ピエール・ヴァレー(Pierre Vallet)

ピエール・ヴァレー(Pierre Vallet)
フランス出身。2011/12 年シーズンは、バルセロナ・リセウ大劇場のシーズン・オープニングおよ
びメトロポリタン歌劇場へのデビューを果たし、両劇場で新演出によるグノー「ファウスト」を指揮。
ボリショイ劇場(モスクワ)のマスネ「マノン」で指揮者としてデビューして以来、パリ・オペラ座(バ
スティーユ)で小澤征爾につづいて「タンホイザー」を、「東京のオペラの森」でヴェルディ「オテロ」お
よびチャイコフスキー「エフゲニー・オネーギン」を指揮。サイトウ・キネン・フェスティバル松本では、
フンパーディンク「ヘンゼルとグレーテル」およびロッシーニ「セビリャの理髪師」(ともに「青少年のた
めのオペラ」)、また、最近ではマティアス・ゲルネが表題役を歌ったバルトーク「青ひげ公の城」や、
北京および上海でおこなわれた同フェスティバルの記念すべき初の引越公演でも小澤征爾に代わ
り「青ひげ公の城」を指揮するなど、幅広いレパートリーを手がけている。
指揮者として、また、これまでに合唱指揮としても、合唱作品に情熱を傾けており、サイトウ・キネ
ン・フェスティバル松本の「ファウストの劫罰」およびシェーンベルク「グレの歌」、サイトウ・キネン・オ
ーケストラのニューヨーク・カーネギーホール公演におけるブリテン「戦争レクイエム」で合唱指揮を
務めているほか、2011/12 年シーズンはトウキョウ・カンタートでも指揮デビューする。
2009 年にサウスカロライナ州チャールストンで開催された米国スポレート音楽祭にて、レスピー
ギ「ボッティチェッリの三枚の絵」およびメンデルスゾーン「交響曲第 3 番『イタリア』」でオーケストラ
指揮デビューを果たし、2010 年にも同音楽祭でフォーレ「パヴァーヌ」、演奏される機会の少ないル
ーセル「小管弦楽のためのコンセール」、ベートーヴェン「交響曲第 4 番」を指揮。今シーズンはニュ
ーヨークのグリニッチ・ヴィレッジ管弦楽団の演奏会に 2 回登場し、フンパーディンク「ヘンゼルとグ
レーテル」前奏曲とジェニファー・ジョンソン・カノをメゾソプラノ独唱に迎えたエルガー「海の絵 作品
37」のプログラムと、ワーグナー「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲、ベートーヴェン「交
響曲第 4 番」、ヤング・コンサート・アーティスツ・コンクールの勝者、キム・ヘジンのヴァイオリン独
奏によるブルッフ「スコットランド幻想曲 作品 46」のプログラムを指揮する。
長年にわたり、とりわけ合唱に熱心に取り組んでおり、2010 年にサイトウ・キネン・オーケストラが
カーネギーホールでブリテン「戦争レクイエム」を演奏した際は、ニューヨーク・タイムズ紙のジェー
ムズ.R.エストライヒに、「日本の合唱――SKF 松本合唱団、SKF 松本児童合唱団、栗友会合唱団
――は、力強いフォルティッシモと息をのむようなピアニッシモで卓越した演奏を聴かせ、ラテン語
の発音も見事だった」と、その優れた合唱指導を評された。サイトウ・キネン・フェスティバル松本で
は、ジョゼ・ヴァン・ダムとスーザン・グラハムとともに「ファウストの劫罰」、クリスティン・ゴーキー、ミ
シェル・デ・ヤング、トマス・モーザーとともにシェーンベルク「グレの歌」の練習を率いた。ニュー・イ
スラエル・オペラで「カルメン」、「サムソンとデリラ」、「ユダヤの女」、ルクセンブルク大劇場で「カルメ
ン」のプロダクションに携わり、ジョーダン・ホールで上演されたデイヴィッド・フーズ指揮カンタータ・
シンガーズ(ボストン)による「ダヴィデ王」に「語り手」として出演したほか、2011/12 年シーズンは
トウキョウ・カンタートの合唱セミナーおよびコンクールで講師および指揮も務める。
伴奏ピアニストとして著名な声楽家とコラボレートしており、今シーズンはウィーン国立歌劇場で
おこなわれるロベルト・アラーニャのリサイタルで伴奏を務める。これまでに、クリントン大統領臨席
によるホワイトハウスでの演奏会でデニス・グレイヴスと共演し、PBS 特別番組「Denyce Graves: A
Cathedral Christmas」にも携わったほか、ナタリー・デセイ、マリア・グレギーナ、ディミトリー・ホロス
トフスキーとも共演している。
メトロポリタン歌劇場の指揮者名簿に名を連ねており、副指揮としてこれまで 15 年にわたり数々
のプロダクションの練習に携わってきた。
声楽コーチとして、ルネ・フレミング、アンジェラ・ゲオルギュー、デボラ・ヴォイト、フレデリカ・フォ
ン・シュターデ、プラシド・ドミンゴ、フアン・ディエゴ・フローレス、ヨナス・カウフマンなど、世界一流の
声楽家とコラボレートしており、声楽作品のレコーディングでは、デニス・グレイヴス出演のミュンヘ
ン放送交響楽団による「Voci di Donna」(BMG/RCA レッドシール)、マルセロ・アルバレスとニー
ス・オペラ管弦楽団によるフランス・オペラ・アリア集(ソニー・クラシカル)の録音に携わっている。
客員講師として米国内外の一流研修機関で教鞭を執っており、メトロポリタン歌劇場のリンデマ
ン・ヤング・アーティスト・ディベロップメント・プログラム、ラヴィニア音楽祭(シカゴ)のスティーンズ・
ミュージック・インスティテュート、ボストン交響楽団のタングルウッド・ミュージック・センター、ウルフ・
トラップ・オペラ・カンパニー、ヒューストン・グランド・オペラ・スタジオ、インターナショナル・ヴォーカ
ル・アーツ・インスティテュート(イスラエル、テルアビブ)、および小澤征爾音楽塾に定期的に招聘さ
れている。また、シンシナティ大学音楽院およびヒューストン・グランド・オペラ・スタジオでも若手ア
ーティストの指導にあたっており、ヒューストン・グランド・オペラではヴェルディ「ドン・カルロ」のプロ
ダクションでコンサルタントも務める。
www.pierrevallet.net