CCNにおける名前解決

DNSの情報による
CCNにおいての名前解決法
早稲田大学 基幹理工学部
情報理工学科 後藤研究室
学士4年 奥村大樹
2014/02/04
卒業論文審査会
研究背景
• 現在、インターネットはコンテンツ流通を支える情報
流通基盤として位置づけられている [1][2]
• しかし、インターネットは通信ネットワークとして
考案されたものでありメディア配信を目的に設計
されたものではない
• ネットワーク自体をコンテンツ指向型の
アーキテクチャに変えるICNの研究が行われている
2014/02/04
卒業論文審査会
研究目的
• ICNの代表的なプロジェクトであるCCNは、現在の
ネットワークからの段階的な移行が重要とされている
• CCN上では、現在のDNSのようにルーティングに
IPアドレスを用いることが出来ない
CCN上で効率的なDNSの
名前解決を行う手法の提案
2014/02/04
卒業論文審査会
CCN (Content-Centric Network)
• コンテンツをその名前で定義しコンテンツ名を用いて
発見と転送の双方を行うネットワークアーキテクチャ
• 要求に用いられるInterestと転送に用いられるDataの
2種類のパケットのみを用いて通信を行う
• CCNルータの内部構成
Content Store: コンテンツをキャッシュしておくバッファ
PIT: Interestパケットが送られてきた方向を示すテーブル
FIB: 名前ベースのルーティングテーブル
2014/02/04
卒業論文審査会
CCNの基本動作<コンテンツ発見>
ユーザからInterestパケットを受けた
ルータは、FIBを基に経路選択を行い
コンテンツサーバへとたどり着く
2014/02/04
卒業論文審査会
CCNの基本動作<コンテンツ転送>
要求されたコンテンツを転送する
Dataパケットは、PITが示す方向を
基に、ユーザへとたどり着く
2014/02/04
卒業論文審査会
CCNの基本動作<キャッシュによる取得>
他のユーザによって同じコンテンツが
要求された場合、ルータはキャッシュ
したコンテンツを返す
2014/02/04
卒業論文審査会
関連研究
Smart Name-based Routing in ICN [10]
• CCN上のあるノードにschedulerという特別な役割を
持たせ、コンテンツ取得を誘導
ルータはフラッディングによりschedulerまでの経路を知り、
自分が接続しているノードのリストを送信する
コンテンツサーバは自分のコンテンツ名をschedulerに
向けて送信する
schedulerは受け取った情報から各コンテンツまでの最良の
経路を経由するルータで示すことができる
[10] 胡曜, 後藤滋樹, Smart Name-based Routing in ICN, IEICE March 2014 (to appear).
2014/02/04
卒業論文審査会
提案手法<概要>
• コンテンツサーバは、ドメイン名を含むコンテンツ名
のデータを持つネームサーバ
• コンテンツのデータは、対応したドメイン名の情報を
持ち、ユーザのコンテンツ取得を名前解決とする
• ルートネームサーバに接続されたノードにscheduler
の役割を持たせ、名前解決の要求に対して各ネーム
サーバまでの経路を回答させる
2014/02/04
卒業論文審査会
提案手法<名前解決手順>
scheduler
root
Interest
/ccn/dns/www.example.co.jp
jp
co
local user
example
Data
/ccn/dns/www.example.co.jp
2014/02/04
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実験環境
2014/02/04
卒業論文審査会
実証実験
• ユーザはabc.jpネームサーバが持つ300個の
データのそれぞれを対象としたInterestパケットを
送信
• 300回の名前解決を終えた後、各ノードが受信した
Interest, Dataパケットの合計数を用いて評価を行う
• 標準的なCCNではschedulerは他のノードと同じと
見なす
2014/02/04
卒業論文審査会
実験の概要
2014/02/04
卒業論文審査会
ネットワーク全体のパケット数
実験結果
4500
4000
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
提案手法
標準的なCCN
6
2014/02/04
7
8
9
ネットワーク全体のノード数 [台]
卒業論文審査会
10
まとめと今後の課題
• 提案手法では、ネットワーク上のノード数が
多い場合に標準的なCCNより少ないパケット数で
名前解決を行える
• 今後の課題
実ネットワークを意識した実験
DNSの他の特徴に着目した手法の検討
2014/02/04
卒業論文審査会
ご清聴ありがとうございました
2014/02/04
卒業論文審査会
補足資料
2014/02/04
卒業論文審査会
DNSの名前解決
2014/02/04
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各ノードが受信したパケット数<6台>
2014/02/04
提案手法
標準的な
CCN
user
303
300
scheduler
69
300
root
732
600
jp
669
600
com
639
600
abc
338
300
total
2750
2700
卒業論文審査会
各ノードが受信したパケット数<7台>
2014/02/04
提案手法
標準的な
CCN
user
304
300
scheduler
81
300
root
757
600
jp
709
600
com
639
600
abc
337
300
7th
28
300
total
2855
3000
卒業論文審査会
各ノードが受信したパケット数<8台>
2014/02/04
提案手法
標準的な
CCN
user
302
300
scheduler
101
300
root
796
600
jp
708
600
com
686
600
abc
337
300
7th
28
300
8th
28
300
total
3300
3300
卒業論文審査会
各ノードが受信したパケット数<9台>
2014/02/04
提案手法
標準的な
CCN
user
301
300
scheduler
118
300
root
826
600
jp
703
600
com
726
600
abc
334
300
7th
28
300
8th
28
300
9th
28
300
total
3092
3600
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各ノードが受信したパケット数<10台>
2014/02/04
提案手法
標準的な
CCN
user
301
300
scheduler
142
300
root
858
600
jp
706
600
com
771
600
abc
335
300
7th
28
300
8th
28
300
9th
28
300
10th
28
300
total
3225
3900
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参考文献<1>
[1] ゼタバイト時代の到来,
http://www.cisco.com/web/JP/solution/isp/ipngn/literature/
white_paper_c11-481374.html
[2] The Zettabyte Era―Trends and Analysis,
http://www.cisco.com/en/US/solutions/collateral/ns341/ns525/
ns537/ns705/ns827/VNI_Hyperconnectivity_WP.pdf
[3] S. Fayazbakhsh, el. al.,“ Less Pain, Most of the Gain: Incrementally
Deployable ICN, ” ACM SIGCOMM 2013.
[4] Content-Centric Networking,
http://www.parc.com/work/focus-area/content-centric-networking/
[5] V.Jacobson, D.Smetters, J.Thornton, M.Plass, N.Briggs, R.Braynard,
Networking Named Content, ACM CoNEXT 2009.
[6] T.Koponen, A Data-Oriented (and Beyond) Network Architecture,
ACM SIGCOMM 2007.
2014/02/04
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参考文献<2>
[7] PURSUIT, http://www.fp7-pursuit.eu/PursuitWeb/
[8] NetInf, http://www.sail-project.eu/about-sail/netinf/
[9] NDN, http://named-data.net/
[10] 胡曜, 後藤滋樹, Smart Name-based Routing in ICN,
IEICE March 2014 (to appear).
[11] CCNx, www.ccnx.org
[12] ndnSIM, http://ndnsim.net
[13] PlanetLab, http://www.planet-lab.org/
[14] 植田一暁, 山下雄規, 朝香卓也, 高橋達郎, 松原大典,
コンテンツセントリックネットワークにおける経路情報集約手法の提案,
信学技報, NS112(208), pp. 41–46, September 2012.
[15] 山本幹, コンテンツオリエンテッドネットワーク-コンテンツ流通の新しい
潮流-, 信学技報, NS2011-36, pp. 109–114, May 2011.
[16] 山本 幹, コンテンツオリエンテッドネットワーク”, July 2011,
http://www.fourteenforty.jp/assets/files/research/research_papers/
inside-android-security.pdf
2014/02/04
卒業論文審査会