2017 平成29年度 首都大学東京 都市教養学部 法学系 http://www.law.tmu.ac.jp/ 法学系長挨拶 首都大学東京 都市教養学部 法学系長 大澤 麦 教授 専攻 西洋政治思想史 略歴 聖学院大学総合研究所専任講師、同助教授を経て 現職。主要著作として、大澤麦『自然権としての プロパティ:イングランド革命における急進主義 政治思想の展開』 (成文堂、1995年)など。 首都大学東京都市教養学部法学系は、東京都立大学法学部の 知識とともに、広い視野と柔軟な発想に支えられた総合的思考 50年以上におよぶ伝統を礎にして、法律学と政治学との専門教育 力を身につけるのです。 を行う学系として 2005 年に誕生しました。 法学系の卒業生は企業、官庁、ジャーナリズム等、幅広い分野 現代世界を特徴づけるグローバリゼーションの急速な進展は、 で活躍しています。その中でも法曹を目指す方にとっては、司法 地域紛争や経済格差、環境問題に象徴されるように、従来の思 試験合格率が全国でトップクラスにある本学の法科大学院への 考法では解きがたい複雑な諸問題を私たちに投げかけています。 進学は、極めて魅力ある選択肢になるはずです。しかも、本学 こうした状況であるからこそ、私たちは「一人一人の学生の能力 では法科大学院の教授陣も学部教育に携わっているため、学部 を引き出す教育」を心がけ、それによって今日に山積する諸問題 生のうちから法曹養成に向けた準備を始めることができます。 に積極的に取り組む人材の育成に取り組んでいます。 また将来、内外の大学や研究所に勤務する法学・政治学の専門 法学系において1年次から始まる専門教育では、法律学や政治 の研究者を目指す方は、東京都立大学時代以来の定評ある研究 学の基礎知識や体系的な諸理論が説かれる講義科目と、学生の 者養成機関である社会科学研究科法学政治学専攻に進むことも 主体性と創意工夫が発揮される多くの専門ゼミとが、車の両輪 可能です。 の働きをなしています。そして、それを支えているのが様々な学 このように、法学系は社会の多様な分野で活躍したいと考え 界で法律学・政治学研究をリードする優秀な先生方です。こうし る方々に、それに相応しい実力を身につけていただく教育課程を て法学系の学生は、各専門領域で発揮される高度な研究能力や 用意しております。皆さんの積極的なチャレンジを期待致します。 法学系の目的とアドミッション・ポリシー 法学系は、法律学、政治学における最先端の内容を教授研究し、学士(法学)に相応しい高度の知識と応 用力を身につけさせ、我が国の発展を牽引し得る人材を養成することを目的としています。 このような目的を達するため、法学系では、東京都立大学法学部の伝統を引き継ぎ、一人一人の学生の能 力を引き出す教育を行います。次のような方の入学を期待します。 1. 現代社会の諸問題を解決するために法学・政治学を学びたいと思う人 2. 社会的に有意義な活動に積極的に取り組もうという意欲がある人 3. 司法、行政、ジャーナリズム等の第一線で活躍したいと願う人 1 各コースの紹介 ●法律学コース 「社会あるところに法あり」 という格言があります。とりわけ現代社会は、様々なルールが複 雑に交錯してその秩序が維持されています。法律学とは、そうしたルールの中でも最も重要 な「法律」を解釈するための学問です。法律は、紛争や対立を解決・予防し、公共サービスを 適切に提供し、個人の権利や利益を守るために、不可欠なものです。 法律学コースでは、憲法・民法・刑法といった基本的法分野のほか、法哲学・法社会学など の基礎法分野、経済法・知的財産法などの専門的・発展的法領域についても幅広く学ぶこと ができます。将来は、法科大学院を経て裁判官・検察官・弁護士となる、行政の一翼を担う公 務員となる、民間企業に就職し法務分野で活躍するなど、多様な職業選択の可能性がひら かれています。 どのような分野に進むにせよ、本コースで学ぶ知識や思考方法は社会の秩序の根本部分 を理解し、さらには社会を改善してゆくために、大いに役立つはずです。 ●政治学コース 社会生活を送る上で、 国や地方自治体の政策の影響を受けることは避けられません。逆に、 我々市民の意見が政策に影響を与えることもあります。政治学コースでは、政治の世界と 我々市民が日々生活する社会との多様な関わり合いについて、学問的に探求することを目指 します。 この目的のために、政治学、国や地方自治体の組織・行動を対象とする行政学、現代日本 政治、国際政治、アメリカなど各国の政治(比較政治) 、政治史や政治思想史など、多彩な科 目が開講されています。 もちろん、 政治学コースで提供される科目は、 政治を直接対象とするこれらの科目に限られ ません。本コースは、 憲法や行政法、 国際法などの公法科目もバランスよく提供することで、 国家公務員や地方公務員をはじめ、 広く社会にとって有用なゼネラリストを育成しています。 各コースのアドミッション・ポリシー 各コースでは、次のような方の入学を歓迎します。 1. 現代社会の諸問題の解決に意欲的に取り組む人 法律学 コース 2. 社会に役立つ職業を目指し、特に裁判官・検察官・弁護士などの法曹、 国家公務員・地方公務員を希望する人 3. 社会を牽引するリーダーとなるための資質と能力を身につけることを目指す人 1. 幅広い視野と批判的思考能力の修得を目指す人 政治学 コース 2. 現代政治・社会の諸問題に対する知的好奇心を持つ人 3. ジャーナリズム、行政、企業等の現場で活躍することを目指す人 2 カリキュラムの特色 1 法律学・政治学の体系的な学修 ~基礎から応用まで~ 1年次から専門教育科目の学修が始ま 法学系では、法律学コース・政治学コースを問わず、 ります。また、主に1年次で学ぶ教養科目・基盤科目として、法学系の専門教育科目の学修に 必要な基礎科目 (法学入門、 現代政治入門、 日本国憲法など) も開講されています。このように、 基礎から応用まで、充実したカリキュラムに沿って学修し、所定の卒業要件をみたすことで、 法律学コース・政治学コースとも、他大学の法学部と同様に、 「学士(法学) 」の学位を取得す ることができます。 2 充実した少人数教育 ~演習への参加で広がる学びの世界~ 法学系の授業科目の多くは、大教室での講義となっていますが、法学系では、少人数教育 を重視してきた東京都立大学法学部の伝統を受け継ぎ、多数の演習(ゼミ) を開講していま す。判例研究や文献講読などを行う演習では、 教員の指導の下、 実態調査やプレゼンテーショ ン、ディスカッションの方法を学びます。演習への参加を通じて、法律学・政治学に関するさら に深い知識を修得することができるのです。また、同時に複数の演習に参加することもできま すので、教員や目的意識を共有する仲間との交流はさらに広がります。 3 進路に即したカリキュラム ~みなさんの希望に応えます~ 法学系に入学した学生は、 2年進学時に法律学コースと政治学コースのいずれに所属する かの選択を行うことになりますが、 2つのコースの垣根は低く、 どちらのコースに所属しても、 志望進路に即した学修が可能です。法律学コースでは、法科大学院進学や国家公務員試験 に対応できるように、実体法や訴訟法の科目を必修科目としています。政治学コースでは、マ スコミへの就職や公共政策大学院進学、国家公務員試験・地方公務員上級職試験に対応す るため、政治学と法律学をバランスよく学べるカリキュラムを用意しています。 主な進路 法律学コース 政治学コース 法科大学院 国家公務員 地方公務員 民間企業 など 国家公務員 地方公務員 公共政策大学院 マスコミ など 法律学卒業論文 政治学卒業論文 法律学政治学演習 選択科目 2年次以降の 必修科目 ※印の科目は選択必修 (平成22年度入学者より) <法律学関連科目> 憲法二部 刑法二部 商法二部 法哲学 法社会学 労働法 国際私法 経済法 知的財産法 消費者法 など <政治学関連科目> 現代日本政治 比較政治 日本政治思想史 西洋政治思想史 西洋政治史 など 民法二部 民法三部 商法一部 ※民事訴訟法 ※刑事訴訟法 行政学 行政法一部 日本政治史 ※国際法一部 ※国際政治 2年次進級時コース選択 必修科目 (憲法一部 1年次科目 民法一部=両コース共通、刑法一部=法律学コースのみ必修、政治学= 政治学コースのみ必修)、教養科目・基盤科目(日本国憲法 法学入門 民事法入門 刑事法 入門 現代政治入門 政治理論入門)、基礎ゼミナール、実践英語科目、情報科目 3 発展的・専門的 科目群 一般的・教養的 科目群 教員一覧 法 政 法 政 政 政 政 法 法 法 法 法 政 政 政 法 法 法 法 法 法 政 法 法 法 法 法 政 法 法 法 法 法 法 法 法 政 法 法 天野 晋介 准教授 荒井 紀一郎 准教授 石崎 泰雄 教授 伊藤 正次 教授 大澤 麦 教授 梅川 健 准教授 大杉 覚 教授 桶舎 典哲 教授 尾崎 悠一 准教授 門脇 雄貴 准教授 木村 草太 教授 木村 光江 教授 河野 有理 教授 顧 丹丹 准教授 境家 史郎 准教授 作内 良平 准教授 篠田 昌志 教授 田尾 亮介 准教授 棚橋 洋平 准教授 谷口 功一 教授 種村 佑介 准教授 陳 肇斌 教授 堤 健智 准教授 手賀 寛 准教授 徳本 広孝 教授 富井 幸雄 教授 西貝 小名都 准教授 野上 和裕 教授 長谷川 貴陽史 教授 深津 健二 教授 星 周一郞 教授 堀田 周吾 准教授 峰 ひろみ 教授 三代川 三千代 教授 矢﨑 淳司 教授 山神 清和 教授 安田 佳代 准教授 山科 麻衣 准教授 我妻 学 教授 労働法 政治学 民法 行政学 西洋政治思想史 比較政治 行政学 民法 商法 行政法 憲法 刑法 日本政治思想史 商法 現代日本政治 民法 民法 財政法 民事訴訟法・倒産法 法哲学 国際私法 日本政治外交史 民法 民事訴訟法 行政法 憲法 憲法 西洋政治史 法社会学 経済法・消費者法 刑法・刑事訴訟法 刑事訴訟法 刑事訴訟法 民事法実務 商法 知的財産法 国際政治 刑法 民事訴訟法 法律学コース… 法 政治学コース… 政 4 卒業後の主な進路 日本年金機構 大日本印刷株式会社 東日本電信電話(NTT 東日本)株式会社 首都高速道路株式会社 国立大学法人東京藝術大学 小田急電鉄株式会社 株式会社日本政策金融公庫 東京電力株式会社 ヤフー株式会社 日立建機株式会社 日本弁護士連合会 日本中央競馬会(JRA) 株式会社博報堂 東日本旅客鉄道(JR 東日本)株式会社 株式会社りそな銀行 多摩信用金庫 株式会社広島銀行 株式会社下野新聞社 株式会社テレビ山梨 株式会社新銀行東京 住友生命保険相互会社 総務省 警視庁 国土交通省 厚生労働省 農林水産省 税関(横浜税関) 東京地方裁判所 東京都庁 埼玉県庁 広島県庁 北海道庁 沖縄県庁 横浜市役所 八王子市役所 杉並区役所 多摩市役所 など 大学院の紹介 法学・政治学の研究を深めたい、法律家になりたいという皆さんのために、首都大学東京の 大学院(社会科学研究科) には、法学・政治学に関する次の専攻が置かれています。 ●法学政治学専攻 法学政治学専攻では、学界において研究を発展させ、活躍する優秀な研究者研究者を養 成し、その多くが法学部などの研究・教育機関に就職しています。また、実務家として高度な 知識を有する専門的職業人も輩出してきています。 法律学分野 実定法、基礎法の各法領域に関し、高度な研究を基礎とした幅広い科目群を提供してい ます。徹底した個人指導とともに、全教員・院生が参加する 「総合演習」は本学の伝統であり、 専門を超えた幅広い法的思考をも鍛えることで、社会的要請に幅広く応えています。 政治学分野 政治学分野の特長は、恵まれた学習環境と優秀なスタッフです。 院生研究室では全員に個室が与えられます。教員1人に参加者が平均2~4名という少な い人数の演習に加え、 月に一度、 スタッフ・院生全員が一堂に会した研究会形式の「総合演習」 が開催され、綿密な指導が行われます。 ●法科大学院(法曹養成専攻) 法科大学院は、弁護士、裁判官、検察官を目指すための大学院として、平成16年4月に新し く誕生しました。本学では、 1学年の定員が 52 人と他の法科大学院と比べ少人数で、きめの 細かい教育をしています。さらに、弁護士、裁判官、検察官として実際に活躍している教員が 実践的な授業を行っています。 模擬法廷やITを駆使した図書室などを完備したキャンパスは、晴海という交通至便の場 所にあります。このように恵まれた環境の中で、学生は互いに切磋琢磨して、充実した生活を 送っています。 皆さんも未来の法律家を目指して、ぜひ本学の法科大学院にチャレンジして下さい。 5 在校生・卒業生の声(順不同) 在校生の声 小林 慎平さん 卒業生の声 上原 巧さん (2015年卒業、株式会社博報堂勤務) (法律学コース3年) 高等教育までは個々人での学習が常ですが、大学ではそ 受験勉強と違い、大学の学びには際限がありません。皆 の態様がより開かれたものへと変化します。この変化を一 さんのあふれ出す好奇心、疑問を受け止めてくれる環境が 層感じ得るのがゼミ形式の演習です。他者との関わりの中 あり、先生方がいます。思う存分活用し、経験という私腹を で主体性・協調性を育み、社会人の種を培ってください。 肥やして下さい。僕はたんまり貯めこみました。 玉城 春花さん 五十嵐 良平さん (法律学コース3年) (平成26年卒業、現在東京大学法科大学院在学中) 所属コースに捉われず、興味のある分野について深く学 本学の特長は、先生と学生との距離が近いことです。そのた ぶことができます。学界で著名な先生方による講義は高度 め、ゼミ等での議論が充実します。学生は、先生方と議論する ですが、友人と共に理解を深める楽しさもあります。この環 ことを通じて、当然にしていた自分の考えを疑うことが可能に 境の中で、充実した大学生活を過ごしてください。 なり、 自ら考える力を習得できます。 教育支援・学生支援 ●法政研究室 法政研究室は、法律学・政治学の教育用図書・専門書を中心に、約200,000冊の蔵書(和書 82,000 冊、洋書 58,000 冊、その他定期刊行物等約800 種) を有する、法学系の図書室です。 図書・雑誌の閲覧、専門科目の予習・復習等、学生の自主学習の場として利用されています。ま た、授業時間外の学習のための課題や補助資料等を配布するスペースも設けられています。 ●法学会 法学会は、法学系の教員を中心とする、法学・政治学の研究および知識の普及を目的と した組織です。東京都立大学法学部時代から刊行されている『法学会雑誌』の編集を主た る活動としています。さらに毎年、講演会の開催等をも企画しており、2015 年には「自然 エネルギーの時代 ― 世界、日本、東京 ― 」と題し、大野輝之氏(公益財団法人 自然 エネルギー財団常務理事)にご講演をいただきました。 ●交換留学制度 マッコーリー大学、エディス・コーワン大学(オーストラリア) 、 ウィーン大学(オーストリア) 、 中央大学校(韓国) 、サバンチ大学(トルコ)などとの交換留学制度があります。また、カリフォ ルニア大学バークレー校への留学プログラムもあります。 ●入学金・授業料・経済的支援制度 入学金 授業料 東京都の住民 141,000円 (予定額) その他の者 282,000円 (予定額) 年額 520,800円 (予定額) ※入学時または在学中に授業料の改定があった場合には、改定後の年額が適用されます。 なお、生活困窮者や成績優秀者に対し、授業料を減免する制度があります。 6 日本の法律・政治の中心、 都心から 1 時間のアクセス、南大沢キャンパス。 法学系学生の皆さんは、入学から卒業まで、このキャンパスで学生生活を過ごします。 緑豊かな落ち着いた環境で、法律・政治の動きをリアル・タイムで学び、 全国から集まった同級生との交流を深めています。 皆さんも首都大の法学系の一員として、充実した大学生活を送ってみませんか? 所 在 地 東京都八王子市南大沢 1-1 連 絡 先 ▶入試に関するお問い合わせ 八王子 首都大学東京管理部入試課 TEL 042-677-1111 内線 2211 ~ 2214 ▶その他一般的なお問い合わせ 交通案内 京王相模原線「南大沢駅」下車徒歩 5 分 ※新宿から33 分(新宿発の特急橋本行を利用の場合) 吉祥寺 京王線 調布 多摩 センター 橋本 南大沢 首都大学東京管理部文系管理課法学系教務係 TEL 042-677-1111 内線 1515 ~ 1516 立川 モノレール 首都大学東京都市教養学部都市教養学科法学系 首都大学東京 名 称 新宿 明大前 稲田堤 下北沢 (京王相模原線) 渋谷 登戸 新百合ケ丘 小田急線 町田 横浜 川崎 より詳しい情報を、下記法学系ウェブサイトに掲載しております。ぜひご覧下さい。 http://www.law.tmu.ac.jp/ [発行元] 首都大学東京 管理部文系管理課 登録番号(26) 87 再生紙を使用しています。
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