奥只見・アサユウ沢 クロウ沢 遡行∼大白沢池∼南田代付近 の湿原巡り

2006.08.9(水)∼13(日)
奥只見・アサユウ沢 クロウ沢
遡行∼大白沢池∼南田代付近
の湿原巡り∼赤倉岳登頂∼奥
利根・楢俣川 下降
佐田務、高山友雄、佐藤敦子、佐藤英明
8月8日(火)アプローチ
佐藤英明
スーツ着たまんま、職場から北千住に向
かう。東武電鉄の特急ホームが一体どこに
あるやら不明瞭過ぎて、危うく乗り遅れる
ところだった。電車の中で、皆で持ち寄っ
た酒の肴が気合入り過ぎ、蟹すら喰ってビ
ールもグビグビ飲んで、鬼怒川温泉に着い
た頃にはヘナヘナですぐに寝てしまう。
翌朝は、再び電車に乗って、会津高原駅
まで、そこからタクシーで檜枝岐を越えて
いよいよ、新潟ギリギリ寸前、運転手さん
は、今日の仕事はこれで終わりなもんで帰
りは道草喰って、釣りして帰るよーといっ
ては喜んでいる。高山さんの究極の「この
風景ネットで見たー。」の一言で出合バッ
チリ。普通だったら絶対にわかんない。高
山さん=人間GPS。
8月9日(水)晴れ、雨
入渓点 9:00∼東大タツボ沢出合い 10:50
∼12:10 荒山沢出合い∼サルコバ沢から
先のテン場 13:10
高山友雄
砂子平下車。入口の廃別荘?脇を通る踏
跡をたどると只見川本流にでた。例の「篭
渡し」は使用できる状態ではなく、少し上
流側で渡渉。川底の石がツルツルでいきな
りこけてしまった。ここからブナの台地を
経て、大白沢沿いの踏跡を行くが記録より
手前の魚止沢出合の少し手前から沢通し
を歩く。心配していた台風も南岸をかすめ
たらしく、青空さえのぞき始めて気分は高
揚する。
下流はゴーロだがときおり岩盤が露出
した小規模なナメも現れる。魚止沢も東大
タツボ沢も意識しないとそれとは気が付
かない貧相な流れだ。次の池の沢はナメ滝
となって落ち込んでいる。この源流には
「大白沢の池」があるらしい。
その先で6m3段滝を過ぎると、平ヶ岳
方面から流れ込んでいる荒山沢(シロウ
沢)との二俣にでる。絶好のテン場があっ
たが時間はまだ12時過ぎ、いくらなんで
もと、もう少し先に伸ばすことにする。
すぐ上の7m3段滝は、下段右壁を英明
空身で登って、ザック引き上げで後続する。
サルコバ沢は気がつかないまま通り過ぎ
て、しばらく先で左岸になかなかいいテン
場を見つけて早めのキャンプとする。
皆が薪集めの間に私は釣りをさせても
らったが、当たりなし。焚火の周りでは初
日ともあって豊富なつまみが次から次へ
と出てきて後がこわい。この時期恒例のメ
ジロやブヨが現れないのにも助かった。夜
半かなり強い雨が降って増水が心配され
たが、明け方には止んで、それほどでもな
かった。
妖艶な白根葵
<・)))><<
<・)))><<
<・)))><<
<・)))><< ♪
<コメント 高山友雄>
アサユウ沢と楢俣川、2本の沢を遡下降
して堪能させてもらった。楢俣川は下流で
ナメと沢幅一杯の小滝が次から次へと出
てきて、しかも岩の摂理が発達しているの
でホールド・スタンス豊富でほとんどフリ
ーで下降できるところが楽しい。巻道もは
っきりしている。しかし、アサユウはそれ
以上に私には素晴らしく感じた。中流から
上流の白い岩盤と滝とトロが美しい。人臭
さのないのも良かった。もう少し魚影があ
れば最高なのだが。
8月10日(木)快晴
サルコバ沢から先のテン場 5:45∼小屋場
沢 出 合 い 7:30 ∼ キ ノ ク ラ 沢 出 合 い
9:00/11:00 ∼二俣 12:00∼奥の二俣 13:30
∼大白沢池 16:00
佐田 務
テン場からしばらくで、小屋場沢出合。
BP適地あり。3m階段状の滝と小さなゴ
ルジュを通過し、雪渓のトラバースと深い
淵で、ザイルを少しだけ使う。その先で大
きな河原となり、右からキノクラ沢が入る
赤倉岳
湿原
クロウ沢 大滝
と、本流には18mの滝。全く手がでない。
左岸から入るキノクラ沢を少し登り、そこ
からトラバースする。
記録ではここから草付を小さく巻くと
あるが、それだとザイルが必要となる。こ
のため私たちは英明さんリードで、少し大
回りして潅木帯に入る。本流は18mに続
き、3m、2m、トイ状の滝と続くらしい
が、私たちはこれらすべてを巻き、ヤブの
トラバースの連続で二俣分岐の手前で河
原に降りた。高巻きに2時間近くかかる。
二俣から右俣に入る。左俣の記録はある
が、右俣の記録は手元にはない。その右俣
は小さな滝が続く。中流部で2段15m滝
があり、下段は容易。上段は佐田が空身で
登ってザイルを張り、登り返す。古い残置
ハーケンが2枚あったそうだが、私は気づ
かなかった。水がとても冷たい。
赤倉岳への草原
平ヶ岳
赤倉岳山頂
その先も淡々とした登りが続き、源流部
にさしかかるところで、トイ状3段20m
がかかる。下段4mは何とか登れるが、中
段5m、上段10mは登れない。右の草付
を登り、少し大きめの高巻きして本流にも
どったら、沢は源頭のようすとなる。細く
なった水流と伏流をたどると水が再び現
れ、大白沢池に出る。左側の草原には黄色
い花が、右側の草原にはアヤメが咲き乱れ、
神秘的な雰囲気が漂う。池の上流側から水
が湧き出していた。
夜半に、満月が湖面に浮かび出る。幻想
と幽玄の世界。
<コメント 佐田務>
月光に照らし出される湖面と、朝もやが
かかる湿原の美しさには息をのんだ。5日
分の食料が入った荷物を背負い、鬱蒼とし
たブナ林の中を流れる清流を遡って二日
目。たくさんの小滝を越え、腕力がなえる
大高巻きで右俣をたどって、やっと大白沢
池に着いた。池の水は透明で、その周りを
広い草原がおおっている。静謐な世界が広
がる。
全く人の気配がない、自分たちだけの世
界。しかし熊が、その世界に交差している
ことに、少しビビる。
翌日はいくつもの湿原をつないだ後に、
赤倉岳のヤブこぎピストン。空身でも5時
間半の苦闘は疲れた。押してもびくともし
ない濃密ヤブを前に、何のためにこんなこ
と、してるんだろうと思った。
けれども終わってみれば、それも楽しい
思い出。長い美しい沢をつなぎ、手ごわい
ヤブと恐ろしい雪渓とスリリングなトラ
バースと、そして何より、自分たちで練り
上げたルートを完登することができた。今
も心地よい充実感が残っている。
ヽ(´Д`)人(´Д`)人(´Д`)人(´Д`)ノ
名残り惜しいが、先ずは、大白沢山に向
けて出発だ。背丈を越える猛烈な藪が続く。
私がトップで頑張る。何を隠そう私は藪漕
ぎが好きである。コンパスで進むべき方向
を確かめながら、藪と格闘する。藪漕ぎは
パズルを解くような楽しさがある。気がつ
けば無我の境地に浸っている。
途中から沢形が出てきたので、それを利
佐藤敦子
用して進む。そして、約1時間後、稜線に
抜ける。
昨日のテン場は素敵だった。池のほとり
隣に見える緑萌える大白沢山はまだま
にテントを張るのだから、まさに湖畔の宿
だ遠い。藪もモーレツだ。時間もないこと
だ。池の水は飲むことができるくらいにキ
だし、今回はパスする。眼下にはこれから
レイだ。
訪ねる湿原が手招きをして待っている。こ
秘境中の秘境の大白沢池に来られただ
けでも幸せなのに、昨日は満月の宵だった。 れぞ、日本的な山の美しさだなぁ、とほく
そえむが、男性陣は「湿地はジメジメして
こんなチャンスはめったにない。湖と草原
イヤだなぁー。」などとブツブツと言って
が月の光で白銀に輝き、焚火の炎は天高く
いる。背後には、たおやかな平ケ岳と会津
空を焦がす。
駒が大きい。
夜半、テントから這い出ると月が湖面に
稜線をしばらく北に向かって進み、鞍部
丸く映っていた。空が白んでくる頃には霧
から下降を開始する。かなり急だが藪をつ
が立ち込め幻想的な景色が広がる。
8月11日(金)快晴
大白沢池 6:40∼稜線 7:40∼上のなんちゃ
って田代 8:30∼下のなんちゃって田代
10:20∼南田代 12:10/30∼稜線 13:30∼赤
倉岳手前のピーク 15:00∼赤倉岳(ピスト
ン)16:45/50∼南田代 18:00
大白沢池で歓喜のポーズ
かみながらグングン下る。すると、突然現
れた癒しの空間、湿原だ!秘めたる湿原探
し・・これは、一度味をしめたらやめられ
ない遊びである。苦労して沢を登ってヤブ
を漕ぐと、突如、目前に緑豊かな空間が広
がる。こんな楽しいことって他にないです
よねぇー。なのに男性陣は「なぁーに、大
したことないよなー。」という表情である。
英明に至っては「湿原はグチャグチャなの
が鬱陶しい。二度と来ない。」などと文句
タラタラ。
その後、小沢を下降し、小湿原(通称:
なっちゃって田代)を通過する。目指すは
本命の南田代だ。
コンパスとGPSを頼りに藪を漕いで
いくと、黒い潅木に囲まれてひっそりと佇
む南田代に出会う。これから登る赤倉岳を
展望する大きな湿原だ。
満月と焚火
すでに時間は12時。予定では、ザック
を稜線に置いて、赤倉岳をピストンの後、
楢俣川の源流部に泊まるつもりであった
が、時間的に厳しいと判断。南田代をベー
スに赤倉岳をピストンすることにする。
高山さんはしきりに「ねぇーパスしよう
よぉー、俺、テントキーパーしてっからー
さー。」などと、のたもう。しかし、天気
も良く、時間もあるのに、めったに来られ
ない、いや、二度と来られないかもしれな
い赤倉岳に挑戦しないわけにはいかない。
みんなを説得して、最低限の装備を持っ
て出発。相変わらずヤブは濃い。途中、熊
の糞や潅木に付けられた鋭い爪研ぎの跡
をいくつも見つける。熊対策の笛を吹き吹
き藪を漕ぎ漕ぎ前進すると、キスゲやアヤ
メの咲く小湿原が頃合いよく現われて飽
きることがない。所々、美味しくて冷たい
水も湧いている。
稜線に出て、しばらく深い藪に耐えると、
涼やかな草原に飛び出す。途端に気持ちの
良い稜線漫歩となる。緑に包まれた夏山ら
しい展望が広がる。平ケ岳、会津駒、燧ヶ
岳、日光の山々、至仏山、上州武尊、谷川
岳の(それとわかる)一ノ倉沢、巻機、越
後駒がグルリと見渡せる。
平ケ岳は、水長沢であろうか?沢筋が雪
渓でビッシリと埋まっている。そして、眼
下を覗くと、明日下る楢俣川も雪渓でビッ
シリと埋っている。皆でビビる。
それにしても、赤倉岳には「ニセ頂上」
がいくつもあって、何度もガックリ!させ
られた。下から見て頂上だと思っていたの
は、前衛の山であった。「山頂までまだ1
時間はかかるよ」と高山さんが言う。みん
なも「もー戻ろうよーと」いう雰囲気。
「ま
ぁ、冬山ではないことだし天気も良いのだ
から恐れることはない。ヘッデンでもテン
場までだったらなんとか帰れるし・・」そ
う思いながらも、赤倉岳に行くことを強硬
ヽ( ^ー^)人(^ー^ )丿♪ヽ( ^ー^)人(^ー^ )丿
に主張した私自身が最も不安になる。それ
でも粘りに粘って、とうとう計・約4時間
の奮闘で岳人マイナー12名山「赤倉岳」
の頂に立つことができた。
帰りは藪でも下りなのでラクチンであ
る。あれよ、あれよ、という間に下って明
るいうちにテントに戻る。
あー、疲れた∼!ヘロヘロ。お酒の強さ
では、ちょっとは自信のある私だが、僅か
に二杯飲んだだけで、それ以上飲めなくな
ってしまった。
湿原は夜になると露が下りるせいかど
うか判らないが、草地がグチョグチョにな
ってズブズブと沈んで不快極まりない。藪
蚊もうるさくて痒くて参ってしまう。「湿
原は遠きにありて、眺めるもの」かもしれ
ない、ということで早々に退散して、テン
トで寝入ってしまった。
神秘的な大白沢池
<テーマ山行のススメ 佐藤敦子>
今回の山行のテーマは「沢の遡下降と秘
めたる湿原巡りと岳人マイナー12名山
の赤倉岳登頂」である。
4年前の夏合宿で楢俣川を遡行したが
あの時の感動が忘れられなくて、またいつ
か行きたいと思っていた。また、その時は
大白沢池に届かなかったので、いつかリベ
ンジしたいと思っていた。これに岳人マイ
ナー12名山の赤倉岳をプラスする。藪を
漕いで、湿原探しもする。ずいぶんと欲張
りな計画だ。
どの沢を遡下降するか?どの尾根を横
断するか?地図を眺めて、いろんなルート
を模索したが、アサユウ沢のクロウ沢を遡
行して、大白沢池にダイレクトに出て、楢
俣川を下るという豪華・贅沢・素敵なプラ
ンにした。
初日は台風が心配されたが、台風は無事 湿原発見!
逸れてくれて、思いのほか好天に恵まれた。
今回は長年の夢を実現できて、とても嬉し
い。5日間、秘境にどっぷり浸かって、ア
プローチの厳しい赤倉岳の頂にも立てた。
感激!である。
ところで、今回の夏休みのように、長い
間、山に入れるのなら、自分なりにテーマ
を設定して、オリジナルなルートを紡ぐと
面白いのでオススメだ。また、冬期のルー
トを念頭に長期的な展望で計画を立てる
のも、その山域に愛着が湧き、ますます楽
しくなってくる。・・なーんて、偉そうな
ことを言っても、今回も男性陣にお世話に
なりっぱなしでした。荷物にも、かなりハ
ンディをつけていただきました。
最終日の夜は、高山さんが釣ってくださ
った岩魚の骨酒を飲みながら、花火に興じ、
日本の夏山を堪能しました。おかげで、今
年も素敵な夏の思い出ができました。あり
アヤメ
がとうございました。
白い岩魚
黒い岩魚
熊の爪研ぎ跡
<湿原の干潮・満潮>
湿原の水というのは、夜になると溢れて
グチュグチュと染み出してくる、らしいこ
とが、今回、初めて判った。昼、テントを
張った時は、カラット乾いたスカット爽や
かな平場だったのだが、夜になるとズブズ
ブ・グニュグニュになる。しかも、薮蚊が
プンプンと顔面にマトワリついて痒くて
昨日の<岳人・日本マイナー12名山>
発狂する。ということで、湿原はモーお腹
とかの「赤倉岳」ピストンは辛かった。テ
一杯、ごっつぁんでーす。(湿原にはやっ
ン場の南田代(湿原)からは、標高差で4
ぱ木道がお似合いです。湿原が出現こりゃ
00mくらいなんだけど、背の高いバリバ
リの密藪がとてつもなく鬱陶しい。しかも、 また失言ですなー、とか佐田さん、ずーっ
と言ってました。)
登っても登っても、なんちゃってピークが
何度も何度も(3回も)根性悪く現われる
そんなわけで、昨日の疲れが抜けないま
もんだから、タマッタもんじゃない。結局
この日はヘトヘトの12時間行動でした。 まのネムイ出発となる。
それにしても、今日は、膝が痛くて痛く
ベースに戻っても、みーんなヨロヨロで、
てたまんない。実は、昨日、自慢のアクア
薪集めもノロノロ。そんでもド根性で大好
ステルスの靴底で、派手に滑って転んでシ
きな焚火・宴会にハシャグも、軽く一杯飲
タタカに膝を打ったのでした。骨まで染み
んだだけで、気がついたら鹿さんとお話を
る激しい激痛(変な日本語?)に悶え苦し
しているという不気味な夢の中だった。お
バカなお猿は出てこない。
焚火で岩魚を焼く。
普通の勤労者の夏休みというのは、一般
的にはこーゆーもん(後述)です・・バリ
島のリゾートホテルで、キラキラ水色のプ
ールで泳いで、薔薇の香りの赤ワインでレ
アレア血の滴る分厚いステーキなんか喰
って、ハビスカスのぐさっと刺さった紫色
のカクテルとか飲んで、免税店でブランド
モンの買いもんなんかして、夜は部屋に足
裏マッサージとか呼んで、帰りは空港で職
場にマカデミア・チョコ買って・・そうで
す、ノーマルな人の夏休みとは、日頃の過
酷な勤労のウップンを殿様姫様気分でス
カット晴らす悦楽と癒しの時間なんだろ
うけど、私らって?一体、何やってんだろ
ー。お金と時間をそこそこに使って、連日
クソ忙しい挙句に疲労困憊のヘトヘト、し
かも、落ちたら死ぬかもしれない滝なんか
登ったりして、危ないったらこのうえない。
8月12日(土)曇り、雷雨、晴れ
南田代 7:15∼1761m鞍部 8:15∼本流
出合い 9:00∼8m滝(雪渓高巻き∼オミ
キスズ沢出合い手前まで)11:00/12:20∼
南沢出合い 14:00
佐藤英明
☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡 ☆彡 ★彡
☆彡
にも潜るが、自らの人生の如くお先真っ暗
とのことで、引き返してくる。乗ることも
考えたが、最も易しそうな左岸からの巻き
<アクアv.s.ウール>
巻きにすることにした。この巻き巻きは先
そう、去年はオツルミズなんかのミーハ
ー沢をアクアステルスで何本か登った。で、 ずは滝を一本登り返してから、急峻でボロ
イ泥ルンゼに佐田さんが緊迫のザイルを
皆に自慢しまくって、もはやフェルトの時
伸ばす。それにしても思いっきりランナウ
代は終わったよよーん、と豪語すらしまく
トしてるんですけど・・いんすか?
った。しかし、今回はツルンツルンの水苔
そして、そのまま、左岸をかなり長い時
に泣かされた。そして、大転倒して、悲し
間トラバースして、もーソロソロ大丈夫か
くも膝が紫に腫れあがってしまった。
なー?って思って、眼下を見下ろすと、ま
一方、転倒名人の敦子が、今回は殆どコ
だまだ白い雪渓がエーンエーンと続いて
ケない・・なぜだろう?オカシイ、なんで
いる。この雪渓は全長にして500mはあ
お上手なオレ様が転びまくって、お下手な
ったかも。この白馬大雪渓モドキの巻きに
敦子がぜんぜん転ばないんだろう・・そう
1時間半も要してしまった。
でした、敦子は池袋「秀山荘」特製・肉厚
新品ウール・フェルト底の「忍者」を履い
<雪渓の耳(みみ)利術>
ていたのでした。ということで、アクアと
今回初めて知ったのは、巻きながら、下
フェルトは一長一短ということが、今回よ
に雪渓があるか?どうかな?の耳利きで
ーく判りました。今回はアクアの負け。
す。もちろん目視が一番だけど、下が見え
ない時があります。実は、雪渓があると沢
さて、冷凛な湧き水とキレイなアヤメの
音が全く聞こえない(そりゃそうなんだけ
南田代に別れを告げて、赤倉岳の鞍部を目
ど)ということです。今回は、沢音がコロ
指す。相変わらず藪がシンドイ。それにし
コロとしたあたりで、適当なルンゼを下降
ても、潅木に熊の爪研ぎの鋭い疵跡が生々
すると、ジャスピタで大雪渓の終点に降り
しい。緑色の大きな糞もある。恐いので笛
をピーヒャラピーヒャラ吹きながら歩く。 立つことができました。(見事なまでの天
才的なルーファイ担当は私です。)
1時間ほどの登りで鞍部に登り着く。そ
こから、楢俣川の急斜面を転げ落ちるよう
そうこうするうちに雨も止んで爽やか
に降下する。次第に沢形が出てきた。クラ
な青空が出てきた。楢俣川は果てしなく美
イムダウンできない滝も出てきた。何度か
懸垂になる。眼下に長大な雪渓が見え出し
しい。真夏の陽光に飛沫がキラキラと輝い
た頃、突然の雷雨になる。冷たい風も出て
ている。両岸に咲く白根葵の妖艶な薄紫に
きてブルブルに寒い。
見とれていると、烏合の衆はテン場予定地
最初の雪渓は200mくらいか?ハラ
のススヶ沢を見落としてしまう。気がつい
ハラドキドキしながら、そっと乗っかって
たら南沢に到着していた。まだ14時だけ
ヒドン・クレバス・タイト・ロープ・コン
ど、飲みたくて、飲みたくてドーモ仕方な
テニュアス・ビレイ風(?)でスッテンス
くてテントを張ることにした。
ッテンに滑って歩く。この雪渓は末端のヘ
高山さんがキレイな模様(なのに獰猛な
リからうまいこと降りられた。
顔)の岩魚を5匹も釣ってきてくれた。一
次の雪渓は命知らずの佐田さんが果敢
匹は骨酒にして、あとは、贅沢にも一人一
み、結果、今日の膝は赤紫色です。
♪♪ ♪ d(͡o͡)b ♪ ♪♪ ♪ d(͡o͡)b ♪ ♪♪ ♪ d(͡o͡)b ♪ ♪♪ ♪ d(͡o͡)b ♪ ♪♪
匹づつ焚き火(遠赤外線)で焼いていただ
く。油コゴミのおひたしもウマかった。
さて、今夜の食当は佐田さんだ。佐田さ
んの料理はいつもながら、佐田さん同様に
一風変っている。
<佐田さんの夕食メニュー>
◇図らずも石焼ビビンバになってしまっ
た「ピラフ&チキンライス」
◇大人気!何度喰っても絶対に飽きない
毎度お馴染み胡瓜入り「ポテトサラダ」
◇珍味キクラゲ大量入り麺固(メンカタ)
「豚骨ラーメン」
スノーブリッジを潜る。
酔っぱらったところで、恒例の花火大会
を開催する。派手なナイヤガラみたいな花
火より、地味な線香花火に人気が集まる。
線香花火は我々のような色褪せた中高年
の<先細る人生>そのもののようでなん
ともモノ悲しい。あぁ・サビシー。
その線香花火すら終えた高山さんは、焚
火の暖を求めて一人寂しく外で寝るが、朝
方の雨でテントに逃げ込んでくる。と、同
時に皆で一緒にオシッコに出る。
ふと、夜空を見上げると星がキラキラと
輝いている。明日もきっと良い天気になり
そうだ。
8月13日(日)快晴
南沢出合い 6:45∼矢種沢先の踏み跡出合
い 10:40 ∼ 林 道 11:00 ∼ 湯 の 小 屋 温 泉
14:10
朝から炒めものの中華料理(一応、美味
しいけどね。)で少し出発が遅れたが、今
日は楢俣川を4時間下降して、林道を3時
間歩くだけだ。バカ長い林道歩きの退屈と
灼熱地獄が予測されるが、仕方なし耐える
しかない、ということで出発する。それに
しても、今日も楢俣川は美人だ。
そして、とうとう、沢を終えて、件の退
屈&灼熱林道は、恒例となった<ご当地ク
イズ大会大会大会∼(エコー)>で、長歩
きのツラサを紛らわす。優勝はいつもなが
ら私(自慢)でドンケツは高山さん。
<カヌ沈隊との遭遇>
林道の途上、高桑信一さんの著書「渓を
わたる風」のグラビアでその長い顔と鋭い
眼光に見覚えのある「カヌ沈隊」の隊長と
交差しました。スッキリ痩身・荷物レスの
隊長は、颯爽とした立ち居振舞いで、舶来
風のマウンテンバイクを顔同様に随分と
長い足で一人軽やかにこいでいました。そ
の後方からは、大きなザックを背負った汗
ポタポタの料理長、続いて汗ダラダラの奴
隷、最後尾からは、膨大な酒と食材を(昔
懐かしい一輪式の手押し荷車で)運ぶ脱水
症状寸前の奴隷候補とおぼしき数人が続
いていました。(皆、元気&楽しそうに生
き生きとしていました。)虎毛沢でカヌ沈
隊のバン(車)にイタズラ書きしたのは何
を隠そう「私」でーす、と敦子が挨拶をす
ると皆一様に盛りあがってくれました。そ
んなとても素敵な人達でした。
い握手を交わす。早速、お風呂に入って6
日間のドロドロを洗い流す。
身も心もスッキリして、タクシー、新幹
線と、間髪無く乗り継いで、あっという間
に帰京。東十条の「あぶくま」で厳しくも
楽しかった山行を祝して乾杯。
(そういえ
ば、今回、あぶ、一匹もいませんでした。)
楽しいメンバーと周到過ぎるくらいの
執念の計画で充実した夏休みでした。
遅咲きの水芭蕉の花
そして、とうとうフィナーレ、湯ノ小屋
温泉の「葉留日野山荘」に到着。4人で固
└(・-・)┘┌(-.-)┐└(・。・)┘♪┌(-.-)┐└(・。・)┘
線香花火
湿原に佇む池
楢俣川
綺麗なぶな林
奥只見・アサユウ沢 クロウ沢 遡行
∼大白沢池∼南田代付近の湿原巡り∼赤倉岳登頂∼
奥利根・楢俣川 下降