国際市場性

AC/135/2002
2002 年 12 月 13 日
規格中の essential differences in requirements (国際市場性)
評議会は最近、IEC 規格における essential differences in requirements の実施−厳密に特定さ
れた場合−を取り扱った文書を承認した。これは、IEC 規格に準拠した製品を世界市場の主要な
分野(major segment)のさまざまなニーズに適合させるために、実施されるものである。
教育・情報プログラムについては、来年初頭に回付する。
“CB 決議 2002/016:
CB は、最初に承認済みの GRTF 勧告の精神を尊重する、付属書* 記載の改訂版実施手続を早
期実施にむけて承認した。この実施手続は 2 年の期間をおいてレビューされることに留意する。
この決議に基づき CB は、IEC TC/SC がこの新手続を実施するための教育・情報プログラムを作
成するよう中央事務局に指示した。
また、SMB に対して、IEC 規格に essential differences in requirements および法的規定が組み
込まれることを監視するシステムを設けるよう指示した。”
* 本文書の付属書参照。
附属書
IEC 規格における essential differences in requirements の実施
1.
Essential Differences in Requirements
IEC 規格の条件を満たす製品を世界市場の主要な分野(major segment)におけるさまざまなニー
ズ に 適 合 さ せ る た め に 、 ― 厳 密 に 特 定 さ れ た 場 合 に お い て − 、 essential differences in
requirements を当該 IEC 規格本体または normative annex に、normative 要求事項として組み
込むこととしてもよい。
その他の場合、すなわち世界市場の主要製品の分野ではないが、おおいに規格ユーザの助けに
なると思われる場合には、このような essential differences in requirement を参考附属書として
組み込むことが望ましい。
IEC 規格の規定(normative) 部分に組み込まれる essential differences in requirements は、
以下のうち一つがその基盤となっていなければならない。
a) 技術インフラ における相違
電気システムを特徴付ける essential differences は、
−
周波数
−
電圧
−
電流
−
接地システム
である。
周波数は IEC 60196、電圧は IEC 60038、電流は IEC 60059、接地システムは IEC 60364 に、
それぞれ示されている。
Directives part 2 の附属書 E によれば、alternative sizing に基づく essential differences も規格
に組み込むことができる。
b)
気候条件の相違
IEC 60721 で引用されており、分類システムに基づいている。
上記以外の特質に基づく essential differences in requirements で、IEC 規格の規定として組み
込まれ得るものは、当該 TC/SC で検討を加えるために NC によって提出されなければならない。
コンセンサスが得られなかった場合は、既存の SMB 異議申し立て手続が適用される(Directives
part 1、第 5 項)。
Essential difference in requirement を規格に組み込むか否かは、明確なルールに基づいて決
定されなければならない、第 5 項参照(implementation issues)。
Essential differences in requirements とは、異なる規格を並行して作ることを意味するのではな
い。また、その手続は、既存または作成中の IEC 規格の中にある、他の大部分の要求事項と十
分に整合させることができると TC/SC が認めた場合にのみ、用いられる。
Essential differences in requirements の提案は、その必要性の根拠も含めて、当該 IEC 国内
委員会の承認を受けなければならない。
その提案には、技術的な妥当性及び市場適合性の根拠が含まれていなければならない。また、
その結果作成された IEC 規格が、国内でどのように取り扱われることになるかが示されていなけ
ればならない。
このような essential differences in requirements は、CDV段階では組み込まれているようにする
ためにできる限り早い段階(NWIP)、遅くとも CD の段階で提出されなければならない。どの場合
でも、NWIP に適用可能な IPR 規定は適用されなければならない。
規格中の規定(normative)部分に essential differences in requirements を含んだ CDV、FDIS
に投票する際、国内委員会は、このような differences が組み込まれていることそのことを反対投
票の理由としてはならない。
Essential differences in requirements に関係した全ての反対票は、いかなる段階 (NP, CDV,
FDIS)であっても、技術的、市場的根拠を添えなければならない。
2.
法・規制的要求事項
法・規制的要求事項に基く essential differences は、当該 IEC 規格の参考附属書に組み込まれ
ることとしなければならない。この附属書には、要求事項の技術的根拠および要求事項につき責
任を負う国内省庁・当局とともに、法律・規則の reference が示されていることが望ましい。
規格本体の関係条項で、附属書への参照をつけること。
3.
”in some countries” 条項
依然として、IEC 専門業務用指針の IEC 補足指針にしたがって“in some countries”条項を適用
しても差し支えない。しかしながら、重複を避けるため、上記の手続を 2 年間実施した後にこの条
項の関連性を見直さなければならない。
4.
既存規格の改訂
既存規格を改訂するには、上記手続のうちのいずれかの提案を関係 TC/SC 幹事に送付しなけれ
ばならない。
既存規格の改訂にあたり、国内委員会が essential differences in requirements を要求する場合
には、その正当化根拠を含めた提案を当該 TC/SC の幹事に送らなければならない。当該 TC/SC
の幹事は、その後、当規格のメインテナンスサイクルに関する特例の要求を標準管理委員会
(SMB)に送っても差し支えない。
国内委員会が特例の要求を TC/SC 幹事に送る場合は、同時に SMB 事務局にもそのコピーを送
らなければならない。
5.
Implementation issues
IEC/SMB は、IEC 規格への essential differences in requirements 及び法的規定の組み入れを
監視するためのシステムを導入しなければならない。
SMB/DMT は、上記手続に適合するよう、既存手続を見直さなければならない。
TC/SC 役員・国内委員会幹事のための、広範囲にわたる教育情報プログラムを実施することが
望ましい。
定期報告が、2 年後にこの手続を見直す際の基盤となることが望ましい。