努めた。
4.医学部内教育に関する各種委員会の実施:とくにカリキュラム検討委員会において、
M1∼M6 全学年のカリキュラムの見直しと改善策の検討を行った。
5.教員の教育・研究活動の評価(自己申告と評価委員会での検討)を行った。
平成 17 年度の教員全員の教育活動の実績を点数化し、研究業績などと合わせて各講座
の実績を算出して平成 19 年度の講座予算案を傾斜配分した。
参考となる点
他学部等のために
教員の教育・研究活動の評価の実施に際しては、各教員が平成 17 年における自己の教
育活動(FD を含む)、研究業績(論文は雑誌のインパクトファクターにより点数化)、学会
発表、社会活動、研究助成金申請などの点数を算出し、個人評価自己申告書として医学部
長に提出し。そして評価委員会で個々の申告書の妥当性について検討した。最終的に講座
ごとに教員の点数を集計して、平均点を算出し、これを各講座のアクティビティーの指標
として、平成 19 年度医学部予算案に反映させ、講座予算を傾斜配分した。
医師国家試験と全国共用試験 CBT の成績向上が緊急の課題として重要である。現在医学
今後の課題
部教務委員会とカリキュラム検討委員会が中心となって、医学部カリキュラムの全面的見
直しと改善に向けて作業中である。本年度の CBT の成績は著明に改善し、医師国家試験全
国模試の得点もかなり上昇してきたが、この傾向をさらに確固たるものとするために今後
も改革を進める必要がある。
14
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
薬学部
実施した 活動の概要および成果
参考とな る点
ために
他学部等の
○薬学部専門教育科目カリキュラムデザイン
専門教育科目について、薬学教育モデル・コアカリキュラムとの擦り合わせを行い、一
般目標、到達目標、学習方法、評価の方法、授業計画などを明記したシラバスを作成し、
学生が授業目標・内容を理解しやすいようにした。また、特別講義は薬剤師国家試験出題
基準の内容と一致させた。
○学生修学指導
留年者に対しては学部長が直接保護者・本人に面談し、成績不良者に対しては、教務委
員及びクラス担任が分担して本人と面談し、自らの成績不振の原因を把握させ、その改善
に努めた。
○薬学部独自の授業評価アンケート
平成 18 年度も薬学部独自に授業評価アンケートの内容を設定して、
「薬学部教員の全科
目」および「薬学部1年生他学部教員の授業科目」
、「薬学部2年生第 1 外国語授業科目」
を対象に授業評価アンケートを実施した。期間は、学生の負担を考慮し昨年度より 1 週間
延長した。なお、後期は「薬学部教員の科目」のアンケート項目を見直して実施した。
〔実施期間〕前期 平成 18 年 6 月 26 日から 7 月 14 日
〔実施期間〕後期 平成 18 年 12 月 4 日から 12 月 22 日
〔分析・評価・公表〕
薬学部教員へアンケート結果を配布し、薬学部FD委員会で分析・評価後、教授会で授
業評価が平均値より 1 ポイント高かった授業科目名を公表し、薬学部教員対象に評価の高
かった科目の授業公開を行った。また、薬学部教員に「自己評価アンケート」と「学生の
授業評価に対する教員側の意見」を学部長宛に提出させた。
前期と後期アンケートの比較、総括をした。「教師に対する総合評価」の項目において
は、昨年度より本年度の方が、いずれも 0.1-0.5 ポイント上昇し、改善が見られていた。
更に、再度各自のアンケートのチェックを行い、授業へのフィードバックをお願いした。
○薬学教育者ワークショップへ参加
(1)平成 18 年 5 月 12 日(金)∼14 日(日)、2 泊 3 日
「第 17 回全国薬学教育者ワークショップ九州」および「第 2 回薬剤師養成のためのワ
ークショップ in 九州」に 3 名が参加した。
(2)平成 18 年 8 月 31 日(木)∼9 月 1 日(金)、1 泊 2 日
「平成 18 年度文部科学省薬学教育指導者のためのワークショップ」に 2 名が参加した。
(3) 平成 18 年 9 月 2 日(土)∼3 日(日)
「第 4 回薬剤師養成のためのワークショップ in 九州」(厚生労働省による認定実務実習
指導薬剤師養成のためのワークショップ)に 1 名が参加した。
(4) 平成 18 年 11 月 10 日(金)∼12 日(日)、2 泊 3 日
「第 5 回薬剤師養成のためのワークショップ in 九州」に 1 名が参加した。
*今後の教育・実習に成果が反映される。
○薬剤師国家試験
5月に成績下位層の特別学習、6月に第1回模擬試験を実施して、早期に国家試験を意
識させた。8月に夏期集中セミナーにより基礎科目の弱点克服を目指した。
9月上旬の第2回模擬試験により、自らの弱い科目・項目および全国レベルにおける自
身の学習の進捗状況を理解させた。
12 月に冬期集中セミナーを実施し、弱点分野の理解に主眼をおいた。12 月に第3回模
擬試験を実施。本学学生の学習の進捗度を把握し、更に結果をもとに学生を個別指導した。
2月に第4回模擬試験の実施。結果をもとに学生を個別指導した。
薬学特別講義Ⅰ∼Ⅳの内容を、国家試験対策を考慮した内容とした。
卒業試験に関しては、国家試験合格のみならず薬剤師になるにあたって習得すべき必須
項目を再点検し、出題基準の見直しを行った。
卒業予定者(国家試験受験者)全員に対して、各自の解答結果と国家試験対策全般に対す
るアンケートを実施した。解答結果については、合格発表後に、4回の模擬試験、3回の
卒業試験の結果と併せて詳細に検討を行う予定であり、アンケート結果については取りま
とめて来年度の国家試験対策に反映させる。
課題
今後の
15
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
スポーツ科学部
実施した 活動の概要および成果
1)シラバス内容の検討
事務的な検討に終わったが、従来よりも内容的には改善されつつある。
2)新入学生の研修会および懇談会の実施
研修会では教務、学生、図書、国際交流など学生生活全般にわたる具体的な説明がなさ
れた。細やかな対応ができるよう今年から担任制度を設けたが、懇談会では担任教員が
学生達との交流を深めた。
3)新入生に対する担任制での指導
前期試験直前に各担任が学生を集め、前期試験に関して指導・注意がなされた。
4)日本語力テストの実施とその対応
中 3 レベル以下と判断された学生の前期成績を参考にし、特に著しく成績不良の学生を
招集し指導を行った。
5)私立大学連合主催の FD ワークショップへの参加
新任教員に参加してもらい、高等教育の現状、授業における学生への働きかけとフィー
ドバックなどについて研修してもらった。
6)ミニッツペーパーの実施
全教員ではないがかなりの教員が実施するようになった。教員自身・および学生達の授
業への関心度が高まりつつある。
7)授業評価アンケートの実施
前期授業において授業評価アンケートを実施した。講義、実技、ほぼ全員の教員が実施
に協力してくれた。
8)課外活動への支援と評価
学生の活躍状況を掲示し学生・教員にアピールすることにより活性化を図った。
9)大学視察
教育改革に熱心に取り組んでいる大学の実情を視察してきた。
参考となる点
他学部等のために
1)日本語力テストの結果を受け、今年度から成績不良者に対する指導を試行錯誤しなが
ら始めたが、学生たちも日本語学習に対して積極的に取り組んでくれるようになった。
少人数の指導はかなり有効であると評価したい。
今後の課題
1) シラバス内容の実質的検討を FD 小委員会で行い、教員へのフィードバック
を行いシラバス内容改善のサポートを進めたい。
2)ミニッツペーパーの結果を評価したい。
3) 学部内のワークショップ(シラバスの書き方、授業研究など)を実施したい。
4)日本語力テストの結果を踏まえ、学生たちへの指導をより効果的なものとす
るよう改善していきたい。
16
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
共通教育センター
標記平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告は以下のとおりである。
①
授業アンケート(総合教養科目・教養ゼミ・総合系列科目)・・・学生側の視点
センターでは、授業改善をさらに推し進めるため、前年度から総合教養科目「授業アンケ
ート」の実施要領を作成し、センター委員で構成するワーキング・グループ(以下「WG」)
を立ち上げ、このWGを中心に従来実施していたアンケートの設問項目等の見直しに着手し
た。見直しに際しては 18 年度に学内の社会学および統計学の専門家を専門委員として委嘱し、
WGにも加わってもらった。また広く総合教養科目の担当者からも系列代表者会議を介して
意見を聴きアンケートを作成した。アンケートの実施に際しては多くの担当者からの協力を
得ている。18 年度新規事業として実施したため、遅れ気味ではあったが、各担当者には授業
改善に役立ててもらうためアンケート結果を送付した。次いで 3 月末には全体分析を終了し
報告書を作成した。次年度は計画できるだけ早く分析結果を担当者に送付したい。なお、
「総
合系列科目」、「教養ゼミ」については従来センターで作成しているアンケートを実施し、グ
ループウエアにも公開している。
実施した活動の概要および成果
②
担当者会議(系列会議・系列代表者会議・教養ゼミ・総合系列科目・全体会議)・・・教員側の
視点
「系列会議(担当者会議)との連携」とは共通教育担当者とセンター双方の情報の共有化
を図ることにより、相互に共通教育の現状・実態を認識し、授業改善等組織的な活動を行う
ことである。今年度は 5 月 13 日(土)と 11 月 30 日(木)に系列代表者会議を開催し、①授
業アンケート原案についての意見聴取、②センター事業計画の説明、③随時発生する担当者
からの意見伝達方法、④19 年度時間割編成への協力依頼、⑤シラバスを点検・確認する組織
の検討
等センターの意向を説明し、それに対して様々な角度から共通教育担当者から貴重
な意見を伺った。その他「教養ゼミ」担当者会議も 3 月 14 日(水)に開催した。今後も担当
者会議を通して発生する意見・要望をもとにセンターと担当者の間をより密にし、担当者へ
の支援を行うとともにセンター運営をさらに強化し授業改善を図る予定である。
③
学生との懇談会・・・学生側の視点
本来「学生との懇談会」は本学学生からの共通教育科目についての意見を聴取し授業改善
を図ることが目的ではあるが、同科目に限定せず専門教育を含め大学生活全般について発言
の機会を与え、授業アンケートでは知りえない多くの情報(意見・要望)を学生からの「生
の声」として聴くことができる。今年度も 11 月 16 日(木)に開催し、学生からも毎年開催
して欲しい旨の要望があっている。学生からの要望・意見についてはセンター運営委員会で
議論するとともに関係部署にも紹介することにしている。また全学の職員にも学生の実態を
把握して授業改善に役立ててもらうため、グループウェアでも毎回広報している。今年度は
センターの活動をFD(学園通信)で 1 年間にわたって紹介をする機会をいただいたので懇
談会での雰囲気も一部紹介することができた。
17
Ⅳ
④
共通教育科目
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
科目登録状況分析・調査・・・客観的データ
共通教育センターでは、肥大化したカリキュラムのスリム化と大人数クラスの解消を目標
に、1 コマあたり登録者数は 200 人を目安に総合教養科目の開講コマ数を調整している。今年
度の調査結果は徐々にではあるが目標に近づいていると分析した。また、時間割編成会議にお
いて科目登録制限(学部・学科・学年指定等)を実施することで、平成 18 年度は若干増加した
ものの 400 人を超えるクラス(コマ)も徐々にではあるが解消している(下表参照)。センターは
この結果を運営委員会及び担当者会議を通して報告し、今後も時間割編成を行う上での貴重な
データとして有効利用して授業改善に努めたい。
総合教養科目
400 人以上の開講コマ数の推移
(400 人以上)
人文科学
社会科学
自然科学
総合系列科目
(総合科目)
⑤
H14
H15
H16
H17
H18
開講コマ数
13
12
12
5
9
(専
13
7
9
3
6
(非常勤)
0
5
3
2
3
開講コマ数
17
8
5
9
10
(専
15
6
5
8
9
(非常勤)
2
2
0
1
1
開講コマ数
2
2
2
1
6
(専
任)
1
1
2
1
1
(非常勤)
1
1
0
0
5
開講コマ数
1
1
1
2
1
(専
任)
1
1
1
2
1
(非常勤)
0
0
0
0
0
任)
任)
教育施設・設備検討委員会への情報提供・・・教務部との連携
センターでは教務委員会の中の標記委員会に学生からの教育施設・設備・環境への改善要
望を報告し、教育環境改善について協議し、必要なものについては予算化を検討している。
この項目については引き続き次年度も活動計画にも掲げており、恒常的に学生との懇談会や
各種のアンケートをとおして教務委員会へ情報提供を行っていきたい。
参考となる点
他学部等のために
「学生との懇談会」については、授業改善を行う上で授業アンケートでは得られない貴重な学生
の意見を聴取することができる。当センターが実施した懇談会では、共通教育にとどまらず、専門
教育に関する意見も多く聞かれた。是非参考にしていただきたい。
今後の課題
※今後の課題については、上記「実施した活動の概要および成果」のなかで各項目ごとに記載して
いる。
18
Ⅳ
平成 18 年度教育マネジメントサイクル活動報告
言語教育研究センター
実施した 活動の概要および成果
1. 日本語力テストの実施
平成 17 年度の FD 推進会議において、本学学生の日本語力の実態を調査すべきとの提
言があり、独立行政法人メディア教育開発センターが開発した「日本語力テスト」を実
施した。このテストは、当センターが主管となり、平成 18 年 4 月から 12 月にかけて全
学部で実施し、受験した人数は、人文学部 202 人、法学部 202 人、経済学部 666 人、
商学部 354 人、理学部 63 人、工学部 475 人、医学部 99 人、薬学部 843 人、スポーツ
科学部 237 人、合計で 3,141 人が受験した。結果は、中学 1 年から高校 3 年の6段階の
レベルに評価分類され、受験した1年次生(2,495 名)について比較すると、高3レベル
が 56.4% 、中学 1∼3 の計が 9.3%と、他大学の高3レベル 46.5%、中学レベルの計 18.4%
に比較すれば、10%ほど良い結果といえる。
2. 授業アンケートの実施
平成 18 年度前期の授業アンケートは、昨年と同様の質問項目で実施したが、後期か
ら、データの分析と授業改善の提案を資するため ARCS 理論に基づいて質問項目を更新
した。また、共通教育科目の英語については、前期と後期の担当者が異なるため、前・
後期とも実施した。
3. 英語運用能力テスト(ELPA)の実施
このテストは、英語能力を客観的に把握するため、フレッシュマン・イングリッシュ
Ⅱのクラスにおいて1年生全員( 4,045 人)に実施した。今年度は、11 月中旬に目的別ク
ラス選択を目的としたプレイスメントテストを兼ねて実施した。この結果から、TOEIC
との換算ポイントが得られる他、英語能力に関する様々な分析データを得ることができ
た。
4. ニューズレターの発行
当センターの活動状況を全学に周知してもらうため、第 5、6 号を発行し、7 号は、
臨時号として「日本語リメディアル教育セミナー報告」を行った。
に参考となる点
他学部等のため
今後の課題
1.日本語力テスト
日本語力テストにおいて、リメディアル教育(再教育)を必要とする対象は、中学レベ
ルとなるので、少人数である。他方高 3 レベルといわれる日本語力でさえ、大学および
社会が求める能力とのギャップがあり、今後、論理的な表現能力をどのように指導して
いくのかが課題である。
2. 授業アンケート
教員および学生に負担にならないよう配慮するとともに、教員の自主的な教育改善へ
の動機付けになるよう、各教員に分析結果を届ける。
3.英語運用能力テスト
テスト結果を基に、目的別クラスの選択基準の検討および英語教育の改革・改善案を
検討する。
19
Ⅴ
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
人文学部
1.活動の概要
平成 19 年度 2 月から外部評価へ向けて動き出す。評価の基準になるものは大学の理念、教育目標
であり、高等教育機関としてその中身はどうかという点である。その意味では平成 18 年同様、新入
生に対して日本語力テストを実施する。人文学部に入って来る学生の基礎学力の低下は教員の共通
認識であり,特に思考力に問題がある。そのためには日本語力テストでは見えて来ない部分を掘り
起こし、学部教育にとって何が必要かを確認することが急務である。平成 18 年日本語力テストの結
果 35%の新入生が高校 3 年生のレベルに達していないことが判明した。語彙力中心のテストでそう
であるならば、読解力においてはさらに低いことが想定される。現行のカリキュラムから見れば、
国語力の低下は致命的である。加えて英語力においても、読解力が種々の検定試験において低下の
傾向にある。そうした基礎学力と 6 月と 11 月に予定されている授業アンケートの結果を比較検討す
る。真の学力は抽象的な事柄と具体的なものを関連づける力だとすれば、平成 18 年度の授業アンケ
ートの結果から見て、抽象的な事柄を扱う科目に対する評価が低いことは、出口である就職におお
いに関係してくる。各学科のディプロムポリシーの見直しも必要になるであろう。そうした観点か
ら平成 19 年度は学生の思考力の把握し、カリキュラムへの反映をめざす。そのために他の私立大学
がどのような改革を行なっているかを調査する。そうした関連の講演会の開催、および新任教員の
FD セミナーへの参加も予定している。
2.期待効果
平成 18 年度の授業アンケート結果から見ても、授業内容はより充実したものになっている。それ
は継続的にアンケートを実施していることの効果である。しかし同じ教員であっても、科目やクラ
スサイズによって評価が異なる場合がある。それは学生の関連づける能力や体系化する力と関係し
ている。これまでのデータから見ても少人数教室のほうが圧倒的に評価は高い。少人数教育は私大
助成の評価を高めるためにも不可欠であり、そうした教育を中心にした学部教育再編の絶好の機会
になるであろう。同時に平成 20 年の外部評価に向け取り組むべき事柄も明らかになるであろう。場
合によってはステップアッププログラムをどのように取り込むかも考えなければならない。
20
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
学生の学力調査
(国語力・英語力)
〔共通教育センター〕
〔言語教育センター〕
入試形態のあり方
カリキュラムの検討
入試問題の検討
〔各学科〕
〔各学科〕
〔教務・入試連絡会議〕
〔教務・入試連絡会議〕
〔将来計画委員会〕
就職のために補わなければ
学力低下に対する
ならない能力の開発
他大学の対応調査
〔各学科〕
〔就職・進路支援センター〕
〔各学科〕
〔エクステンションセンター〕
授業アンケートの評価検討
〔各学科〕
21
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
Novis2007−新入生のための人文学案内−発行
日本語力テストの結果検討
5月
6月
エアラインセミナー
授業アンケート(前期)
7月
8月
平成 19 年
9月
10
月
人文学部主催キャリア形成支援行事「先輩と語り進路を考える」
11
エアラインセミナー
月
授業アンケート(後期)
12
月
1月
2月
平成 20 年
A方式推薦入試合格者入学前英語課題作成
A方式推薦入試合格者入学前英語課題添削
A方式推薦入試合格者入学前英語課題添削
3月
A方式推薦入試合格者入学前英語課題添削
FDセミナーへの参加
英語運用能力テストの結果検討
随時実施分
実施月・未定分
他大学調査
FD講演会開催
22
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
法学部
1.活動の概要
法学部では、学部全体の教育目標を①「法的思考力の育成」に置き、その基礎となる②「基礎的
法律知識の習得」と③「法的価値判断能力の獲得」を実現して、社会における様々な場面での④「紛
争予防・解決能力の基盤形成」を図り、その能力実現のための⑤「的確な表現力・明快な説明能力
の涵養」を目指している。
この教育目標の下で、16年度より実施した現行カリキュラムにおけるコース制の個別的かつ具
体的な教育目標を達成することが当面の課題である。
本マネジメントサイクルの活動は、この教育目標を効果的に達成するための一環として位置付け
られるものである。具体的には、
「分かる講義の実現」に主眼が置かれている。
1.
「授業アンケートの実施」
:引き続き前・後期2回のアンケートを実施する。
また、アンケート結果に基づき、改善策(学生へのアンケート結果についての情報提供を含
む)を検討し、実施していく予定である。
2. 「学生ヒアリングの実施」
:学生の生の声を改善に反映させるために収集する。
3. 「独自日本語能力テストの実施」:読解力および論点整理力を測るためのテストを独自に成
し、実施したい。
4.「スタディガイド作成」:法学部での勉学の方法や法の理解の基盤となる知識を効率的に概観
できる教材を作成し、新入生向けに配布して、導入教育に役立てたい。
5. 「法律情報バージョンアップ講義」:主要な法分野の改正情報やその意義等について講義
を行い学生の法律知識を補いたい。
6.「その他」:関係のシンポジウム参加、外部講師招聘も適当な機会や人材を見て、
鋭意実施したい。
2.期待効果
「授業アンケート」の実施により、その結果に基づき毎回各教員に改善を求めているので、相応
の成果が既に上がっているはずである。ただ、毎回異なる学生による評価であるため、改善の成果
がアンケート結果に表れにくい難点があるので、この点を考慮に入れて結果の検討・分析等を行わ
なくてはならない。また、アンケート結果についての情報提供を通じて、分かりやすい講義実現に
対する学生の関心も高まるであろう。この場合に、より建設的な意見が期待できる。
「学生ヒアリング」により、生の声を聞くことができ、これを反映することで更なる改善が期待
できる。ただ、個人的感想ないし意見がどれほどの学生の声を代弁するものなのかという問題もあ
るので、参考意見として教員に伝達するに留めたい。
「独自日本語能力テスト実施」は、法律学を学ぶ者にとって必須の能力である読解力と論点整理
力について調べようというものである。これらの能力の乏しい者には、次の段階として、補習の試
みがなされることになる。本年度は、取り敢えず独自テストを作成し、実施することに目標を置い
ている。
「スタディガイド作成」は、法学部における勉学の展開に役立つ教材として、導入少人数ゼミ等
で活用されるとともに、学生による自学自習に際してのガイドブック的利用が期待される。
「法律情報バージョンアップ講義」は、主要法制において既習講義受講時点から大きな法改正・
判例変更等による変容がある場合に、当該法分野の知識をフォローアップして、法律知識の充実を
図り、当該法律への関心を継続させるとともに、社会的に評価される能力の向上が期待される。
「その他」については、参考になりうるシンポジウムが開催されないことや、適当な講師が見つ
からないことなどにより活動が毎年低調であることは否めないが、実施に向けて情報収集などに努
め、実現し、得られた成果を教員にフィードバックしたい。
23
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
(様式1−2)
3.サイクル図
教 育 目 標
カリキュラム
課題解決策の実施
課題解決策
授業目標
授業デザイン
(シラバス等)
分析
(具体的課題抽出)
授業・試験
現状把握
24
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
独自日本語能力テスト実施(予定)
5月
学生ヒアリング実施(1回・2回)
6月
学生ヒアリング実施(3回)
7月
学生ヒアリング実施(4回)
授業アンケート実施
8月
平成 19 年
学生ヒアリング結果報告
授業アンケート結果報告
9月
10
月
学生ヒアリング実施(5回)
11
月
学生ヒアリング実施(6回・7回)
12
月
1月
2月
平成 20 年
授業アンケート実施
法律情報バージョンアップ講義(4年生対象)
学生ヒアリング結果報告
授業アンケート結果報告
3月
学生ヒアリング(8回)
学外シンポジウム参加
学外講師招聘による勉強会実施
法学部新情報システムによる法学部生への授業アンケート結果公開
随時実施分
実施月・未定分
独自日本語能力テストの準備状況によっては、従来のテストを行うことも
ある。
25
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
経済学部
1.活動の概要
1)カリキュラムデザインの明確化−昨年と同様にして、各科目について目的、具体的到達目標、
評価基準を明確にし、コース会議および学科会議での検討を通じて教員が相互に共有できる
システムを確立するとともに、セメスター制移行にともなって、教員から離れたコア・カリ
キュラムをつくる。
2)カリキュラム目標の確認−昨年と同様にして、教授会で各学科・コースの現状認識を報告し
あうことを通じて、学部全体の目標を設定するととともに、コースごとあるいは教職員ごと
に、学生の学習の習得の度合いがわかるようなマップをつくり、学習ガイド等に掲載する。
3)授業評価アンケートの活用−授業評価アンケートをより多くの教員が自主的に実施し、相互
の閲覧と FD への利用ができるようにする。
4)外部テストの導入による教育効果の測定−英語能力試験や経済学検定試験など外部試験を積
極的に取り入れ、教育効果の客観的分析に役立てる方法を模索する。
5)FD 活動促進体制の確立−経済学部の学科組織やカリキュラムの特質を考えたとき、どのよ
うな FD の仕組みが最も効果的かをさらに検討する。このための情報収集のために FD 講演会
の開催や FD 講演会の参加を活用する。
6)少人数教育・初年度教育の充実−ゼミ等の少人数授業への収容を一層促進するとともに、そ
れを補う修学指導の量質両面での充実を費用対効果も考慮しながら図る。1 年生向けだけで
なく学部用の学習ガイドの作成を図る。
2.期待効果
経済学部での教育内容は、学科目の性質上積み上げて的な学習の継続を必要としている。も
ちろん、カリキュラムはその特質を配慮して作られているが、現状では各科目間の内容のすり
合わせや難易度の適切な配分には不十分な点が見られる。
上記の重点的な活動を通じて、学生が一層一つ一つの科目に熱心に取り組み、系統的な履修
を通じて達成度を自覚できるようにする。
セメスター制移行にともない、開講科目のスリム化を図ると、学生にわかりやすいカリキュ
ラムを構築することができるので、履修、および修学の個別指導を通して、ドロップアウトす
る学生数を減少させることができる。
さらには、非常勤講師率を下げて、専任教職員が責任をもって開講できると思われる。
効果の確認方法としては、昨年の授業評価アンケート結果、修学指導対象者比率、留年
率、およびゼミ履修率などに加えて、学習習得履修マップの作成、教員から離れたコア・カ
リキュラムの創設、半期完結の徹底、および費用対効果(費用便益費=学生登録者数/非
常勤講師料等費用)などの経年比較を考えている。
また、学部専用の学習ガイドによって、GPA の導入など学生に情宣が容易となる。
26
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
① 目標設定:コース制カリキュラム上の各科目の目的、目的を達成するための具体的到達目
標、目標の達成度を測る評価基準を元に、担当者が授業をデザインしてシラバスを作成す
る。学部全体として、当年度の教育到達目標を共有する。そのうえ、セメスター制移行にと
もない、教員から離れたコア・カリキュラムをつくり、開講科目のスリム化を図るとともに、
半期完結を徹底させて、学生にわかりやすいカリキュラムを構築する。
②
実践:シラバスおよび到達目標を、教育の受け手である学生と共有しながら授業および課
外での教育を行う。
③
測定:単位取得状況、出席率、成績分布の変化、授業評価アンケート、外部テストの成績
等で教育目標の到達度を測定する。なお、ゼミ所属率や学部学生への図書館貸出冊数、学
内ネットワークのログイン数、卒業時の進路決定率なども指標として利用する。複合的な
性格を持つ教育活動を単一の数値指標で評価することは難しい。特定の指標に過度に偏る
ことなく総合的な判定が必要である。
④
評価と分析:目標達成度を評価するとともに、学部で取り組むべき、教育上の改善点を検
討する。
①目標設定
④評価と分析
◆コース制カリキュラム
◆教員から離れたコア・
カリキュラム
◆適切なクラスサイズ
◆セメスター制移行
◆科目間の関連および
学習習得度の把握
③測定
27
②実践
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
5月
科目別成績評価分布相互開示
6月
7月
8月
平成 19 年
9月
10
月
授業評価アンケートの実施
学外 FD 研修会参加
学習ガイドの作成
アンケート結果相互開示・コース等会議
11
月
外部試験実施校調査あるいは講演・授業評価アンケートの実施
12
月
1月
2月
平成 20 年
FD 講演会実施
アンケート結果相互開示・コース等会議
3月
随時実施分
全学年向け学習ガイドの作成検討
随時実施分
実施月・未定分
学習習得度履修マップの作成
教員から離れたコア・カリキュラム
開講科目のスリム化
完全セメスター制移行:半期完結の徹底化
シラバスの電子化
28
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
商学部
1.活動の概要
1、授業方法と内容の改善
(1) 入学定員削減に伴うゼミナールの小人数化の実現とゼミ選択肢の拡張
・平成 19 年度から 2 年次以降のゼミナールの定員上限を 18 名に、また 5 名までは
他学科の学生を受入れ可とする。このことによって、ゼミナールの小人数化と学
生にとってのゼミ選択肢の拡張を図る。
・1 年基礎ゼミナールの小人数化により、導入教育の充実を図る。
(2) 各学科、各系列の教員間での担当科目の連携強化。
(3) 「スタディガイド」の作成と新入生への配布。
2、FD活動について
(1) 教員相互の授業参観やFD研修会への参加奨励
(2) 本学部卒業生による講演会の実施
(3) 授業アンケートの年2回実施
2.期待効果
ゼミナールの小人数化により、学生一人一人に対するきめの細かい教育が可能となる。ま
た導入教育の充実によって、学生に対して勉学の動機付けを与えることと、大学での学び
方を習得させることができる。
教員間での担当科目の連携強化によって、体系的に学問を教授できる。
教員相互の授業参観やFD研修会への参加によって、教員の教育能力の向上を期待できる。
授業アンケートの分析により、授業方法と内容の改善を図る。
29
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
教育目標
・ 学部教育目標の策定
・ 学科別教育目標の策定
カリキュラムデザイン
FD
・ 1年次導入教育科目
・ 学部内ワークショップ開催
・ 専門教育科目
・ 学外研修会参加
・ 教員相互の授業参観
授業アンケート
授業デザイン
・ シラバス作成
・ アンケートの分析
・ 担当者間の相互連携
・ 教授会報告
授業・試験
30
Ⅴ
4.スケジュール
4月
前年度実施の学外FD研修会の報告
5月
修学指導方法の改善
6月
7月
8月
平成 19 年
授業アンケート実施
学外FD研修会参加(浜松)
授業アンケート分析
9月
10
卒業生講演会
月
スタディガイド作成着手
11
月
12
授業アンケート実施
月
1月
授業アンケート分析報告
2月
平成 20 年
3月
スタディガイド刊行
学外FD研修会参加(京都)
教員相互の授業参観
随時実施分
実施月・未定分
31
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
理学部応用数学科
1.活動の概要
1.数学リメディアル教育の構築と実践
専門の数学基礎教育において、新入生の学力不足が深刻な問題になっている。そこで、新入生
に対して、1年間のリメディアル授業を行い、その基礎となる微分・積分等について、高校数
学の補完および大学数学への円滑な移行が出来ることを目指す。
2.1年次生に対する少人数クラスの開設
新入生の中には、前期、大学生活また大学教育に戸惑い、順調に大学生活に順応出来ない学生
が増加してきている。そこで、1年次前期に限り1科目を小人数の講義に編成して、きめ細か
な講義を行うと共に、もろもろの相談に答える受け皿として、大学生活の円滑な順応を目指す。
3.卒業計画発表会の開催
4年生が、1年間ゼミナールで学んだ結果と成果を、応用数学科の職員および3,4年生全員
の前で、各ゼミナールごとに口頭で発表する。これは、学科創立以来欠かさず行われている行
事の一つで、就職後のあらゆる場面で必要となるプレゼンテーションを体験、実践することを
目指す。
4.卒業生との懇談会の開催
本学科の卒業生を招いて、就職活動や業務内容について話してもらう。これは、毎年行ってい
る企画で、企業人また教員として活躍している卒業生から直接話を聞くことにより、在学生の
職業意識の啓発、就職活動の啓蒙によって、就職進路の支援を目指す。
5.推薦入試合格者のための入学前の課題指導
推薦入試合格者は、その合格から入学までに4ヶ月の期間があるため、その間の過ごし方によ
って、入学後の学生生活に大きな差が出てきている。そこで、推薦入試合格者に対し、主に高
校3年の内容について、複数回にわたり課題を課し、添削して送付し、入学後の大学数学への
円滑な移行を目指す。
2.期待効果
1.「数学リメディアル教育の構築と実践」については、新入生の数学の基礎学力が向上することで、
大学の専門基礎」教育が効果的に行われ、専門教育への円滑な移行が期待される。
2.「1年次生に対する少人数クラスの開設」については、少人数クラスの中で、身近な友人を得、
また担当者の適切な指導、助言により、大学生活と基礎教育への円滑な順応が期待される。
3.「卒業計画発表会の開催」については、1年間の研究成果をまとめ、多くに人の前で発表するこ
とを通して、社会人として必要な能力が養われることが期待される。
4.「卒業生との懇談会の開催」については、多岐多様な職業分野の実態を知り、また身近な卒業生
からのアドバイスにより、在校生に対する就職進路の支援することが期待される。
5.「推薦入試合格者のための入学前の課題指導」については、合格後から入学までの時期を、直接
大学の教員を通して、学ぶことによって、入学後の大学教育に円滑に順応することが期待され
る。
32
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
福岡大学理学部応用数学科「教育マネジメントサイクル」
教育目標
①
②
③
④
⑤
創造的思考力の養成
基礎的教育研究
応用的教育研究
人間性の涵養
指導性
改善
カリキュラム設計
・ 一般目標
・ 各科目の目標
・ 評価方法
・ シラバス
具体的展開
・
・
・
・
・
実施
授業・試験
初年次チュートリアル
担任制
知的相互作用
(学生との対話)
・
・
・
・
応用数学科
教務・FD
連絡会
学部内ワークショップの開催
科目目標の検討
授業方法の検討
シラバスの検討
具体的改善策
検証
・ 授業評価アンケート
・ 分析結果(経年比較)
の学科内公表
検証
33
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
工学部・理学部 1 年次クラス到達度テストの実施
工学部・理学部 1 年次クラスの一部リメディアル教育の開始
理学部応用数学科 1 年次クラス少人数教育(前期のみ)
5月
6月
7月
8月
平成 19 年
理学部応用数学科 1 年次クラス少人数教育の総括
工学部・理学部の一部リメディアル教育前期総括
9月
10
数学教育について有志による教室内学習会
月
11
卒業生との懇談会
月
12
推薦入試合格者のための入学前の課題指導
月
1月
2月
卒業計画発表会
3月
平成 20 年
授業担当者に対してFDに関する調査
工学部・理学部の一部リメディアル教育の総括
FDに関する年間活動総括
実施分
実施月・未定分
34
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
理学部応用物理学科
1.活動の概要
・新カリキュラムへの準備
今年度はカリキュラムの検討を行い、大幅な変更を行った。新入生の学力低下や 2 極化、入試制
度の多様化に対応するため、リメディアル教育の導入、コア科目の設定、支援科目の導入、体系的
な科目配置、教授内容の厳選・効率化、多様な進路をサポートする科目の設置を行った。この新カ
リキュラムは平成 20 年度から始まるため、平成 19 年度はその準備を行う。また化学科と協力して
行う新たな教育プログラム、ナノサイエンス・インスティチュートの立ち上げ準備も行う。
・物理学基礎ゼミナール実行委員会の開催
4 年前に始めた物理学基礎ゼミナールは、1 年次前期に開く科目で、教員 1 人当たりに 2−3 名の
学生を配属させて、高校の物理学と数学から大学の物理学への橋渡しを行うリメディアル教育であ
る。当学科が力を入れている少人数教育の 1 つであるので、さらに充実したものにし、新カリキュ
ラムでも重要な科目の 1 つとしたい。
・チェック機能の充実化
まだチェック機能が十分でないので、その機能が働くよう各評価委員会を充実させる。来年度も
期末試験評価委員会を作り、学期終了後、各科目についての試験問題や評点について総括を行う。
他学部に開講している科目については、基礎教育検討委員会を作り、同様の総括、並びに教科書選
定を行う。また少人数教育を行っている、物理学基礎ゼミナールでは 1 年次生を対象に、応用物理
学研究では3年次生を対象にヒヤリングを行う。FD 講演会では、チェック機能についての勉強をす
る。卒業生との懇談会でヒヤリングを行い、卒業生から見たカリキュラムの検討を行う。入試結果
についても評価していく。
2.期待効果
新カリキュラムへの準備のための議論や討論では、現在の教育の問題点が明らかになってくるで
あろうし、教員間での意識が共有化できる。そのことにより、よりよい教育内容や教育方法が提案
されていくと期待される。ただし、そのための会議が多く開かれるため、教員の負担が増えるであ
ろう。
物理学基礎ゼミナールが成功すれば、1 年次からの教育がスムーズに行われることになり、教育
効果が高まると期待される。
チェック機能の充実化により、新たな教育上の問題点が見つかるであろう。当然それは ACTION を
引き起こし、次のプランニングへとつながる。
35
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
教育目標のキーワード
① 論理的な思考法
② 現代科学技術の基礎となる物理学の素養
③ 問題発見能力・自己解決能力
④ 社会性
カリキュラム設計
・組織的・計画的な
カリキュラムの構築
・各科目の目標設定
・授業デザイン
・成績評価の方法
・シラバス
具体的展開
・学科カリキュラムの
総合的な検討
・各科目の目標の検討
・成績評価基準の検討
・授業方法についての
相互啓発
・シラバスの検討
応用物理学科
運営会議
・授業・試験
・実験・レポート
・チュートリアル
・リメディアル教育
検証
36
具体的改善
・授業アンケート
・授業アンケートの分析
・授業アンケートの改善
・教育効果・到達度に
ついての情報の共有
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
物理学基礎ゼミナール実行委員会の開催
5月
物理学基礎ゼミナール実行委員会の開催
就学指導
カリキュラム改革準備委員会
6月
基礎教育検討委員会
7月
物理学基礎ゼミナール実行委員会の開催
基礎ゼミヒヤリング
8月
平成 19 年
カリキュラム改革準備委員会
期末試験評価委員会
9月
基礎教育検討委員会
10
月
11
カリキュラム改革準備委員会
月
応物研究ヒヤリング
12
月
基礎教育検討委員会
1月
2月
平成 20 年
期末試験評価委員会
3月
物理学基礎ゼミナール実行委員会の開催
FD 講演会
随時実施分
実施月・未定分
37
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
理学部化学科
1.活動の概要
理学部化学科は教育目標として① 化学的知識・技術の習得 ② 科学的素養の涵養 ③ 問題解
決能力の開発 ④ 人間性・社会性の育成を掲げている。この目標をより効率的に実現するため
に、平成 12 年度よりコース制を導入し、講義と実験がリンクするようなカリキュラムに変更し
た。また、平成 17 年度より 1 年次生の基礎学力を向上させるために『基礎化学演習』を必修科
目として新設し、3 年次生に対しては研究教育のきめ細かな指導を行うために、研究室配属を
これまでより半期早めて、後期からとした。平成 19 年度も基本的には平成 18 年度と同様な教
育マネジメントサイクル活動を計画している。しかし、平成 19 年度において特に重点強化をは
かるのは平成 17 年度に導入した(1) 『基礎化学演習』と(2) 3 年次後期に研究室に配属になっ
た学生の指導の充実である。(1)については、入学時に学力の到達度をチェックするため昨年度
と同様にテストを行う。このテストは平成 15 年度より実施しており、過去 4 年間のデータと比
較検討することで平成19 年度入学生の基礎学力を知ることができる。平成 17 年度の前期に第
1 回目の『基礎化学演習』を実施し、今年度 2 回目である。その成果の一部は 1 年次の単位の
取得状況に反映されると思われるので平成 19 年の 3 月に取得単位の調査を行い、過去 2 年間の
成果を検討する。この検討結果を参考にして、平成 19 年度の『基礎化学演習』の内容を検討す
る。(2)については、平成 17 年度と 18 年度の 2 回の後期研究室配属結果を検討して、より充
実した指導体制を確立していく。更に、
(3)チュートリアル研究発表会(1 年次生)や (4)
ウルサン大学との国際交流(4 年次生)も積極的に発展させていく。
2.期待効果
受験生の減少に伴い、化学科に入学してくる学生の基礎学力の低下が顕著になってきた。特
に、物理学や数学の基礎を学習していない学生にとっては大学1年次での物理学や物理化学関
係の講義を理解することは極めて困難である。講義内容を理解できないことが学習意欲の低下
に繋がっている。平成17年度に新設した『基礎化学演習』の目的は大学での物理化学関係の
講義を理解するための基礎学力を演習を通して身に付けさせることである。この目的の達成度
は 1 年次に開講されている物理化学関連科目の単位取得状況から判断することができる。
また、3 年次生の研究室への配属を半年早めた効果としては特に就職に有利に働くことが
期待される。近年、就職活動が早くなってきている。提出書類に卒業実験に関する内容を記載
する必要がある場合、これまでの 4 年次生からの研究室配属では不十分である。また、提出書
類のきめ細かな指導も可能となり、書類の不備による書類審査の段階での不採用を避けること
ができる。研究室への配属を半年早めたことが研究および教育の両面で有効に機能しているか
は、卒業論文発表会や就職内定状況から判断できる。
38
Ⅴ
3.サイクル図
39
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
学力到達度チェックテスト(1 年次)
リメディアル教育とチュートリアル教育スタート
5月
6月
7月
導入教育の到達度の評価と改善点の検討
第 4 回チュートリアル研究発表会(1 年次)
授業評価アンケート実施(全学年)
8月
平成 19 年
前期定期試験の成績分析と評価
授業評価アンケートの分析
ウルサン大学校自然科学大学化学科との国際交流(4 年次)
9月
研究室配属へのアンケート実施(3 年次)
10
研究室への配属(3 年次)
月
卒業生との懇談会(人間性および社会性の育成)(3 年次)
11
物質化学コースと生命化学コースへの配属に関するアンケート実施(2 年次)
月
12
月
1月
後期定期試験の成績分析と評価
検討および改善(科目目標、到達目標、成績評価基準、授業方法、シラバス)
2月
平成 20 年
卒業論文発表会と論文提出(4 年次)
検討および改善(科目目標、到達目標、成績評価基準、授業方法)
3月
物質化学コースと生命化学コースへの配属(2 年次)
カリキュラム設計(科目目標、授業デザイン
随時実施分
実施月・未定分
40
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
理学部地球圏科学科
1.活動の概要
地球圏科学科では、各学期末に授業アンケートを行い、その結果を各科目担当者が、ま
ず自己評価・分析し、そこで得られた問題点を学科運営委員会での授業アンケート結果分
析報告会で報告、授業改善のための議論を行う。また、新入生、2 年次学生、および 3 年
次学生に対して、活動スケジュールに記載した各動向調査を行い、新入生の基礎学力、2・
3 年生の専門分野選択の希望、あるいは学生の意識の把握に努める。
2.期待効果
授業アンケートを定期的に行うことにより、授業の質が高められることは言うまでもな
いが、年とともに変化する学生の基礎学力レベルへも即座に対応することができる。
また、科目担当者個々の抱えている授業改善に関する問題を学科の分析報告会に報告し、
議論することにより、様々な視点から問題解決を行うことができる。
各学年の学生に対して定期的に動向調査を行うことにより、学生一人ひとりの希望を取
り入れたきめの細かい学業アドバイスが行える。
41
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
カリキュラム検討
授業報告集約
学科
自己評価
科目目標設定
授業評価(受講者)
科目目標設定
各科目担当者
授業計画
授業実践
授業準備
各科目担当者
各担当者が自らの講義・実験内容について、受講者の評価・反応を含めた自己評価を
行い、授業内容の改善に努める。授業評価、改善計画等について、学科へ報告する。
受講者が授業評価を受ける方法については、各担当者の判断による。
(全学・学部で準備したアンケート、あるいは各担当者が独自に準備した方法等)
学科
学科では、各担当者の授業評価に基づき、全体の教育目標、カリキュラム、授業内容、
評価実施状況について把握し、必要な改革提案・対策(カリキュラム改定案を含む)
を実施する。(3∼7 月)
42
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
新入生に対する入学時動向調査の実施(新入生懇談会)
5月
6月
7月
前期授業アンケートの実施
8月
平成 19 年
9月
10
各担当者による前期授業アンケートの自己評価と分析
前期授業アンケートの結果分析報告会開催
月
11
2 年次学生に対する希望専門分野動向調査の実施(1 回目)
月
12
2 年次学生に対する希望専門分野動向調査の実施(2 回目)
月
1月
2月
平成 20 年
後期授業アンケートの実施
2 年次学生に対する希望専門分野動向調査の実施(1 回目)
各担当者による後期授業アンケートの自己評価と分析
3月
前期授業アンケートの結果分析報告会開催
本年度 FD 活動に関する総括報告会開催
随時実施分
実施月・未定分
3 年次学生に対する卒業論文希望動向調査の実施(実施時期:後期)
43
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
工学部
1.活動の概要
平成18年度,工学部では,教育マネジメントサイクルにおけるフィードバックをより実効
的なものにするために,そのデザインを様式1−2のように修正した.平成19年度は,この
新しいマネジメントサイクルを完成させるために,次の項目の実現を目指して活動する.
1. 新入生の学力,目的意識,学習スキルの評価・分析方法(サイクル図の A3,C4)を確立し,
平成20年度に向けてカリキュラムのスリム化,およびリメディアルや能力別クラス,
インターンシップの実現方法,年間登録単位数上限の見直し検討案を策定する.また,
中・小規模教室の拡充を含んだ中期の施設要望も必要に応じて検討する.
2. 工学部では,卒業要件としての学力評価は JABEE に準拠して整備済である.一方,生涯
に亘って能動的学習者であり続けることや学習スキルを活用することは社会人としても
重要な能力でありながら,その達成度評価は旧来式の単位積み上げ方式であり,卒業時
の総合的評価は不十分であった.これらの能力の評価・分析方法(サイクル図の A2,C2)
を具体化してカリキュラムの改善を図り,福岡大学工学部ブランドの構築を目指す.
3. 学科単位では,卒業生や企業の意見を取り入れる試みがいくつかなされているが,まだ
不十分であると考えられる.パソコンやインターネットの普及に伴い,大規模なアンケ
ートも低コストで容易に実現できるようになってきている.IT 技術を活用した情報の収
集・分析法(サイクル図の A1)について検討する.
4. 以上の活動の情報源として,あるいは学科間の情報交換の場として,平成18年度に引
き続き,工学部 FD ワークショップを精力的に開催する.特に,平成19年度から運用さ
れる情報化推進のシステムの活用方法について広く情報交換する.
2.期待効果
それぞれの活動項目から次の効果が期待できる.
1. 全入時代に近づくにつれ,多種多様な資質の学生の入学が想定される.これらの学
生の資質を正しく分類整理することにより,効率的で優れた授業体系を実現でき,
低学力の学生の底上げのみならず,優秀な学生の期待を裏切らない高レベルの教育
が実現できる.
2. 卒業要件とは別に,福岡大学工学部の学生が持つ資質を福岡大学工学部ブランドと
して広く社会にアピールできるものと期待できる.
3. 社会のニーズをカリキュラムに取り入れるための期間が,IT 化により大幅に短縮で
き,その精度も向上することが期待できる.
4. 客観的なデータに基づく教育改革が可能になるうえ,教員各自の意識やスキルの向
上に繋がると期待できる.
44
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
サイクル図は,フィードバックをより実効的なものにするために,次のことを考慮してデザ
インしている.
・ プランの段階から,具体的な評価方法を決め,その評価によって得られるであろう理想的結
果を明らかにしておくこと.
・ その理想的な結果と現実の評価結果の差分を分析し,差分がなくなるようにフィードバック
の内容を具体化し,カリキュラムを最適化する.
サイクル図を以下に示す.
サイクル図:太実線は既存,太点線は H18 年度の実施目標,細実線は H19 年度の目標.
P1∼P5 は Plan,D は Do,C1∼C5 は Check,A1∼A4 は Act.
45
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
教務関連ガイダンス・学部指導懇談会
工学部教育に関する会議(年間目標・計画の確認.新入生の各種分析)
5月
就学指導
6月
工学部教育に関する会議(兼 工学部 FD ワークショップ)
父母懇談会
7月
授業アンケートの実施
工学部教育に関する会議(各学科から年間目標の進捗報告,授業点検結果
の報告)
8月
平成 19 年
平成20年度の教育マネージメント活動計画案作成着手
平成19年度の教育マネージメント活動中間報告作成着手
9月
工学部教育に関する会議(各学科から授業分析結果,各種改正案の報告)
工学部教育に関する会議(各種改正の学科間調整)
10
平成20年度の教育マネージメント活動計画提出
月
平成19年度の教育マネージメント活動中間報告提出
11
月
工学部教育に関する会議(兼 工学部 FD ワークショップ)
12
授業アンケートの実施
月
1月
工学部教育に関する会議(各学科から点検結果の報告)
2月
平成19年度の教育マネージメント活動報告作成
工学部教育に関する会議(各学科から分析結果の報告)
平成 20 年
3月
平成19年度の教育マネージメント活動報告提出
工学部教育に関する会議(平成20年度の教育マネージメント活動計画の
一部見直し)
学外開催の FD 研修会・講演会参加
随時実施分
実施月・未定分
学外開催の大学の教育・授業を考えるワークショップ参加
46
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
工学部機械工学科
1.活動の概要
工学部・機械工学科では,特に次の(1)∼(4)の活動に重点的に取り組む.
(1) 新入生の専門科目履修に向けた基礎学力確保
機械工学科内で開講される専門科目の履修にあたり,高校時の数学と物理の理解は必
須である.そこで,1 年前期に,『機械工学基礎演習』を開講し,高校数学・物理の
復習を行う.理解度が不足している学生に対しては,引き続き 1 年後期に補習として
『リメディアル』を開講し,理解の徹底を図る.
(2) 学生の学習意欲および職業意識の向上に向けた取組み
現在学んでいることが社会とどのようにつながり役に立つのかの内容を各講義に盛
り込んでいく.また,卒業後の進路に夢を与える学生参加型の行事や,第一線で活躍
する外国人研究者による講演会を積極的に実施する.これらの活動により,学生の学
習意欲および職業意識の向上を目指す.
(3) 卒業研究成果の対外発表の活発化
卒業研究の成果を学会等で積極的に発表する.平成 19 年度は,本学科から延べ 20
名以上の卒論生の対外発表実施を目指す.
(4) CAD/CAE教育環境の構築
将来の大規模なCAD/CAE教育環境の実現への第1歩として,学生実験室にCA
DソフトとFEMソフトを導入する.学生実験の受講者に対して,CADによる設
計・製作からFEMによる性能評価という一連の流れを体験させ,仮想実験の素養を
実践的に修得させる.(予算は,福岡大学『特色ある教育』に申請中.
)
2.期待効果
1.の各項目から,次のような効果が期待できる.
(1) 基礎学力の向上により,専門科目の理解度が向上する.
(2) 学生の学習意欲および職業意識が向上する.
(3) 限られた時間内で問題を解決しまとめる能力,発表能力,コミュニケーション能力が向
上する.
(4) 力学現象をより多角的に捉える能力が身に付く.また,マルチメディアの素養の修得も
期待できる.
上記の項目の相乗効果により,幅広い教養と高度の専門知識を備えた,実践的な応用力と豊
かな創造性を発揮できる指導的技術者の養成を目指す.
47
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
Do
学生の啓発方法の検討
Do
教育方法とカリキュラムの改善
Check
専門科目の理解度の向上
Check
専門科目履修時の学習意欲,
就職活動への意欲と結果
Do
リメディアルによる
基礎科目の理解の徹底
Do
学生参加型の行事や,外国人
研究者による講演会の実施
Do
機械工学基礎演習による
基礎科目の理解の確認
Plan
学生の学習意欲と
職業意識の向上
Plan
基礎学力の確保
教育目標:
幅広い教養と高度の専門知識を備えた,実践的な応用力と豊かな創造性を発揮
できる指導的技術者の養成
Plan
問題解決能力,発表能力,
コミュニケーション能力の向上
Plan
力学現象を多角的に捉える能力,
マルチメディアの素養の修得
Do
卒業研究の成果の対外発表の
活発化
Do
CAD/CAE 教育環境の構築
および教育の実施
Check
他大学学生との発表能力・
研究内容の客観的比較・評価
Check
マルチメディア利用による
仮想実験能力の評価
Do
学生の指導方法の改善
Do
講義内容・方法の改善
48
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
CAD/CAE教育環境の構築
5月
CAD/CAE教育環境の構築
CAD/CAE教育の実施
6月
CAD/CAE教育の実施
7月
CAD/CAE教育の実施
8月
平成 19 年
9月
10
リメディアル教育の実施
リメディアル教育の実施
月
11
リメディアル教育の実施
月
12
リメディアル教育の実施
月
1月
2月
卒業研究成果の対外発表
3月
平成 20 年
リメディアル教育の実施
卒業研究成果の対外発表
・
現在学んでいることが社会とどのようにつながり役に立つかの内容を各
講義へ盛り込む(随時)
随時実施分
実施月・未定分
・
卒業後の進路に夢を与える学生参加型の行事(実施月未定)
・
招聘外国人研究者による講演会(実施月未定)
49
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
工学部電気工学科
1.活動の概要
電気工学科では,工学部活動計画に準拠した活動を行う.特に学力の低下傾向に対し,電
気分野の専門教育の効果を向上させるために,基礎となる数学をしっかり充実させることが
必要と考え,数学のリメディアル教育を行う。また、卒業時総合評価(サイクル図の C2)の
あり方を社会ニーズに即して検討すべく,卒業生や企業人との懇談を充実させる.具体的に
は,業種別・職種別のニーズを抽出することを目的とする.
2.期待効果
数学の基礎学力の向上と社会ニーズにあったブランド作りに役立つ.
50
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
サイクル図:太実線は既存,太点線は H18 年度の実施目標,細実線は H19 年度の目標.
P1∼P5 は Plan,D は Do,C1∼C5 は Check,A1∼A4 は Act.
51
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
教務関連ガイダンス・学部指導懇談会
学科会議(年間目標・計画の確認.新入生の各種分析)
5月
就学指導
6月
父母懇談会
7月
授業アンケートの実施
授業点検結果の分析
8月
平成 19 年
平成20年度の教育マネージメント活動計画案作成着手
カリキュラム等,各種改正案の策定
9月
10
月
平成20年度の教育マネージメント活動計画提出
11
月
12
授業アンケートの実施
月
1月
2月
平成19年度の教育マネージメント活動報告作成
3月
平成 20 年
授業点検結果の分析
平成19年度の教育マネージメント活動報告提出
数学リメディアル教育
卒業生・企業人との懇談
随時実施分
実施月・未定分
学外開催の FD 研修会・講演会参加
学外開催の大学の教育・授業を考えるワークショップ参加
52
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
工学部電子情報工学科
1.活動の概要
電子情報工学科では,工学部活動計画に準拠した活動を行う.特に,卒業時総合評価(サ
イクル図の C2)のあり方を社会ニーズに即して検討すべく,卒業生や企業人との懇談を充実
させる.具体的には,業種別・職種別のニーズを抽出することを目的とする.
2.期待効果
社会ニーズにあったブランド作りに役立つ.
53
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
サイクル図:太実線は既存,太点線は H18 年度の実施目標,細実線は H19 年度の目標.
P1∼P5 は Plan,D は Do,C1∼C5 は Check,A1∼A4 は Act.
54
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
教務関連ガイダンス・学部指導懇談会
学科会議(年間目標・計画の確認.新入生の各種分析)
5月
就学指導
6月
父母懇談会
7月
授業アンケートの実施
授業点検結果の分析
8月
平成 19 年
平成20年度の教育マネージメント活動計画案作成着手
カリキュラム等,各種改正案の策定
9月
卒業生・企業人との懇談
10
月
平成20年度の教育マネージメント活動計画提出
11
卒業時総合評価の方法検討
月
12
授業アンケートの実施
月
1月
2月
平成19年度の教育マネージメント活動報告作成
3月
平成 20 年
授業点検結果の分析,卒業論文発表会における総合評価の実施
平成19年度の教育マネージメント活動報告提出
学外開催の FD 研修会・講演会参加
学外開催の大学の教育・授業を考えるワークショップ参加
随時実施分
実施月・未定分
55
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
工学部化学システム工学科
1.活動の概要
平成 18 年度、化学システム工学科では、工学部の教育マネジメントサイクルに基づいて、
新しい教育マネジメントサイクル図(様式−2)を作成した。平成 19 年度は、この新しい
マナジメントサイクルを完成させるために、次の項目の実現を目指す。
1.数学および物理について、新入生達成度テストおよびアンケート調査(C3)を実施し、新
入生の学力および目的意識の把握と分析(A1)を行う。その結果をもとにして数学と物理
のリメディアル教育および工学基礎教育の改善を図る。また、平成 20 年度に向けて、選
択科目を見直し、カリキュラムのスリム化を図ると共に専門基礎科目の補強を行う。
2.企業へのアンケートや卒業生へのアンケート(C4)を実施し、インターンシップの受け入
れ状況、受け入れの可能性、大学教育についての要望などを調査し、その結果を分析(A1)
してインターンシップの実現方法を検討する。
3.平成 18 年度に、年度毎に各学習・教育目標についての総合的達成度を学生自身に算出さ
せ、勉学に反映させると共に、卒業時に全ての学習・教育目標についての総合的達成度
評価点を算出するシステムを構築した。平成 19 年度は、その年度の評価結果に基づいて、
各能力の評価・分析方法(A2)を検討する。
4.数学、物理、化学関係の工学共通科目について、本学科の教員と理学部の科目担当者が
意見を交換するシステム(教育マネジメントサイクル図中の工学共通科目調整・検討会
議(仮称9)
;現在、まだ設立されていない)をつくり、効率的な授業改善サイクルの構
築を図る。
2.期待効果
各活動項目について、次の効果が期待できる。
1.受験生の減少、あるいは多様な入試方式などにより、入学する学生の資質は多種多様と
なっている。とくに、数学や物理の学力の低い学生の数が増加する傾向がみられる。
新入生の学力レベルを把握することにより、リメディアル教育や工学基礎教育の充実を
はかり、学力レベルに合わせた対応が可能となる。
2.インターンシップでは企業の受け入れが重要である。企業の受け入れ態勢に対応して実
現可能な方法を検討することができる。
3.平成 19 年 3 月に現 1 年次生の達成度評価結果が出る。年次進行にともなって評価結果は
蓄積され、充足されて卒業時に総合的評価結果が出る。それらを年次進行毎に分析し、
授業改善に役立てることができる。
4.本学科の教員と理学部の科目担当教員が直接話し合うことにより、本学科および学生の
要望を伝えることができ、実効性のある、充実した授業改善が可能となる。
56
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
教育計画
教育改善
P1:教育目的・目標、水
A1 :授業アンケートの分
準、教育方法・評価
析と改善策
方法の設定
A2 :目標達成評価の分析
P2:カリキュラムの設定
と改善策
P3:科目の目標・授業形
工学部教授
態・方法・評価方法
A3:試験問題検討
A4 :外部評価の分析と改
P4:試験内容・アンケー
主任会
ト内容
善策
学科会議
カリキュラム会議
工学共通科目
調整・検討会議
教育改善会議
外部評価会議
卒業生・企業人
学識経験者
各専任教員
工学共通科目
担当理学部教員
学科主任
教務連絡員
教育の実施
D1:授業
D2:修学指導
D3:リメディアル教育
工学部教育に関する会議
学生
教育点検・目標達成評価
C1:試験・授業アンケート
C2:達成度評価
C3:新入生アンケート・達成
度テスト
C4:企業・卒業生アンケート
父母懇談会
57
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
新入生教務関連ガイダンス・学部指導懇談会
達成度テスト・アンケート・日本語テスト実施
5月
企業・卒業生アンケートの実施
6月
修学指導
父母懇談会
7月
授業アンケートの実施
カリキュラム会議(20 年度カリキュラム改正案検討)
8月
平成 19 年
平成 20 年度の教育マネジメント活動計画案作成着手
平成 19 年度教育マネギメント活動中間報告作成着手
9月
カリキュラム会議(平成 20 年度カリキュラム改正案作成)
外部評価会議、教育改善会議
10
平成 19 年度教育マネジメント活動中間報告提出
月
平成 20 年度の教育マネジメント活動計画案提出
11
外部評価会議の議事録作成と評価分析
月
12
授業アンケートの実施
月
1月
2月
授業アンケートの分析・評価
3月
平成 20 年
平成 19 年度の教育マネジメント活動報告案作成着手
教育改善会議、1 年次生達成度評価提出
平成 20 年度の教育マネジメント活動報告の提出
随時実施分
実施月・未定分
58
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
工学部社会デザイン工学科
1.活動の概要
主な活動の概要は,別紙工学部活動計画案に基づくものとする.ここでは社会デザイン工学
科に該当する具体的活動(特にリメディアル教育)に関する概要を記述する.当学科では教育
目標を以下のように定める.
A.幅広く多面的な視点で考える能力の育成
B.技術者としての責任感と倫理観の育成
C.工学を支える基礎的知識の修得
D.専門的知識の応用による問題解決能力の修得
E.住みよい社会の実現のためのデザイン能力の修得
F.コミュニケーション能力の修得
G.自主的・継続的学習能力の修得
H.制約条件下での目的完遂能力の修得
これら目標を達成させる教育マネジメントサイクルの一活動として以下のリメディアル教育活
動を行う.
1.推薦や一般入試など異なる入試形態によって入学する社会デザイン工学科の新入生に対
し,4月の入学時期に工学教育の基礎となる数学,物理の学力把握を目的とした試験を実施
する.
2.これら試験結果から,上記2科目の学力が著しく低い学生を対象とし,前期:数学2クラ
ス,物理1クラスの補習授業を毎週開講する(なお無断欠席に対しては前期科目「社会デザ
インとの出会い」の単位認定に係る評価点に反映させる)
.
3.9月の後期開始前に数学,物理に対する第2回目の試験を行い,再度,学力の向上が見ら
れない学生に対し,前期と同様に補習授業を行う(後期においても数学2クラス,物理1ク
ラスの開講)
.
2.期待効果
上記リメディアル教育によって,工学教育の基礎学力が補われ,社会デザイン工学科で
の専門教育科目に対する理解の促進が図られる.また少人数による学生への密な教育活動
によって,大学教育に対する学習意欲の継続的な維持に貢献するものと考えられる.
さらに,これら効果の積み重ねによって,学科の掲げる教育目標の達成が期待される.
59
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
【リメディアル教育】
新入生入学
学科で達成すべき
教育目標A∼Hの確認
■第1回目
数学・物理の基礎学力試験の実施
前期補習授業対象者の選出
週に数学2クラス,物理1クラスの補講実施
無断欠席
前期科目「社会デザインとの出会い」
の評価点に影響
■第2回目
数学・物理の基礎学力試験の実施
後期補習授業対象者の選出
週に数学2クラス,物理1クラスの補講実施
社会デザイン工学科
教育目標の達成
専門教育科目における理解の促進
60
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
第1回目の数学・物理の基礎学力試験の実施
前期補習授業対象者の選出
補講開始
5月
補講実施
6月
補講実施
7月
補講実施
8月
平成 19 年
9月
第2回目の数学・物理の基礎学力試験の実施
後期補習授業対象者の選出
補講開始
10
月
11
月
12
月
補講実施
補講実施
補講実施
1月
2月
平成 20 年
3月
随時実施分
実施月・未定分
61
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
工学部建築学科
1.活動の概要
建築学科では、JABEE認定申請を前提に教育改善のための組織として教室会議の下に、
2004 年度より、JABEE認定申請準備のための委員会(「JABEE委員会」)を設置して
いる。また、この委員会と関連して、「外部評価委員会」、「コース別総合評価委員会(設計・
計画コース/構造コース)」
、
「学科内FD委員会」を設けている。2006 年度からは、さらに大
学院JABEEを前提に「大学院委員会」を設置している。2004 年度から、
「JABEE委員
会」を中心に、各委員会の役割を決めて、それぞれ活動を行ってきた。「JABEE委員会」
では、2005 年度から日本建築学会の主催する審査員研修会に参加すると共に、日本建築学会
のJABEE部門との連絡調整や、JABEE認定に関する資料・情報の収集にあたってきた。
また、JABEEに即したシラバスへの改訂、カリキュラムの改訂、学生アドバイザー制度の
発足、科目別の試験・演習に関するフォローアップシステムの確立、学生・教職員へのJAB
EEの周知活動、受験生へのJABEE認定申請の広報活動などを進めてきた。
「外部評価委
員会」では、2005 年度に卒業生を対象に教育に関するアンケート調査を実施し、その結果の
報告会を教室会議で行った。また、学科同窓会組織(彗揚会)と連携して卒業生によるセミナ
ーを開催してきた。
「学科内FD委員会」は、2005 年度から、授業評価アンケートの独自の集
計を行い、学生にその結果と対応を公表している。また、オープンキャンパスの学科パンフレ
ット・パワーポイント資料・ホームページの改訂を行ってきた。
「大学院委員会」は、2006 年
度より大学院JABEEに向けての準備としてカリキュラムの検討を行っている。
今年度は以下の2点を重点項目として活動している。
1.総合評価システムの確立
JABEEコースでは、単位の認定の他に、学習目標ごとの評価とその集大成としての総合評
価が求められている。これに対応するために、科目ごとの学習目標に応じた評価と総合評価の
システムを確立する。
2.教員間の講義内容のオープン化
教育の効率化を目指して、教員間で、講義資料・内容を自由に閲覧・聴講し、相互に研鑽できる
システムを確立する。
2.期待効果
1.総合評価システムの確立
科目別の学習目標とその評価を学生に対して明示し、学期末などの節目のフォローアップシステ
ムや、中間・小テストによる学期途上の評価のフィードバックをすることにより、学生は各授業
における達成目標を意識し、自発的に学習計画をたて、目標達成に向けて努力する効果が期待で
きる。
2.教員間の講義内容のオープン化
学科カリキュラムは有機的に関連して4年間でひとまとまりの系を成すべく、組み立てられている
が、詳細に渡る各授業の内容は、授業内容のオープン化によって教員相互に検証される必要がある。
授業の公開はもとより講義に関する資料を相互に閲覧できるシステムを確立することにより、教員
団が共通の教育目標のもとに連携して教育にあたる効果が期待できる。
62
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
PLAN
ACTION
・教育目標改訂
・試験・演習の採点結果のフォローアップ
・カリキュラムの改訂
・授業評価アンケート結果と対応の公開
・シラバスの改訂
・卒業生アンケート結果と対応の公開
・ホームページの改訂
・コースの学生募集
DO
CHECK
・授業の実施
・試験・演習の採点結果の分析
・各種ガイダンスの実施
・授業評価アンケートの
・各種セミナーの実施
実施・集計・分析
・試験・演習の実施
・数年置きに卒業生アンケートの
実施・集計・分析
63
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
新入生ガイダンス(JABEE学生説明会:1年生対象)
アドバイザー制度による学生のアドバイザー訪問(1年生対象)
5月
6月
第 10 回彗揚会セミナー「先輩と語る−大学と社会−」
7月
JABEE審査員研修会への参加
8月
平成 19 年
9月
アドバイザー制度による学生のアドバイザー訪問(1∼3年生対象)
前期末試験・演習課題等のフォローアップ(1∼4年生対象)
10
月
11
JABEE認定審査の実地審査への参加
月
第 11 回彗揚会セミナー「先輩と語る−大学と社会−」
12
コース分け希望調査に伴うJABEE学生説明会(2年生対象)
1月
月
2月
3月
平成 20 年
在学生ガイダンス(JABEE学生説明会:1∼4年生対象)
アドバイザー制度による学生のアドバイザー訪問(1∼3年生対象)
随時実施分
実施月・未定分
後期末試験・演習課題等のフォローアップ(1∼4年生対象)
JABEE関係外部評価委員会主催セミナー
64
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
医学部医学科
1.活動の概要
医学部医学科では、人間性豊かで優秀な臨床医を育成することを教育理念としている。最近の
医学、医療の進歩は目覚ましいものがあるが、医の倫理と患者様の立場を尊重する医療が要求
されている。本学部では患者様の悩みと権利を理解し、医師に求められる基本的知識・技術・
倫理・考え方を学習する。
本学部の活動で重点をおいているのは、(1)モデル・コア・カリキュラムにもとづく基礎医学および臨床
医学教育、(2) 短期集中型の臓器別講義、(3) 全国共用試験 [CBT および客観的臨床能力試験
(OSCE)]、(4) 診療参加型の臨床実習(クリニカル・クラークシップ)、 (5) 教員の自己評価、ならびに
(6)学生による授業評価である。
平成 19 年度は特に CBT と医師国家試験の成績向上をめざして、カリキュラムの大幅見直しと改
善に取り組む。具体的には、(1) M2∼M4 のテュートリアルを縮小し、講義と実習の内容を充実さ
せる。(2) 臓器別講義の一部として分散している病理学各論を一つの教科としてまとめる。(3) 新
設科目として、形成外科学と再生・移植医学を開講する。(4) CBT 対策として、基礎・臨床統合講
義と模擬試験を行う。(5) 医師国家試験対策として、(a)各科講義と試験の改善、(b)全国模擬試
験の導入、(c)成績不振学生への個別指導、および(d)インターネットを利用した補習講義を行う。
そして、(6) 卒業試験の改善と判定基準の見直しを行う。
2.期待効果
上記の活動によって、次の効果が期待される。
1) 各学年における学力の向上と留年率の減少
2) 全国共用試験 CBT の成績向上
3) 医師国家試験合格率アップ
そして人間性豊かで優秀な臨床医を育成する。
65
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
教
育
目
標
① 総合的な臨床能力の育成
② 自修性
③ 問題解決能力
④ 人間性
⑤ 指導性
FD
カリキュラムデザイン
・学部内ワークショップの開催
・一般目標
・学外ワークショップへの参加
・行動目標
・他大学への教育視察
・学習方略
・学部生向け教育ニュースの刊行
・評価の方法
・心の相談室の設置
・その他
教育計画部
具体的展開
具体的改善策
授業評価アンケート
・授業・試験
全科目実施
・テュートリアル教育
・
・クリニカルクラークシップ
分析結果(経年比較)
・CBT
の教授会公表
・OSCE(客観的臨床能力試験)
検
証
66
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
・各学年のオリエンテーション(担任の決定と班分け)
・M4CBTキャンプ
5月
・M6 父母懇談会
・新入生歓迎会
6月
・M6(1回目)
・M5(1回目)模擬試験
・M1学年キャンプ
7月
・教育ワークショップ(7/2)
・地方父母懇談会(広島)
8月
・医学教育指導者のためのワークショップ
9月
平成 19 年
・M6(2回目)
・M5(2回目)模擬試験
10
・M4CBT 模擬試験
月
11
・父母懇談会総会
月
・M6 総合試験
12
・M6 成績発表
・M6 模擬試験(3回目)
月
1月
・M6 模擬試験(4回目)
・M4CBT
2月
平成 20 年
・M4OSCE
・医師国家試験
3月
・M5BSL 試験
・M1∼M5成績発表
随時実施分
実施月・未定分
・学外ワークショップへの参加
・定期的各種委員会
・教育計画部ニュースの定期的発行
・「心の相談室」
(随時)
・授業評価アンケート(全科目について、科目終了時の試験時に実施)
67
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
薬学部
1.活動の概要
薬学部は平成 18 年度から薬学教育6年制がスタートし、平成 19 年度は6年制の1年次生、2年
次生及び旧4年制の3年次生、4年次生、留年生が在籍している状況になる。教育マネジメントサ
イクルは、薬学部の教育目標および教育方針の基に6年制および旧4年制の学生教育に取り組む。
1.カリキュラムデザインおよび授業評価等について
学生が授業目標を明確に理解するため、一般目標、到達目標、学習方法、評価の方法、授業計
画などを明記したシラバスを作成する。平成 19 年度もカリキュラムデザイン(Web シラバス)を
もとに授業・実習・実験・集中セミナーを実施する。また、授業評価アンケートを実施し、各担
当教員に科目別に評価結果を提示すると共に、評価結果等に対しての「教員自己評価アンケート」
を計画する。更に、評価結果は薬学部 FD 委員会に諮り、分析評価して教授会で公表する。評価が
低かった薬学専門科目については学部で指導・改善に努め、評価が高かった薬学専門科目は薬学
部教員が授業を参観できるように計画する。
2.修学指導について
留年者に対しては学部長が直接保護者・本人に面談して修学指導を行い、進級したが取得単位
数が少なく成績(GPA)がはかばかしくない学生には、教員が分担して就学指導に努める。また、4
年次生で成績下位層の学生には特別学習を義務付ける。
3.ワークショップへの参加について
全国薬学教育者ワークワークショップには、毎年数人単位で教育職員を参加させる。また、薬
学部独自の学部内ワークショップを年1回計画する。
4.共用試験ミニトライアル・ワークショップの開催
全教育職員の共用試験(OSCE & CBT) に関する理解を深めるため、講演会及びミニトライアルよ
りなる学内ワークショップを実施する。
5.薬剤師国家試験について
模擬試験、集中セミナー、特別学習を実施して学生の学力向上を計画する。
2.期待効果
1. 授業内容の改善
学生が判りやすいシラバスにするため、一般目標、到達目標、学習方法、評価の方法、授業計
画などを明記し、授業内容、実習内容の充実を促進する。
授業評価の高い科目を公表することにより、授業の改善を図る。授業評価の高い科目を教授会
で公表することにより、授業評価の低い科目の担当者の改善を促進する。また、教員自己評価
アンケートおよび授業参観を実施することは、各担当者の授業改善に貢献することになる。次
年度のアンケートに改善の有無が現れる。
2. 学生修学指導
学生の成績不振の原因や生活・修学状況について把握し、成績向上や生活改善を図る。
また、進級率を高め、保護者の学費負担軽減に貢献する。
3. ワークショップ
薬学教育者の質的向上と若い人材の教育力向上を図る。
4. 共用試験ミニトライアル・ワークショップ
平成 22 年より開始される共用試験の実施に向けて、協力体制が確立される。
5. 薬剤師国家試験
成績不振学生の成績を向上させ、薬剤師国家試験合格率の上昇と留年者の減少を図る。
68
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
教 育 目 標
1)
医療分野で活躍できる質の高い薬剤師の養成
2) 薬学およびその関連分野で社会に貢献できる薬剤師の養成
教 育 方 針
1)
2)
3)
カリキュラムデザイン
広い視野と豊かな人間性・倫理観の涵養
高度の専門知識と技術の修得
自ら問題解決できる能力の育成
改 善
F D
研修
・学外ワークショップへの参加
・学部内ワークショップの開催
修学指導
特別学習
アンケート結果公表(教授会)
改善方針の決定
・一般目標
・到達目標
・学習方法
・評価の方法
・授業計画
・その他
薬学部
FD委員会
分
析
実
施
教授会
授 業
実 習
実 験
集中セミナー
調 査
評 価
69
授業評価アンケート(全科目)
薬剤師国家試験アンケート
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
5月
6月
7月
8月
平成 19 年
9月
10
月
・薬学部6年制カリキュラムデザインの作成
・新入生に対する教務関連ガイダンス・学部指導懇談会の開催
・薬学部学科履修規程関門該当者への面接指導の実施(1∼3 年次生)
・教授会での薬剤師国家試験結果の公表
・薬学部修学指導の実施(対象:2・3年次成績下位者)
・卒業見込み者に対する特別学習実施(対象:成績下位者)
・卒業見込み者に対する第1回模擬試験の実施
・父母懇談会
・薬剤師国家試験に関する講演会の実施(外部専門業者による)
・前期授業アンケートの実施
・父母懇談会
・卒業見込み者に対する夏期集中セミナーの実施
・卒業見込み者に対する第2回模擬試験の実施
・薬学部 FD 委員会での前期授業アンケート結果の分析
・全国薬学教育者ワークショップ(九州)への参加
・第2回模擬試験成績下位者特別学習の実施
・定期試験成績発表後の相談対応
・薬学部教授会での薬剤師国家試験アンケート分析結果の報告と改善方針の決
定
・薬学部教授会での前期授業アンケート結果の公表と改善方針の決定
・薬学部教授会で次年度教育マネジメントサイクル活動計画案を決定
11
月
12
月
1月
2月
平成 20 年
・ 3年次生の教室配属に伴う修学指導
・卒業見込み者に対する冬期集中セミナーの実施
・卒業見込み者に対する第3回模擬試験の実施
・後期授業アンケートの実施
・日本私立薬科大学協会教務部長会・学生部長会の報告
・次年度 Web シラバス作成
3月
随時実施分
実施月・未定分
・薬学部 FD 委員会での後期授業アンケート結果の分析
・卒業見込み者に対する第4回模擬試験の実施
・薬学部教授会での後期授業アンケート結果の公表と改善方針の決定
・定期試験成績発表後の相談対応
・薬剤師国家試験アンケートの実施
・在学生に対する教務関連ガイダンスの実施
・薬剤師国家試験対策委員による薬剤師国家試験アンケート結果の分析
・福岡県薬剤師会及び福岡市薬剤師会との実務実習教育打ち合わせ会の実施
・病院実習先挨拶回り(教授会構成員)
・各分野の薬剤師国家試験問題検討会の報告
・日本私立薬科大学協会通常総会の報告
・薬学教育協議会総会の報告
・学内ワークショップの開催
・前記以外の学外ワークショップへの参加
・活動報告書の作成
70
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
スポーツ科学部
1.活動の概要
授業評価アンケートの実施、ミニッツペーパーの実施は FD 活動として定着しつつある。平成 19
年度はさらに強化し、改善していきたい。
1.教職員間によるシラバス内容の確認・検討
・はじめに、シラバス原稿提出時に教員と職員間でシラバス内容の確認・点検を実施する。そ
の段階で、シラバスに授業予定、評価方法、テキスト紹介のほかに、授業以外の学習への義
務内容が盛り込まれているか確認・点検し、不備の場合は訂正する。
・次に、学期前の FD 小委員会にて全教員、全科目のシラバス(案)が提示され、確認・点検
を受ける。
・三段階目に、学期中にマネジメントサイクルの評価の一環として、教授会にてシラバス改善
について討議する。
2.全教員によるミニッツペーパーの活用
・現在奨励されているミニッツペーパーを学部全教員(非常勤講師も含む)が専門講義、一般
体育講義(生涯スポーツ論)にて毎授業終了時に使用する。
・教授会にて、ミニッツペーパーの使用状況、効果について評価する。
3.授業評価アンケート結果の公開
・FD 小委員会にて全教員、全科目の結果を分析する。
・教授会にて学部全体の傾向・結果を公開し、分析・評価する。
・学生にも全教員、全科目の結果を何らかの方法で公開する。
4.日本語力テスト結果のフォローアップ
・ テスト結果(評価)の低得点者に対して有効な指導を 1 年間かけて実施し、学生達をアシスト
する。
5.新入生、2 年次生に対する担任制での指導の充実
・授業出席、クラブ活動、生活指導、試験指導を充実する。
2.期待効果
1. シラバスにて学生の授業以外の学習義務が明示されることにより、学生が授業以外でも学習
し、予習・復習の習慣を身につけるようになる。
2. 全教員が、全科目にてミニッツペーパーを使用するようになると学生が授業をよく聴講するよ
うになり、また、授業時に考える習慣を身につけるようになる。
3. 教員・学生ともに授業評価アンケート結果に関心を寄せ、積極的に授業に取り組むようになる。
4.当該学生自身が日本語力の向上に取り組み、自信を持って受講するようになる。
71
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
新入学生研修会及び懇談会
授業の改善
ミニッツペーパーの実施
シラバスの改善
授業アンケート結果の公開
日本語力の向上
シラバス内容の確認・点検
学生・教員の活性化
日本語力テストの実施
課外活動活躍学生への支援
教授会・FD 委員会にて討議
各教員による評価
授業アンケート結果の分析
ミニッツペーパーの効用
シラバス改善の効用
日本語力テスト結果の分析
課外活動支援の効果
72
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
シラバス内容の確認(1 月に実施予定)、新入学生研修会及び懇談会
新入学生への日本語力テストの実施、ミニッツペーパーの実施
5月
教授会にて日本語力テスト結果の分析と解決策について討議
6月
日本語力テスト低得点者への指導開始
教授会にてシラバスの変更、ミニッツペーパーの効用について評価
7月
授業評価アンケートの実施、FD 視察報告
担任制での新入生・2 年次生への学習・生活指導
8月
FD 講習会参加
9月
平成 19 年
FD 講習会参加報告
10
授業評価アンケート結果の公開、FD 視察(京都文教大学)
月
教授会にて授業評価アンケート結果の分析
11
FD 視察の報告、日本語力テスト低得点者へのフォローアップ
月
教授会にてシラバスの変更、ミニッツペーパーの効用について評価
12
授業評価アンケートの実施
月
担任制での新入生・2 年次生への学習・生活指導
1月
実技研修会への派遣、ワークショップの開催
教職員間によるシラバス内容の確認・点検
2月
平成 20 年
3月
授業評価アンケート結果の公開
教授会にて授業評価アンケート結果の分析
随時実施分
実施月・未定分
73
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
共通教育センター
1.活動の概要
共通教育センターは、以下の施策により授業改善を行いたい。
①
授業アンケート(総合教養科目・教養ゼミ・総合系列科目)・・・学生側の視点
アンケートの目的は、総合教養科目を履修する学生側の視点からの授業評価により、授業を担当す
る個々の教員の授業改善を支援することにある。また、多くの授業科目のアンケート結果を総合的に検
証することにより、総合教養科目に関する教育改善に役立てる。
②
担当者会議(系列会議・系列代表者会議・教養ゼミ・総合系列科目・全体会議)・・・教員側の視点
共通教育センター規程第 8 条に定める担当者会議は、福岡大学における教養教育の更なる充実を図
ることを目的に、以下の事柄を行う。
・共通教育担当者個々における取り組みと共に、系列会議ごとに授業改善への取り組みを図る。
・共通教育担当者とセンター間における連携をより密なものとするために、担当者が意見・要望を提起
する場を設定し、担当者とセンター双方が認識・情報を共有する。
③
学生との懇談会・・・学生側の視点
本学学生からの共通教育科目についての意見集約が前提であるが、同科目に限定せず、専門教育を
含め大学生活全般について発言の機会を与え、授業アンケートでは知りえない多くの情報を得ることを
目的に学生との懇談会を開催する。
④
共通教育科目
科目登録状況分析・調査・・・客観的データ
平成 19 年度の共通教育科目の科目登録状況を調査・分析し、その結果を運営委員会や担当者会議を
通して担当する教員並びに各学部に報告する。報告された分析結果をもとに協議を重ね、本学の肥大化
したカリキュラムの是正解消に努力し、各学部・担当者の協力を得ながら次年度の時間割編成作業を行
っていく。
⑤ 教育施設・設備検討委員会への情報提供・・・教務部との連携
教務委員会の中の標記委員会に学生からの教育施設・設備・環境への改善要望を報告し、教育環境
改善について協議し、必要なものについては予算化を検討する。
2.期待効果
上記の施策を通して以下の授業改善ができるよう期待し、センターの会議体の中で確認する。
①
学生の授業改善要望を担当教員が真摯に受け止め、これを運営委員会や担当者会議等で議論し、各科目
の授業シラバスを充実させ、本学の共通教育科目の教育目標を明確にしていきたい。
②
科目登録の状況を調査・分析することで学生が現在、どのような科目に興味・関心があり、何を学びた
いのかを把握し、新しい教育プログラムの開発に努め、さらに、カリキュラムのスリム化や大人数クラ
ス解消等を検討する有効なデータとして活用したい。
③ 授業環境(教育施設・設備等)への要望を教務部に伝え、本学学生が気持ちよく授業を受けることのでき
る環境整備に努めたい。
74
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
共通教育センター「教育マネジメントサイクル」
共通教育の理念・目標
本学の教養教育は、現代社会に対する正確な理解と深
い洞察力とをあわせ持ち、豊かな知性と感性を基礎に
して、社会的良識と幅広い視野をもつ品格のある人材
を養成することを目的とする。
教務委員会
学部教授会
開講科目・コマ数検討・審査
・
総合教養科目
具体的改革の実施
・ 保健体育科目
具体的改革案策定
・
福岡大学に相応しい新規科目・新シス
テムの設置
時間割編成
運営委員会
・
シラバスの見直し
・
その他
科目登録調査
・
総合教養科目
・
保健体育科目
企画推進会議
検証
・
総合教養科目アンケート
・
総合系列科目アンケート
・
教養ゼミアンケート
講義
授業改善(FD)
学部教授会
・
教務委員会
センターだよりの発行
・
・
担当者
担当者会議
全学公開
①
系列会議
②
系列代表者会議
③
教養ゼミ担当者会議
④
総合系列科目担当者会議
⑤
全体会議
学生との懇談会
協議
報告
75
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
・
科目登録状況調査開始〔総合教養科目・保健体育科目・総合系列科目・教養ゼミ〕
・
科目登録状況調査〔総合教養科目・保健体育科目・総合系列科目・教養ゼミ〕 → 分析(6 月中旬
まで)
平成 20 年度「総合系列科目」実施要領、公募要領検討開始 → 6 月の運営委員会で審議・
決定
「教養ゼミ」と「総合系列科目」アンケート実施要領作成 → 6 月の運営委員会で審議・
決定
平成 19 年度総合教養科目授業アンケート実施要領作成→審議・決定
総合教養科目と保健体育科目の科目登録分析結果報告 → 平成 19 年度開講コマ数等の検
討開始
系列代表者会議(科目登録分析結果報告、総合教養科目アンケート実施要領説明・協力依頼他)
平成 19 年度「総合系列科目」について全学へ公募
大学教育学会(大会)参加(於:東京農工大学)
「教養ゼミ」と「総合系列科目」アンケート実施(前期)
平成 19 年度時間割編成作業開始
平成 19 年度総合教養科目授業アンケート実施
前期「教養ゼミ」と「総合系列科目」アンケート集計・分析
平成 19 年度総合教養科目授業アンケート分析作業
前期「教養ゼミ」と「総合系列科目」アンケート結果報告
平成 19 年度総合教養科目授業アンケート分析結果報告
共通教育科目担当者全体会議(各種授業アンケート結果報告⇒授業改善分析・検証)
平成 19 年度教養ゼミ担当者会議 (前期アンケート結果報告、平成 20 年度開講に向けての検
討開始)
Web シラバス作成作業要領確認
九州地区大学一般教育研究協議会参加(於:西南学院大学)
平成 20 年度「総合系列科目」の審査 → 開講科目決定
平成 20 年度「教養ゼミ」実施要領作成 → 開講科目・コマ数等決定
平成 20 年度総合教養科目開講コマ数案決定
平成 20 年度保健体育科目時間割ガイドライン案提案 → 決定
学生との懇談会実施
大学教育学会(課題研究集会)参加(於:未定)
「教養ゼミ」と「総合系列科目」アンケート実施(後期)
平成 20 年度総合教養科目時間割ガイドライン作成作業開始 → 同ガイドライン決定(1 月
下旬)
→ 各学部へ配信
系列代表者会議開催(平成 20 年度時間割編成協力依頼)
Web シラバス作成開始(H20.1 まで)
後期「教養ゼミ」と「総合系列科目」アンケート集計・分析
平成 20 年度時間割編成会議
後期「教養ゼミ」と「総合系列科目」アンケート結果報告
平成 20 年度時間割編成総括
平成 20 年度教養ゼミ担当者会議
(後期アンケート結果報告と年間の反省事項確認 → 平成 20 年度開講に向けて確認)
Web シラバス公開
『センターだより』発行(年間 3.4 回発行予定)
担当者会議のうち、系列代表者会議と共通教育科目担当者全体会議は、上記以外でもセンタ
ー長が必要と判断した場合、随時開催する。
上記平成 19 年 4 月から平成 20 年 3 月までのマネジメントサイクルは、年間の短期的事業(ル
ーチンワーク的な事項)であって、新センター運営委員会(平成 19 年 12 月∼)作成予定の中・
長期事業計画がこれに加わることになる。
平成 19 年 4 月から教務新情報処理システム(仮称)の稼動が予定されているが、これに伴う
様々な新しい業務が発生することが予想される。
教務委員会で成績開示の手続き(システム)が整備・制定されれば、成績情報をもとに共通教
育の検証・分析・調査を行い、授業改善に反映させていく。
教務委員会から提案があった「福岡大学セメスター制定案」を基に共通教育科目の授業時間
割の配置や科目名称変更等を検討したい。
・
5月
・
・
・
6月
平
成
7月
8月
19
年
9月
10 月
11 月
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
12 月
平
1月
成
2月
20
年
・
・
・
・
・
・
・
3月
・
・
・
随時実施分
実施月・未定分
・
・
・
・
計画(Plan) → 実施(Do) →
分析・検証(See)
76
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
言語教育研究センター
1.活動の概要
1. 日本語力テストの実施
本学学生の日本語能力を調査するため、平成 19 年度においても、昨年に引き続き日本語力テス
トを実施する。テストは、当センターが主管となり、独立行政法人メディア教育開発センターが
開発した「日本語力テスト」を、全学部の1年次生に実施する予定である。実施については、各
学部のセンター委員を通じて周知するとともに、中学レベルのリメディアル教育についても、教
材等の支援を行い日本語能力の向上を目指していきたい。
2. 授業アンケートの実施
授業アンケートは、平成 18 年度から当センターが、共通教育科目の外国語科目を対象に実施し
ている。昨年の後期からは、ARCS 理論に基づき「学生の注意(Attention)」
「関連性(Relevance)」
「自信(Confidence)」
「満足(Satisfaction)」を尋ねる独自の質問項目により、データ分析と授業
改善の提案が容易になるよう工夫して実施されている。なお、英語科目については、担当教員が
後期から変更になるため前・後期とも実施している。
3. 英語運用能力テストの実施
英語運用能力テストの実施により英語能力を客観的に把握できるため、適切なカリキュラム、
教材、教授法を開発し採用することができる。昨年度は、後期に1年次生全員を対象に実施し、
目的別クラスの選択を目的としたプレイスメント・テストを兼ねて実施する。この結果が良好で
あれば、今年度もプレイスメント・テストを実施せず、英語運用能力テストに一本化する。
なお、平成 19 年度は、教育効果を確認するため2回実施する。
4. ニューズレターの発行
当センターの活動方針や状況等について掲載して職員に周知させる。
2.期待効果
1. 日本語力テストの実施
客観的なデータにより日本語能力が把握できることにより、中学レベルのためリメディアル
教育が必要な学生を特定し対策を立案することができる。
2. 授業アンケートの実施
授業アンケートは、教員の自主的な教育改善への動機付けになるようデータを分析し、その提
案ができるようにする。
3. 英語運用能力テストの実施
標記テストは、特定非営利活動法人 英語運用能力協会が制作・主催しており、永年の実績とデ
ータの蓄積があるため緻密な分析結果を提供することができる。目的別クラスの選定、教材の開
発、カリキュラムの設定などが可能となる。
77
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
「教育マネジメントサイクル」
(言語教育研究センター)
教育の理念・目標
言語教育を通して変遷する現代世界
の理解に必要な言語運用能力や幅広
い視野をもつ人材を養成することを
教務委員会
学部教授会
開講科目・コマ数検討・審査
・共通教育科目英語
・共通教育科目第2外国語
具体的改革の実施
具体的改革案策定
・福岡大学にふさわしい新規科目、
・新システムの設置
・シラバスの見直し
・本学独自の教材開発
運営委員会
時間割編成
企画推進会議
科目登録調査
専門部会
・共通教育科目英語
・共通教育科目第2外国語
検
証
・日本語力テスト
・授業アンケート
・英語運用能力テスト
授業
授業改善(FD)
教務委員会
・Newsletter の発行
学部教授会
・英語科目担当者会議
・第2外国語担当者会議
協議
報告
78
担当者
全学公開
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
日本語力テストの準備および実施
5月
日本語力テストの結果分析
6月
前期・授業アンケート実施(英語・第二外国語)
英語運用能力テスト前期実施(1年次生全員)
7月
ニューズレター発行
8月
平成 19 年
平成 20 年度英語ガイドライン案提出
9月
10
月
英語運用能力テスト準備
11
後期授業アンケート実施(英語のみ)
月
英語運用能力テスト後期実施(1年次生全員)
12
月
紀要 7 号発行
1月
2月
平成 20 年
目的別クラス編成作業開始
3月
ニューズレター発行
目的別クラス編成
・ 英語目的別クラスの成績評価基準の検討。
・ TOEIC・TOEFL 等の学修に対する単位認定の検討。
・ 英語クラスに超上級クラスの設置を検討。
随時実施分
実施月・未定分
79
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
教務部
1.活動の概要
(1) 教育力向上のための取り組み
(FD 推進委員会と連動した活動)
・ 教育力向上に資する研修等の実施
講演会を実施し教育職員の各種研修プログラムへの参加を推奨するとともに、本学独
自の初任者研修プログラムを立案し、20 年度からの実施を目指す。
・ 授業アンケートの活用
FD 推進委員会のもとで、各学部・センター及び教務課で担当実施しているアンケート
の全学的集約と評価を行なう。
・ GPA の活用の推奨
各学部・センター等での GPA 活用への推奨・支援を行なう。
・ 公正厳格な成績評価への取り組み(クレーム・コミッティの設置)
各学部・センター等での成績評価のあり方の再検討を進めるとともに、学生への対応
改善をはかり、授業に対する学生の満足度を高める。
(2) 本学学生の基礎学力向上のための取り組み
(各学部及び共通教育センター・言語教育研究センターと連動した活動)
・ 新入生に対する導入教育の強化
・ 日本語力テストの活用
・ FSP『福大生のための学習ナビ』の活用
2.期待効果
・ 教育力向上のためのそれぞれの取り組みは、そのカギとなる教育職員の意識の改革を推
し
進めるとともに、より客観的な指標によってその改善状況を把握できるようにする。
それによってさらに教育力向上への取り組みを強化することができる。
・ 学生の基礎学力向上のための取り組みは、これまでの取り組みを継続強化し、さらに活
用をはかることによって、より一層の成果を目指す。
80
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
PLAN
DO
①各種研修計画の作成
①研修会の開催・講演会の開催
②授業アンケートの実施検討
②授業アンケートの実施
③GPA 導入の周知
③GPA 値の算出・付記
④クレーム・コミッティ設置の検討
④クレーム・コミッティの設置
⑤成績評価に関する検討組織の設置
⑤成績評価に関する検討
CHECK
ACTION
①研修・講演報告書の提出、研修
①研修計画の再検討
報告会の開催
②授業アンケート結果による授業
②授業アンケートの集約
改善等の検討
③GPA 値の分析・評価
③GPA 値の分析・評価による授業
④クレーム・コミッティの活動集約
改善等の検討
⑤成績評価に関する検討結果に対
④クレーム・コミッティの活動の
する意見聴取
改善、及び授業へのフィードバ
ック
⑤成績評価方法の改善提言
81
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
①各種研修計画の作成
②授業アンケートの実施検討
③GPA 導入の周知
5月
③GPA 値の分析・評価
6月
①研修会の開催・講演会の開催
②授業アンケート(前期)実施
③GPA 値の分析・評価による授業改善等の検討
④クレーム・コミッティ設置の検討
7月
8月
平成 19 年
9月
10
月
11
月
12
月
1月
2月
平成 20 年
/(20 年)④クレーム・コミッティの活動集約
/(20 年)④クレーム・コミッティの活動の改善
及び授業へのフィードバック
②授業アンケート(前期)集計、分析
③GPA 値の算出・付記
④クレーム・コミッティの設置
⑤成績評価に関する検討組織の設置
①研修会の開催・講演会の開催
③GPA 値の分析・評価
⑤成績評価に関する検討
②授業アンケート(後期)実施
③GPA 値の分析・評価による授業改善等の検討
①研修・講演報告書の提出、研修報告会の開催
⑤成績評価に関する検討結果に対する意見聴取
②授業アンケート(後期)集計、分析
①研修計画の再検討
③GPA 値の算出・付記
3月
⑤成績評価に関する成績評価方法の改善提言
随時実施分
実施月・未定分
82
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
教職課程
1.活動の概要
・FD 研修会の開催
以下の具体的活動を実施するために、ワーキンググループを組織するだけでなく、研修会を開
催し、教員の共通認識を高め、FD 活動を促進する。
・クラスサイズの検討
教職課程科目のクラスサイズが大きすぎることが、教職課程委員会で問題となっており、平成
18 年度中に対策を検討するワーキンググループが活動を始動する予定である。GPA の活用、科
目配当年次の変更、聴講料や共通教育科目との関係の見直しなど、多角的、総合的な対策を早
期にまとめることをめざす。
・授業アンケートの分析と実施
教職課程科目の平成 18 年度分アンケート結果の分析と公表を行うとともに、平成 19 年度につ
いてもアンケートを実施する。教育生活支援システムの ActiveCampus 上のアンケート機能を活
用することも検討する。
・成績評価の適正化に関する取り組み
GPA の算出が開始され、各学部等での活用が始まることから、成績評価が適切に行われている
かの検討を開始する。まず、評点分布の集計とその分析を行い、必要に応じて公開することも
検討する。
・シラバスの学外公開の早期検討とシラバス内容の相互検討
Web シラバスの本稼働に伴って、学外への公開を検討する。公開に際しての問題を整理し、公
開手続きと問題が生じた場合の対応システムの構築を行う。教員間でシラバスの相互検討を行
う。インストラクショナルデザインの技術をもとにしたシラバスの充実も併せて検討する。
・教職課程関係情報の Web 上の公開
Web 履修、Web シラバスが開始されることから、教職課程関係の情報を Web 上でも詳しく提供す
る。
・教員講座との連携
エクステンションセンターで開催している教員採用試験対策の「教員講座」等の活動と、教職
課程委員会との連携を強化する。教員を通じた広報等に努める。
・E-learning の導入検討
基本的知識の習得支援として、E-learning システムの導入を検討する。教員講座とも連携する。
・教職課程の新制度に対する対応の検討開始
教職課程制度が変更されることが確定しており、カリキュラムや担当教員の決定、組織の整備
等、周到な準備が必要になる。
2.期待効果
・制度的検討が行われることによって、授業環境が改善され、学生の学習効率と満足度が向上する
ことが期待される。教員の負担軽減にもつながる。
・各種情報の Web 上の公開によって、学生への重要事項の周知が改善され、履修上のトラブルや学
生の不利益が減少する。
・成績評価の適正化によって、学生の成績への信頼感が向上し、動機づけが高まる。
・教員講座等との連携強化により、学生の就職支援体制が強化される。
・シラバスの教員間の相互検討によって、同一科目間の共通性の確認や他科目との関連・整合性が
改善される。
83
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
3.サイクル図
・授業アンケート分析
・カリキュラム改革案作成(制度
・成績データの分析
変更への対応と、クラスサイズ、
・クラスサイズ基本情報集計
配当年次等の検討)
・制度変更の情報収集
・GPA 活用案作成
・E-learning 情報分析
・研修プログラム作成
・FD評価システムの再検討
・E-learning 計画
・総合評価報告及び提言
・シラバス改善・公表計画
・インストラクショナルデザイ
・FD評価ツールの作成・検討
ンおよび教育評価技術の検討
・小学校教員免許取得プログラム
会
へのサポート体制の検討
・授業アンケート実施
・教員研修会、学外研修会出席
・Web 上での学生調査
・授業相互参観
・成績データの収集
・E-learning 教材設計・構築
・E-learning 評価
・教職課程制度改革
・教員研修の評価
・シラバス改善作業
平成 19 年度は初年度として、主に現状の分析、学習ニーズの把握、制度設
計に重点を置く。特にこれまで不十分であった、学習ニーズ把握や成績評価の
調査分析を重点的に行う。FD活動評価システムの構築の検討を行う。
教職課程の制度変更に対しては、平成 19 年前期に具体的対応が迫られる。
教職課程全体の改革を行う必要性がある。
教育実習、介護等体験などの活動については、関係団体との協議、調整とと
もに、支援体制の検討を続けていく。
84
Ⅴ
平成 19 年度教育マネジメントサイクル活動計画
4.スケジュール
4月
教職課程情報の学生への提供の充実(Web 上)
ワーキンググループの編成、活動開始
5月
FD研修会(本年度の活動内容の共有)
授業アンケート計画の立案
6月
授業アンケート(前期)実施
前年度成績評価情報の分析
7月
制度設計(カリキュラム、配当年次、GPA 活用、聴講料、共通教育科目等との
関係の再検討)及び、教職実践演習など新カリキュラムへの対応案策定
8月
平成 19 年
授業アンケート(前期)集計、分析
9月
新カリキュラムへの対応作業
10
月
前期成績分布の集計・分析
11
月
授業アンケート(後期)実施
12
月
1月
2月
平成 20 年
授業アンケート(後期)集計、分析
平成 19 年度 FD 活動の総括
3月
クラスサイズの検討
随時実施分
実施月・未定分
シラバスの相互検討、シラバス学外公開の検討
インストラクショナルデザインに基づく授業計画立案
E-learning 導入検討
教材作成(特に E-learning 用及び電子媒体)
FD 研修会(学内)の開催
FD 関係研修会(学外)への参加
85
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
Ⅵ アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
■人文学部 (文化学科)
▼アドミッション・ポリシー
幅広い教養を持ち、国際的視野に立って活躍しうる人材の育成を教育理念としている。そのた
めに多様化する国内外の文化の多角的、総合的理解の達成を教育目的としている。授業科目も思
想史科目群、比較文化科目群、文化学共通科目群を設定して幅広く履修しうるような科目を配置
している。入学者受入方針に関しても、幅広く個性ある人材を入学させるために、一般入試の他
にAO入試、推薦入試、指定校推薦等の入試を、また、社会人、帰国子女、留学生に対する入試
も、さらに編・転・学士入試も行って、希望者の多様なニーズに対応しうる対策もとっている。
▼カリキュラム・ポリシー
ヨーロッパやアジアの思想、美学・美術史を中心にした思想史科目群と社会学、文化人類学、心
理学、地理学等行動や人間の行動の集積を科学的に把握することを中心にした比較文化科目群の
いずれかを中心に履修しうるように配置した。しかし、文化の総合的理解を促進させるための教
育効果・効率を考慮に入れて、双方の科目群から関心のある科目を選択しうるようにも配慮した。
そして24のゼミから自分の関心に合致したゼミを選択しうるようにした。また、同様の理由か
ら、複数のゼミを履修しうるようにも配慮した。
▼ディプロマ・ポリシー
卒業(学士号取得)には次の単位を修得しなければならない。共通教育課目は合計で44単位
以上。専門教育科目は必修28単位。選択科目は思想史科目群から16単位以上、比較文化科目
群から16単位以上、文化学共通科目群から4単位以上履修した上で計44単位以上履修しなけ
ればならない。自由履修単位は(共通教育科目、専門教育科目、関連教育科目から自由に履修可
で)12単位以上。総計で128単位以上履修しなければならない。卒業論文4単位は選択科目
である。前期卒業も可としている。
■人文学部 (歴史学科)
▼アドミッション・ポリシー
歴史学科は、日本史、東洋史、西洋史、考古学という我が国における伝統的かつ歴史的な専攻
分野での研究を核としつつ、同時にそれぞれの専門分野にのみ拘泥することなく、多角的かつ幅
広い視野に基づく歴史研究を行うことを教育の理念としている。地域、日本、アジア、世界とい
う様々な枠組みでの歴史教育と並び、歴史を単なる過去のものとして切り離すことなく、現代そ
して未来をも視野におさめた教育を行なうことを通じて、教養深く品格ある学生の養成を目指し
ている。
▼カリキュラム・ポリシー
本学科のカリキュラムは、日本史、東洋史、西洋史、考古学の4専修制をとっている。1年次
では、専修に分かれることなく、基礎講読や歴史概説の科目を履修することを通じて、学問とし
ての歴史学の基礎を体得させる。2年次では、上記の4専修に分かれ、原典講読、基礎演習など
86
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
によって各専門の基礎を学ぶ。3年次では、1・2年次の基礎を踏まえ、週 2 回の歴史学演習を
実践の場として歴史研究の核心へと肉迫する。4年次では、大学 4 年間の学問研究の集大成と位
置づけられる卒業論文の完成を目指す。
▼ディプロマ・ポリシー
本学科の卒業生には、大学院進学者がかなり多く、卒業論文をベースとして更なる学問研究の
深化を目指し研究職や教員への道を歩む。また学部卒業生の中にも教員志望者が多く、これまで
にも多くの教員を輩出している。教員以外では、公務員、出版、旅行、サービス業など各ジャン
ルの業種へ就職している。考古学専修の卒業生からは、九州の各地方公共団体の教育委員会や博
物館、資料館等の学芸員を数多く輩出している。
■人文学部 (日本語日本文学科)
▼アドミッション・ポリシー
日本語日本文学に深い関心を持つとともに、学習から研究へと移行するための基礎的な諸能力
を有する人材を、選抜試験を通じて選抜する。具体的には国語現代文・古文の読解能力と高水準
の文字表記能力を持ち、外国語(英語)および地理・世界史・日本史などの知識を十分に有する
者を、一般入学試験を通じて選抜するほか、推薦入試によって国語に秀いで国語を愛好する者を
特に選抜、さらに18年度から実施される後期日程入試(国語重視の傾斜配点)によって、特に
国語能力の高い者を掬い上げることとする。また、編転入試験によって、他大学・他学部・他学
科から日本語日本文学の修学を強く志望する学生を選抜する。
▼カリキュラム・ポリシー
学科設立当初の精神を生かしつつも、旧来のカリキュラムより専門性の高いものにし、大学院
教育へとつながるものとした。
「特色あるカリキュラム」と称して時代の流行を追うプログラムが
はやる今日、当学科としては枠組みのしっかりした専門性の高い教育を目指してカリキュラムを
練った。必修科目はもとより、選択必修科目においても日本語学・日本文学と関連する科目ばか
りを集め、専門外の科目は少数の自由選択科目にとどめた。また卒業論文を必修とし、4年間で
完成度の高い成果を修めさせるようにした。さらに、そのことを可能にするため、2年次に研究
調査法を指導し、論文作成技術を教授するようにしている。
▼ディプロマ・ポリシー
卒業のためには、共通教育科目を最低限履修したうえで、専門必修科目のみならず関連する諸
科目の単位を取得することはもちろんであるが、そのほかに、かつては選択対象であった卒業論
文を義務として課し、卒業論文の提出なしに卒業できないシステムにした。これによって、専門
的知識のほかに責任能力、調査能力、表現能力を備えた人材を輩出し、国語教員・日本語教育教
員をはじめ有能な人材を世に送り出すことができると確信する。
■人文学部 (教育・臨床心理学科)
▼アドミッション・ポリシー
本学科は、教育学と臨床心理学を総合的に学ぶ学科という特性から、人と関わり、育て、寄り
87
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
添うという人間関係を中軸に据えた教育活動が中心となる。入学者の選抜にあたっては、人間へ
の理解、人権感覚、倫理観とともに、自己と人間関係への感受性を持った学生を求める。学習へ
の意欲、コミュニケーション能力、情報収集能力、問題解決能力、発想の柔軟性なども重視する。
平成 20 年度入試にあたっては、これらの適性を反映した入試とすべく、AO 入試、推薦入試、セ
ンター入試を総合的に検討する。また、入学生の入学後の学修や大学生活の把握を通じて、アド
ミッションポリシーと入試システムの整合性を具体的なレベルで検討する。
▼カリキュラム・ポリシー
教育学と臨床心理学の総合的な学修を可能にする柔軟なカリキュラムと、少人数教育の重視と
体験的学習を特色としている。1年次必修科目では、教育学と臨床心理学の基礎を学び、2年次
以降の学修のオリエンテーションとする。2年次の選択必修では、教育学4科目と臨床心理学4
科目のうち、6科目選択させることで、専修制やコース制はとらず、自由に科目選択をしながら
も、一方の学問領域に限定されない総合的な履修が可能な制度となっている。学年途中からの学
問領域の変更も可能である。少人数教育を基盤とするために、1年から4年次まで演習を必修と
し、演習担当者がアカデミック・アドバイザーとして学修および大学生活の支援にあたる。1、
2年次の基礎演習では、大学教育への導入として、学修に必要な基本姿勢、基礎的研究スキルの
獲得に重点を置く。3、4年次の実験・実習科目や関連する科目では、少人数での体験的学習を
重視する。
▼ディプロマ・ポリシー
アカデミック・アドバイザーとの緊密な関係と、GPA や出席状況による情報に基づいて、在学期
間全体を通じて履修状況の把握に努め、無理な履修計画がないか、不適応が生じていないかを確
認しながら学生の支援を行う。
本学科で身につけるべき能力としては、教育学と臨床心理学の
理論と技法に裏打ちされた、具体的なレベルでの、情報収集・処理能力、クリティカル・シンキ
ング、人間に対する深い理解、成長と発達への視点とそれを促進・援助する能力、社会との関わ
りにおける現実感覚、コミュニケーションと対人関係形成の能力、問題解決の能力である。これ
らの能力を総合的に判断する場として、卒業研究の作成、実験・実習への参加、関係機関等での
体験学習を活用する。
■人文学部 (英語学科)
▼アドミッション・ポリシー
グローバル化が進む今日、異文化に対する深い理解と世界共通語としての英語の習得は確実に
重要なものとなっている。そのような中、本学科の教育目標は、異文化理解と英語力を併せ持ち、
将来国際社会で活躍できる人材を育成することである。そのためには、潜在能力に優れた学生を
獲得することがまず大事である。本学科では、一般入試のみならず、A 方式推薦、スポーツ特別
推薦、大学入試センター試験を利用して、幅広く個性豊かな人材を受け入れるようにしている。
今後は、AO 入試や指定校推薦制度設置の可能性も含めて、より多様化した選抜方法を慎重に検討
したいと考えている。
▼カリキュラム・ポリシー
88
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
本学科では、異文化理解と真の英語力の習得を目標にカリキュラムを設定し、さらに学生の興
味に広く応えるべく、文学コースと言語コースの 2 コース制を敷いている。いずれのコースも、
英語 4 技能の習得がカリキュラムの根幹となっている。また同時に、
「概論」を通して本学科で学
ぶ学問の全体像を把握し、コース選択後は、それぞれの分野の「特講」や「演習」において、よ
り専門的な言語・文化研究が可能となる仕組みになっている。もちろんコースを越えての履修も
ある程度まで自由である。また、
「英語圏文化研修」という科目では、本学科専任スタッフが同行
し、英国のバース大学で生きた英語と異文化を体験させ、国際感覚の育成を図っている。
▼ディプロマ・ポリシー
本学科では、上記で触れた 2 コース制を中心に、英語の高度な運用能力とともに専門的かつ実
用的な知識が身に付くようにカリキュラムを設定している。ただ、それぞれのコースに共通した
科目が 6 割を占めるように配慮し、いずれのコースを選択しても過度な専門性への偏りが生じな
いようにしている。学生の就職先は様々であるが、卒業生が社会のニーズに十分対応できるよう
な教育を常に提供できるよう心がけている。さらに、就職進路支援センターと連携して、各種企
業セミナーや卒業生との交流会を実施している。
■人文学部 (ドイツ語学科)
▼アドミッション・ポリシー
本学科では、ヨーロッパの文化・社会を理解するうえで重要な言語であるドイツ語を学生に習
得させ、その言語理解に基づき、学生がドイツ語を国語とするドイツ・オーストリア・スイス等
の文化・社会について学ぶことにより、英語だけでは得られない知識を身につけさせ、国際感覚
と複眼的思考を身につけさせることを目的とした教育をおこなう。従って、英語圏だけではなく、
ヨーロッパ世界に広く興味を持ち、真の国際人を目差す人達の入学を期待している。
▼カリキュラム・ポリシー
上の理念・目的を実現すべく、1、2年次のドイツ語および会話のクラスは1学年を二つに分
け(少人数化)、徹底した指導をおこなってきたが、19 年度もこの方法を継続し、基礎的教育の
充実をはかる。2年次以降の専門教育科目は文学・語学・事情の3分野から成るが、ことに3年
次以降の「演習」では、十数名程度の小人数化を実現することによって、論文指導に至るまでき
め細かな指導を実現してきたが、19 年度もこの方針を保持し、充分な指導をおこなっていく。演
習担当教員にあっては、正規の授業に加え、正課外でも論文やレポート作成等の指導をおこなう。
さらに、学生間、また学生と教員との親睦をはかるべく、さまざまな取組(新入生歓迎会やゼミ
親睦会など)を学科として、あるいはゼミ単位でおこなう。
▼ディプロマ・ポリシー
学生の学力の低下が指摘されるなか、入学者が無事卒業できるよう積極的な配慮をおこなう。
具体的には、単位の修得が不十分な学生に対しては修学指導への出席を促し、本人とはなし合う
ことはもとより、必要な場合には保護者とも連絡をとり、できるかぎり中途退学者が出ないよう
努力する。従って、父母懇談会も重視し、学科主任とベテラン教員とで保護者の相談に積極的に
応じていく。卒業時には、学生ひとりひとりが、自分の考えを自分の言葉で表現する能力を身に
89
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
つけていること、それが最終的には卒業認定、さらには社会に出て通用する人材の育成にもつな
がるものと考えている。
■人文学部 (フランス語学科)
▼アドミッション・ポリシー
フランス語学科では、推薦入学等 14 名、大学入試センター試験利用入試 5 名、計 19 名の募集
人員を満たすことを目指している。それによって全体として入学定員 45 名の一般入学試験合格者
のレベル・アップも期待できると考えている。また、現在の交換留学提携校3校に加え、パリ第
7ドゥニ・ディドロ大学との提携を計画している。さらに、平成 18 年度の入学者から、英語学科
の協力を得て、フランス語教職免許の他に英語教職免許も取得する可能性が開かれた。
▼カリキュラム・ポリシー
第一外国語としてのフランス語IA・ⅠBおよびⅡA・ⅡBを出発点として、1年次から4年
次にわたる専門科目によって本学科独自の専門知識を身に付けることができる。特に2年終了時
の1ヶ月に及ぶ海外語学研修では、日頃の授業の成果を確認し、一層の飛躍を目指すことになる。
加えて、提携校のルーヴァン・カトリック大学、ブレーズ・パスカル大学クレルモン・フェラン
第Ⅱ、リュミエール・リヨン第2大学には今年度も2名が留学している。今後はさらにパリ第7
ドゥニ・ディドロ大学との提携を計画している。そうした機会を利用して学業をいっそう充実さ
せることができる。
▼ディプロマ・ポリシー
現在、卒業生の就職先は建設、運輸・通信、卸売・小売、金融・保険、サービス、公務、大学
院進学など、多岐に渡っている。特に、フランス語及び英語を活かした航空、旅行業会を目指す
学生が目立つ。また、平成18年度以降はフランス語・英語の複数免許の取得が可能になった。
それによって、高等学校総合学科などへの採用の機会が生じることを期待している。
■人文学部 (東アジア地域言語学科)
▼アドミッション・ポリシー
福岡市に隣接し、今後ますます密接な交流が望まれる中国と韓国の言語文化についてよく考え、
その地域の事情をよく知り、当該地域交流を健全に発展させうる市民を育てる。とくに、中国語
や朝鮮語を使い、幅広い視野から日本を取り巻く東アジアの各種文化現象を読み解く力量を養成
する。そのため、一般入試の他、朝鮮語・中国語学習者を対象に指定校推薦枠を一定数確保する
とともに、推薦入試で合格が決まった生徒には、東アジア関係の図書の読書レポートを課す。
▼カリキュラム・ポリシー
1年次においては中国語・朝鮮語及び中国事情・韓国事情を共に学ばせ、地域への理解を広げ
る。2年次から中国・韓国の各コースに分かれ、各言語と文化事情を重点的に学ぶが、別のコー
ス科目の受講は妨げない。また、自由履修単位を多くして、関係する他学部の科目の受講も可能
にしている。3年次から本格的な演習が始まり、4年次での卒業論文作成につなげる。課外とし
てスピーチコンテストやキャリアアップセミナー、特別講義などを開催し、講義や演習の補完を
90
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
目指す。
▼ディプロマ・ポリシー
卒業論文は必修ではないが、学生には極力書くようにと勧めている。卒論の審査は主査と副査
を決めて、個別に口頭試問を行って評価する。卒業論文は論文集として、図書館に寄贈し、次に
続く学生の参考にする。卒業論文を書かない学生も、卒業資格128単位の取得により、所定の
学力には達したものと考える。卒業後も関係語学の勉強の継続が可能なように、卒業後の留学の
相談や、科目履修など便宜を図っている。今年度から定期的に学科の同窓会も始め、卒業生と在
学生との結びつきを深めようとしている。
■法学部
▼アドミッション・ポリシー
本学部は、近代から現代へと発展してきた法の理念、すなわち人権の確立と個人の尊厳の真の
実現をめざす法的価値体系の内面化を教育理念とする。現代の法の目的を実現する法律制度・法
施行システムの教育を個別的に展開し、充実した法的思考力、適切な法的価値判断能力、基礎的
法律操作能力を有し、法学部卒業生として社会的に要請される専門的能力の基盤を備えた人材の
育成を教育目標としている。その実現のために、法学専門教育に適応できるだけの①社会科学領
域における基礎知識、②文章読解・表現力、③英語力又は④数理的思考力を有し、法的専門知識
及び法的思考力を獲得して、卒業後の社会的活動に現実に活用しようとする意欲に富む入学者を
求めている。
▼カリキュラム・ポリシー
本学部では、各学科における教育内容別にコース制を設け、学部学科の教育が、個々の学生の
法学部での勉学目的意識に沿った方向性を持って系統的段階的に進展するよう科目配置・学年配
置を行うと同時に、必修科目・選択必修科目・選択科目(さらにその中にコース選択科目)の種
別を設け、各々の領域別卒業要件単位数を設定して、学生が効果的に必要な教育を受け、4 年間
の学部教育が十分な効果を達成するよう考慮してカリキュラム設計を行っている。少人数導入教
育や演習・セミナーを 1 年次∼3 年次に配し、学科・コースの特色ある科目を工夫し、4 年次での
発展科目へと展開するよう構成し、学生各々の目標へ適合した補完指導も加えて、充実した学部
教育の成果達成をめざす。
▼ディプロマ・ポリシー
卒業要件総単位 128 単位を、教育目的に適合する下位領域別要件単位数により構成し、当該総
単位数及び各条件の充足に基づき、学士学位授与を学部教授会において慎重に認定する。学部の
教育理念・目的に基づき卒業に必要とされる法的専門能力の保障のため、専門講義科目・演習科
目において一定の能力水準を求める厳格な単位認定を行う。そのため留年率が高水準で推移して
いるが、安易に講義内容の縮減・簡略化や単位認定基準の引き下げを行うことなく、必要とされ
る能力・成果の達成を学部及び各教員の創意工夫・改善努力により進め、留年率の引き下げに努
める。1 年次よりの目標指向的教育を充実し、卒業後の活動と法学士学位相当の能力との円滑な
接続をめざす。
91
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
■経済学部
▼アドミッション・ポリシー
学部教育の理念にかなった能力と意欲を持った学生を選抜する。意欲を持った者の選抜につい
ては、学部教育の理念を広く周知させたうえで、入学者選抜の一部を高校側に委ねる指定校推薦
制度の拡充する。また、入学後に伸びる学生を確保するための潜在的能力を計る方法も長期的な
課題として検討する。さらに、入学生の質を確保し、入学後の教育条件を向上させるために、入
試制度の改革とともに、入学定員の減少や、定員以上の水増し数を減らすといった入学者数の厳
格化を図る。
▼カリキュラム・ポリシー
経済学部では「学問の方法」を学ぶことに力点をおいたカリキュラムを提供し、これからの社
会で求められる、新しい価値の創出能力、問題発見・問題解決能力の醸成を目指す。経済学科で
は、経済理論から経済史、現実的な財政・金融の諸問題、国際関係までを広範囲に渡って学ばせ、
時代や社会を広い視野で総合的な視点や判断力を養成することが目標である。このため、19年
度も、学生が自由に選択できる授業を開講するが、広く浅くならないように、学生との対話を増
やし、専任教員を主とした演習形式の授業を充実させる。産業経済学科では、実社会でどのよう
に経済理論が生かされているのかを調査・分析することを重視し、確かな理論に支えられた「実
践力」をもつエキスパートを育成する。この目的達成のため、19年度も、演習形式の授業・コ
ンピュータを使った情報分析やデータベース構築などの数理的な授業を多く開講し、学生のプレ
ゼンテーション能力を向上させつつ、専任教員を主とした積み上げ型の教育プログラムを確立す
る。さらに、GPA 制度や相対評価制度を導入、授業の改善のための授業評価アンケート、また、
入試形態と入学後の成績との関連などの学力の追跡調査も学部として実施する。
▼ディプロマ・ポリシー
経済学科、産業経済学科の 2 学科のなかに、経済学科は3コース、産業経済学科は2コースを
設け、コースごとに差異化した多様なカリキュラムの提供と厳格な卒業要件の適用によって、卒
業生の質の確保と、さまざまな場面で活躍できる多様な人材の養成を図る。さらに、これらの特
徴あるカリキュラムとキャリア教育とを効果的に融合させ、就職支援につなげることを目指す。
就職・進路支援センター委員とキャリア教育調整委員4名、合計5名がそれぞれ各コースの担当
者として、早い時期から(2年次ぐらい)自コースにおけるキャリア教育に取り組むとともに、
各コース、ならびに各ゼミにおいて3年次後半頃よりエントリーシート作成の指導を行うことを
検討する。今後、就職・進路支援センターに経済学部の担当者をおき、学部と密接な連携を図り
つつ支援体制を構築することを目指す。
■商学部
▼アドミッション・ポリシー
商学部は商学科、経営学科、貿易学科の3学科からなり、それぞれの教育理念は、商学科が「サ
ービス産業のプロの育成」、経営学科が「人間性豊かなマネジメントリーダーの育成」、貿易学科
92
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
が「国際感覚をもったビジネスリーダーの育成」である。これらの人材育成のため、商学部では
通常の入学試験以外に、ビジネス関連の資格保持を選考の基準にした AO 入試や推薦入学による学
生の受け入れを行っている。また、商学部第二部商学科は夜間開講の学部であるため、社会人の
入学者を増やす目的で、一定の社会人入試枠を設けている。
▼カリキュラム・ポリシー
商学部では、1年次の教育の成否がその後の学生の修学にとって重要であるとの認識から、1
年次導入教育に注力している。具体的には、1年基礎ゼミを設置し、少人数のクラスで大学にお
ける勉学の仕方を教えている。さらに、1年基礎ゼミに続いて、2年次後半・3年次・4年次と
続く2年半のゼミを設置し、可能な限りの少人数教育を実現している。また各学科とも、2年次
以降、それぞれの学科の専門科目を自由に履修できるカリキュラム構成をとり、できるだけ早期
から学生が専門的な商学教育を学べるカリキュラムを編成している。また、第二部商学科では、
コース制の採用により、学生の問題意識に応じた科目履修を可能にする制度を設けている。
▼ディプロマ・ポリシー
商学部では、出席管理と成績不良者に対する修学指導によって、受け入れた学生の学業達成に
注力している。また卒業生の質を維持するため、単位認定は厳しく行うこととしている。
■理学部
▼アドミッション・ポリシー
本学部の教育理念・目的は、基礎学力を充分に習得し、自然現象を幅広い視野から理解し、自
ら問題を提起し、知識の活用ができる豊かな人間性をも兼ね備えた活力ある人材の育成である。
このような「論理力」「思考力」「創造力」を有した人材は、科学技術に限らず社会のあらゆる分
野でその発展に寄与することができる。この教育目標を達成するために必要な教科を高等学校等
で履修し、一定の学力を備えた者を入学者として受け入れる。
▼カリキュラム・ポリシー
1・2 年次で、リメディアル授業、少人数クラスの講義、ゼミナール等を設け、自然科学全般に
わたる基礎学力、思考力養成を目指す。3・4 年次はこの基礎学力に加え学生個人の適性、興味に
よって選択できるよう 2∼3 の専門分野を設け、勉学に対する意欲の向上につなげている。科学的
な見方や論理的な思考方法を習得させるため、応用数学科では少人数ゼミナールを、応用物理学
科、化学科、地球圏科学科では実験科目を重視している。
▼ディプロマ・ポリシー
次代を担う、知的体力と豊かな人間性を備えた人材を社会に送り出すために、人間教育と人材
教育のバランスを意識し、総合教養科目、外国語科目、専門科目を配し、応用数学、応用物理、
地球圏科学科では、総計 128 単位以上、化学科では総計 138 単位以上を卒業要件とした。また、
科学的手法による問題解決能力は卒業論文作成過程に顕著に反映されることもあって、本学部で
は「卒業論文」を 4 年間の教育の総仕上げと位置づけて重視している。
■工学部
93
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
▼アドミッション・ポリシー
工学部では、
「十分な社会的良心に基づいた責任感を有し、時代に即応した判断力と、科学技術
を以って社会の持続的発展に貢献する人材を育成すること」を教育理念として掲げ、これに基づ
いて教育目標を次のように定めている。
「工学(技術)に求められる豊かな創造性と実務に即した
応用力を育成するために、十分な基礎学力に加えて深い専門の科学技術を教授し、さらに幅広い
教養を習得させて調和のとれた人格の発達を促すこと。」 また、工学部各学科では、学科の教育
理念を定め、これに基づいてカリキュラムを組み、毎年点検を行い、必要に応じて改正を行って
いる。各学科の入学者受入方針および教育課程の特色は、大学案内に掲載し対外的に明示してい
る。
▼カリキュラム・ポリシー
工学教育の効率を上げるために工学部では以下のカリキュラム・ポリシーを大学案内に明示し、
教育を行っている。1.幅広い共通教育:幅広い教養と豊かな創造力を育む。2.国際基準のカ
リキュラム:JABEE 認定教育プログラムや学びをサポートする授業を充実する。3.1 年次から工
学基礎を修得する。:工学教育に必要な基礎知識を習得する。4.少人数専門教育:豊富な実習・
実験などを少人数で学ぶ。5.インターンシップ:企業の現場で生きた工学を体験する。6.卒
業論文・卒業計画:4 年間の学びと体験を集大成する。
▼ディプロマ・ポリシー
工学部の卒業資格を得るための履修は、学則第 31 条から第 34 条までの規程及び学科履修規程
に定めるところによる。各科のコースによって必修科目および選択科目の内訳がことなるが、工
学部の学生は、次の単位を修得しなければならない。卒業単位は総計 138 単位以上である。
(1)
共通教育科目(総合教養科目、外国語科目、保健体育科目):合計 26 単位以上(2)工学共通科
目:合計 20∼24 単位以上(学科により異なる)
(3)専門教育科目:合計 88∼90 単位以上(学科
により異なる)
■工学部(機械工学科)
▼アドミッション・ポリシー
本学科では、教育目標を理解する次のような学生を求めている。1.機械工学を学ぶための基礎
学力(特に数学,物理,語学力)を有する人 2.機械工学に関する高度な専門知識と倫理観を身に
つけたい人 3.ものづくりや科学技術に興味があり、技術者になることへの夢を持っている人 4.
何事にも積極的に粘り強く取り組める人 5.機械やものを、見たり、考えたり、触ったりすること
が好きな人 6.わからないことを調べることや、今無いものを創り出すことに興味がある人 7.
知識を積極的に社会のために活用したい人 8.現在に満足できない人や、人と異なることをやって
みたい人
▼カリキュラム・ポリシー
1 年次は,主に専門知識を学ぶために必要な基礎科目を学ぶ。また、機械工学のセンスを養う
ための専門科目も配置されている。専門科目は、『材料力学』『流体工学』『熱工学』『機械設計・
工作』
『機械力学・制御』の主要 5 分野に分類され、学年が進むにつれて、基礎から応用へと有機
94
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
的・体系的に配置されている。専門科目では、各種力学、理論や専門知識の他に、実験、設計、
情報処理、技術者倫理・工学倫理も学ぶ。多様な実技科目を履修することで、概念の理解を深め、
問題発見能力や応用力を養う。4 年次の卒業研究では、未知の問題を解決し、論文にまとめ、発
表するという過程で、創造力、問題解決能力、コミュニケーション能力を養う。
▼ディプロマ・ポリシー
本学科は、教育目標に向けて、次のような能力・知識を有する卒業生を輩出する。 1.ものづく
り(機械の創造)の基礎学力 2.広い教養に基づく健全な倫理観と判断力 3.未知の問題の解決に取
り組むための応用力と創造性 4.科学技術と社会・自然環境とのつながりに関する知識 5. 自分の
考えについて、論理的に記述・口頭発表・討議できるコミュニケーション能力
上記の能力・知
識の修得について、厳格な単位・卒業の認定を行う。
■工学部(電気工学科)
▼アドミッション・ポリシー
本学科は、創造性および課題探求能力に優れ、個性豊かで自然と人間の調和を尊重する人材育
成を教育理念としている。そのため、工学的な考察力、問題の解決力及び論述・討議のコミュニ
ケーション能力を養うことにより、情報・制御などの分野を含めた電気系の広範囲にわたる整理
された知識と高い実務能力を身に付けさせることおよび社会的責任を十分自覚した技術者を育て
ることを教育の目標としている。その実現のために、①電気工学専門教育に適応できるだけの数
理的基礎知識と思考力、②電気・エネルギー・電気材料・情報通信・自動制御などの専門知識の
習得・活用に対する意欲に富む入学者を求めている。
▼カリキュラム・ポリシー
電気工学科では,変化する時代の要請に適応するようにカリキュラムを構築している。その内
容は、エネルギー問題や環境問題をも含むエネルギー変換工学・電力システム工学・パワーエレ
クトロニクス、最先端の超伝導などを取り扱う電気電子材料工学、現代制御理論の基礎から応用
まで学ぶシステム工学や、最近目覚ましい発展をとげつつある光通信システムに関する通信工学
などがそれである。さらに、コンピュータをはじめ他の関連分野にも対応できるよう適宜カリキ
ュラムを検討しつつ開講科目の刷新を図っている。また、基礎科目については少人数教育を実施
するとともに演習にも力を注ぎ、いわゆるくさび型教育によって4年間一貫したカリキュラム構
成をとっている。4年次の卒業研究では、少人数グループに分けて全教員が担当し、教員指導の
もとに最新・最先端の研究テーマに取り組みながら創造力や問題解決能力を高めていくことにな
る。その他の特色として、電気主任技術者資格取得を容易にするようカリキュラム編成に工夫を
加えており、さらに質の高い電気技術者として必要な資格の受験を支援する学科独自の教育体制
を整えている。
▼ディプロマ・ポリシー
1.社会的責任に対する自覚、自然と人間の調和に対する意識を備えていること。1.1 人類の幸
福・福祉への貢献を重要視することができること 1.2 電気工学技術が社会や自然に及ぼす影響力
を理解することにより技術者としての社会的責任を自覚すること 1.3 種々の情報媒体を利用して
95
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
情報を集め、
自主的、継続的に学習できること 2.電気技術の広範囲にわたる知識を理解すること。
2.1 数学と物理学を中心とする自然科学についての基礎知識と応用力を有すること 2.2 電気・エ
ネルギー・電気材料・情報通信・自動制御などの専門知識を習得し、活用できること 3.高い実務
能力を身に付けること。3.1 最新・最先端の研究テーマに取り組むことにより実務経験を蓄積し
ながら創造力や問題解決能力を高めること 3.2 計画的に仕事を進め、まとめることができること
3.3 論理的な文章の記述や口頭発表による説明能力を有すること 3.4 他の関連分野にも対応でき
ること
■工学部(電子情報工学科)
▼アドミッション・ポリシー
常に時代の要求に応じた新しい電子情報システムを構築することのできる技術者を養成するこ
とを教育の理念としている。社会の変化を正しく理解するための教養と判断力、理性を備えた技
術者を養成することを目標としている。専門分野においては、電子工学と情報工学の基礎を理解
し、情報システム工学あるいは電子情報工学の技術開発に寄与できる技術者を養成することを目
標としている。具体的には、コンピュータ ・ソフトウェアの基礎知識を有する電子工学技術者と
電子工学の基礎知識を有する情報処理技術者を育成する。
▼カリキュラム・ポリシー
1年次に電子情報工学への興味を駆り立てて学習意欲を向上させるべく、応用システムや研究
の紹介などを行う科目を配置する。また、1年次後期と3年次後期には学生を各教員で分担し、
専門的な実験・演習を少人数制で行う。2 年次以降は学生の希望と適性に従って電子情報・情報
デバイス・情報システムコースのいずれかを選択し学習するが、電子工学と情報工学の両分野に
「対応できるよう共通科目および関連科目を配置している。
実社会の動向や総合的な情報シス
テム全体についての理解を深めるため、企業人を講師として招き入れた講義や社会の変化を正し
く理解するための教養と判断力、理性を備えた技術者を養成するための講義を4年次に配置して
いる。
▼ディプロマ・ポリシー
修業年限内に定められた単位数を満たした者に卒業認定・学位授与を行う。
■工学部(化学システム工学科)
▼アドミッション・ポリシー
本学科では従来から卒業生の活躍の場が非常に幅広いことが特徴となっており、新しい分野に
も卒業生の活躍の場が広がりつつある。これは卒業生が職業を選択する際に他学科と比べてより
フレッキシブルに対応できることを意味している。本学科では、国内外でのこのような広い分野
で活躍できる、柔軟な思考力と総合力を兼ね備えたエンジニアの育成を目的とする。そのため入
学者の選抜には一般入試(前期および後期日程)、推薦入学、センター試験利用入試、帰国子女入
試、学部留学生入試などの多様な方式を設けている。特に最大の窓口である一般入試(前期日程)
の理科では、物理、化学、生物の中から一科目選択させる柔軟な対応を取っている。
96
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
▼カリキュラム・ポリシー
本学科では 1 年次、2 年次は全学生が同じカリキュラムに従うが、3 年次と 4 年次では「化学シ
ステム工学コース」と「化学プロセス工学コース」に分かれる。化学システム工学コースのカリキュ
ラムは化学に関する広範な職業分野で活躍する人材が身に付けるべき教育内容となっている。一
方、化学プロセス工学コースのカリキュラムは化学技術を職業として活躍する人材が身に付けて
おくべき世界的標準に合致する教育内容となっている。いずれのコースにおいても、化学技術が
社会にもたらす恩恵と影響を評価する能力、地域の技術的諸問題を認識する能力、社会の進展に
ともなって自己変革を行う能力および技術者として健全な倫理観をもった人材の養成を目指す。
▼ディプロマ・ポリシー
化学システム工学コース」は、広範な進路(就職先)に対応できる教育を主眼とするコースであり、
「化学プロセス工学コース」よりも選択科目が多く、学生の個性、指向を強く尊重する。一方、「化
学プロセス工学コース」は、JABEE 認定コースの修了を目指すコースであり、必修科目が、「化学
システム工学コース」よりも多く、国際水準の能力を保証する。本学科のいずれのコースを卒業す
るにも、学則第 34 条あるいは学科履修規程第 2 条に定めるように、共通教育科目 26 単位以上、
工学共通科目 22 単位以上、専門教育科目 90 単位以上、総合計 138 単位以上を修得しなければな
らないが、各コースのカリキュラムの違いに対応して、卒業要件の詳細は異なっている。
■工学部(社会デザイン工学科)
▼アドミッション・ポリシー
我々の生活に欠かすことの出来ない社会基盤(インフラストラクチュア)を計画・施工・維持
管理する社会デザイン工学の意義と自然に及ぼす影響を正しく理解し、責任感と倫理感を有し、
自然環境と調和した生活環境の創造に貢献する人材を育成することを社会デザイン工学科の教育
理念とする。
そして、入学生には,安全で快適に暮らせるような社会基盤をつくり、さらにそれを維持・管理
するための理論や技術を学ばせる。特に授業の中に専門教育、実験、演習などの他に、社会基盤
施設への見学会や官公庁・企業での実務研修(インターンシップ)、少人数教育、卒業論文を通し
て、実践的なカリキュラムの中の教育目標を達成できる学生を入学試験により選抜する。
▼カリキュラム・ポリシー
社会デザイン工学科では,2008 年度の JABEE 受審に向けて 2 つのコースを設け,次のような教
育方針のもと教育を行う。建設デザインコース(JABEE コース)社会基盤施設の整備に不可欠な
構造力学、地盤力学、水理学、建設材料学といった基本科目をまずしっかりと学習させる。そし
て技術者倫理の遵守を原点に、計画の策定、地域の景観等と調和した設計、環境に優しい建設・
管理まで、建設プロジェクト全体を網羅する高度な専門技術を修得させる。社会デザインコース
当コースでは、社会基盤施設の整備に必要な知識が専門・高度化する一方で学際化の流れがある
ことに鑑み、多様な科目体系の中から学生が各自の明確な目的意識に沿った学習を行う。そして
環境問題の専門家など、社会基盤施設に関連する幅広い分野での活躍が期待できる技術を修得さ
せる。
97
Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
▼ディプロマ・ポリシー
工学部にある社会デザイン工学科において卒業資格を得るための履修は,学則第 31 条から第
34 条までの規定及び学科履修規定に定めるところによる。 また、社会デザイン工学科の卒業要
件は、共通教育科目 26 単位以上、工学共通科目 20 単位以上、専門教育科目(建設デザインコー
ス
必修 67・選択 25 単位以上、社会デザインコース
必修 53・選択 39 単位以上)92 単位以上、
計 138 単位以上を持って卒業認定を行う。さらに、卒業後は、3 年次に行う社会デザインゼミナ
ール、キャリアデザインの教育を通し、公務員、ゼネコン、道路会社、設計コンサル、プラント
メーカー、環境関連会社等において活躍できる事が期待される学生の教育を行う。また、教育方
法については外部評価制度の導入を行う。
■工学部(建築学科)
▼アドミッション・ポリシー
建築技術者として十分な専門性を身につけ、社会において優れた指導力を発揮し活躍できる人
材を育成することが建築学科の教育理念である。そのためには、各建築分野の専門知識を習得し
理解するだけの基礎学力が求められる。加えて、建築という幅広い学問分野では単に知識の習得
だけでなく、人間性を高めるために様々なことに積極的にチャレンジできることも不可欠な要素
となる。
▼カリキュラム・ポリシー
建築学科における教育目標は「基礎学力の充実」、「実践的な専門性と調和のとれた教養を有す
る人格の形成」、「社会貢献・地域連携」である。これらの目標を達成するために本学科ではコー
ス制を導入し、コースの特徴に応じたカリキュラム構成としている。できるだけ学生が自由に科
目を選択できる要素を残しながら、それぞれのコースの専門性も確保できるような構成を目指し
ている。
▼ディプロマ・ポリシー
科目ごとに教育学習目標を設定し、それらの達成度を試験やレポートなどで評価するのはもち
ろん、4 年次には卒業計画(論文か設計)において総合的な評価を行う。卒業計画では大学で習
得した知識を活用して論文あるいは作品の製作に挑む。その中で専門知識の習得度合い、コミュ
ニケーション能力、プレゼン能力など建築技術者として必要な能力の開発と評価を行う。
■医学部(医学科)
▼アドミッション・ポリシー
『人間性豊かで、優秀な臨床医』を育成することが医学部医学科の教育理念である。最近の医
学、医療の進歩は目覚ましいものがあるが、高度の医療技術とともに、医の倫理と患者さんの立
場を尊重する医療がますます要求されている。入学者の受け入れ方針は、医学教育を受けるに相
応しい学力を備え、医師としての適性を有する入学者を選抜することを基本原則とする。平成 19
年度も、一般入試 75 名と推薦入学 25 名、計 100 名を定員とする。一般入試では学力試験ととも
に面接、小論文による適性評価を行い、医師としての適性を十分に考慮して、入学者の受け入れ
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Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
を行う。推薦入学については、高等学校の内申書を評価するとともに、小テストと面接を行い、
学力と適性の両面を総合的に評価する。
▼カリキュラム・ポリシー
医学科では患者さんの悩みと権利を理解し、医師に求められる基本的知識・技術・倫理・考え
方を学習する。医学科における教育の効果を高め、質の高い医師を育成するためには、学生が臨
床実習に入る際の進級の時点や卒業認定の時点において、モデルコア・カリキュラムや国家試験
出題基準の内容に準拠して、それぞれ必要とされる能力・適性の目標を設定し、段階を踏んで厳
正に評価する。平成 19 年度は特に CBT/OSCE と医師国家試験の成績向上をめざして、カリキュラ
ムを改善する。すなわち、(1) M2∼M4 のテュートリアルを縮小し、講義と実習の内容を充実させ
る。(2) 新設授業科目として、形成外科学および再生・移植医学を開講する。(3) CBT 対策とし
て、基礎・臨床統合講義と模擬試験を行う。(4) 医師国家試験対策として、各科講義と試験の改
善、全国模擬試験の導入、成績不振学生への個別指導、およびインターネットを利用した補習講
義を行う。
▼ディプロマ・ポリシー
医師は医療チームのリーダーとして、働くことが要求されるが、本学科の卒業認定の基本方針
は、幅広い視野と豊かな人間性・倫理観を有し、高度の専門知識と技能、および問題解決能力を
有する医師を送り出すことである。この方針に基づき、教授会は、卒業に必要とされる医学能力
の保障のため、専門科目の講義、臨床修練(BSL)において一定の能力水準を求める厳格な認定を行
う。卒業判定は総合試験、BSL、各科試験の成績を総合的に判定し、全国模擬試験の成績を参考に
するが、医師としての適性を有し、卒後臨床修練を行う能力があると判定された者のみを卒業さ
せ、医師国家試験合格率の向上をめざす。
■医学部(看護学科)
▼アドミッション・ポリシー
平成19年度の設置で、大学の教育研究理念の基に『生命の尊厳に基づいた心豊かな総合的な
人間教育を基盤として、創造的で国際的・学際的視野に立った論理的・倫理的な看護実践能力を
育成し、看護学の発展ならびに地域・国際社会に貢献すること』を教育理念とする。このような
理念を達成するために、基礎的な学力を有し、優れた看護専門識者になろうとする高い意欲と感
受性に富み、他者への配慮・思いやり、基本的マナーや倫理観、協調性を身につけている資質の
高い入学者を求めており、大学間競争の激しい時代に対応した推薦入学 A 方式、一般入試を含め
た入試のあり方を今後検討していきたい。
▼カリキュラム・ポリシー
看護学は人間の様々な健康問題に焦点を当て、その人らしく well-being な豊かな人生を送る
ための全人的理解と援助を行う学際的学問であり、実践学である。そのため、①生命や人間の権
利を尊重・擁護し倫理的判断と行動ができる能力②健康問題を総合的視野で思考できる能力と論
理的判断力・実践能力③保健医療福祉などの関連領域の人々と連携・協働できる学際的調整能力
④国際的な視野と柔軟な思考を持ち、広く地域・国際社会で活躍できる能力⑤主体的な研究態度
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Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
を身につけ、自らの専門領域を発展させる能力を養うためのカリキュラムを設定している。 教育
効果を考慮した学習技法としては、PBL・テュートリアルによる課題探求、自己開発型問題解
決能力を培うため、可能な限り少人数教育を行う。特に平成17年度に、文部科学省が到達目標
に示した実践能力を高める学習においては、テューターによる個別対応型教育が必須になる。
■薬学部
▼アドミッション・ポリシー
高度な専門知識・技術を持つ Specialist であり、かつ人間性豊かな Generalist でもある薬剤
師を養成し、もって国民の健康・福祉に貢献することを教育の理念とする。ますます高度化し、
複雑化する現代医療において、人々の生命や健康について多面的な知識・技能を有する薬剤師の
養成、あるいは医療の現場で多面的な医薬品性状の理解に基づいた適正使用、薬効評価などを担
える高度の専門的能力とともに倫理観、使命感を併せ持つ薬剤師の養成を目的とする。そのため
に、次のような学生を求めている。①思いやりと倫理観を備えている学生、②薬剤師としての医
療に貢献したい学生、③探求心の旺盛な学生、④科学に関する素養を有する学生。
▼カリキュラム・ポリシー
医薬品に関する科学的な基礎を身につけるための基礎薬学教育の充実、および医療チームの一
員としての役割を果たすための医療システム教育を根幹とする。そのためには、これまで薬学が
追求してきた物質の創造的な学問研究を基盤とした基礎薬学、生命薬学等の教育・実習に加えて、
医療に係わる科学活動の倫理的基礎をリベラルアーツ教育で醸成し、医療現場に密着した教育・
実務実習により、真に社会の要求に応える薬剤師を育成する。カリキュラム編成にあたっては、
①広い視野と豊かな人間性・倫理観、②高度な専門知識と技能、③問題解決能力を付与する教育、
の各分野について、時期、量のバランスを考慮している。
▼ディプロマ・ポリシー
学習・実習に精進して規定の単位を取得し、真に医療に貢献できる薬剤師となる素養を習得し
たと認められる学生に対して、卒業を認定する。
■スポーツ科学部
▼アドミッション・ポリシー
スポーツ・健康運動科学の教育研究機関として、スポーツ・体育・レクリエーション・レジャ
ー・健康・福祉などを対象とする広範囲の学問の深化を図り、21 世紀のウェルネス社会実現に向
かって貢献し、スポーツ知を拓く学部として機能することを目的とする。スポーツ・体育・健康
運動の自然科学・人文社会科学の知識に裏づけされた実践や理論的指導ができる人材の育成を目
指す。
▼カリキュラム・ポリシー
スポーツ科学科は、競技スポーツおよびスポーツ関連全般にわたる専門性を高めることをねら
いとし、健康運動科学科は、運動による健康を通して国民のライフクォリティ向上に貢献するこ
とをねらいとし、それぞれの学科の特性にあったカリキュラム編成とする。 カリキュラムは、1
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Ⅵ
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシー
年次より専門性を高めることを意図し、専門基礎科目を配置し、学生個々の興味と関心に基づく
専門分野が選択できるように必修科目を極力少なくし、選択科目を多く配置する。さらに実技実
習科目は、自ら専門とする種目のコーチング理論を深めるために演習形式の授業形態をとる。健
康運動に関わる科目は現場の実態に即した科学的指導やプログラム開発ができるように学外の実
習を配置する。
教員免許は、両学科とも取得できるようなカリキュラム編成とし、質の高い教
員養成を目指した専門教職科目の配置・配列とする。また、スポーツ指導者、健康運動、レクリ
エーションに関わる資格のための科目も配置する。
▼ディプロマ・ポリシー
スポーツ・体育・健康運動の科学的研究法と知識を深めることを目的とし、3 年次からゼミナ
ールを必修とする。ここでは、各自の専門領域研究の導入から高次にいたる分析研究法を学び、4
年次には卒業論文作成と学会方式による全学部での卒論発表会、抄録集作成を実施し、専門的知
識の深化と実践への応用力向上を目指す。これらの教育システムによってキャリア形成をも目的
とし、個々人の適性に応じた進路選択に資する。
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