テレビ絵本の魅力と役割 - 就実大学・就実短期大学

就実教育実践研究 2010,第3巻
テレビ絵本の魅力と役割
古山典子,藤田知里(就実大学)
Role and Attraction of Picture Books Tied up with TV Programs
Noriko KOYAMA and Chisato FUJITA (Shujitsu University)
抄 録
本研究は,子どもや保護者における「テレビ絵本」の魅力と役割について明らかにする
ことを目的としている。アニメ,実写を問わず,テレビや映画とメディアミックスされた
テレビ絵本に対して,2008年に行ったパイロットリサーチでは,保護者は積極的に肯定し
ているとはいえなかった。その一方で,テレビ絵本に対する子どもの興味関心は大変高い。
本研究によって,子どもにとってテレビ絵本とは,情報を他者と共有しコミュニケー
ションを図るツールであり,憧れのヒーロー・ヒロインとしての目標であり,テレビ等の
メディアとの補完によって自ら選び一人でも楽しめる娯楽であり,言葉の習得を促したり
経験を広げ,本そのものに親しむ契機となるものであることが明らかになった。それゆえ
に,保護者にとってテレビ絵本は,子どもの自主性・社会性を育むものとしての貢献が期
待されるものと考えられた。
キーワード:絵本,テレビ絵本,役割,保育