徳島県グローバル戦略室日中関係の影響と「アニメ」の可能性２０１２年１１月最近の日中情勢の悪化により、中国で事業活動を行う日系企業からは、「新規取引の開拓が難しくなった。」、「一部企業からは入札への参加辞退を求められた。」との厳しい話も多く聞く。また、自動車や家電製品など、日本製品でなくても他国の製品で代用できるものの売り上げについては、非常に厳しい状況となっている。一連の騒動にあっても、最も穏やかだった上海市民さえも、車の買い換え・購入においては日系車の選択を躊躇する心理が働くようである。一方で、9 月末に徳島市で実施した商談会においては、県内企業 9 社の商品が、上海の貿易会社の取り扱い商品として採択され、これから中国で販売促進されることが決定したりもしている。今後とも、ジェトロ（日本貿易振興機構）などと連携し、情報の収集、発信に努め、本県企業の支援をしっかりと行っていきたい。また、交流面においても、日中国交正常化 40 周年という記念の年にも関わらず、数多くの交流事業が、延期や中止を余儀なくされている。在上海日本国総領事館によると、上海及びその周辺地域で訪日予定の中国人に発給した査証（ビザ）の件数は、本年 8 月までは、東日本大震災前年の 2010 年を上回る勢いであったが、9 月になって大きく落ち込んでいるという。こうした中、ここ一ヶ月の間に、複数の中国地方政府から、「アニメを通して、交流を取り戻すことはできないか」、「徳島で行っているマチアソビを（部分的にでも）中国でやることは可能か」という相談を受けた。改めて海外における日本のアニメの評価の高さを痛感するとともに、国境のない交流手段としての「アニメ」を通して、文化の交流や観光誘客さらには地域経済の発展に繋がるような取り組みができればと考えている。