51 2013年 9月発行

おうめのとしょかん
no.51
中央図書館特設展示 平成25年8月1日(木)∼9月29日(日)
祝!世界遺産!富士山を知ろう
中央図書館3階特設展示コーナーでは、定期
的にテーマを決め、関連する本を集めて展示し
ています。
今回は6月22日に『富士山』が世界文化遺
産に登録されたことにちなみ、富士山と日本の
世界遺産に関する本や資料を紹介しました。
郷土博物館の協力も得て、大正時代の富士登
山朱印、富士山をモチーフにした品々や古いお
札等をお借りし、あわせて展示したところ多く
の方々が展示ケースの前で足を止め、じっくり
と見入っていました。
新町の「富士塚公園」内にある「富士塚」は、
富士山信仰が青梅でも行われていたことを今に
ほこら
伝える場所となっています。今では、 祀 は新
うつ
町御嶽神社に遷されてしまいましたが、塚は今
でもこの地に残されています。
また、「今寺天皇塚水田」は、平成16年11
月に国土交通省関東地方整備局の「関東の富士
見百景」に選ばれるなど、青梅にも富士山ゆか
この展示では、誰もが知っている富士山をよ
り身近に感じていただくために、青梅ゆかりの
富士山スポットの紹介もしました。
りの場所を見つけることができました。
3階特設展示では、今後もいろいろなテーマ
で、本を通して皆様に新たな発見や感動をもた
江戸時代、富士山を信仰の対象としていた
人々が富士講をつくり富士登山が盛んに行われ
ていました。しかし、登山には多大の費用と健
康な身体が必要で、さらに女性に至っては登拝
が禁じられていたので誰しもがというわけには
いかなかったのです。そこで各地に富士山をか
まつ
たどった塚山を築き、頂上に浅間社を祀って誰
らす企画を考えていきます。
どうぞご期待ください!
次回の展示は
「読書の秋!
∼日本の名作を見直そう∼」
です。お楽しみに!
でも登拝できるようにしました。
館報「おうめのとしょかん」 NO.51 2013年(平成25年) 9月発行
編集・発行 青梅市中央図書館 青梅市河辺町10−8−1 電話0428−22−6543
青梅市図書館ホームページ https://www.library.ome.tokyo.jp/index.asp
行事報告 市民講座∼地域文集『多摩の子』の誕生
『多摩の子』といえば西多摩の小学校出身者
であればほとんどの方がご存じでしょう。懐か
しいと思われる方もいらっしゃるのではないで
しょうか。
今回の講座では『多摩の子』の誕生について
中央大学講師の沖川伸夫氏に語っていただきま
した。
『多摩の子』は西多摩地区の小学校に通う児
童が書いた詩や作文を先生方が選定し、作品全
文とそれについての批評やコメントものせた小
冊子です。発行は年に3冊(1学期に1冊)で
学年ごとに発行されています。最終ページには
惜しくも掲載はされませんでしたが佳作となっ
た児童の名前と学校名も載せられています。
「今
回はだれがのっているかな?」とみんなでわく
わくしながらページを開いたという経験をされ
た方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
講師の沖川氏も自分の作文が掲載され、うれ
しかったという経験をお話しくださいました。
掲載される児童は学校内で何人もいないため、
全校の朝礼で発表され誉められたそうです。し
かし後に西多摩地区以外ではだれも
『多摩の子』
を知らなかったということで大変おどろいたそ
うです。
『多摩の子』は昭和24(1949)年に創
刊されました。創刊のきっかけは綴方教育の第
い ま い たか じ ろ う
一人者である今井 誉 次郎 が学童疎開の引率教
師として成木へ赴任した後に西多摩国民学校へ
転任し、調布小(現第二小学校)で行われた国
語研究部会で地域文集を出すことを決定したこ
とでした。西多摩の各小中学校から14名の編
集委員が参加し、創刊号を発行しました。創刊
号のタイトルは『雪の子』でした。
創刊当時は戦後間もないころで物資も不足し、
生活も大変な時代でしたが、先生方の活力とや
る気で夜遅くまで編集を行ったそうです。
創刊号が発行されると反響が大きく、子ども
からお年寄りまでみな発行を楽しみにしていた
ということです。文を書くことによる生活教育
の進展と将来の担い手の養成を目的とし、地域
社会に働きかける文化運動として高く評価され
ました。
タイトルははじめ季節にちなんだ名前を続け
る予定でしたが2号から『多摩の子』となり、
現在も継続して発行されています。
『多摩の子』は作文教育において高い評価を
受けており、日本作文の会から第22回北原白
秋賞を贈られています。
講演の参加者の中にも多摩の子に作品が載っ
た方が何人もいらっしゃいました。みなさん熱
心に楽しく講演に聞き入っていました。
∼講座の様子∼
地域
紹介
こ
む
そう
虚無僧の総本山
「虚無僧」をご存じでしょうか。尺八を手に
編み笠を目深にかぶって明暗と書かれた箱を前
に下げている黒衣の僧。時代劇等でしばしば登
場するので、知っている方は多いのではないで
しょうか。その虚無僧たちの活動拠点である本
山が江戸時代の新町にあったのです。
武蔵野にはかつて原野がひろがっていました。
新町は、吉野織部之助が江戸幕府から許可され、
原野を拓き新田開発を行った土地です。そして
青梅街道沿いに集落をつくりました。その西の
端には鈴法寺という寺がありました。現在の鈴
法寺は公園となり、本堂をはじめ門などの建物
は何も残されていません。青梅街道にある「鈴
法寺跡前」という信号やバス停にその名をとど
めています。跡地の公園は東京都の旧跡に指定
され、そこには歴代住職の墓を残すのみとなっ
ています。
新町開拓の指導者となった吉野織部之助は武
州忍城(現在の埼玉県行田市)の成田家の家臣
で、秀吉方に城を攻められた際に知り合いのい
たこの地に移ってきました。
新町の開拓が許可されたものの、この土地は
水利に恵まれていなかったため、井戸堀の職人
鈴法寺
を探しに入間郡柏原村の親戚を訪ねた際に若い
虚無僧と居合わせました。見るとその虚無僧は
織部之助が忍城に仕えていたころの朋輩の遺子
でした。僧は川越の鈴法寺の住職で月山養風と
いいました。この出会いがきっかけで、月山養
風は鈴法寺を新町に移すことを決心します。
鈴法寺は廓嶺山虚空院鈴法寺といいました。
宗派は普化宗といい、宗派を統括する総本山で
した。僧は幕府から托鉢を許可され保護された
ため繁栄しました。幕府も国内の偵察に虚無僧
を利用していたとあります。その保護と権力を
知って偽物の虚無僧も現れたといいます。明治
になると廃仏毀釈により宗派は廃止され、鈴法
寺も廃寺となりました。寺は払い下げられ農家
が倉庫として使用していたそうです。境内にあ
った薬師堂と「武叢禅林」の木額が新町の東禅
寺に残されています。
鈴法寺について書かれた図書は『虚無僧 普
化宗鈴法寺の研究』山下彌十郎著があります。
鈴法寺近辺にお越しの際は、ぜひ足を延ばし
てみてください。
参考文献 新編武蔵風土記稿 第六巻
青梅を歩く本 青梅市教育委員会
中央図書館からのお知らせ
長年にわたり読み続けられている児童書のシリーズ「青い鳥文
庫」で大きな文字の本が青梅市中央図書館に配架されました。
弱視のこどもたちが読みやすい様に、活字は、通常の2.5倍
のサイズです。弱視のこどもたちはもちろん、小さな文字が読み
づらくなったシニア世代の方にも読みやすく、楽しんでいただけ
ます。中央図書館3階のYAフロアに平成25年9月現在で29
タイトル、
50冊あります。
(文字が大きいので1タイトルが2冊
以上になる物があります)ぜひ、一度手にとって見てください。
<所蔵作品の一部>
書名
著者名
しっぽをなくしたイルカ
岩貞 るみこ/作
黒魔女さんが通る!! PART2上・下
石崎 洋司/作
ハチ公物語
岩貞 るみこ/作
若おかみは小学生! Part2
令丈 ヒロ子/作
走れメロス 上・下
太宰 治/作
青い鳥 上・下
メーテルリンク/作
出版者
講談社
講談社
講談社
講談社
講談社
講談社
館長からのひとこと
です。今後が、楽しみな作家ですので、皆さん
応援お願いいたします。
ところで、青梅市にゆかりの作家といえば、
青梅市中央図書館
館長 星 野 和 弘
青梅市出身 新進歴史小説家誕生
や つ やぐるま
∼「谷津矢車 」を知っていますか。∼
青梅市に新人作家
が誕生しました。
(本人近影)
多くの方が「吉川英治」の名を上げられます。
他にも、干刈あがた、高田浪吉、高垣眸、児
童書では、味戸ケイコ、本橋靖昭、こぐれけ
いすけ、糸川京子、にしがきようこ、小林敏
也などがおります。
青梅が登場する作品につきましては、三島由
谷津氏は、東京都
紀夫の『宴のあと』では、永山公園の忠霊塔や
青梅市出身の歴史小
戦後の青梅の町の風景などが描かれています。
説家で、1986年
また、山本有三の『真実一路』では、吉野梅郷
生まれの今年27歳。
が舞台となっております。干刈あがたの『野菊
中学生のころから小
とバイエル』では、現在の第四小学校創立時の
説を書き始め、
子どもの生活が描かれています。中里介山の大
2012年に『蒲生
菩薩峠では机龍之介と盗賊裏宿七兵衛が万年橋
の記』で第18回歴
で出会う場面や御嶽神社も登場します。壇一雄
史群像大賞優秀賞を獲得しました。
らくちゅうらくがいがきょうでん
2013年3月に歴史小説『 洛 中 洛外画狂伝
か の う えいとく
狩野永 徳 』(学研パブリッシング発行)でデビュ
ーしました。この作品は出だしから引き込まれ
る気持ちの良い小説です。狩野永徳は、安土桃
の火宅の人では青梅のてんぷらやさんが登場し
ます。
色々な作品がありますので楽しんでいただけ
れば幸いです。
(敬称略)
らくちゅうらくがいがきょうでん
か の う えいとく
山時代の絵師で、
狩野派の代表的な画人であり、
※『 洛 中 洛外画狂伝
日本美術史上もっとも著名な画人の一人であり
では中央図書館と大門図書館に所蔵があります。
ます。年内には第2作目が発行されるとのこと
(平成25年9月20日現在)
行事報告 中央図書館映画会
狩野永 徳 』は青梅市内
∼夏のディズニーえいがまつり∼
平成25年8月21日(水)、中央図書館多目的
室で映画会が行われました。
青梅市中央図書館では年に数回映画会を行って
おりますが、今回は夏休み中ということもあり子
ども向けの映画を上映することとなり、
「夏のデ
ィズニーえいがまつり」を開催しました。2作品
上映しまして、1 作品目に『チップとデール』
、2
作品目に『ドナルドダック』を上映しました。
1作品目の上映と2作品目の上映の間にはゲリ
ラ豪雨なども降りましたが、暑い中2作品合わせ
て延べ126人もの方にご来場いただきました。
ディズニーキャラクターたちのコミカルな動きに来場者の方々の笑い声が絶えない映画会となり
ました。次回は冬頃の開催を予定しています。また多くの方のご来場をお待ちしています。