邦銀のロシア進出とその背景 - 服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ

邦銀のロシア進出とその背景
ロシアNIS経済研究所 調査役
服部 倫卓
はじめに/37
1.ユーラシア三菱東京UFJ銀行の設立/37
2.みちのく銀行からみずほコーポレートへ/39
3.三井住友銀行の選択/41
おわりに/42
に営業を開始した。外国の銀行がロシアに支
店を開設して営業活動を行うことは、認めら
れていない。銀行事業を行うためには、ロシ
アに新たに現地法人の銀行を設立しなければ
ならないのである。これまで日本からは、み
はじめに
ちのく銀行の進出例があったものの(後述)、
ロシア経済が好景気に沸き、日系企業のロ
シア進出が拡大するにつれて、邦銀もまたロ
都市銀行∼メガバンクとしては三菱東京UFJ
が現地法人設立第1号となったわけだ。
シアへのアプローチを強化している。日本の
12月にユーラシア三菱東京UFJ銀行を実際
いわゆる3大メガバンクは、いずれもここ1
に訪問する機会があったので、以下ではその
∼2年で、ロシアでの足場を構築する動きを
時にうかがったお話などをもとに、同行の概
見せている。そこで本稿では、邦銀のロシア
要を整理することにする。
進出に関する事実関係を整理して示すととも
に、若干のコメントを述べることとしたい。
現地法人の概要
ユーラシア三菱東京UFJ
なお、本誌2006年5月号に掲載された「ロ
銀行は、三菱東京UFJ銀行が100%出資する閉
シアの金融市場開放と日本のメガバンク」
「ロ
鎖型株式会社である。頭取は、宗近眞一郎氏。
シアでも『家庭の銀行』を実践」の2つの記
宗近氏は、これまではロシアととくに縁がな
事も併せて参照していただければ幸いである。 かった方だが、米国などでの勤務を経て、2005
年10月からロシアに赴任して現地法人設立の
1.ユーラシア三菱東京UFJ銀行の設立
準備作業を手がけ、発足とともに頭取に就任
されたわけである。
三菱東京UFJ銀行がロ
ユーラシア三菱東京UFJの行員は、まず日本
シアに設立した現地法人「ユーラシア三菱東
から派遣されているのは、宗近頭取と、副頭
京UFJ銀行」は、2006年8月17日にロシア中央
取がもうお一人。ロシア人スタッフは、役員
銀行から銀行ライセンスを取得し、11月1日
2名を含め、総勢20名強とのことである。
メガバンク一番乗り
ロシアNIS調査月報2007年2月号
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特集 ロシアビジネスと銀行
ユーラシア三菱東京UFJの資本金は30億円
となっている(それに相当するルーブルで払
下りた。提出させられる書類には、経営幹部
の学歴証明までもが含まれていたという。
い込み)。ただ、ロシアの場合、大口融資規制
もう一つ大変だったのが、人材の確保だっ
というものがあり、1社に貸し出せる融資が
たようだ。ロシアでは、英語を理解し市場経
基本的に資本金の25%以内に制限されている。 済に柔軟に適応できる人材(必然的に30代の
こうしたことから、今後中期的には、諸条件
半ばくらいまでの年齢層に限られる)が逼迫
を見極めつつ増資を検討する必要が出てくる
しており、完全な売り手市場となっている。
というご認識のようだ。
そうした人材の給与水準は全般に急騰してい
現在のところろ、ユーラシア三菱東京UFJ
るが、金融部門ではさらに甚だしいようだ。
の店舗は、モスクワにある本店の1店舗のみ
しかも、若く有能なロシア人は常に転職の機
である。しかし、将来的にはサンクトペテル
会をうかがっているので、せっかく雇っても
ブルグに支店か出張所を設ける可能性もある
定着してくれるとは限らない。三菱東京UFJ
模様である。これから、トヨタや日産のプロ
では、2005年中に必要な現地人スタッフの雇
ジェクトに関連して日本企業のサンクトペテ
用をすでに終えていたものの、開業までに2
ルブルグ進出が増えると予想されるだけに、
人が辞めてしまったそうだ。
注目される点である。
ユーラシア三菱東京UFJの取り扱い可能な
現法設立のねらい それでは、三菱東京UFJ
通貨には、ルーブル、米ドル、ユーロ、円、
銀行は、ロシアに現地法人を設立して、どの
英ポンドがあるとのことである。ロシア国内
ような事業を手がけようとしているのだろう
取引は当然ルーブル建てであり、対外決済は
か。それは、トヨタおよび関連進出企業に代
ロシアの場合ドルが多いので、顧客は一般的
表されるような、ロシアに進出する日系企業
にはルーブルとドルの口座を開設することに
向けの法人取引に尽きると言っていいだろう。
なるとのご説明であった。
同行が昨年10月に発表したプレスリリースで
は次のように説明されていた。
現法立ち上げに際してのご苦労
宗近頭取
からお話をうかがったなかで、とくに印象的
ロシア連邦は、「BRICs」と呼ばれる新興
だったのは、設立許認可手続きの煩雑さと、
経済国のひとつであることに加え、近年の
現地職員確保のご苦労であった。
原油価格上昇等を背景に急速に経済を好転
ロシアでは、業種にかかわりなく、現地法
させており、中東欧諸国とともに本邦企業
人および駐在員事務所の開設・運営に、面倒
の進出が活発な地域です。三菱東京UFJ銀行
な書類上の手続きが必要とされる。銀行の場
は、同地において日系金融機関として多彩
合には、ロシア中央銀行が厳格な審査にもと
なサービスを提供できるよう、ユーラシア
づいて銀行ライセンスを発給しているという
三菱東京UFJ銀行を開設することといたし
こともあり、現地法人の開設にはことのほか
ました。これにより、企業のお客様に対す
多大な手間暇がかかるようだ。三菱東京UFJ
るロシアルーブル建て取引を中心とした、
の場合も、長期間の準備作業を経て、2005年
預金・融資・為替取引やキャッシュマネジ
11月に3,000ページにも上る申請書類を中銀に
メントサービス等、幅広いサービスを提供
提出し、2006年8月にようやくライセンスが
してまいります。
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ロシアNIS調査月報2007年2月号
邦銀のロシア進出とその背景
逆に言えば、現時点ではリテール・サービ
供サービスなどを手がけてきた。
スの計画はなく、また法人取引においても、
興味深いことに、三菱東京UFJ銀行は、現地
日系以外のロシア企業等との取引は重視され
法人設立後も、並行して駐在員事務所を維持
ていないことになる。
し続けている(オフィスは現地法人と同じビ
まず、リテール・サービスについては、そ
ルに所在)。駐在員事務所の方は、品川透所長
もそもロシアの銀行法上、新銀行設立から2
と、ロシア人スタッフ3名という体制で営ま
年間は個人向けの口座を開設できないという
れている。
縛りがある。それは別にしても、ユーラシア
現法と駐在員事務所との間には、明確な住
三菱東京UFJでは、2年目以降についても、個
み分けがある。最近、ロシアの大企業や大銀
人口座を開設するかどうかは白紙としている。 行は、ロンドンなど欧州市場で億ドル単位の
増してや、今ロシアで活況を呈している消費
資金調達を盛んに行うようになり、その際に
者向けローンなどは、まったく同行のビジネ
日本の主要銀行も貸し手に名を連ねている。
スモデルに入っていないわけである。
モスクワにある三菱東京UFJの駐在員事務所
ただし、在留邦人にとってみれば、せっか
く日本の銀行が来てくれるのだから、そこに
は、こうした取引をサポートする役割を果た
しているのである。
自分の個人口座を開きたいと思うのは当然で
つまり、現法が日系企業を相手にし、駐在
ある。そこで、ユーラシア三菱東京UFJとして
員事務所がロシア企業を相手にするという役
も、日系企業の駐在員の個人口座については、
割分担になっているわけだ。ロシアに設立さ
検討課題として捉えている模様である。実現
れたユーラシア三菱UFJが、現時点でロシア企
すれば、日系企業の駐在員への給与振込みな
業向け融資を基本的に想定していない背景に
どで、利便性が高まることになろう。
は、こうした実態があると言えよう。
また、取引相手企業を基本的に日系に絞る
ことに関しては、経営資源が限られているな
2.みちのく銀行からみずほコーポレートへ
かで、日系への対応に万全を期そうとすれば、
ロシア企業と取引する余力は自ずと限られて
現法の買収を発表
みちのく銀行とみずほ
しまうということのようである。ただし、日
コーポレート銀行は2006年10月12日、前者が
系企業の取引相手であるロシア企業を顧客に
ロシアに設立した現地法人の発行済株式の
加えるといったことは想定されているようで、 100%を後者が取得する旨の契約を締結した。
全面的に排除されているというわけではない
本誌の読者には、いまさら説明するまでも
ないであろう。みちのく銀行は1999年、邦銀
ようだ。
としては初の100%出資現地法人「みちのく銀
現法と駐在員事務所が並存
三菱東京UFJ
行(モスクワ)」を、モスクワ市に設立した。
銀行は、以前からモスクワに駐在員事務所を
同行は、2002年にはユジノサハリンスクに、
もっていた。かつての東京銀行が1992年にモ
2003年にはハバロフスクに支店を開設。
「家庭
スクワに事務所を開設し、それが今日まで連
の銀行」を名乗るみち銀らしく、ロシア現法
綿と続いてきた形である。むろん、事務所な
も住宅ローンなどリテール部門に力を入れた。
ので、銀行としての営業活動はできなかった
この個性豊かな、邦銀初の現法が、メガバン
が、現地情報の収集や、日系企業への情報提
クの手に委ねられることになったわけである。
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特集 ロシアビジネスと銀行
みちのく銀行(モスクワ)の資本金は10億
しかし、ここに来て、ロシアに進出する日系
ルーブル(40億円強)で、発行済普通株は1,000
企業が増えるなかで、同行にとっても現法設
万株である。みずほコーポレートはその全株
立の課題が差し迫ったものとなってきたので
を取得する。買収金額は正式には発表されて
あろう。
いないが、新聞報道では70億円という金額が
報じられた。
ただ、ロシアで新たに銀行を設立するとな
ると、相当なコストや時間を要することにな
なお、株式の譲渡は、日ロ両国の当局から
る。その点、すでにライセンスを受けて営業
認可を取得次第、実行されることになってい
している既存の銀行を買収するということで
る。本件の場合、ロシア側では連邦反独占局
あれば、所要コスト・時間を削減できるはず
と中央銀行、日本側では金融庁の認可を得な
だ。したがって、みち銀が整理しようとして
ければならない。現時点では、一連の手続き
いるロシア現法は、みずほ側にとっては魅力
が完了し譲渡が実現するのは2007年の夏頃と
ある資産ということになる。このように、双
予想されている。当然のことながら、それに
方の思惑がうまく一致した結果、今回の経営
伴い、銀行の名称は「みちのく」から「みず
譲渡が合意されたのだと推察される。
ほ」へと変わることになる。
みずほは現状維持を強調
双方の思惑が一致
ただ、誰もが疑
そもそも、みちのく銀
問に思うのは、みち銀およびその現法と、み
行のロシア・ビジネスは、故大道寺小三郎会
ずほコーポレートでは、性格が違いすぎるの
長の強力なリーダーシップの下に推進されて
ではないかという点である。現時点のみちの
きた経緯がある。しかし、2005年に大道寺氏
く銀行(モスクワ)は、中小ビジネスやリテ
が会長職を辞し逝去されるのと前後するよう
ールに持ち味があり、極東にも2つの支店を
に、みち銀本体の経営刷新の課題が浮上した。
有する一方、これまで日系の大企業とのホー
経営資源を地元青森に集中する方向が必須と
ルセール取引では必ずしも充分な実績を上げ
なり、その一環として、必ずしも思うような
てこれなかった。これに対し、みずほコーポ
収益を上げていなかったロシア現法の見直し
レート銀行は、その名のとおり法人取引に特
が急務となったということのようである。
化した銀行である。海外では個人口座を受け
その際にクローズアップされたのが、みず
付けていない場合がほとんどであり、当然の
ほコーポレート銀行の存在である。実は、み
ことながら住宅ローンの類とは無縁だ。ロシ
ずほフィナンシャルグループに合流した都市
アでの同行のねらいは、日系進出企業との取
銀行の一つである旧富士銀行は、昔からみち
引のはずで、だとすれば商売の中心はモスク
のく銀行と密接な関係があり、今日もみち銀
ワになり、極東の支店は要らないのではない
はみずほグループ出身の会長の下で経営の刷
か?
新に取り組んでいるという縁がある。
は現法を買収しても、リテール部門や極東の
一方のみずほコーポレート銀行側からする
と、これまで同行はロシアに拠点をもたず、
こうしたことから、業界では、みずほ
支店を維持しないのではないかと勘ぐる向き
も一部にあるようだ。
ロシアに出ようとする顧客に対しては、提携
これについてみずほの関係者は一様に、
「現
先のライファイゼンバンク(オーストリア系
状維持」を強調している。確かに、既存のオ
の外資銀行)に紹介する形で対応していた。
ペレーションをそのまま維持するという前提
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邦銀のロシア進出とその背景
だからこそ、ロシア当局の認可も簡略化され
2007年2月の開設を予定している。
るということを考えれば、現状維持がマスト
駐在員事務所には、現法の経営がみずほ側
ということになるのだろう。もちろん、経営
に移管されるまでの過渡期に、ロシアにおけ
の移行が無事完了したあとに、みずほコーポ
るみずほのプレゼンスを確保するとともに、
レートが将来的にどのような分野に経営資源
許認可手続きをスムーズに進めるという役割
を重点的に配分していくかは、同行の戦略に
が課せられているようだ。
かかってくるわけである。
ただし、現法の買収が完了したら事務所の
というわけで、店舗は極東の支店も含めて
役割は終わりかというと、必ずしもそう決ま
現状のままひとまず引き継がれることになる
っているわけではないようだ。三菱東京UFJ
見込みである。口座も、法人・個人問わず維
銀行と同じように、現法と事務所が役割を分
持され、口座番号も変わらないという。
担し合って並存していく可能性もある由。
現在、みちのく銀行(モスクワ)では、極
東の支店も含め60名あまりの現地職員が働い
みち銀とみずほの業務提携
みちのく銀行
ているが、彼らの雇用も維持されるようだ。
とみずほコーポレート銀行は、現法の株式譲
オペレーションを引き継ぐ以上、既存の職員
渡契約を結んだのと同じ10月12日に、業務提
に働いてもらうのがベストとの判断のようで
携に関する契約にも調印している。
ある。むしろ、上述のような売り手市場ゆえ
主な内容は、相互の顧客紹介であるという。
に、現地職員が流出したりすることのないよ
つまり、現法がみち銀に属している間は、み
う、腐心しておられるようだ。さらに、これ
ずほの顧客をみち銀に紹介すること。逆に現
から経営がみずほに移って、新たに日系企業
法がみずほ側に譲渡されて以降は、みち銀の
とのホールセール取引に注力していくうえで、 顧客をみずほに紹介することになっている。
それに必要な人材の新規採用についても検討
しておられる様子である。
3.三井住友銀行の選択
現法の日本人幹部については、当然みずほ
コーポレート銀行から何人かが派遣されるこ
最後に、メガバンクのもう一つの一角、三
ととなろう。ただし、みち銀の行員が出向と
井住友銀行のロシアへのアプローチを見てみ
いう形でしばらく現法に残る可能性はありそ
よう。
うである。上述のように、ロシアでは銀行幹
三井住友銀行は、EUの一層の拡大による大
部の学歴証明まで求められ、そうした手続き
市場の誕生をにらみ、2003年3月に英ロンド
に思わぬ時間がかかったりするため、日本人
ンに本店を置く子会社「欧州三井住友銀行」
幹部を一気にすべて入れ替えるのは現実的で
を設立しており、これがEU圏だけでなくロシ
ないという事情もあるようだ。
ア・中東・アフリカなど隣接地域もカバーす
る体制がとられているようだ。そして、この
現法にさきがけて事務所を開設 みずほコー
ポレート銀行は、現法買収の認可手続きと同
欧州三井住友銀行が、2005年8月22日にモス
クワに駐在員事務所を開設している。
時並行的に、モスクワに駐在員事務所を開く
同事務所の白井健史所長に12月にお話をう
作業を進めてきた。2006年12月21日にロシア
かがったところによると、事務所を開いた目
中銀から事務所設置許可を取得しており、
的としては、まずロンドンを拠点に手がけて
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特集 ロシアビジネスと銀行
いるロシアの大企業・大銀行向けの融資が拡
おわりに
大してきたので、そのための情報収集を強化
以上、簡単に見てきたように、日本のいわ
するという点が一つ。それに加え、日本企業
ゆる3大メガバンクは、方法の違いはあるに
のロシアへの関心・進出が増えてきたので、
せよ、いずれもここ1∼2年でロシアに拠点
三井住友銀行の顧客層のそうしたニーズに対
を構える動きを見せている。そして、3行の
応する必要が出てきたことが挙げられるとい
ロシア市場への基本姿勢も、それほど大きく
う。
違っているわけではない。
すでに述べたように、最近になって、ロシ
まず、日系メガバンクにとっては、ロシア
アの大企業がロンドンなどのオフショア市場
の大企業向けの融資が、一つの柱となる。た
での資金調達を活発化させている。他方、日
だし、これはロシア企業の側がオフショアに
本企業では、欧州の子会社がロシアビジネス
出て資金を調達する形だから、これのために
を管轄しているというパターンが少なくなく、 邦銀がロシアに銀行をつくる必要はない。
その場合には邦銀の欧州現法または支店に支
メガバンクがロシアに現法をつくろうとす
援を求めるのが普通であろう。そうした観点
るのは、もっぱら、進出日系企業とのホール
からすると、三井住友銀行の本体ではなく欧
セール・トレードを目的としたものである。
州子会社がロシアに事務所を構えたのも、納
そして、それはトヨタ、日産の現地生産と、
得の行く話ではある。
それに伴う進出企業の増大に触発されたとこ
それでは、近い将来、三井住友銀行がロシ
アに現地法人の銀行を設立する可能性はある
だろうか?
白井所長にお尋ねしたところ、
ろが大きい。
他方、今日のロシアでは外資系銀行がリテ
ール・バンキングで存在感を発揮しているケ
「当然、常に検討はしているが、今のところ
ースが少なくないものの(ライファイゼン、
具体的な計画はない」とのお答えであった。
シティバンクなど)
、日系メガバンクのビジネ
当方が「いつの日かロシアで3大メガバンク
スモデルで個人向け取引は想定されていない。
の揃い踏みを」と話を向けても、
「単純な横並
リテールに強みのあったみちのく銀行(モス
びは無意味。あくまでも、我々が事業をやっ
クワ)が、みずほコーポレート銀行に買収さ
て、利益が出るかどうかという問題」と、慎
れることになったのは、ある種象徴的と言え
重な姿勢を崩されなかった。
るかもしれない。
参考:本稿で紹介した邦銀のロシア拠点の住所・連絡先
— ユーラシア三菱東京UFJ銀行
ZAO Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ (Eurasia)
4 Romanov Pereulok, Moscow Tel:7-495-225-8999
— 三菱東京UFJ銀行駐在員事務所
Moscow Representative Office
4 Romanov Pereulok, Moscow Tel:7-495-797-4501
— みちのく銀行(モスクワ)
Michinoku Bank (Moscow)
37 Bolshaya Ordynka, Moscow
Tel:7-495-729-5888 [email protected]
— 欧州三井住友銀行駐在員事務所 Moscow Representative Office
305, Building 5, Ilyinka st., 3/8, Moscow Tel:7-495-789-3973
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